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第六話『紘無の試合と、それから……』
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「スリーゲームマッチプレイボール」
審判をかってくれた男子部員の声で、試合が開始する。
あまり長丁場にならないよう考慮して、本来はセブンゲームマッチ(先に4ゲーム先取した方を勝ちとするルール)が一般的だが、今回はスリーゲームマッチ(2ゲーム先取した方の勝ちとするルール)で試合を展開することになった。
サービスサイドは荒川でレシーブサイドは紘無。
まず、ファーストサーブを打った荒川のサーブは、結構な威力が出ていてサービスラインのワイド側ギリギリに入り、サービスエースになってもおかしくない球だった。
けれど――
「っ……⁉」
優しく包み込むようにして、威力を一切殺した紘無のカットレシーブ。
ボールは白帯すれすれを超え、静かにコートに落ちる。それに反応することすらできなかった荒川は、引きずった形相になっていた。
「……ははっ、やっぱり尋常じゃないな」
周囲はたった一球打っただけで湧き上がり、けれど紘無は荒川に一瞥くれるだけでガットを直すと、再び構えをとる。
ここまで威力のあるサーブを打ってくることは正直驚きではあった。それでも、負けるつもりはない。
「0―1」
再びファーストサーブが入り、けれど今度はセンターラインに来たため、紘無はフォアハンドで左コート奥に打ち返した。
ボールはギリギリベースラインを超え、審判のアウト判定を受ける。
たった一度のミス。それだけならまだしも、二球目三球目と紘無の打った球は、コートに入ることなく全てベースラインのボール半個近く後ろに入った。
何か様子がおかしいように感じた桂木はコートに視線を向けたまま、木蓮に訊ねる。
「もしかして彼、どこか怪我してるの? それでテニスを辞めたってことじゃ……木蓮?」
「……え?」
少し険しい顔をしていた木蓮は、桂木の声でハッと我に帰る。
「どうしたのよ、そんなに険しい顔して」
「いえ、その……もしかしたら、テンションが合わなかったんじゃないかと思いまして」
テンション(ガットの張り)によって球の飛びは大きく変わる。緩くすれば弱い力でも遠くに運ぶことができるし、逆に張りを強くすれば飛びにくくなる。
本来紘無はテンションを中学の段階で既に35まで上げており、それに対して木蓮が紘無に貸したラケットは28で張っている。自分の好みでテンションを選ぶ人は結構いるのだろうけど、紘無の場合中学の時に一番打球感がよかったのが35だったので、少し不安を覚えて仕方ない。
「大丈夫だよ、れんれん」
「?」
「恐らく今の三球で、紘無は自分が使っていたラケットとれんれんのラケットのテンションの誤差を調整したはずだから」
確かに紘無ならそれぐらいの調整を可能とする。だが、そのせいで迷惑をかけてしまっていることに、木蓮は罪悪感を覚えてならない。それが無用であるとわかっていても。
「3―2」
今度はレシーブがベースラインギリギリに入り、返ってきた絶好球をネット近くまで詰めていた紘無がローボレーで決めた。
それを見て、ホッと胸を撫で下ろす。
次も紘無が1ポイント目と同じように威力を殺すカットレシーブで得点し、「3―3」のデュースに持ち込むと、そのまま2ポイント連取して1ゲーム目は紘無が奪取した。
「ゲームカウント1―0」
チェンジコートになり、2人は先ほどと反対のコートに立つと、今度は紘無のサーブから開始される。
まずファーストサーブは、久し振りだったせいかネットに引っかかり、フォルトとコールされた。続いて打ったセカンドサーブはサービスコートに入り、打ち合いが始まると、威力を抑えた繋ぎのストロークでゲームが展開される。
けれど、シングルスを得意とする紘無はストロークとカットレシーブを上手に使い分け、殆どワンサイドゲームになることが予想され。
まだゲームが始まってから10分と経ていないにもかかわらず、荒川は、はあはあっと、肩で息をするほど体力が消耗していた。
一方で、紘無はというと……
「……」
疲れた様子もなく、肩で息をすることもなければ、自分と同じ運動量をこなしているはずなのに、息すら上がっていない。
ガットの歪みを直し、サーブを打つ態勢に入っていた。
