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episode.3
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2度目の保障は… あっさりと。
私も土曜出勤して、持ち帰りの仕事してたから余裕がありませんで。
昨夜はスモールトークを。
「朝早いの?」「前と同じで」
親子っぽい…
さて。母はお洗濯でも始めますか。
彼は先週と同じように私を起こした。
目覚めよく洗面所にやって来て、
チラッ…と。
彼のTシャツやら靴下が目に入りました。
片隅に潜んでおります。
どうやら置き忘れのようですが…
「フンッ(ポイッ)」
一緒に洗ってやる!
チラチラッ。
カミソリに硬そうな歯ブラシ…
石鹸はここ!オイルはこっち!
ウチにはなかった男物が目に触りつつ、
いつもの定位置に移動された物を戻す。
洗面台の前で間違い探しをして正した。
彼の私物は端っこに置いてと。
ふぃ~… よしっ。
次はキッチンで、、、
行き場のない弁当袋と缶が放置プレイ。
「フンッ!フンッ!(ポイポイッ)」
荒い鼻息で彼の残した後片付けをしていると、何時ぞやと同じ感覚を思い出してしまった。
あ~フラッシュバック…
初めての男の顔が浮かび上がる。
若かりし二十歳の黒歴史。
アイツ、サイテーだったな。
これ…
一周回って同じパターン、ってやつじゃないよね?
ちょっと永井さんに疑心暗鬼。
「ん?…ホイミ?」
冷蔵庫のボードに回復の呪文が書いてある。永井さんの字だ。
はて? 冷蔵庫を開けて見る。
「わ!新発売のプリンだぁ♪
…これ、私に?」
お、おおっ!?
回復した~。スゴイ呪文の効果。
冷蔵室の真ん中手前に、ちょこんと待機していた彼からの置き土産に、颯爽とモヤモヤが吹き飛ぶ。
昨夜はちょっと仕事に没頭してて、彼に無関心だった。
玄関を開けて、シャワー勝手にどうぞって。
おとなしくロフトに居るなと思ったけれど、私の邪魔をしないようにして、気にかけてくれたのかな?
私は魔法のかかったプリンを手にして、思いやりと新たな発見を得る。
塩顔で塩対応の永井さんは、
どうやら、ツンだけじゃなくて…
ときどき、甘い。
☆
「おっ、ビビった」
「お風呂お帰り~」
「シャワーあざした」
「一緒、呑む?」
3度目にして、もう馴染んでる。
そして私は素を開《ひら》け過ぎ。
彼の入浴中に、酒盛り♪始めました。
テーブルにいつものセットを並べて、ベットに背もたれながらダラッと息抜きする。
休日は入浴後にこのスタイルで宅飲みしないと、ストレス発散できない。
ここが私の寛げる定位置なのだ。
リビングに入ってくるとちょうど真向かいなので、彼は私の姿を見てひるんだのだろう。
正方形テーブルの私から右手に彼は座った。ロフトのハシゴに近い壁側。朝食を共にした時も審査の時もそこに座ってた。
彼にハイボールを渡し、乾杯!!
「この前、プリンありがとう。
美味しく頂きました~」
「こちらこそ、どーも」
「永井さんはどちらに通ってるの?
仕事?副業?お教室とか?」
「それは、秘密で…」
「あー、はいはい。聞きません」
しーっ、のポーズは止めておいた。
「誰だって知られたくない事の一つや二つ
あるっしょ…」
「ですね、そうです」
この関係の始まりも、そこからですしね。
美容パック中の私にツッコまない年非相応な物腰も、だいぶ説得力あるよ。
アルコールの水分蒸発に肌が耐えられない歳なのでね。
パックで潤しながらじゃないと飲めないの。
晒さないとゆう永井さんの証言も、信じ切っての酒盛りだからね。
「本題は、明日天気悪そうですよって…」
スマホを手にした時、ちょうど電話がきた。
母だ。
出ていいですか? どうぞ。
「はい。何ね?」
「アンタ、お尻だいじょぶけ?」
「バリバリじゃ」
「よか」
独特な方便の私らの会話。
母は故郷で一人暮らしだ。
「農協のテルコさんの娘さんが、、、」
たまに近況を報告してくるのだが…
結局は私へプレッシャーをかけたいのだ。
今回も孫自慢にあっての当て付け。
「あーはいはい。わかっとぉ…」
「もうアンタほんま限界やで。消費期限、
ギリギリ!」
「(プチッ)…っ!」
―――あんたのせいで、
結婚できなかったんやろが!!
