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2章 後悔ルート、絶望ルート、失望ルート
3話 後悔ルート 3
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「人が多いし、教室も大きいね」
「だね。一つの教室に四十人は少し多い気もするけど」
「賑やかで良くない?私は好きだよ」
「そう?僕は普通かな」
「友達いっぱい作ろっ」
「程ほどにね」
「分かってるよ」
零。やはり同じクラスか。友好的ではあるけど、どこか好けない。これが俗に言う嫉妬なのか?今更嫉妬とは。僕もまだまだだ。これじゃ、僕の決心が揺れてしまう。零の登場は神様からの試練とでも受け取っておこう。
僕の席は……周囲の人達によって占領されているようだ。ここが正念場か。今日は試練が多い。
「すまん。そこは僕の席なんだ」
「ん?あぁ。わりぃ」
「いや。それよりもここに集まっているのはみんな知り合いなのか?」
「そうだな。同じ中学校だよ」
成る程。だから仲が良いのか。
「そうなんだ。これからは僕とも仲良くしてもらえると嬉しいんだけど、良い?」
「そりゃあな。それに、面白いからな。人が多いってのは」
「ありがとう。僕は陽縞凱だよ。よろしく」
「おう!俺は春山 晃大(はるやま こうだい)だ」
「僕は仙崎 透瑠(せんざき とおる)だよ。よろしくね、凱君」
「ん?あぁ」
「ウチは由紀恵 楓(ゆきえ かえで)だよ。よろしく~」
「よろしく」
晃大は活発という印象だ。顔はまあ、整ってる方だろう。イケメンと言える。野球少年かもしれない。髪が短いから。偏見かな?
透瑠は優しそうだ。あと、顔立ちが女子っぽい。中性イケメンと言ったところか。普通の女子よりも美人をしている。どこかの特殊な男子には相当モテるな。
楓は、世間一般で言われるギャルだ。金髪ではないけれど、茶髪に染めた感じがする。スカートも短いし、メイクもしっかりとしてる。メイクで顔をどのくらい変えられるかは知らないけど、この状態からメイクを落とすならば、稀に見る美人と言う感じだ。ここら辺は顔の偏差値が高いのか?場違いな気がする。
「あっ。零には挨拶したか?」
「零?もしかして、海藤零?」
「そそ。あいつも同じ中学校なんだよ」
「あぁ。けど、確かに雰囲気が似てるね。ここら辺の人は」
「そう?自分達だとあんまし分からんけどな」
「けど、第三者からの目線だし、そうなんじゃない?あっ。けど、晃大くんは鈍感だからなぁ、ねぇ、楓?」
「ホント、それ」
「はぁ!?意味分からねぇ。透瑠も楓も。というか、零はずっと浜枝さんと駄弁ってるのな」
「確かにね。零君はコミュ力凄いからね」
「ウチだって美人じゃない?」
「そうなんだけど。浜枝さんと比べるとねぇ」
「ホントなっ!何あの容姿!?二次元の美少女ですか!?いつ飛び出してきたん!?」
「ちょっ、声を抑えて、晃大」
「あっ。すまんな、楓。ちと興奮してもうたわ」
「全くだよ、晃大君は少し自重を知ろ?」
「まさか、透瑠に言われる日が来るとは……まぁ、分かった」
「仲、良いんだな」
「ん?そうか?」
「あぁ。羨ましいよ」
「何か意味深だね」
「そうか?」
僕も、もっと自分に自信があればこうならずに済んだのかな?こんなことを考えても後の祭りだろうけどさ。この世には人の分だけ物語がある。それは、皆が違う個性で、違う選択をしているからだ。人生と言う問題に正解はない。強いて言えば、自分が選んだ選択が正解だ。それが最善だと思ったから、それを選んだわけだからね。
でもさ。この世にはそれしか選べない人だって居る。それを正解と呼べるのだろうか?僕には分からない。最終的に選ぶのは自分だ。これも正解と言えるのだろうか………。
僕は、この人生という物語でいつ間違ったのだろうか。どうやってもこの答えしか出ない。何度も考えても、これしか残されていない。何でこうなったのか、それは僕にも分からない。ただ、これからやることは、自分で選んだ間違いだ。この選択は分かりきってる。完全に間違いだと。
僕は、今日。浜枝美紗と別れる。
~~~~~~~~~~~~~~~
これが、陽縞凱という男だ。彼の決意とは。
※ネタバレ※
次回は別れるシーンです。1話丸ごとです。では、5話目に来るものとは………?
