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真っ白な…
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連れて来られたのは真っ白な世界。
上も下も左も右も見渡す限り何もない。色もない。
「あー…神様の部屋とか?」
何とはなしに呟く。
よくあるテンプレで使い古されている白い世界は、私にとって神様との出会いの場のイメージである。
「誰もいない……というか、妖精のミリアもいませんけど……」
一緒に白い光に包まれたんじゃなかったっけ。
きょろきょろと自分の周りを確認するも、ミリアの軽快なパタパタと鳴る羽音もしない。
「森も色々と不安で怖かったけどさー、何もない白い世界はもっと怖いな……見るものがないってこんなに怖いのね。」
森は草だったり木だったり頭上を照らす眩しい太陽だったり、とりあえず何かを視認する事は出来た。
でもこの白い空間には何にもない。
ただ真っ白がずっとずっと続いてるような、そもそも先があるのかすら分からない。
歩いてみてもいいけど、何もないのが続くだけで体力の無駄遣いになる気がする。
「しょうがないなぁ、またミリアか神様か来るまで待つか……」
はふぅと大きなため息をついて、私は真っ白な床に腰を下ろした。
『――――ル!ルル!起きなさぁぁ―――いっ! 』
「んっ…!?」
鼓膜を揺らす事のない脳内だけに響く大声というのは、普通に耳で大声で話されるより心臓に悪いらしい。
白い床に座って待つうちに、何だか眠くなって寝てしまったようだ。
「……もちょっと小さな声で起こすっていう優しさが欲しいなぁ?」
寝ぼけ眼を擦りながら、ミリアに文句を言う。
ちなみに未だ心臓はどくどくと動悸が激しい。
『ルルが起きてくれないんだものぉ!』
文句を言われたミリアは頬を膨らませプンスコしている。
小さなミリアに怒られても怖いというより可愛いだな、と呑気な言葉が頭に浮かぶ。
『ルルには精霊王様に会って頂きたいのよ。色々と説明もあるし……記憶なくなっちゃったみたいだしね』
「ん…誰に会うの?」
『我が主、精霊王様よぉ! 凄い光栄な事なんですからねぇ! 精霊王様はそんな簡単に会ってくれるような方じゃないけれど、ルルは特別だから!』
ミリアが小さな頬を染め興奮しながら語る。
いや待って。精霊王様?
妖精王じゃなくて?
「ミリアは妖精なのに精霊王様が主なの?」
『妖精族もエルフ族もドワーフ族も獣人族も…人族だけは例外だけれどぉ、この世界で亜人と言われる人族以外の特殊な種族の主は、ああ主は人族で言う所の神様みたいな感じぃ? その亜人とよばれる特殊な種族の主は精霊王様なの。種族ごとに長はいるけどぉ、それを全て統括して管理しているのが精霊王様なの。』
「なるほど……精霊王様が国王で、他の亜人の長達が領主って事かな?」
『人族でいうならそうなるかなぁ?』
フムフム。そんなに複雑ではない感じ。
これなら覚えられそう。
「ねぇミリア、今から精霊王様にお会いするにあたって、精霊王様に失礼があってはいけないから、してはいけない事や言ってはいけない事を教えて貰えると助かるんだけど。」
新しい世界で暮らす事になりそうだし、最大権力を持つであろう相手に嫌われるのは大変よろしくない。
『ルルなら精霊王様も気にしないと思うわよぉ?』
そんなの気にする事ないないと、小さな手を左右に振りながら断言するミリア。
でも、ミリアの言葉を信じて失敗するも怖いしな……。
「出来るなら好ましいと思われたいじゃない?」
ミリアに再度お願いしてみる。
そこへ――――
『貴女に関するもの全て、好ましいから大丈夫ですよ、ルル。』
背筋がぞくりとするような美しい声が頭の中に響いた。
「えっ?」
驚いてぴくりと体が跳ねる。