荒川が構えたところで、ポイントがコールされる。
「3―0」
次のポイントを取れば、紘無の勝ちが決まる。既に勝負は決した――と、誰もがそう思った。
けれど、次に審判がコールしたのは、ゲームセットの声ではなく、
「フォルト。ダブルフォルト」
信じられないという声が、コートの中にいる部員から上がり、テニスのルールを知っている者がコートの外にいるのか、何処からかコートの中と同じように声を上げる者もいた。
ただ単に、サーブ二回連続でミスしただけ。そのせいで1ポイント失う結果となったが、それでもまだ、紘無のマッチポイントであることに変わりはない。
けれど、喧騒の中にいる紘無は、少なからずこうなった原因に、自分がダブルフォルトを取られることになったその理由に、何よりも自分で気がついていた。
さっきまでは本当に何事も無かった。ファーストサーブを打つ、その瞬間までは。
じっくりと見ていなければ、気づかないほどの変化。
さっきまで一切無かった、嫌な汗が頰を伝い落ちてくる。
それでも外野の声が止むと試合は続けられた。
「3―1」
そのコールを聞いて、紘無は再びサーブを打つ。
けれど、またしてもサーブはサービスコートに入ることなく、二球ともネットにかかり、再びポイントを失った。
次第に何処からか聞こえる声は遠くなり、実際誰かに名前を呼ばれるまで、紘無が顔を上げることはなかった。
様子がおかしいと気づいたのは、紘無が最初にダブルフォルトをして、次にサーブを打とうとした時。
荒川を見ることなく、ポイントのコールがされて淡々とサーブを打ったその瞬間に、泉と木蓮の2人に戦慄が走った。
何かがおかしい……でも、一体、何が……?
ごく稀にではあるけど強風の中での試合の時なんかは、紘無でもダブルフォルトすることはあった。けれど今、微かに風が吹いているものの、強風と呼べるものではない。
そしてトスを上げる前に普通ならコートを見てある程度コースを狙うのに、コールがされてからサーブを打つまでの間一度もコートを見ることなく、そのままサーブを打った。
無意識に身についているはずのルーティーンに乱れが出て、流石に異常だと気づく。
『――⁉︎』
2人はハッと目を見開き、お互いへと視線を向ける。そして頷き合うと、泉はコートの審判台の近くまで行き、木蓮は隣に立つ桂木に声をかけた。
「あの……先輩っ!」
「ん? どうしたの?」
「こ、この試合、中止にして頂けませんか?」
「え……どうして? 確かに、中村くんが二回連続でダブルフォルトしたのは珍しいと思うけど……」
それでもこの試合を中止にするほど、それにいつも大人しい彼女がそんな必死な形相になるほど、特に問題が起こったようには思えない。それは桂木が特別な訳ではなく、この場にいる誰もが彼女と同じように思っていたことだろう。
そして「3―2」とポイントがコールされる前に、審判台の隣に立つ泉が大きな声で叫んだ。
「紘無!」
自分を呼ぶ声が聞こえるまで、フェンスを囲むようにいる生徒の声や審判の声が遠くに聞こえていた。けれど、気づいた時には名前が呼ばれ、審判から現在のポイントのコールもされない。
紘無は、自分の名前を呼んだ声のするほうに――顔を上げて審判台のほうを見た。
審判台の上に座る男子部員は、自分の横に立つ制服姿の人物と、紘無を見比べるように視線を往来させている。
「泉……お前、何して…………」
理由がわからないまま、紘無は審判台の横に立つ泉を見つめた。心配そうにこちらを見る形相。
木蓮ならまだしも、泉がそんな表情をするのは初めてのことで、その理由が彼にはわからない。
いや、理由がわかっていて、それでも平気であることを伝えるために、絞り出した答えだったのかもしれない。どうして中断させようとするのかわからないと、自分自身で誇示するように。自分は平気だと伝えるために。
「試合はここで、終わりにしよ? やっぱりこのまま試合を続けるのは……危険(・・)だと思うから」
いつの間にかネット側に寄っていた荒川も、それには同意だったようだ。
「俺もそうした方がいいと思う。……悪かったな、無理に付き合わせて」
それだけを言うと、荒川はネット側を離れ、ベースラインの方に行き、フェンスに群がる生徒たちに声を掛けた。
「今日の試合はここまでだ! 今からは普通の練習に戻るから、つまらないぞ!」
それが合図となり、仕方ないというようにフェンスに集まる生徒たちは各々散っていった。
