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ガチャガチャ、バタン
「裕子~?居るの~?」
「どこだぁ?焼肉連れてけ~」
玄関が騒がしい。
どうやら私の救助部隊が到着したようだ。
昨日の事件により脳内スパークした私は、
ポンコツ故にスタミナ0になってしまった。
「居た~。ちょっ、裕子!
ガサガサのクマだらけじゃない!?」
「やべ~。ボロ雑巾じゃん」
「・・・・・」
いつもの場所に着席したままの私に、
二人が近寄ってくる。
私は説明しようと地蔵のままで念仏のように唱えた。
「あ?何か言ってる…
んん?あぁ…(コクコク)」
航大が私の口元に耳を傾け、頷きながら丁寧にリスニングをする。
「…スーパーミラクルレボリューション…
からの…
マッハゴーゴードロップアウト…
(ゴニョゴニョ)」
「あ~、たぶん、急転直下って感じ?」
「いや、怖っ!何で航大わかったの?
完全に意味不だよ?」
なんでだろ?直感??
裕子と以心伝心なの?
私のそばで親子がわちゃわちゃと。私を放ったらかして。
「 ...(ぶつぶつ)」
「あ?まだ何か言ってる。なんだって?」
「……呪いの書が…パンドラの箱から…」
再度聴き取りをすると航大がキョロキョロして、テーブル上の紙を広げる。
「あー、どれどれ?…これか!
・・・なぁこれ、
結婚する時に書くやつじゃねーの?」
「どれ!? うおっ!
あ~、はいはい、察した…」
貴子が婚姻届を見て悟ってくれたようだ。
そして…
ガサゴソ、キュッキュッガチッと。
「裕子、飲んで!」
「(ゴクゴク…)」
「いい?飲んだわね。
いくわよ。裕子、ファイト~?」
「………いっぱあぁーつ!! ヽ(`Д´)ノ 」
「復活したわ」
「スッゲ!まほうのせいすいじゃん」
「似たようなもんね。
昭和生まれは擦り込みで気合い入るのよ」
(←貴子さんの勝手な解釈)
あ"~ファイト注入されたわ。
首をコキコキ、肩をグルグルして目を覚ます。
「緊急出動ご苦労。
助かったわ。状況確認してもらえた?」
「だいたい?この返事に煮詰まったのね?」
婚姻届をペラペラさせる貴子。
「嬉しかったの!嬉しかったんだけど、
永井君に俺の人生保障してくれる?
って言われて… 私、自信なくて。
もう告白しただけでテンパっちゃってさ、
その先はノープランだったからぁ。
まさかプロポーズあるとは
思ってないじゃん!?
それも丸投げだからね!?
説教まみれでね!!しかも田舎帰ってて、
私何もかも捨てて行けるかって!?」
「復活したらしたで、うっせーわ」
航大は呆れてスマホをイジり始める。
クソガキは、放っておいて。
「まぁ若い時なら行けたね。
この歳じゃあ…」
「でしょう!?
仕事も辞めたら勿体無い気するし、
知らない町でちんぷんかんぷんだし」
「ホント女って、
いくつになってもワガママだな」
女の会話に割り込んでくる、
生意気な13歳。
「ガキのくせに、
随分知ったようなクチ聞くわね?」
「俺の彼女もそんなんだし。
何で電話くんないの~?
どうして他の子と仲良くするの~?って。
自己中なんだよ。
お前だって既読スルーすっし、
アイドルにキャーキャー言ってんだろ、
って話。姫様かよ?
こっちだって王子様じゃねーし」
意外と理屈の通った事を言うじゃあないの…
「じ、自分の彼女なんだから可愛いでしょ?
優しくしたげなさいよ」
「ほうら!そうやってすぐ、
女は女のかた持つんだよ。
なんで男が尽くさなきゃいけない
前提なの?男女平等って何?」
「それはっ!建前なの!
結局、女は男にチカラで勝てないし、
仕事も稼ぐのも男が有利なのよ。
女の方が制限も期限も…
とにかく色々あるのっ!」
「都合のイイ時だけ、女って強調すんだ!
(イライラ)」
「うっ… てか、航大。反抗期?
声もだいぶ前と違うような…?」
「成長期!声変わりしたんだよ。
気付けバカ…」
「まぁまぁ…二人共。お腹減ってるからね」
貴子がタイミング良く仲裁。
「可愛かったこ~んなちっさい子供も、
(エアちっさい子撫で撫で)
だんだん男になってくのね…
私はまた年老いて…シワシワになって。
あ"あ、資格も取っておけば良かったし、
無駄遣いしないで、
貯金もしとくべきだった!