突然の入院に手術。
私以外に誰が看病できたの!?
同時期、彼にも海外赴任の辞令が出て…
同棲2年目のプロポーズを断った。
男運悪い私の、唯一の最高な恋人だった。
吐くほど悩んで、別れたの。
荒い鼻息を、瞼を閉じて鎮める。
決してくちにしてはいけない…
墓場まで持ってくって決めたから。
結婚より命の方が大事。当たり前じゃない?
「…もう切るよ。人と居るから。またね」
長い長いため息をついた。
「失礼しました」
「やっぱ、ウザいもんです?」
「そーね。
母が未婚で私を産んだから、
分身みたいに思ってるのね。優しい子って
漢字で、ゆうこって言うんだけど」
「?」
「娘に自分の候補だった名前付けたのよ。
裕福な子って」
「??」
「おかしいよね~」
「ヤバくない?親子でゆうこなの?」
「え?」
私、ひろこ。 あ~ね。
彼は私の名前を勘違いしていたらしい。
「輝人って名前は、
お母さんが付けたのかな?」
「何でわかるんスか?」
「可愛らしいと思って。きっと色白なのも、
お母さん似でしょう?」
「…ゆり。白い花の百合って名前」
「ふーん。綺麗なお母さんじゃない?」
私の問いに、はい。とそっぽを向いて小さく答えた。
彼がお母さんを好きな気持ちがよくわかる。
いつも塩っぺー振る舞いしてくるくせに、お母さんの事は恥ずかしさも隠しきれないなんてさ。
可愛がられて育ったんだろうなぁ。
今どき、こんな素直な子いないよ?
彼を知れば知るほど、私が浄化されるようだ。
「はいはい。落ち着いて」
ほろ酔いになって勢い余った私をすかさず制する永井さん。
おっと。ヒートアップするところだった。
「ふーっ。即日退居して、
部屋の荷物ごと捨ててやりました」
「カッコよ」
その後が大変だった…
キャッシュローンして新居構えて、
返済に明け暮れた20代前半。
保険のセールスレディから、
叩き上げで正社員になった。
「一生涯保障!保障は裏切りません!
て口車に乗せて契約積んで。
人生まで保障される訳じゃないのに。
バチが当たったのかな?
女としては詰みましたね~」
「保険は大事だよ。
救われた人だっているでしょ?」
じ~ん…
この子、仏様なの!?
グビグビ~
今夜の酒は特別旨い!
「永井さんは結婚とか興味ない派?」
「今のところ」
「それなりに経歴あるでしょ?」
「まぁ。言い寄られるんで、
気が向けば相手にしますけど。
結局つまらないとかで離れてきますね」
「うわ~、上から目線…(引く)」
そーゆーとこよ。
ツンな男って判定されちゃう。
ふぁ~。
大きなアクビをして目をコショコショする永井さん。
洗いたての前髪がメガネにかかって、擦る度に両方ゆらゆらと。眠気に襲われた仕草はまるで少年のようだ。
ほら!可愛い所もあるのに。
え?
このギャップにヤられるのかしら?
母性に似た感情がふいに湧き上がる。
「ごめんね、長話につき合わせて。
早く寝て」
「はい。あざす」
テーブルから立とうとする彼に、挨拶変わりの小言を送る。
歯磨きちて寝なちゃい。
何でバブ語?
おやすみw
私、このお母さんごっこも…
心地良いと思い始めてる。
どうしたら笑われないで済むか?
とか、
どっちが得か?
そんな事ばかり気にしているよりも…
さり気なく出てくる思いやりを施せる方が、なんだかよっぽど後味が良い。
麗やかな夜を越して翌日、
思い掛けず早々に母役を務める事となった。
「だぁー、ビショビショじゃない!?」
「傘の意味ねーんだもん」
玄関で出迎えた彼は濡れ放題。
ちょっと待って×2。
タオルを取りに行ってポイッと渡す。
「そのままお風呂行って。
着替えある?ロフト置いてあるの?
