この恋、保障できますか?

美也

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episode.12

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新年明けまして早々、世界1周強行弾丸ツアー級の身心的ダメージを受けたもんで。

回復に時間がかかりました、
アラフォーの裕子ひろこです。

あれからかれこれ1か月程、
一切の甘塩断ちをしているわけですが…

今日はそうもいきませんで。
部長達お気に入りの会食の集いです。

永井君も、来るでしょう?
どんな顔を見せるのが正解なのか…
どの言葉を選べばいいのか…

脳ミソがオーバーフロー((+_+)) 
小心者で臆病なのは、簡単には直せないよう。

なので、営業スマイルマスクを被って…
店の前でスノーさんの到着を待った。

「どーもぉ!関さんお久しぶりですっ」

タクシーから下りてきた営業部長さんが、まだ財布もしまい途中で足早に挨拶を。

「本年も大変お世話になります~」

反射的に挨拶を返しながら頭を下げて、部長さんの背後をチラッと確認。

…あら?
部長さんお一人で?
そ、そうなんだ。

ホッとしたような、ガッカリなような?

モヤモヤと心の中に煙が籠もり始めつつ、
スノーさんの部長を上司の元へお通しする。

変なチカラが抜けたとゆうか…
もしかして、
避けられてる?

えー、ショック。
でもなぁ、
こんなバアを喰ってしまったとか…

プライドがね?
当然だよね?
御情けだったんだから。
でも、私も付きまとうつもりはないし!
大人の対応くらいできるのよ!?

盛り上がっている部長達を横目に、
一人脳内会議がヒートアップ。

新たな発注も決まりまして早々と終了。
いつものコースで、
この後の方がお楽しみだろう。

タクシーに乗り込む部長さんに、むせそうな煙を吐き出さずにはいられなかった。

「今日は、永井さんは、
 お連れじゃないんですね?」

「ええ。あ、うっかり!
 お伝えしてなかった。
 永井は、退職したんです」

「…え?」

「次回から代わりの担当が伺います
 (ペコペコ)」

顔を赤らめ恐縮しながら部長さんがタクシーに納まると、ドアが閉まり発車して行ってしまった。

元気にお見送りなんて、できなかった。
ぼーっともういないタクシーの抜け殻を見つめてた。

ここで永井君に注意した事もあったっけ…
ちゃんと挨拶しなよって。
いつも私の隣で無愛想にしてた彼を思い出して、毎回そこに居てくれた彼の残像が…今も現れる。

あの子、何してるの!?
何処行ったの!?

まさか会社辞めてるなんて思いもしなかった。
また、何かあったのかしら!?