そしたら迷わず行けたかもぉ…」
「(イラッ)…ひろこ!」
「ん?(ビクッ)!?」
航大に顎クイされる私。
とゆうより、ほっぺのわし掴みされて。
なんで!?
「ゴチャゴチャ言ってねーで、
好きなら突っ走れ!
本気だから告白もプロポーズも
テンパるんだよっ。
男も女も、若いも年寄りも関係ねーの!
わかった!?」
「…ふぁい」
すっごい眉間にシワ寄せて怒ってる。
よく見れば髭もちょこちょこ生えて、男の階段上り始めてたのね。
「幸せになれよ…俺の初恋の女なんだから」
最後に恥じらって、手を離す。
「こ、航大…」
なんてこった…
まさかのニ回り、
24歳差恋愛リアルにかましてた…
可愛いすぎてチューとかめっちゃしてたし。
ファーストキスも奪ったわ…
ごめん、犯罪じゃん。私、逮捕。
ちょっと航大!男前じゃない!?母さん嬉しいっ!
俺だってもう男なの!皮むけたんだよ!
そーなの!?やっだぁ、本物じゃん!
超痛かった…(T_T)
私が後悔と反省を噛みしめる横で、
親子が脱皮の会話で盛り上がっている。
私… 男運ツイてる、よね?
こんなにカッコ可愛くて、
私の幸せ願ってくれる男、ずっとそばにいたのね。
それに…
私は幸せになれるよ、って。
自分のちからで幸せになれる、って。
“ スキ ” って言ってくれた男が、
私を必要としてくれているのに…
私は何を怖気づいているんだろう?
こんなにイイ男達に出逢えて…
私の人生、負け越してなんかない!
ここで一発逆転ホームランしたのよ!?
だって、最高にモテてるっ。
しかも、若い男ばかりに。
私… 持ってる女だわ!!
「…フゥンゴォーッ(いけるっ)!!!」
「「!?!?」」
「何だ?ひろこが噴火した」
「たぶん、決心ついたのよ」
永井君の言ったとおり…
ダラダラしてる時間はないわ!
この恋は、
自分のちからで、ハッピーエンドにするの!
「肉よ!肉を食らうわ!力をつけるのよ!」
元気があれば何でもできる!
ッシャア"ー!!
「イェ~イ!焼肉だ~」
「やったわ。報酬よ」
(ヒソヒソ…)
あれ、ひろこさぁ、
何で赤いの巻いて、顎シャクレてんの?
あれは闘魂入ってんの。
炎のファイターになってるのよ。
いざ、この恋の最終ラウンドへ!
☆
「♪ヒュルリ~ヒュルリララ~。
…私、似合ってる。
すこぶる溶け込んでる気がする。
昭和の女には、
日本海の港町がしっくりくるわ!」
4月。
やって来ました!
ついにここまで、いろいろ越えてきました!
裕子です。
海を眺めながら風に吹かれ、ひとり余韻に浸っております。
「潮風が意外とあるわね。
メドューサみたいになってないかしら?」
油断すると容姿が妖怪チックに。
乱れ髪を直していると…
「あ?何やってんの?」
「(ハッ)!?」
聞き覚えのある声が。
振り返れば…
愛しのマイダーリン!!
「… 輝人~! (*´∀`*) 」
「…呼び捨て?いきなり?
相変わらず、ぶっ飛んでんな」
裏手の町役場の方から近づいてくる。
作業服みたいの着て、公務員っぽい。
相変わらず、無愛想なんだから。
「…来ちゃった♪(てへっ)」
「(ツーン)…馬鹿っぽい。
で、遊びに来たの?」
安定のツンツンね。
でも、それも、恋しかった…
塩不足でしたよ。
「―――会社も、家も、手放して来たの」
真面目な話をしに来ました。
急に真剣モード。
「は?もう!?」
…やっぱりな。
私は驚く永井君に疑いの目。
「…永井君。あの日、
私にカマかけに来たんでしょう?
私が臆病だから。
婚姻届で保証と安心させて、
私がじっくり折り合いつけれるように?」
「(ギクッ)…っ」
「また我慢したでしょう?
私が踏ん切りつくまで、何年でも待って…
私を受け入れるつもりだった?
