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読んだ事ある、こんな展開の物語。
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妖精ミリアの気が済むまで頬をぐりぐりされた後、この現状をどうにかするべく、私は先程目覚めてからの話をこんこんと説明した。
名前は佐藤瑠香、年齢は二十歳、大学生で実家暮らし。
恐らくだけれどちょっと好みの変わったストーカーに拉致されたかもしれないこと、身に覚えもないし、そもそもこの場所に居る事も訳が分からない。
こんな物騒で鬱蒼とした森を何の準備もなしに彷徨う方が身の危険が増すと考え、ストーカーが戻って来るのを待っていたこと。
そうしていたら、妖精ミリアが現れて吃驚したこと。
妖精はそもそも空想の世界しか存在しない事が常識で、その存在が目の前に現れたうえに妙に親しげだし、何か此処に連れてきたのは妖精っぽいし、名前すら知らなかったのに名前を知ってるような会話から、知り合いっぽいけど……と混乱していたこと。
混乱中にポロリと出た言葉で修羅場化したけど、泣かせるつもりは無かったと再度謝罪した。
妖精ミリアは黙って話を訊いてくれた。
無言ではあるが、その表情からいろいろ察する事は出来ほど感情豊かに表情がコロコロかわる。
唖然、疑問、不信、悲嘆、同情、理解。
くるくると変わる表情を眺めながら説明を続けた。
全てを訊き終えたミリアは『うーん……おかしいなぁ。降ろされる時に記憶が抜けちゃったのかなぁ?』と、首を捻っている。
降ろした? 何処から? 降ろしたってまるで上から降りてきたような言い方だ。
『まぁいいか。魂の色はルルだもんね。別人ではない訳だし、あとで妖精王様に訊いてみる! さぁいくよ!』
私の指を小さな手が握ってグイっ引っ張られた。
身体が引っ張られ前のめりになったので、慌ててそのまま立ち上がる。
こんなに小さな体で何て力持ちなんだと驚く。
「凄い力持ちなんだね。びっくりした」
『身体強化使ってるから、こんな小さな体でも大きな岩でも持ち上げられるわよぉ?』
「身体強化?」
『んー、身体強化っていうのは、無属性の魔法で、無属性は私の得意な属性! そもそも私が無属性を司る妖精だからね!』
「えっ……?」
その瞬間、私の頭に“無属性、魔法、身体強化”と、現実感の無いミリアの言葉が浮かんだ。
今、ミリアから出た言葉はファンタジー小説で当たり前に出てくる単語だ。
これが夢の続きで無ければ、現実にこんな言葉を使ったりはしない。
―――とても嫌な予感がする。
その言葉たちは、好きな作家さんのテーマに何度も登場する設定で何度も見ていたし、好んで読んでいた。
異世界転移、異世界転生。
魔法、スキル、属性、精霊、妖精、獣人、人外――――
たくさんの単語を頭に思い浮かべ、思わずミリアに訊いてしまった。
「妖精が居て魔法があるなら、精霊も魔物も居るの?」
居て欲しいような、居て欲しくないような。
精霊は居て欲しいけど、魔法があるなら魔物も居そうだ。
この妖精は西洋妖怪的な括りで存在しているのかもしれない、と少ない可能性ではあるけれど聞かずにはいられなかった。
ミリアが口を開くまでの数秒、切実な願いをこめてその小さな顔を見つめる。
『説明したハズだけどなぁ、あー、記憶が……そっかぁ』
ミリアは呟いた。
『そうだねぇ、この世界には精霊も妖精も居るし魔物も勿論いるよぉ。あと、たくさんの種族もいるかな。希少な種族も居るし、ルルなんてその中でも希少中の希少種族だから! 自慢してもいいよぉ!』
希少中の希少種族―――
たくさんの種族がいる――――
もう確定したような展開に思わず白目を剥きそうになった。
無言になった私にミリアは話を続ける。
『記憶がないなら仕方ないなぁ、ルルは神様からこの世界に降ろされた“御遣い様”ってヤツなのよ。それで、本来なら御遣い様は神殿に降ろされるんだけど、手違いがあった……というか、神様を怒らせるような事を大神官がやらかしちゃったみたいでねぇ……私たち妖精族が担当しているという感じかなぁ?』
説明を訊けば訊く程に混乱が深まる。
神様が私をここに? なぜ? 大神官が怒らせたからって異世界の私が此処に来る意味は……?
