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「そんなことか……それなら、優越感しかないよ。将来、ここに宿るのは君の子じゃなく、僕の子だ。慰謝料って形だと思うけど、君が手術代を払ってくれたんだろう? 朱莉と子育てができるようにしてくれて感謝しかないよ。それに傷のことは気にしたことない。僕は医者だし、朱莉が望むなら傷を消してあげることもできる。君と違ってね」
いつもの秋生とは違って、いじわるなことを言っている。こんな相手を煽るようなことを言う秋生は初めてで驚いたけれど、嬉しかった。
「朱莉、こんな性格悪いやつと付き合ってても幸せになれない。戻って来いよ」
「戻るわけないでしょ……だいたい、彼女と別れてもいないのに戻れなんてよく言えるよね。ていうか、さっきの『色んな子と付き合ったけど』って、その言い方だと彼女と結婚してからって意味に聞こえるんだよね。浮気癖は治ってないってことでしょ。ぼくが悠馬と付き合うメリットゼロだよね。もう関わってこないで」
朱莉がぴしゃりと返すと、後ろから、カッコいいなあ、と秋生の声が聞こえた。
「そういうわけだから、朱莉を見かけても声かけないで。何かあった時は、それ相応の覚悟をしとくといいよ。まあ、今の時点で警察を呼べば訴えられるだろうけど」
どうする? と秋生が笑顔で悠馬を見やる。それを見て、悠馬は後退りをすると、少し焦った様子で、もう近づかない、と告げてきびすを返し、その場を離れていった。
それを見て朱莉が大きく息を吐く。
「ごめんね、一人にしてしまって。あれが、元婚約者?」
「はい……なんだか、相変わらずクズでびっくりしました」
「でもお陰で、朱莉くんが心変わりせずに済んだ」
秋生は朱莉から腕を解いて、今度は手を繋いでくれた。朱莉は秋生の言葉に笑いながら、それは絶対ないです、と秋生を見上げた。
「ぼくの気持ちは昨日言ったはずです」
「うん、そうだね。まあ、あんな人と比べられたら少し悲しいけど」
「比べるまでもないです」
ふふ、と笑うと、秋生も嬉しそうに笑って、帰ろうか、と手を引いてくれた。
「朱莉くんが、恋愛に対して歪んでしまった原因が分かったよ。だからこそ君を大事にしたいと改めて思ったよ」
病院のエントランスを抜け、そのままタクシー乗り場へと向かう。朱莉は秋生の隣を歩きながら秋生の言葉に頷いた。きっとこの言葉は上辺だけじゃない。優しい秋生を知っているからこそ、その確信があった。
「ぼくも、さっき泉田先生に、秋生さんを大事にするって宣言してきました」
この恋はきっと今までと違う。その予感はしている。付き合い始めてまだ二日目だけれど、秋生とならいつか家族も作れると思うのだ。
「それは……次に会った時に色々言われそうだな」
秋生は困ったようにため息を吐いているが、その表情は笑顔だった。
そんなことすらも楽しみなのかもしれないと思うと、なんだか朱莉まで嬉しいと思った。
いつもの秋生とは違って、いじわるなことを言っている。こんな相手を煽るようなことを言う秋生は初めてで驚いたけれど、嬉しかった。
「朱莉、こんな性格悪いやつと付き合ってても幸せになれない。戻って来いよ」
「戻るわけないでしょ……だいたい、彼女と別れてもいないのに戻れなんてよく言えるよね。ていうか、さっきの『色んな子と付き合ったけど』って、その言い方だと彼女と結婚してからって意味に聞こえるんだよね。浮気癖は治ってないってことでしょ。ぼくが悠馬と付き合うメリットゼロだよね。もう関わってこないで」
朱莉がぴしゃりと返すと、後ろから、カッコいいなあ、と秋生の声が聞こえた。
「そういうわけだから、朱莉を見かけても声かけないで。何かあった時は、それ相応の覚悟をしとくといいよ。まあ、今の時点で警察を呼べば訴えられるだろうけど」
どうする? と秋生が笑顔で悠馬を見やる。それを見て、悠馬は後退りをすると、少し焦った様子で、もう近づかない、と告げてきびすを返し、その場を離れていった。
それを見て朱莉が大きく息を吐く。
「ごめんね、一人にしてしまって。あれが、元婚約者?」
「はい……なんだか、相変わらずクズでびっくりしました」
「でもお陰で、朱莉くんが心変わりせずに済んだ」
秋生は朱莉から腕を解いて、今度は手を繋いでくれた。朱莉は秋生の言葉に笑いながら、それは絶対ないです、と秋生を見上げた。
「ぼくの気持ちは昨日言ったはずです」
「うん、そうだね。まあ、あんな人と比べられたら少し悲しいけど」
「比べるまでもないです」
ふふ、と笑うと、秋生も嬉しそうに笑って、帰ろうか、と手を引いてくれた。
「朱莉くんが、恋愛に対して歪んでしまった原因が分かったよ。だからこそ君を大事にしたいと改めて思ったよ」
病院のエントランスを抜け、そのままタクシー乗り場へと向かう。朱莉は秋生の隣を歩きながら秋生の言葉に頷いた。きっとこの言葉は上辺だけじゃない。優しい秋生を知っているからこそ、その確信があった。
「ぼくも、さっき泉田先生に、秋生さんを大事にするって宣言してきました」
この恋はきっと今までと違う。その予感はしている。付き合い始めてまだ二日目だけれど、秋生とならいつか家族も作れると思うのだ。
「それは……次に会った時に色々言われそうだな」
秋生は困ったようにため息を吐いているが、その表情は笑顔だった。
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