(グイグイ)」
「(ギクギクッ)…なっ、顔圧が強い」
「もうバレてるもんね~。年増ナメんなし」
「超ムカつく…」
「私のこと、超~好きでしょ?
本当は甘えたがりのくせにっ。
大人ぶって格好つけてさっ」
「くっそ…
何でこんな女、惚れてんだろなっ」
はぁっ。
イラッとため息を吐き捨てた。
ムスッとした顔も健在で安心したわ。
「ごめんね」
「あ?…ごめん、て何?」
「ごめん。こんな年増で、
何も優良なもの持ち合わせて無くて。
ほんとに不良債権で…」
「…それ、俺には買い時、なんだけどね」
…こんな私をお買得って?
塩っ気たっぷりに言うくせに、
遠回しに私の価値を過大してくれるんだ。
私より私を大事にしてくれる。
やっぱり永井君はツンアマだ。
そして私は、
甘塩っぱいのが、
止められない止まらない!
「私の方が先に死んじゃうと思うけど、
それまで永井君のそばにいたい。
例え死んでも夢枕にたって、
背後霊になって、いつもそばにいる!
永井君の生涯を守ってあげたい!
この気持ちは誓って保障します!」
「(ドキッ)!?」
「つきましては!」
突っ走るのよ、ヒロコ!!
永井君が好きだから!!
「役場の空きスペースをリースし、
保険代理店 “ 保険のひろこ ” を明日から
開業!永井君の仕事中もそばで頑張るし、
安定した収入を目指します!それから、
私の恋路をSNSで暴露したら、
予想外に反響で…
25万人のフォロワーができました!
この恋を応援してくれているので、
勇気を出して自分を売込みたいと
思います!どうか私を、
永井君のお嫁にしてくださいっ」
“(>_<)” もう泣きそう。
全部言った…
言い切った。
「―――ぷはっw
ほんとヤベェな。いっつも斜め上から
ぶっ込みかけるよね?www」
へ…?
一世一代のプロポーズに、ウケてる!?
凄く緊張してお腹きゅーって、オナラ出そうだったのに。急にガス抜け。
吹き出しながら、スマホ見せてって。
ぷ~っくす、堪えながら確認してる。
え?ツボってるの?
それはそれで、笑顔が可愛いからいいんだけどね。
なんか、予想とだいぶ違う…
「これが、スノーさんに作成してもらった
代理店のサイトで…」
「うん。いいね。分かり易い…
保険のひろこw」
「え?バカにされてる?まあぁょぃ…
でこれがアカウントの…」
「…ぷっw
37歳のラブファイターって。
センスwww」
「やっぱ、バカにしてるよね!?
これでも… ん?んん?」
永井君の胸元にあるネームプレートが目に入りまして…
え?
「未来開発… 本部長… 永井輝人。
(ポカン)っ部長なの!?」
「そうだけど?」
「その若さで部長!?」
「うん。町に企業誘致したり、
医療と教育機関増設して、
人と経済まわす指揮とるの」
えー…っと。
ペーぺーの役職じゃないのかぁ…
へぇ…。
ビックリだよ!?
「あぁ、ついでに報告しとく…」
自分のスマホを取り出し、私に画面を見せる。
「俺もフォロワー40万人いんの」
「は!?(ガン見)
…kirarist投資家。
洒落てんな… って投資家!?」
「うん。
今んとこ資産が… 3億超かな?」
「(ゴッホオッ)!?
さ、さ、さ、3億!?」
治療費目的で始めて、
苦戦続きだったんだけど。
裕子さんの発言とか、
ふざけてんの見てたら、
肩の力抜けて運用できてさ。
私が息も絶え絶えに驚いているのに、
しれっと言ってのける。
貧乏じゃなくて、資金投入してたんだ。
あ。
勝ち誇った顔してたのは…
億の金掴んでたからかぁ、、、怖っ。
なんか…私、身の程知らずな気がしてきた。
「裕子さんの1番の優良物件は、
俺だと思うよ?」
自信たっぷりに言う。
このぉ、余裕だな。
いつだって、
そのメガネの奥の、彼の瞳は…
私を真っすぐ見つめる。
恥ずかしい、
不思議とその気持ちは湧かなかった。
きっと、私はもう、自信があるのだ!
彼にとても愛されている。
この恋は、ハッピーエンドだ!