そしてコートの中にいた紘無も、木蓮を見つけてラケットを借りたお礼を言うと、そのままコートを後にしていった。
審判をかってくれた男子部員の声で、試合が開始する。
あまり長丁場にならないよう考慮して、本来はセブンゲームマッチ(先に4ゲーム先取した方を勝ちとするルール)が一般的だが、今回はスリーゲームマッチ(2ゲーム先取した方の勝ちとするルール)で試合を展開することになった。
サービスサイドは荒川でレシーブサイドは紘無。
まず、ファーストサーブを打った荒川のサーブは、結構な威力が出ていてサービスラインのワイド側ギリギリに入り、サービスエースになってもおかしくない球だった。
けれど――
「っ……⁉」
優しく包み込むようにして、威力を一切殺した紘無のカットレシーブ。
ボールは白帯すれすれを超え、静かにコートに落ちる。それに反応することすらできなかった荒川は、引きずった形相になっていた。
「……ははっ、やっぱり尋常じゃないな」
周囲はたった一球打っただけで湧き上がり、けれど紘無は荒川に一瞥くれるだけでガットを直すと、再び構えをとる。
ここまで威力のあるサーブを打ってくることは正直驚きではあった。それでも、負けるつもりはない。
「0―1」
再びファーストサーブが入り、けれど今度はセンターラインに来たため、紘無はフォアハンドで左コート奥に打ち返した。
ボールはギリギリベースラインを超え、審判のアウト判定を受ける。
たった一度のミス。それだけならまだしも、二球目三球目と紘無の打った球は、コートに入ることなく全てベースラインのボール半個近く後ろに入った。
何か様子がおかしいように感じた桂木はコートに視線を向けたまま、木蓮に訊ねる。
「もしかして彼、どこか怪我してるの? それでテニスを辞めたってことじゃ……木蓮?」
「……え?」
少し険しい顔をしていた木蓮は、桂木の声でハッと我に帰る。
「どうしたのよ、そんなに険しい顔して」
「いえ、その……もしかしたら、テンションが合わなかったんじゃないかと思いまして」
テンション(ガットの張り)によって球の飛びは大きく変わる。緩くすれば弱い力でも遠くに運ぶことができるし、逆に張りを強くすれば飛びにくくなる。
本来紘無はテンションを中学の段階で既に35まで上げており、それに対して木蓮が紘無に貸したラケットは28で張っている。自分の好みでテンションを選ぶ人は結構いるのだろうけど、紘無の場合中学の時に一番打球感がよかったのが35だったので、少し不安を覚えて仕方ない。
「大丈夫だよ、れんれん」
「?」
「恐らく今の三球で、紘無は自分が使っていたラケットとれんれんのラケットのテンションの誤差を調整したはずだから」
確かに紘無ならそれぐらいの調整を可能とする。だが、そのせいで迷惑をかけてしまっていることに、木蓮は罪悪感を覚えてならない。それが無用であるとわかっていても。
「3―2」
今度はレシーブがベースラインギリギリに入り、返ってきた絶好球をネット近くまで詰めていた紘無がローボレーで決めた。
それを見て、ホッと胸を撫で下ろす。
次も紘無が1ポイント目と同じように威力を殺すカットレシーブで得点し、「3―3」のデュースに持ち込むと、そのまま2ポイント連取して1ゲーム目は紘無が奪取した。
「ゲームカウント1―0」
チェンジコートになり、2人は先ほどと反対のコートに立つと、今度は紘無のサーブから開始される。
まずファーストサーブは、久し振りだったせいかネットに引っかかり、フォルトとコールされた。続いて打ったセカンドサーブはサービスコートに入り、打ち合いが始まると、威力を抑えた繋ぎのストロークでゲームが展開される。
けれど、シングルスを得意とする紘無はストロークとカットレシーブを上手に使い分け、殆どワンサイドゲームになることが予想され。
まだゲームが始まってから10分と経ていないにもかかわらず、荒川は、はあはあっと、肩で息をするほど体力が消耗していた。
一方で、紘無はというと……
「……」
疲れた様子もなく、肩で息をすることもなければ、自分と同じ運動量をこなしているはずなのに、息すら上がっていない。
ガットの歪みを直し、サーブを打つ態勢に入っていた。
荒川が構えたところで、ポイントがコールされる。
「3―0」
次のポイントを取れば、紘無の勝ちが決まる。既に勝負は決した――と、誰もがそう思った。
けれど、次に審判がコールしたのは、ゲームセットの声ではなく、