持ってきとくから!」
「あざーす」
悪天候で電車が止まり、急遽もう1泊したいとの申し入れ。
甲斐甲斐しく世話を焼き、濡れた服を洗って乾燥かけて。
靴もドライヤーして。
正しくこれぞお母さん!やりきって、
翌朝送り出したのだった。
まさか、
これが波乱の原因になるとは露知らず…
ピンチはすぐやって来るのです。
私も土曜出勤して、持ち帰りの仕事してたから余裕がありませんで。
昨夜はスモールトークを。
「朝早いの?」「前と同じで」
親子っぽい…
さて。母はお洗濯でも始めますか。
彼は先週と同じように私を起こした。
目覚めよく洗面所にやって来て、
チラッ…と。
彼のTシャツやら靴下が目に入りました。
片隅に潜んでおります。
どうやら置き忘れのようですが…
「フンッ(ポイッ)」
一緒に洗ってやる!
チラチラッ。
カミソリに硬そうな歯ブラシ…
石鹸はここ!オイルはこっち!
ウチにはなかった男物が目に触りつつ、
いつもの定位置に移動された物を戻す。
洗面台の前で間違い探しをして正した。
彼の私物は端っこに置いてと。
ふぃ~… よしっ。
次はキッチンで、、、
行き場のない弁当袋と缶が放置プレイ。
「フンッ!フンッ!(ポイポイッ)」
荒い鼻息で彼の残した後片付けをしていると、何時ぞやと同じ感覚を思い出してしまった。
あ~フラッシュバック…
初めての男の顔が浮かび上がる。
若かりし二十歳の黒歴史。
アイツ、サイテーだったな。
これ…
一周回って同じパターン、ってやつじゃないよね?
ちょっと永井さんに疑心暗鬼。
「ん?…ホイミ?」
冷蔵庫のボードに回復の呪文が書いてある。永井さんの字だ。
はて? 冷蔵庫を開けて見る。
「わ!新発売のプリンだぁ♪
…これ、私に?」
お、おおっ!?
回復した~。スゴイ呪文の効果。
冷蔵室の真ん中手前に、ちょこんと待機していた彼からの置き土産に、颯爽とモヤモヤが吹き飛ぶ。
昨夜はちょっと仕事に没頭してて、彼に無関心だった。
玄関を開けて、シャワー勝手にどうぞって。
おとなしくロフトに居るなと思ったけれど、私の邪魔をしないようにして、気にかけてくれたのかな?
私は魔法のかかったプリンを手にして、思いやりと新たな発見を得る。
塩顔で塩対応の永井さんは、
どうやら、ツンだけじゃなくて…
ときどき、甘い。
☆
「おっ、ビビった」
「お風呂お帰り~」
「シャワーあざした」
「一緒、呑む?」
3度目にして、もう馴染んでる。
そして私は素を開《ひら》け過ぎ。
彼の入浴中に、酒盛り♪始めました。
テーブルにいつものセットを並べて、ベットに背もたれながらダラッと息抜きする。
休日は入浴後にこのスタイルで宅飲みしないと、ストレス発散できない。
ここが私の寛げる定位置なのだ。
リビングに入ってくるとちょうど真向かいなので、彼は私の姿を見てひるんだのだろう。
正方形テーブルの私から右手に彼は座った。ロフトのハシゴに近い壁側。朝食を共にした時も審査の時もそこに座ってた。
彼にハイボールを渡し、乾杯!!
「この前、プリンありがとう。
美味しく頂きました~」
「こちらこそ、どーも」
「永井さんはどちらに通ってるの?
仕事?副業?お教室とか?」
「それは、秘密で…」
「あー、はいはい。聞きません」
しーっ、のポーズは止めておいた。
「誰だって知られたくない事の一つや二つ
あるっしょ…」
「ですね、そうです」
この関係の始まりも、そこからですしね。
美容パック中の私にツッコまない年非相応な物腰も、だいぶ説得力あるよ。
アルコールの水分蒸発に肌が耐えられない歳なのでね。
パックで潤しながらじゃないと飲めないの。
晒さないとゆう永井さんの証言も、信じ切っての酒盛りだからね。
「本題は、明日天気悪そうですよって…」
スマホを手にした時、ちょうど電話がきた。
母だ。
出ていいですか? どうぞ。
「はい。何ね?」
「アンタ、お尻だいじょぶけ?」
「バリバリじゃ」
「よか」
独特な方便の私らの会話。
母は故郷で一人暮らしだ。
「農協のテルコさんの娘さんが、、、」
たまに近況を報告してくるのだが…
結局は私へプレッシャーをかけたいのだ。
今回も孫自慢にあっての当て付け。
「あーはいはい。わかっとぉ…」
「もうアンタほんま限界やで。消費期限、
ギリギリ!」
「(プチッ)…っ!」
―――あんたのせいで、
結婚できなかったんやろが!!