「(じぃーっ)…」
「何で顎シャクレてんの?
あぁ、返事しないとか。
一生涯保障、契約成立ってことで」
「え?また契約!?
永井君さぁ、ほんとカッチリ型にはめるの
好きってゆうか…
一応プロポーズなのに(ゴニョゴニョ)」
夢見る歳じゃないしね、わかってますよ。
ロマンチックなんて贅沢だってね。
でもさぁ、もうちょい特別感とかさぁ。
「何?不満そうだね」
「(ぶっすぅ)…別に」
「指輪とか無いし。
じゃあ、指切りでもしとく?」
イタズラっ子みたいに小指を差し出す。
ズルいな。
私の前ではすっかり甘えん坊の子供だ。
それも…
私にとって、可愛くて仕方ない。
彼の小指にがっちり小指を絡めた。
「(ぎゅっ)ふふ」
ま、いいか。
私達らしくて。
「指切りげんまん♪嘘ついたら…」
楽しそうだな、おい。
エンディングだから可愛さ100倍返しか?
「何にすっか?お約束だろ…?」
「いや、お約束って」
「あ!
魔除けの牛、純金にしてあーげる。
指き…」
「(ぎゅぎゅぎゅっ)ちょっと待って!
それじゃあ、
お高い手切れ金みたいじゃん!
3億あったら簡単にできる…!?」
焦る私とは裏腹に、不敵な笑みを浮かべる。
「(ぎゅうーん)チュッ」
「ん!?」
指切った、はしないで…
引き寄せてキス、かましてきやがった。
ほんっとに、いっつも唐突なんだから!
最初から彼にまんまと操られてる。
私を惑わせて…
隙をついて… 心を奪ってく。
「裕子さんスキ。…大スキ。
知ってるでしょ?」
「うん。私も大スキ… んっ」
…甘い。
とにかく、甘い。
これ、糖分摂り過ぎ…
倒れちゃいそう。
「ヤベ、止まんね」
「…(クスッ)♪」
うっかり漏らす熱い吐息。
どうやら彼も、私とゆう女がクセになってしまったようだ。
さて、明日は甘味日和か塩三昧か。
甘塩っぱい私達の人生は、
これからも続いてく―――。
「この恋、保障できますか?」
*END*
「裕子~?居るの~?」
「どこだぁ?焼肉連れてけ~」
玄関が騒がしい。
どうやら私の救助部隊が到着したようだ。
昨日の事件により脳内スパークした私は、
ポンコツ故にスタミナ0になってしまった。
「居た~。ちょっ、裕子!
ガサガサのクマだらけじゃない!?」
「やべ~。ボロ雑巾じゃん」
「・・・・・」
いつもの場所に着席したままの私に、
二人が近寄ってくる。
私は説明しようと地蔵のままで念仏のように唱えた。
「あ?何か言ってる…
んん?あぁ…(コクコク)」
航大が私の口元に耳を傾け、頷きながら丁寧にリスニングをする。
「…スーパーミラクルレボリューション…
からの…
マッハゴーゴードロップアウト…
(ゴニョゴニョ)」
「あ~、たぶん、急転直下って感じ?」
「いや、怖っ!何で航大わかったの?
完全に意味不だよ?」
なんでだろ?直感??
裕子と以心伝心なの?
私のそばで親子がわちゃわちゃと。私を放ったらかして。
「 ...(ぶつぶつ)」
「あ?まだ何か言ってる。なんだって?」
「……呪いの書が…パンドラの箱から…」
再度聴き取りをすると航大がキョロキョロして、テーブル上の紙を広げる。
「あー、どれどれ?…これか!
・・・なぁこれ、
結婚する時に書くやつじゃねーの?」
「どれ!? うおっ!
あ~、はいはい、察した…」
貴子が婚姻届を見て悟ってくれたようだ。
そして…
ガサゴソ、キュッキュッガチッと。
「裕子、飲んで!」
「(ゴクゴク…)」
「いい?飲んだわね。
いくわよ。裕子、ファイト~?」
「………いっぱあぁーつ!! ヽ(`Д´)ノ 」
「復活したわ」
「スッゲ!まほうのせいすいじゃん」
「似たようなもんね。
昭和生まれは擦り込みで気合い入るのよ」
(←貴子さんの勝手な解釈)
あ"~ファイト注入されたわ。
首をコキコキ、肩をグルグルして目を覚ます。
「緊急出動ご苦労。
助かったわ。状況確認してもらえた?」
「だいたい?この返事に煮詰まったのね?」
婚姻届をペラペラさせる貴子。
「嬉しかったの!嬉しかったんだけど、
永井君に俺の人生保障してくれる?
