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プロローグ
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先の見えない長く続く回廊を一人の女が走っていた。
女の体は傷だらけで、今にも倒れそうだが、女は歯を食いしばり痛みを堪える。右手には一振りの剣が握られている。女は剣を強く握りしめる。
走り続ける女の前方に大きな扉が見えてきた。
「・・・ここね。」
ようやく目的の部屋の前に辿り着き、女は目を閉じ一呼吸入れる。そして目を開け扉に向かって、
「・・・私は来たわ。」と告げる。
すると女の言葉に反応するかのように、ゴゴゴと扉が開いた。
女は意を決し、その部屋に一歩足を踏み入れた。
そこは、青々とした緑の樹木が生い茂る森の中を思わせる場所だ。しばらく歩き続けると、どこからか音楽・・・旋律が聞こえてきた。
その旋律を聞くやいなや女は必死でその旋律の聴こえる方向に向かって走り出した。しばらく走り続けると小高い丘の場所に出た。
そこに一人の男がいた。男のそばには巨大なパイプオルガンがあり、男がそのパイプオルガンを奏でている。それは壮麗な音色ではあるがどこか哀しさを思わせる旋律でもある。
すると男は演奏を止めて、女の方に顔を向ける。
「・・・やあ、よくここまで来たね。覚えているだろう。もうなくなちゃったけど、僕と君が初めて出会った場所さ。あの時、どこからか聞こえてきた歌に導かれるように、走ったらそこに素晴らしい歌を歌っていた君がいた。まぁ、あの時とはちょっと逆だけどね。」
男のおちゃらけた言葉に耳を貸すこともなく女は男の方に一歩足を踏み出す。
「・・・まだ、やり直せるわ。もう一度・・・。」女は男に手を差し出す。
だが、男はフッと笑うと首を横に振った。
「無駄さ。君も知ったはずだ。・・・ヒトは何度も過ちを繰り返す愚かな生き物だとね。だからもう全て終わりにしよう。」
男の冷淡とした言葉に女は、
「・・・それが、貴方の答え。なら、私はみんなの・・・世界のためにも貴方を。」
これ以上の説得は無駄だと悟り、女は覚悟を決めた。
「・・・残念だよ。僕は君を心から愛していたのに。」
次の瞬間、周りの景色が崩れ去り、無機質な空間へと変わった。
「・・・私も出会った時から、貴方を愛していたのに。一体どうしてこんなことになってしまったのかしら・・・。」
「・・・じゃあいくよ。」
男の背中から金属で出来た翼が生えてきて、同時に顔と手足も変化し始め、男は人ならざる異形の存在に変化した。その姿は邪悪な魔王を魔王を思わせる。
対して女はその異形に臆することなく、言葉を発する。
「・・・大いなる星神アストレアよ。我との盟約の元、今こそその力を我に与えよ。」
女の周りに光の粒子が集まり、女の体を包み込む。すると、女の身体中の傷を癒やしていく。やがて、粒子は光輝く鎧に変わる。さらに、背中から虹色に輝く翼が生えてきた。その姿は凛々しき聖女を思わせる。
そして、二人の・・聖女と魔王の激闘が始まった。
女の体は傷だらけで、今にも倒れそうだが、女は歯を食いしばり痛みを堪える。右手には一振りの剣が握られている。女は剣を強く握りしめる。
走り続ける女の前方に大きな扉が見えてきた。
「・・・ここね。」
ようやく目的の部屋の前に辿り着き、女は目を閉じ一呼吸入れる。そして目を開け扉に向かって、
「・・・私は来たわ。」と告げる。
すると女の言葉に反応するかのように、ゴゴゴと扉が開いた。
女は意を決し、その部屋に一歩足を踏み入れた。
そこは、青々とした緑の樹木が生い茂る森の中を思わせる場所だ。しばらく歩き続けると、どこからか音楽・・・旋律が聞こえてきた。
その旋律を聞くやいなや女は必死でその旋律の聴こえる方向に向かって走り出した。しばらく走り続けると小高い丘の場所に出た。
そこに一人の男がいた。男のそばには巨大なパイプオルガンがあり、男がそのパイプオルガンを奏でている。それは壮麗な音色ではあるがどこか哀しさを思わせる旋律でもある。
すると男は演奏を止めて、女の方に顔を向ける。
「・・・やあ、よくここまで来たね。覚えているだろう。もうなくなちゃったけど、僕と君が初めて出会った場所さ。あの時、どこからか聞こえてきた歌に導かれるように、走ったらそこに素晴らしい歌を歌っていた君がいた。まぁ、あの時とはちょっと逆だけどね。」
男のおちゃらけた言葉に耳を貸すこともなく女は男の方に一歩足を踏み出す。
「・・・まだ、やり直せるわ。もう一度・・・。」女は男に手を差し出す。
だが、男はフッと笑うと首を横に振った。
「無駄さ。君も知ったはずだ。・・・ヒトは何度も過ちを繰り返す愚かな生き物だとね。だからもう全て終わりにしよう。」
男の冷淡とした言葉に女は、
「・・・それが、貴方の答え。なら、私はみんなの・・・世界のためにも貴方を。」
これ以上の説得は無駄だと悟り、女は覚悟を決めた。
「・・・残念だよ。僕は君を心から愛していたのに。」
次の瞬間、周りの景色が崩れ去り、無機質な空間へと変わった。
「・・・私も出会った時から、貴方を愛していたのに。一体どうしてこんなことになってしまったのかしら・・・。」
「・・・じゃあいくよ。」
男の背中から金属で出来た翼が生えてきて、同時に顔と手足も変化し始め、男は人ならざる異形の存在に変化した。その姿は邪悪な魔王を魔王を思わせる。
対して女はその異形に臆することなく、言葉を発する。
「・・・大いなる星神アストレアよ。我との盟約の元、今こそその力を我に与えよ。」
女の周りに光の粒子が集まり、女の体を包み込む。すると、女の身体中の傷を癒やしていく。やがて、粒子は光輝く鎧に変わる。さらに、背中から虹色に輝く翼が生えてきた。その姿は凛々しき聖女を思わせる。
そして、二人の・・聖女と魔王の激闘が始まった。
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