突然の入院に手術。
私以外に誰が看病できたの!?
同時期、彼にも海外赴任の辞令が出て…
同棲2年目のプロポーズを断った。
男運悪い私の、唯一の最高な恋人だった。
吐くほど悩んで、別れたの。
荒い鼻息を、瞼を閉じて鎮める。
決してくちにしてはいけない…
墓場まで持ってくって決めたから。
結婚より命の方が大事。当たり前じゃない?
「…もう切るよ。人と居るから。またね」
長い長いため息をついた。
「失礼しました」
「やっぱ、ウザいもんです?」
「そーね。
母が未婚で私を産んだから、
分身みたいに思ってるのね。優しい子って
漢字で、ゆうこって言うんだけど」
「?」
「娘に自分の候補だった名前付けたのよ。
裕福な子って」
「??」
「おかしいよね~」
「ヤバくない?親子でゆうこなの?」
「え?」
私、ひろこ。 あ~ね。
彼は私の名前を勘違いしていたらしい。
「輝人って名前は、
お母さんが付けたのかな?」
「何でわかるんスか?」
「可愛らしいと思って。きっと色白なのも、
お母さん似でしょう?」
「…ゆり。白い花の百合って名前」
「ふーん。綺麗なお母さんじゃない?」
私の問いに、はい。とそっぽを向いて小さく答えた。
彼がお母さんを好きな気持ちがよくわかる。
いつも塩っぺー振る舞いしてくるくせに、お母さんの事は恥ずかしさも隠しきれないなんてさ。
可愛がられて育ったんだろうなぁ。
今どき、こんな素直な子いないよ?
彼を知れば知るほど、私が浄化されるようだ。
「はいはい。落ち着いて」
ほろ酔いになって勢い余った私をすかさず制する永井さん。
おっと。ヒートアップするところだった。
「ふーっ。即日退居して、
部屋の荷物ごと捨ててやりました」
「カッコよ」
その後が大変だった…
キャッシュローンして新居構えて、
返済に明け暮れた20代前半。
保険のセールスレディから、
叩き上げで正社員になった。
「一生涯保障!保障は裏切りません!
て口車に乗せて契約積んで。
人生まで保障される訳じゃないのに。
バチが当たったのかな?
女としては詰みましたね~」
「保険は大事だよ。
救われた人だっているでしょ?」
じ~ん…
この子、仏様なの!?
グビグビ~
今夜の酒は特別旨い!
「永井さんは結婚とか興味ない派?」
「今のところ」
「それなりに経歴あるでしょ?」
「まぁ。言い寄られるんで、
気が向けば相手にしますけど。
結局つまらないとかで離れてきますね」
「うわ~、上から目線…(引く)」
そーゆーとこよ。
ツンな男って判定されちゃう。
ふぁ~。
大きなアクビをして目をコショコショする永井さん。
洗いたての前髪がメガネにかかって、擦る度に両方ゆらゆらと。眠気に襲われた仕草はまるで少年のようだ。
ほら!可愛い所もあるのに。
え?
このギャップにヤられるのかしら?
母性に似た感情がふいに湧き上がる。
「ごめんね、長話につき合わせて。
早く寝て」
「はい。あざす」
テーブルから立とうとする彼に、挨拶変わりの小言を送る。
歯磨きちて寝なちゃい。
何でバブ語?
おやすみw
私、このお母さんごっこも…
心地良いと思い始めてる。
どうしたら笑われないで済むか?
とか、
どっちが得か?
そんな事ばかり気にしているよりも…
さり気なく出てくる思いやりを施せる方が、なんだかよっぽど後味が良い。
麗やかな夜を越して翌日、
思い掛けず早々に母役を務める事となった。
「だぁー、ビショビショじゃない!?」
「傘の意味ねーんだもん」
玄関で出迎えた彼は濡れ放題。
ちょっと待って×2。
タオルを取りに行ってポイッと渡す。
「そのままお風呂行って。
着替えある?ロフト置いてあるの?
持ってきとくから!」
「あざーす」
悪天候で電車が止まり、急遽もう1泊したいとの申し入れ。
甲斐甲斐しく世話を焼き、濡れた服を洗って乾燥かけて。
靴もドライヤーして。
正しくこれぞお母さん!やりきって、
翌朝送り出したのだった。
まさか、
これが波乱の原因になるとは露知らず…
ピンチはすぐやって来るのです。
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