って言われて… 私、自信なくて。
もう告白しただけでテンパっちゃってさ、
その先はノープランだったからぁ。
まさかプロポーズあるとは
思ってないじゃん!?
それも丸投げだからね!?
説教まみれでね!!しかも田舎帰ってて、
私何もかも捨てて行けるかって!?」
「復活したらしたで、うっせーわ」
航大は呆れてスマホをイジり始める。
クソガキは、放っておいて。
「まぁ若い時なら行けたね。
この歳じゃあ…」
「でしょう!?
仕事も辞めたら勿体無い気するし、
知らない町でちんぷんかんぷんだし」
「ホント女って、
いくつになってもワガママだな」
女の会話に割り込んでくる、
生意気な13歳。
「ガキのくせに、
随分知ったようなクチ聞くわね?」
「俺の彼女もそんなんだし。
何で電話くんないの~?
どうして他の子と仲良くするの~?って。
自己中なんだよ。
お前だって既読スルーすっし、
アイドルにキャーキャー言ってんだろ、
って話。姫様かよ?
こっちだって王子様じゃねーし」
意外と理屈の通った事を言うじゃあないの…
「じ、自分の彼女なんだから可愛いでしょ?
優しくしたげなさいよ」
「ほうら!そうやってすぐ、
女は女のかた持つんだよ。
なんで男が尽くさなきゃいけない
前提なの?男女平等って何?」
「それはっ!建前なの!
結局、女は男にチカラで勝てないし、
仕事も稼ぐのも男が有利なのよ。
女の方が制限も期限も…
とにかく色々あるのっ!」
「都合のイイ時だけ、女って強調すんだ!
(イライラ)」
「うっ… てか、航大。反抗期?
声もだいぶ前と違うような…?」
「成長期!声変わりしたんだよ。
気付けバカ…」
「まぁまぁ…二人共。お腹減ってるからね」
貴子がタイミング良く仲裁。
「可愛かったこ~んなちっさい子供も、
(エアちっさい子撫で撫で)
だんだん男になってくのね…
私はまた年老いて…シワシワになって。
あ"あ、資格も取っておけば良かったし、
無駄遣いしないで、
貯金もしとくべきだった!
そしたら迷わず行けたかもぉ…」
「(イラッ)…ひろこ!」
「ん?(ビクッ)!?」
航大に顎クイされる私。
とゆうより、ほっぺのわし掴みされて。
なんで!?
「ゴチャゴチャ言ってねーで、
好きなら突っ走れ!
本気だから告白もプロポーズも
テンパるんだよっ。
男も女も、若いも年寄りも関係ねーの!
わかった!?」
「…ふぁい」
すっごい眉間にシワ寄せて怒ってる。
よく見れば髭もちょこちょこ生えて、男の階段上り始めてたのね。
「幸せになれよ…俺の初恋の女なんだから」
最後に恥じらって、手を離す。
「こ、航大…」
なんてこった…
まさかのニ回り、
24歳差恋愛リアルにかましてた…
可愛いすぎてチューとかめっちゃしてたし。
ファーストキスも奪ったわ…
ごめん、犯罪じゃん。私、逮捕。
ちょっと航大!男前じゃない!?母さん嬉しいっ!
俺だってもう男なの!皮むけたんだよ!
そーなの!?やっだぁ、本物じゃん!
超痛かった…(T_T)
私が後悔と反省を噛みしめる横で、
親子が脱皮の会話で盛り上がっている。
私… 男運ツイてる、よね?
こんなにカッコ可愛くて、
私の幸せ願ってくれる男、ずっとそばにいたのね。
それに…
私は幸せになれるよ、って。
自分のちからで幸せになれる、って。
“ スキ ” って言ってくれた男が、
私を必要としてくれているのに…
私は何を怖気づいているんだろう?
こんなにイイ男達に出逢えて…
私の人生、負け越してなんかない!
ここで一発逆転ホームランしたのよ!?
だって、最高にモテてるっ。
しかも、若い男ばかりに。
私… 持ってる女だわ!!
「…フゥンゴォーッ(いけるっ)!!!」
「「!?!?」」
「何だ?ひろこが噴火した」
「たぶん、決心ついたのよ」
永井君の言ったとおり…
ダラダラしてる時間はないわ!