「フォルト。ダブルフォルト」
信じられないという声が、コートの中にいる部員から上がり、テニスのルールを知っている者がコートの外にいるのか、何処からかコートの中と同じように声を上げる者もいた。
ただ単に、サーブ二回連続でミスしただけ。そのせいで1ポイント失う結果となったが、それでもまだ、紘無のマッチポイントであることに変わりはない。
けれど、喧騒の中にいる紘無は、少なからずこうなった原因に、自分がダブルフォルトを取られることになったその理由に、何よりも自分で気がついていた。
さっきまでは本当に何事も無かった。ファーストサーブを打つ、その瞬間までは。
じっくりと見ていなければ、気づかないほどの変化。
さっきまで一切無かった、嫌な汗が頰を伝い落ちてくる。
それでも外野の声が止むと試合は続けられた。
「3―1」
そのコールを聞いて、紘無は再びサーブを打つ。
けれど、またしてもサーブはサービスコートに入ることなく、二球ともネットにかかり、再びポイントを失った。
次第に何処からか聞こえる声は遠くなり、実際誰かに名前を呼ばれるまで、紘無が顔を上げることはなかった。
様子がおかしいと気づいたのは、紘無が最初にダブルフォルトをして、次にサーブを打とうとした時。
荒川を見ることなく、ポイントのコールがされて淡々とサーブを打ったその瞬間に、泉と木蓮の2人に戦慄が走った。
何かがおかしい……でも、一体、何が……?
ごく稀にではあるけど強風の中での試合の時なんかは、紘無でもダブルフォルトすることはあった。けれど今、微かに風が吹いているものの、強風と呼べるものではない。
そしてトスを上げる前に普通ならコートを見てある程度コースを狙うのに、コールがされてからサーブを打つまでの間一度もコートを見ることなく、そのままサーブを打った。
無意識に身についているはずのルーティーンに乱れが出て、流石に異常だと気づく。
『――⁉︎』
2人はハッと目を見開き、お互いへと視線を向ける。そして頷き合うと、泉はコートの審判台の近くまで行き、木蓮は隣に立つ桂木に声をかけた。
「あの……先輩っ!」
「ん? どうしたの?」
「こ、この試合、中止にして頂けませんか?」
「え……どうして? 確かに、中村くんが二回連続でダブルフォルトしたのは珍しいと思うけど……」
それでもこの試合を中止にするほど、それにいつも大人しい彼女がそんな必死な形相になるほど、特に問題が起こったようには思えない。それは桂木が特別な訳ではなく、この場にいる誰もが彼女と同じように思っていたことだろう。
そして「3―2」とポイントがコールされる前に、審判台の隣に立つ泉が大きな声で叫んだ。
「紘無!」
自分を呼ぶ声が聞こえるまで、フェンスを囲むようにいる生徒の声や審判の声が遠くに聞こえていた。けれど、気づいた時には名前が呼ばれ、審判から現在のポイントのコールもされない。
紘無は、自分の名前を呼んだ声のするほうに――顔を上げて審判台のほうを見た。
審判台の上に座る男子部員は、自分の横に立つ制服姿の人物と、紘無を見比べるように視線を往来させている。
「泉……お前、何して…………」
理由がわからないまま、紘無は審判台の横に立つ泉を見つめた。心配そうにこちらを見る形相。
木蓮ならまだしも、泉がそんな表情をするのは初めてのことで、その理由が彼にはわからない。
いや、理由がわかっていて、それでも平気であることを伝えるために、絞り出した答えだったのかもしれない。どうして中断させようとするのかわからないと、自分自身で誇示するように。自分は平気だと伝えるために。
「試合はここで、終わりにしよ? やっぱりこのまま試合を続けるのは……危険(・・)だと思うから」
いつの間にかネット側に寄っていた荒川も、それには同意だったようだ。
「俺もそうした方がいいと思う。……悪かったな、無理に付き合わせて」
それだけを言うと、荒川はネット側を離れ、ベースラインの方に行き、フェンスに群がる生徒たちに声を掛けた。
「今日の試合はここまでだ! 今からは普通の練習に戻るから、つまらないぞ!」
それが合図となり、仕方ないというようにフェンスに集まる生徒たちは各々散っていった。
そしてコートの中にいた紘無も、木蓮を見つけてラケットを借りたお礼を言うと、そのままコートを後にしていった。
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