一気に心配が溢れてくる。

考えないようにしてたのに。
彼のことは過去に閉じ込めておきたいと。

でも、駄目なんだ。

永井君が…
嬉しい置き土産を残して行くから。

なかなか心の底に沈まないの。
記憶の奥にしまえない。

ボードのメッセージも消せないし、
受け止めた彼の熱は冷めてくれない。

ポツン…

この場から離れる気になれなかった。
いつも隣に居たからね… 

決意をしたはずなのに。
彼のこれからの幸せを、一番に願った。

私みたいに、つまずいてばかりいないで。
素敵な人を見つけて、
結婚して子供ができて……

永井君ができなかった普通の、
普通の親子の日常を手にしてね―――。

そう、思って。
私は彼を、
最後の男にして人生を送ろうと、
決めたんだ。

決めたことなのに、
どうして未だに泣きたくなるんだろうね… 

急に接点まで無くなったら、
こんな寂しくなるもんなんだね… 

そういやぁ、
ダメな男の経験は後で笑い飛ばせるけど、
イイ男ほど後の副反応が強めだったなぁ。

「はぁ~(がっくり)。
 …いかん、いかん。シワが増える
 (シャキッ)」

ここからの帰り道も、電車もしんどいな…

この恋の免疫ができるには、
もう少し時間が必要なのかもしれない。



「♪もしいつか何処かで会えたら⤵ … 」

鼻歌も絶不調。
洗濯物もパリッと干せませんし、
裕子もピンッとできません。

毎度の休日の洗濯もやたらと億劫だった。
ベランダの柵にもたれ掛かって、
干物のようにうなだれた。

「干乾びる… あ、電話。もしもし?」

「裕子、暇してんでしょ?遊び来ないの?」

「ん~動きたくない~」

気のない返事に貴子たかこが、
いい加減にしなさいよぉ!と声を荒げる。

「もう3月だよ?卒業シーズンなの。
 あんたも早くお別れの儀式しなよ!
 どうせ、枯れた花でも歌って
 傷心プレイ決め込んでんでしょ!?
 あんたの歌じゃないからね」

「貴子さ~ん。デットボールでーす。
 お手柔らかに願います」

わかってる。
自分でもこんなに長引くとは思ってもなくて。

ここを出ようか?
でもこの部屋は… 出たくない!

最近はそんな事ばかりで、
沼にはまって自力で抜け出せない。

「早く支度して来て!
 航大こうだいが焼肉食べたいって」

「くっそぉ、タカリ親子め。はいはい、
 私は航大のスポンサーで… 
 ん?……えっ!?
 ごめんっ、かけ直す!」

ふと目を向けた視線の先に、見覚えのある人影を捕らえて。脳裏によぎったそれをすぐ確かめたかった。

駅の方から歩いてくる…
あのメガネは… (←言い方)

嘘っ!? 何で!? 


「(チラッ)!」

「(ドキッ)!?」

マンションの下で立ち止まり、ベランダを見上げた視線が私に届く。

「なっ、ちょっ、どうしたの!?」

柵から身を乗り出し下に向けて声をかける。

永井君だ… 
永井君がいる!!

その顔は無愛想を通り越して、
もはや仏頂面で私を見上げてる。

次の瞬間、
私の頭にキラキラ音が鳴り響いた。

―――――!!

彼が……両手を広げたのだ。
私に向けて。

“ おいで ” のポーズをしている。

何それ… 
私、今度こそ…
その胸に飛び込んでいいの?

「んっ!(ツーン)」

痺れを切らしたように彼が、おいでを強調する。

「…無理っ。ここから飛んだら死ぬから!」

躊躇う私を、
彼は強引な殺し文句で骨抜きにする―――。

「…… 来いっ! 裕子!!」

「(ぎゅるるる~んっ)!!」

呼び捨てっ!?

一回抱いたら “ 俺の女 ” 気取りなの!?
そんなの、そんなの…

「…ツンデレ~!!(ダッ)」

「…何でIKK○??」(←雑な被せ)

もう嬉しさが振り切れて、
ベランダから家の中をすとっ飛び。
勢いよく外へ。

何なの!?
いっつも唐突なのよ!

放ったらかしのくせに、
いきなり甘いのぶっ込んでくるんだから!

急いで階段を下りてマンション前の道路に出た。
居る… ちゃんとそこに、永井君が居る!

「はぁっ、はぁ… 永井君!
 (ダダダダ…ッ)」

「……(ガシッ)!!」

「(ぎゅぅぅっ)!!」

私は彼の所へ真っすぐ走って飛び込んだ。
首元に両腕を回して強くしがみつく。

ピッタリと彼にくっついて、これでもかと自分の体を押し付けて、夢じゃないって確かめる。

この胸板も、私を包む腕も、手のひらも…
本物だ。
本物の永井君だ!