お楽しみに!
「だね。一つの教室に四十人は少し多い気もするけど」
「賑やかで良くない?私は好きだよ」
「そう?僕は普通かな」
「友達いっぱい作ろっ」
「程ほどにね」
「分かってるよ」
零。やはり同じクラスか。友好的ではあるけど、どこか好けない。これが俗に言う嫉妬なのか?今更嫉妬とは。僕もまだまだだ。これじゃ、僕の決心が揺れてしまう。零の登場は神様からの試練とでも受け取っておこう。
僕の席は……周囲の人達によって占領されているようだ。ここが正念場か。今日は試練が多い。
「すまん。そこは僕の席なんだ」
「ん?あぁ。わりぃ」
「いや。それよりもここに集まっているのはみんな知り合いなのか?」
「そうだな。同じ中学校だよ」
成る程。だから仲が良いのか。
「そうなんだ。これからは僕とも仲良くしてもらえると嬉しいんだけど、良い?」
「そりゃあな。それに、面白いからな。人が多いってのは」
「ありがとう。僕は陽縞凱だよ。よろしく」
「おう!俺は春山 晃大(はるやま こうだい)だ」
「僕は仙崎 透瑠(せんざき とおる)だよ。よろしくね、凱君」
「ん?あぁ」
「ウチは由紀恵 楓(ゆきえ かえで)だよ。よろしく~」
「よろしく」
晃大は活発という印象だ。顔はまあ、整ってる方だろう。イケメンと言える。野球少年かもしれない。髪が短いから。偏見かな?
透瑠は優しそうだ。あと、顔立ちが女子っぽい。中性イケメンと言ったところか。普通の女子よりも美人をしている。どこかの特殊な男子には相当モテるな。
楓は、世間一般で言われるギャルだ。金髪ではないけれど、茶髪に染めた感じがする。スカートも短いし、メイクもしっかりとしてる。メイクで顔をどのくらい変えられるかは知らないけど、この状態からメイクを落とすならば、稀に見る美人と言う感じだ。ここら辺は顔の偏差値が高いのか?場違いな気がする。
「あっ。零には挨拶したか?」
「零?もしかして、海藤零?」
「そそ。あいつも同じ中学校なんだよ」
「あぁ。けど、確かに雰囲気が似てるね。ここら辺の人は」
「そう?自分達だとあんまし分からんけどな」
「けど、第三者からの目線だし、そうなんじゃない?あっ。けど、晃大くんは鈍感だからなぁ、ねぇ、楓?」
「ホント、それ」
「はぁ!?意味分からねぇ。透瑠も楓も。というか、零はずっと浜枝さんと駄弁ってるのな」
「確かにね。零君はコミュ力凄いからね」
「ウチだって美人じゃない?」
「そうなんだけど。浜枝さんと比べるとねぇ」
「ホントなっ!何あの容姿!?二次元の美少女ですか!?いつ飛び出してきたん!?」
「ちょっ、声を抑えて、晃大」
「あっ。すまんな、楓。ちと興奮してもうたわ」
「全くだよ、晃大君は少し自重を知ろ?」
「まさか、透瑠に言われる日が来るとは……まぁ、分かった」
「仲、良いんだな」
「ん?そうか?」
「あぁ。羨ましいよ」
「何か意味深だね」
「そうか?」
僕も、もっと自分に自信があればこうならずに済んだのかな?こんなことを考えても後の祭りだろうけどさ。この世には人の分だけ物語がある。それは、皆が違う個性で、違う選択をしているからだ。人生と言う問題に正解はない。強いて言えば、自分が選んだ選択が正解だ。それが最善だと思ったから、それを選んだわけだからね。
でもさ。この世にはそれしか選べない人だって居る。それを正解と呼べるのだろうか?僕には分からない。最終的に選ぶのは自分だ。これも正解と言えるのだろうか………。
僕は、この人生という物語でいつ間違ったのだろうか。どうやってもこの答えしか出ない。何度も考えても、これしか残されていない。何でこうなったのか、それは僕にも分からない。ただ、これからやることは、自分で選んだ間違いだ。この選択は分かりきってる。完全に間違いだと。
僕は、今日。浜枝美紗と別れる。
~~~~~~~~~~~~~~~
これが、陽縞凱という男だ。彼の決意とは。
※ネタバレ※
次回は別れるシーンです。1話丸ごとです。では、5話目に来るものとは………?
お楽しみに!
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