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12 踊り子ミリィ
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ようやく人通りの多い所に出て、私はようやくさっきから手を引っ張っていた女性のことを見た。
走ったせいではあはあいいながら、体を折り曲げて息をしている。俯いているので燃えるような赤毛しか見えない。
「ごめん!早かった?無理させたかな?」
気遣って訊ねると、彼女は息苦しさに声が出せない代わりにピラピラと左手を降って答えた。
「わた…わたしの方…こそ…」
「はあっ」
今度は体を反対に反らし、空を仰ぎみてから彼女は私の方を向き直った。
「改めて、助けてくれてありがとう!私はミリィ。本当はミリアムって言うんだけど、みんなミリィって呼ぶわ。踊り子なの」
キラキラした緑の瞳を向けて、彼女は右手を出して握手を求めた。
「ローリィ…」
名前を言いかけて、言葉を詰まらせた。
彼女の右頬がひどく腫れ上がっていた。よく見れば右手首も腫れている。
「それ、どう」
「ああ、これ?さっきのやつらにやられたの」
どうしたといいかけて、ミリィが答えた。
私より小柄の、多分世間一般の女性の平均身長の彼女は、右頬を押さえていまいましげに吐き捨てるように言った。
「僕がもっと早くに行ってたら…」
腫れ上がった右頬は二、三日はひかないだろう。踊り子とも言っていたし。
「やだ、えっと、ローリィ?あなたのせいじゃないわ。気にしないで。あなた助けてくれたじゃない。あなたが通りかかってくれなかったら手や足の一本や二本折られてたかも」
「そう言ってもらえるとありがたい」
にっこり笑うとミリィはちょっと赤くなって、まじまじと私の顔を見た。
「ねえ、ローリィ、お礼がしたいんだけど、時間ある?」
「いや、えと別にお礼なんて…」
ウィリアムさんの住まいに今日行くとは特に伝えているわけではないが、訪問が引き伸ばしになると確実に宿代が嵩む。
「是非、このままあなたと別れたら、私が他の皆から怒られるわ。それに、あなたさっき道に迷ったって言ってたじゃない?行きたいところがあるなら、私が案内してあげるわよ」
ネッとウインクして私の左腕にミリィか絡み付き、強引に勧誘する。
彼女の熱心さに負け、私は頚を縦に振るしかなかった。
女性には弱いんだよねぇ。
走ったせいではあはあいいながら、体を折り曲げて息をしている。俯いているので燃えるような赤毛しか見えない。
「ごめん!早かった?無理させたかな?」
気遣って訊ねると、彼女は息苦しさに声が出せない代わりにピラピラと左手を降って答えた。
「わた…わたしの方…こそ…」
「はあっ」
今度は体を反対に反らし、空を仰ぎみてから彼女は私の方を向き直った。
「改めて、助けてくれてありがとう!私はミリィ。本当はミリアムって言うんだけど、みんなミリィって呼ぶわ。踊り子なの」
キラキラした緑の瞳を向けて、彼女は右手を出して握手を求めた。
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名前を言いかけて、言葉を詰まらせた。
彼女の右頬がひどく腫れ上がっていた。よく見れば右手首も腫れている。
「それ、どう」
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どうしたといいかけて、ミリィが答えた。
私より小柄の、多分世間一般の女性の平均身長の彼女は、右頬を押さえていまいましげに吐き捨てるように言った。
「僕がもっと早くに行ってたら…」
腫れ上がった右頬は二、三日はひかないだろう。踊り子とも言っていたし。
「やだ、えっと、ローリィ?あなたのせいじゃないわ。気にしないで。あなた助けてくれたじゃない。あなたが通りかかってくれなかったら手や足の一本や二本折られてたかも」
「そう言ってもらえるとありがたい」
にっこり笑うとミリィはちょっと赤くなって、まじまじと私の顔を見た。
「ねえ、ローリィ、お礼がしたいんだけど、時間ある?」
「いや、えと別にお礼なんて…」
ウィリアムさんの住まいに今日行くとは特に伝えているわけではないが、訪問が引き伸ばしになると確実に宿代が嵩む。
「是非、このままあなたと別れたら、私が他の皆から怒られるわ。それに、あなたさっき道に迷ったって言ってたじゃない?行きたいところがあるなら、私が案内してあげるわよ」
ネッとウインクして私の左腕にミリィか絡み付き、強引に勧誘する。
彼女の熱心さに負け、私は頚を縦に振るしかなかった。
女性には弱いんだよねぇ。
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