「…連絡くんないし(ボソッ)」

また、拗ねてる。

「…ごめん」

「…スキって書いたのに」

私の肩に彼はおでこを押し付ける。
そして、強く抱きしめるのだ。

私にだけ甘えて、いつも私のせいにする。

「ごめんね」

私が悪いと思わせて、謝らせて…
心を侵略していくの。

私はもう… 彼のツンアマ中毒なのだ。

あぁ、この髪の感触が恋しかった。
彼の匂いが愛しくてたまらなかった。

本当はこの恋を…手放したくなかったの。

彼の体温が私の肌に溶け込んで心まで浸透する度に、もっともっと、って。
今までの反動でぎゅうぎゅう抱きついて。

苦しいのも、泣きたいくらい幸せに思えた。
幸せすぎて胸がはち切れそうだった。



ドサッ、ドサッ…

「はぁっ、
 だから3階って修行だって。
 ふぅ… 何で裸足で下りてくんの?
 どうせ鍵も閉めてないんでしょ?」

私をおんぶして階段を上る、彼の愚痴。

「うふふっ…」

「何がおかしいの?…はぁ、重っ。
 エンディングまできて、
 ふりだしってどうゆうことだよ?」

「(ぎゅぅぅっ)」

「ぐはっ、苦しいっ」

永井君の愚痴を聞けば聞くほど、
嬉しくなっちゃう。

彼らしくて、それさえも愛おしいのだ。

幸せすぎて、
最高なハッピーエンドで…
私、バチが当たらないかしら?

・・・お疲れの永井君をお茶でもてなし。

あぁ、そこ!
そこに座っててくれるだけで、
なんて癒やしなんでしょう!

テーブルについてお茶を飲む彼の姿に悶絶。
私の左側にいる彼に、この上ない満足感。

プラズマイオン発生してるっ。
陰気こもってた部屋が浄化されてるわっ。

そのムスッとした顔に、
どうしてこんな幸せを感じるのかしら?


「…そろそろツッコんでいい?」

「はい?」

「コイツ、とうとう拝まれるレベルに
 昇格したんだね…」

ニヤける私とは打って変わって、永井君はいつもの塩っ気たっぷり満タン。
テーブル上の魔除けの牛を、彼はじーっと見ながら言う。

「俺の代わりなの?
 黒メガネかけてさ。
 ケンタのサンダーみたいにしないで
 くれる?」

「いや、あの、思い出?」

「ホワイトボード立てかけて…
 羊羹まで供えてさ…
 俺、死んだみたいじゃん」

相当呆れ返っているご様子。
た、確かに。
思入れのある物を集めて、ひとりの寂しさを紛らわしてた。

「悪い意味じゃなくて、ね?
 分身とゆうか…」

未練タラタラなのがバレバレだわ。
いつ何時も永井君の前では格好つかないの。恥ずかしい…

「ねぇ、裕子さん。俺のこと、スキ?」

「(ドキーッ)!?」

…自信、たっぷりに、私を見つめる。

いつも私の心を見透かしてる、くせに。

どうして聞くの?
何でわざと聞くの?

隠せない自分が、恥ずかしいのに!

「…スキ。…大スキ」

カァ~ッ、と顔が火照ってしまう。
告白なんて、もうずっとしてないし。
あんな熱烈に抱き合った後で、本心を隠し通せるわけもない。

こんないい歳して若い男にスキなんてっ。
顔から火が出そうなくらい、
恥ずかしい!

「知ってる。俺もスキ。
 …わかってるでしょ?」

「(コクコクコクッ)」

「ふっ…(ガシッ→→→ちゅっ)」

「(ビクッ)!?」

な、なななっ!?
でこちゅーされましたけど!?

え?
待って! 

これ… 
初めてじゃ、ない。

前髪がくすっぐったいのに温かな感触。
デコピンお願いした時も、夢の中でも…

「永井君…何回目なの!?前も…」

「はい、コレあげる」

「ん?」

トサッ
彼がテーブルにそっと1枚の紙を置く。
正解だよ…そんな風な強気で清々しい顔で、私の質問を強引に遮りそれを差し出した。

カサッ カサッ
ゆっくりと貰った紙を広げて… 

これ…
私知ってるやつ。 
これは…

「…婚姻届、くれるの? …私に?」

名前、書いてあるよ。
永井君の。

いいの?
私が、貰っていいの?