この恋は、
自分のちからで、ハッピーエンドにするの!
「肉よ!肉を食らうわ!力をつけるのよ!」
元気があれば何でもできる!
ッシャア"ー!!
「イェ~イ!焼肉だ~」
「やったわ。報酬よ」
(ヒソヒソ…)
あれ、ひろこさぁ、
何で赤いの巻いて、顎シャクレてんの?
あれは闘魂入ってんの。
炎のファイターになってるのよ。
いざ、この恋の最終ラウンドへ!
☆
「♪ヒュルリ~ヒュルリララ~。
…私、似合ってる。
すこぶる溶け込んでる気がする。
昭和の女には、
日本海の港町がしっくりくるわ!」
4月。
やって来ました!
ついにここまで、いろいろ越えてきました!
裕子です。
海を眺めながら風に吹かれ、ひとり余韻に浸っております。
「潮風が意外とあるわね。
メドューサみたいになってないかしら?」
油断すると容姿が妖怪チックに。
乱れ髪を直していると…
「あ?何やってんの?」
「(ハッ)!?」
聞き覚えのある声が。
振り返れば…
愛しのマイダーリン!!
「… 輝人~! (*´∀`*) 」
「…呼び捨て?いきなり?
相変わらず、ぶっ飛んでんな」
裏手の町役場の方から近づいてくる。
作業服みたいの着て、公務員っぽい。
相変わらず、無愛想なんだから。
「…来ちゃった♪(てへっ)」
「(ツーン)…馬鹿っぽい。
で、遊びに来たの?」
安定のツンツンね。
でも、それも、恋しかった…
塩不足でしたよ。
「―――会社も、家も、手放して来たの」
真面目な話をしに来ました。
急に真剣モード。
「は?もう!?」
…やっぱりな。
私は驚く永井君に疑いの目。
「…永井君。あの日、
私にカマかけに来たんでしょう?
私が臆病だから。
婚姻届で保証と安心させて、
私がじっくり折り合いつけれるように?」
「(ギクッ)…っ」
「また我慢したでしょう?
私が踏ん切りつくまで、何年でも待って…
私を受け入れるつもりだった?
(グイグイ)」
「(ギクギクッ)…なっ、顔圧が強い」
「もうバレてるもんね~。年増ナメんなし」
「超ムカつく…」
「私のこと、超~好きでしょ?
本当は甘えたがりのくせにっ。
大人ぶって格好つけてさっ」
「くっそ…
何でこんな女、惚れてんだろなっ」
はぁっ。
イラッとため息を吐き捨てた。
ムスッとした顔も健在で安心したわ。
「ごめんね」
「あ?…ごめん、て何?」
「ごめん。こんな年増で、
何も優良なもの持ち合わせて無くて。
ほんとに不良債権で…」
「…それ、俺には買い時、なんだけどね」
…こんな私をお買得って?
塩っ気たっぷりに言うくせに、
遠回しに私の価値を過大してくれるんだ。
私より私を大事にしてくれる。
やっぱり永井君はツンアマだ。
そして私は、
甘塩っぱいのが、
止められない止まらない!
「私の方が先に死んじゃうと思うけど、
それまで永井君のそばにいたい。
例え死んでも夢枕にたって、
背後霊になって、いつもそばにいる!
永井君の生涯を守ってあげたい!
この気持ちは誓って保障します!」
「(ドキッ)!?」
「つきましては!」
突っ走るのよ、ヒロコ!!
永井君が好きだから!!
「役場の空きスペースをリースし、
保険代理店 “ 保険のひろこ ” を明日から
開業!永井君の仕事中もそばで頑張るし、
安定した収入を目指します!それから、
私の恋路をSNSで暴露したら、
予想外に反響で…
25万人のフォロワーができました!
この恋を応援してくれているので、
勇気を出して自分を売込みたいと
思います!どうか私を、
永井君のお嫁にしてくださいっ」
“(>_<)” もう泣きそう。
全部言った…
言い切った。
「―――ぷはっw
ほんとヤベェな。いっつも斜め上から
ぶっ込みかけるよね?www」
へ…?
一世一代のプロポーズに、ウケてる!?
凄く緊張してお腹きゅーって、オナラ出そうだったのに。急にガス抜け。
吹き出しながら、スマホ見せてって。
ぷ~っくす、堪えながら確認してる。
え?ツボってるの?
