【本編完結】政略結婚から逃げたいのに旦那様から逃げられません

七夜かなた

文字の大きさ
152 / 266
第十一章

6【*】

しおりを挟む
「確かに私怨や好奇心で見せて貰えるものではない」

やっぱりそうなんだ。ちょっと気になるからとかで簡単に他人の懐具合を調べられては大変だ。

「だが、方法がないわけではない」
「まさか、侯爵権限とか、もしくは陛下や殿下にお願いしたら何とかなる……みたいなところですか?」

「いくら侯爵でもそんな力はない。国王陛下も様々な権力をお持ちだが、陛下や殿下の命令だからという理由でなんでも好き勝手できるものでもない。そんなことになれば暴君を生み出してしまう。陛下が立案したり下知を下されることはあるが、あまりに偏った内容にはきちんと長老会や司法が意見する。国王陛下も彼らの意見を無視して政策を推し進めることはできない」
「それではどうやって」
「方法はふたつある。ひとつは子爵に罪を犯させて、罪人として資産を調べる方法。ただし、罪を捏造することは逆にこちらが罪に問われる。しかし彼は叩けば埃の出てくる男だ。捏造しなくても周囲を洗えば彼に損をさせられたりして恨みを抱く者もいるだろう。そんな人物を探して訴えさせる。そうすればたとえ短期間しか勾留されなくても十分に調べることはできる」
「わかりました……それでもう一つは?」

「あなただ。あなたが子爵家の娘として引き継ぐ遺産の内容に不満ありと財務局に申し立てる。法律で爵位は女性に行くことはないが、金銭などの物質的な遺産については爵位を継ぐ長子や息子よりは少ないとは言え、一定額もらえる権利はある」
「それはつまり、もっと貰える筈だからどれ程資産があるか開示しろと申し出るわけですね」
「そうだ。こちらは書類を提出するだけでいい。もし、その結果必要な金額を貰えていないとなれば、今度はあなたが子爵に対して支払いを要求することができる」
「できる…それはしてもしなくても、どちらでもいい。ということですか」

私がそう言うと、彼は目を大きく見開いた。

「そういうことだ。ただ、これは貰えるものは貰いたいという気持ちで動く人が殆どだから、申し出だけで金品を受け取らない人はいない」

確かにそうだ。一ダルでも多く貰えるならその方がいい。

「欲しいのは真実です。お金はいりません」
「わかっている。たとえ望んでも今の彼に払えるかどうかわからない。彼の資金の出どころだった奥方の実家の方の商売も最近では翳りが出ているそうだ」

夜会で私に声をかけ、私と二人きりになるため彼女を追い払った時の彼の口振りを思い出す。
彼女のことは好きになれなさそうだが、それでもあんな風に怒鳴る必要はない。

「最初の案は、誰か宛てがあるのですか?」
「まあ、ないこともない。どうせなら両方の案ではどうだろう。先に申し立てをして、後に訴えさせる。あなたが子爵からのお金を望まないなら」
「私は今の状態で十分です。カディルフ伯爵家の屋敷と土地までいただいて……欲しかった以上のものがここにはあります」

彼の手と膝に手を当てて、背中を彼に預ける。
物だけではない。それ以上にこうやって抱き締めてくれる人がいることが嬉しい。私の気持ちが伝わったのか、お腹に回った彼の手が更に私を引き寄せた。

「私があなたに与えられるものは何でも与えよう。だからあなたも私が欲しいものをくれないか」

ワントーン低くなった彼の声が耳の側で聞こえ、ぞくぞくとした興奮が体を走り抜けた。

「……私には……あなたに与えられるものは何も……あなたは何もかもお持ちでしょう?今さら何を求めますか?」

胡座をかいた彼の膝の上に座っているので、彼の下半身が固くなったのがわかる。お腹にあった手もひとつは胸に、ひとつは夜着の裾から太ももへ、さらにその上に辿り着く。

「ん……」

乳房を覆い、指が先端の敏感な部分に触れると、思わず声が漏れた。

「ああん……」

下着の中に彼の手が差し込まれ入り口に長い指が差し込まれると、喘ぎ声とともに腰が浮いてもっと深くと彼の指を誘い込む。

「すごい……指が引きちぎられそうだ」

くりくりと立ち上がった乳首を薄い生地の上から弄られる度に下が収縮して、彼の指をぎゅっと締め付ける。

「や……言わないで……」

低い声で耳のすぐ側で囁かれると、息が耳にかかって興奮で肌が粟立つのがわかった。

「もっと足を開いて」

考えられなくなり言われた通りにすると、指が増やされた。もう私の気持ちよくなるところを知りつつある彼の指が中で蠢いて奥の方からじわじわと溢れてくる。それが彼の指をさらに滑らかにさせ、出たり入ったりする度に水音がする。

「ルイス…ルイスレン……」
きたいならっていい」

彼の親指が秘芽を軽く弾いて、その瞬間、私は軽くってしまった。

「ああ……ん」

「まるでリュートのように美しい音色だ」

弦楽器を奏でるように弾いて私が喘いだのを彼が楽器に例える。

「そんな……いいものでは……」

上がった息の中からそう言う。

「どんな芸術家もあなたのその姿を完璧には再現できない、どんな音楽家もあなたの声に敵う音を紡ぎ出すことはできない。あなたの肌以上に滑らかな生地はこの世のどこにもない」

「そんな……」
「そして、どんな高級な菓子も、あなたの味わいには負ける」

指を濡らす私の愛液を口に含み、ちゅぱちゅぱと音を立てて舐める。

「あなたの作るものは何もかも素晴らしい」

しおりを挟む
感想 139

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...