信じ難いシチュエーションに、
ポロポロと涙が溢れ出して止まらない。

滲む視界の中で、彼は何度も頷いた。

「俺の答えだから」

「うぅ…こんな事して。私がサラッと
 書いて役所に提出したらどうするの?
 ホントに夫婦になっちゃうよ?
 こんな年増のオバさん、
 負債にしかならないよ?」

「…ホントそれな」

「でしょう?」

「超ムカつく(ツーン)」

「へ?」

怒ってる?
…凄い怒ってない?

この流れで怒り出す彼の真意がわからず、滝の涙も引っ込んだ。

何で?
この人、
さっき私にチューかました人だよね?

これ、プロポーズじゃ、ないの??

「最後の男にしようとした?
 壊れてもいい、なんて。
 好きにさせて黙って行かせたでしょ?」

「うっ(グサッ)」

「俺が若いから自分は相応しくないとか。
 御情けで抱いて貰ったとか。
 イイ女気取りで、
 余生過ごすつもりだった?」

「ううっ(グサグサッ)」

容赦ないんだよ… 
安定の塩っぷり。

「俺を必要としないのかって…
 段々腹立ってきて。
 ムカついたから婚姻届持ってきた」

「え?
 えー、ムカついてのプロポーズなの?」

睨みつけるように、私をじっと見つめる。
なんだか胸がチクチクと痛い。

「俺の支えだったし、俺も支えたいって。
 普通の恋愛感情で抱いたし、
 俺らの将来も考えてるのに…
 裕子さんはあかしとか保障がないと、
 信用できないんだろ?」

「そんなこと無ぃ…
 でもっ、結婚?は別問題ってゆうか…」

彼の眼圧もあって、しどろもどろ…

「婚姻届よく見て。
 俺、地元帰ったから。
 4月から町役場で働くの」

「え!? あ、ホントだ…」

そうだ、退職して何処に行ったの?って。

地元って… 北陸!?
しかも町役場!?

都内の総合職から、田舎の町役場!?
結婚するとしたら…
私が彼の…

え? あれ??

「俺だって足らない事はあるし、
 安心できる生活したいよ。
 裕子さんは、俺の人生…
 ――― 保障してくれんの?」

「私が、保障を…?」

「ずっと俺のそばに居るって誓える?
 仕事も家も、俺のために手放せる?」

あっ・・・
――――― 怖い。

一瞬、そう感じてしまった。

彼を手放したくなかったら、
私の大事な物をふるい落とさなきゃ。
あれもこれも掴んでいられない。

でも、身ひとつで私… やってける?

それこそ彼の重荷にしかならないんじゃない?

私の躊躇を、彼は見逃さなかった。

「はぁっ…」

「(ハッ)!」

彼は小さなため息をつき、肩を落とす。

ガッカリさせた!
私が答えを出せなかったから。

永井君はこの恋の答えを、
はるばる届けに来てくれたのに…

自分じぶん保障ほしょうが欲しいくせに、
 もとめられたら逃げごしになる。
 おれ全部ぜんぶあかしたよ。よくかんがえて!
 ダラダラしてたらとしは増えるし。
 しあわせになれるかどうかは、
 いつも裕子ひろこさん次第しだいだよ。じゃあね。
 ちゃんと戸締まりしなよ」(←100語)

「(ダダダダ…K.O.うっ)!!」

100連打のダメ出し…

食らって身動き取れず、私が呆然とする間に永井君は行ってしまった。

ただ彼の言葉に打ちひしがれて、私は立ち上がることが出来なかった。ここが、この場に座って過ごして来た事が、長年私の癒しだったから……

離れて彼を追いかけることが出来なかった。

まじまじと彼のくれた婚姻届を見つめて、
自分の不甲斐無さに落ち込む。

説教まみれのプロポーズってある?
それとも、お別れの儀式だった?

私、前も、これ貰って…
同じ事してるじゃない?

何、やってるの…?

ループしてふりだしに戻って。
またずっと、眺め続けるの?
お守りにして?

私…
永井君が望む事を叶えてあげられるのかな…

この恋を、
ハッピーエンドにできるの?かな…

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