それはそれで、笑顔が可愛いからいいんだけどね。
なんか、予想とだいぶ違う…
「これが、スノーさんに作成してもらった
代理店のサイトで…」
「うん。いいね。分かり易い…
保険のひろこw」
「え?バカにされてる?まあぁょぃ…
でこれがアカウントの…」
「…ぷっw
37歳のラブファイターって。
センスwww」
「やっぱ、バカにしてるよね!?
これでも… ん?んん?」
永井君の胸元にあるネームプレートが目に入りまして…
え?
「未来開発… 本部長… 永井輝人。
(ポカン)っ部長なの!?」
「そうだけど?」
「その若さで部長!?」
「うん。町に企業誘致したり、
医療と教育機関増設して、
人と経済まわす指揮とるの」
えー…っと。
ペーぺーの役職じゃないのかぁ…
へぇ…。
ビックリだよ!?
「あぁ、ついでに報告しとく…」
自分のスマホを取り出し、私に画面を見せる。
「俺もフォロワー40万人いんの」
「は!?(ガン見)
…kirarist投資家。
洒落てんな… って投資家!?」
「うん。
今んとこ資産が… 3億超かな?」
「(ゴッホオッ)!?
さ、さ、さ、3億!?」
治療費目的で始めて、
苦戦続きだったんだけど。
裕子さんの発言とか、
ふざけてんの見てたら、
肩の力抜けて運用できてさ。
私が息も絶え絶えに驚いているのに、
しれっと言ってのける。
貧乏じゃなくて、資金投入してたんだ。
あ。
勝ち誇った顔してたのは…
億の金掴んでたからかぁ、、、怖っ。
なんか…私、身の程知らずな気がしてきた。
「裕子さんの1番の優良物件は、
俺だと思うよ?」
自信たっぷりに言う。
このぉ、余裕だな。
いつだって、
そのメガネの奥の、彼の瞳は…
私を真っすぐ見つめる。
恥ずかしい、
不思議とその気持ちは湧かなかった。
きっと、私はもう、自信があるのだ!
彼にとても愛されている。
この恋は、ハッピーエンドだ!
「(じぃーっ)…」
「何で顎シャクレてんの?
あぁ、返事しないとか。
一生涯保障、契約成立ってことで」
「え?また契約!?
永井君さぁ、ほんとカッチリ型にはめるの
好きってゆうか…
一応プロポーズなのに(ゴニョゴニョ)」
夢見る歳じゃないしね、わかってますよ。
ロマンチックなんて贅沢だってね。
でもさぁ、もうちょい特別感とかさぁ。
「何?不満そうだね」
「(ぶっすぅ)…別に」
「指輪とか無いし。
じゃあ、指切りでもしとく?」
イタズラっ子みたいに小指を差し出す。
ズルいな。
私の前ではすっかり甘えん坊の子供だ。
それも…
私にとって、可愛くて仕方ない。
彼の小指にがっちり小指を絡めた。
「(ぎゅっ)ふふ」
ま、いいか。
私達らしくて。
「指切りげんまん♪嘘ついたら…」
楽しそうだな、おい。
エンディングだから可愛さ100倍返しか?
「何にすっか?お約束だろ…?」
「いや、お約束って」
「あ!
魔除けの牛、純金にしてあーげる。
指き…」
「(ぎゅぎゅぎゅっ)ちょっと待って!
それじゃあ、
お高い手切れ金みたいじゃん!
3億あったら簡単にできる…!?」
焦る私とは裏腹に、不敵な笑みを浮かべる。
「(ぎゅうーん)チュッ」
「ん!?」
指切った、はしないで…
引き寄せてキス、かましてきやがった。
ほんっとに、いっつも唐突なんだから!
最初から彼にまんまと操られてる。
私を惑わせて…
隙をついて… 心を奪ってく。
「裕子さんスキ。…大スキ。
知ってるでしょ?」
「うん。私も大スキ… んっ」
…甘い。
とにかく、甘い。
これ、糖分摂り過ぎ…
倒れちゃいそう。
「ヤベ、止まんね」
「…(クスッ)♪」
うっかり漏らす熱い吐息。
どうやら彼も、私とゆう女がクセになってしまったようだ。
さて、明日は甘味日和か塩三昧か。
甘塩っぱい私達の人生は、
これからも続いてく―――。
「この恋、保障できますか?」
*END*
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