瞬きしたその瞬間、私の目の前に、見た事も無ければ想像しえた事も無い絶世の美形が居た。
上も下も左も右も見渡す限り何もない。色もない。
「あー…神様の部屋とか?」
何とはなしに呟く。
よくあるテンプレで使い古されている白い世界は、私にとって神様との出会いの場のイメージである。
「誰もいない……というか、妖精のミリアもいませんけど……」
一緒に白い光に包まれたんじゃなかったっけ。
きょろきょろと自分の周りを確認するも、ミリアの軽快なパタパタと鳴る羽音もしない。
「森も色々と不安で怖かったけどさー、何もない白い世界はもっと怖いな……見るものがないってこんなに怖いのね。」
森は草だったり木だったり頭上を照らす眩しい太陽だったり、とりあえず何かを視認する事は出来た。
でもこの白い空間には何にもない。
ただ真っ白がずっとずっと続いてるような、そもそも先があるのかすら分からない。
歩いてみてもいいけど、何もないのが続くだけで体力の無駄遣いになる気がする。
「しょうがないなぁ、またミリアか神様か来るまで待つか……」
はふぅと大きなため息をついて、私は真っ白な床に腰を下ろした。
『――――ル!ルル!起きなさぁぁ―――いっ! 』
「んっ…!?」
鼓膜を揺らす事のない脳内だけに響く大声というのは、普通に耳で大声で話されるより心臓に悪いらしい。
白い床に座って待つうちに、何だか眠くなって寝てしまったようだ。
「……もちょっと小さな声で起こすっていう優しさが欲しいなぁ?」
寝ぼけ眼を擦りながら、ミリアに文句を言う。
ちなみに未だ心臓はどくどくと動悸が激しい。
『ルルが起きてくれないんだものぉ!』
文句を言われたミリアは頬を膨らませプンスコしている。
小さなミリアに怒られても怖いというより可愛いだな、と呑気な言葉が頭に浮かぶ。
『ルルには精霊王様に会って頂きたいのよ。色々と説明もあるし……記憶なくなっちゃったみたいだしね』
「ん…誰に会うの?」
『我が主、精霊王様よぉ! 凄い光栄な事なんですからねぇ! 精霊王様はそんな簡単に会ってくれるような方じゃないけれど、ルルは特別だから!』
ミリアが小さな頬を染め興奮しながら語る。
いや待って。精霊王様?
妖精王じゃなくて?
「ミリアは妖精なのに精霊王様が主なの?」
『妖精族もエルフ族もドワーフ族も獣人族も…人族だけは例外だけれどぉ、この世界で亜人と言われる人族以外の特殊な種族の主は、ああ主は人族で言う所の神様みたいな感じぃ? その亜人とよばれる特殊な種族の主は精霊王様なの。種族ごとに長はいるけどぉ、それを全て統括して管理しているのが精霊王様なの。』
「なるほど……精霊王様が国王で、他の亜人の長達が領主って事かな?」
『人族でいうならそうなるかなぁ?』
フムフム。そんなに複雑ではない感じ。
これなら覚えられそう。
「ねぇミリア、今から精霊王様にお会いするにあたって、精霊王様に失礼があってはいけないから、してはいけない事や言ってはいけない事を教えて貰えると助かるんだけど。」
新しい世界で暮らす事になりそうだし、最大権力を持つであろう相手に嫌われるのは大変よろしくない。
『ルルなら精霊王様も気にしないと思うわよぉ?』
そんなの気にする事ないないと、小さな手を左右に振りながら断言するミリア。
でも、ミリアの言葉を信じて失敗するも怖いしな……。
「出来るなら好ましいと思われたいじゃない?」
ミリアに再度お願いしてみる。
そこへ――――
『貴女に関するもの全て、好ましいから大丈夫ですよ、ルル。』
背筋がぞくりとするような美しい声が頭の中に響いた。
「えっ?」
驚いてぴくりと体が跳ねる。
瞬きしたその瞬間、私の目の前に、見た事も無ければ想像しえた事も無い絶世の美形が居た。
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