無言なルルが心配だけれど、それを構う暇はミリアにはなかったので、さっさと転移魔法を使い、この場から移動する事にするミリア。
『記憶無いなら混乱もするし不安にもなるよねぇ、転移先でちゃんと説明するから、とりあえず此処を離れるからねぇ』
ミリアが何かを唱えると足の下に白い光を放つ丸いサークルが現れた。
白い光はどんどんと強くなり、私とミリアを包みその場から消えた。
名前は佐藤瑠香、年齢は二十歳、大学生で実家暮らし。
恐らくだけれどちょっと好みの変わったストーカーに拉致されたかもしれないこと、身に覚えもないし、そもそもこの場所に居る事も訳が分からない。
こんな物騒で鬱蒼とした森を何の準備もなしに彷徨う方が身の危険が増すと考え、ストーカーが戻って来るのを待っていたこと。
そうしていたら、妖精ミリアが現れて吃驚したこと。
妖精はそもそも空想の世界しか存在しない事が常識で、その存在が目の前に現れたうえに妙に親しげだし、何か此処に連れてきたのは妖精っぽいし、名前すら知らなかったのに名前を知ってるような会話から、知り合いっぽいけど……と混乱していたこと。
混乱中にポロリと出た言葉で修羅場化したけど、泣かせるつもりは無かったと再度謝罪した。
妖精ミリアは黙って話を訊いてくれた。
無言ではあるが、その表情からいろいろ察する事は出来ほど感情豊かに表情がコロコロかわる。
唖然、疑問、不信、悲嘆、同情、理解。
くるくると変わる表情を眺めながら説明を続けた。
全てを訊き終えたミリアは『うーん……おかしいなぁ。降ろされる時に記憶が抜けちゃったのかなぁ?』と、首を捻っている。
降ろした? 何処から? 降ろしたってまるで上から降りてきたような言い方だ。
『まぁいいか。魂の色はルルだもんね。別人ではない訳だし、あとで妖精王様に訊いてみる! さぁいくよ!』
私の指を小さな手が握ってグイっ引っ張られた。
身体が引っ張られ前のめりになったので、慌ててそのまま立ち上がる。
こんなに小さな体で何て力持ちなんだと驚く。
「凄い力持ちなんだね。びっくりした」
『身体強化使ってるから、こんな小さな体でも大きな岩でも持ち上げられるわよぉ?』
「身体強化?」
『んー、身体強化っていうのは、無属性の魔法で、無属性は私の得意な属性! そもそも私が無属性を司る妖精だからね!』
「えっ……?」
その瞬間、私の頭に“無属性、魔法、身体強化”と、現実感の無いミリアの言葉が浮かんだ。
今、ミリアから出た言葉はファンタジー小説で当たり前に出てくる単語だ。
これが夢の続きで無ければ、現実にこんな言葉を使ったりはしない。
―――とても嫌な予感がする。
その言葉たちは、好きな作家さんのテーマに何度も登場する設定で何度も見ていたし、好んで読んでいた。
異世界転移、異世界転生。
魔法、スキル、属性、精霊、妖精、獣人、人外――――
たくさんの単語を頭に思い浮かべ、思わずミリアに訊いてしまった。
「妖精が居て魔法があるなら、精霊も魔物も居るの?」
居て欲しいような、居て欲しくないような。
精霊は居て欲しいけど、魔法があるなら魔物も居そうだ。
この妖精は西洋妖怪的な括りで存在しているのかもしれない、と少ない可能性ではあるけれど聞かずにはいられなかった。
ミリアが口を開くまでの数秒、切実な願いをこめてその小さな顔を見つめる。
『説明したハズだけどなぁ、あー、記憶が……そっかぁ』
ミリアは呟いた。
『そうだねぇ、この世界には精霊も妖精も居るし魔物も勿論いるよぉ。あと、たくさんの種族もいるかな。希少な種族も居るし、ルルなんてその中でも希少中の希少種族だから! 自慢してもいいよぉ!』
希少中の希少種族―――
たくさんの種族がいる――――
もう確定したような展開に思わず白目を剥きそうになった。
無言になった私にミリアは話を続ける。
『記憶がないなら仕方ないなぁ、ルルは神様からこの世界に降ろされた“御遣い様”ってヤツなのよ。それで、本来なら御遣い様は神殿に降ろされるんだけど、手違いがあった……というか、神様を怒らせるような事を大神官がやらかしちゃったみたいでねぇ……私たち妖精族が担当しているという感じかなぁ?』
説明を訊けば訊く程に混乱が深まる。
神様が私をここに? なぜ? 大神官が怒らせたからって異世界の私が此処に来る意味は……?
無言なルルが心配だけれど、それを構う暇はミリアにはなかったので、さっさと転移魔法を使い、この場から移動する事にするミリア。
『記憶無いなら混乱もするし不安にもなるよねぇ、転移先でちゃんと説明するから、とりあえず此処を離れるからねぇ』
ミリアが何かを唱えると足の下に白い光を放つ丸いサークルが現れた。
白い光はどんどんと強くなり、私とミリアを包みその場から消えた。
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