別冊 用心棒な家政夫

ハジメユキノ

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着物デート〜準備篇〜

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誂えていたデニム地の着物が出来上がってきて、伊織がそれに合わせて正絹の濃抹茶地に白抜きのトンボ柄の帯を俺にプレゼントしてくれた。

「着物なのに…デニム?」
「そうなんです!拓馬ならこういうのが似合うかなって思って……。嫌いですか?」

伊織が選んでくれたのに嫌だなんて言うはずもないんだが。心配そうに首をかしげて見上げる顔が可愛すぎて、ちょっとだけ意地悪したい気持ちが湧いてきた。

「デニムかぁ……。伊織とお揃いが良かったなぁ。」

嘘です。ほんとは凄く嬉しい!
初めての着物だから、正直肩が凝りそうだと思っていたのに、デニムの着物なんて…格好いい(笑)。
あまりにも可愛い顔で悩んでいたので……。つい、困った顔を見たいだなんて。
困った時の伊織は、眉を八の字に下げて眉間にシワを寄せて泣きそうな感じが、切なそうに俺に抱かれて感じている時の顔に似てる……。

「お揃い……。なら大丈夫です!良かった!」

ニコニコと微笑みながら「ちょっと待っててください」と言って寝室を出ていった伊織は、手に和紙に包まれた着物を掲げて戻ってきた。ベッドの上に包みをそっと置き、紙紐を解いて中を見せてくれた。

「拓馬、見てください!僕の分の…色違いのお揃いです!ペアルックみたいで恥ずかしいって言われるかと思ったので、様子を見てから着ても良いですかって聞こうと思ってたんです(笑)」

ペアルック!着物のペアルックなんて……可愛すぎるでしょ!

「伊織。ちょっとおいで……。」
「ん?何ですか?」

俺はベッドの上に広げられた着物を寝室の窓の下にある和箪笥の上に移動させて、ベッドに座るように言った。急に着物を片付けられて、何事かと緊張した面持ちでベッドに座った伊織の横に俺は腰を下ろした。

「ペアルックなんて嫌ですよね……。」

伊織の目にキラキラと輝く涙が今にも零れそうに溜まっていた。

「ごめんなさい…。僕、はしゃぎすぎですよね……。」

流石に泣かせるのはやり過ぎだと思いながらも、泣き顔に興奮している俺もいた。
ぐちゃぐちゃに甘やかしたい!

「嫌じゃないよ。嬉しい(笑)」
「じゃあなんで……。」

片付けたんですか?と言われる前に、伊織の薄い唇を奪った。不満そうに尖りそうだった唇は、俺の侵入を優しく受け入れて可愛い舌を絡ませてきた。
キスもだいぶ……上手になった(笑)。
柔らかな頬を撫でながら、Tシャツの下から薄い体をまさぐった。たくし上げられて露出した突起を
指でつまむと、口づけられながらも吐息が漏れて小さく叫んだ。人差し指が小さく円を描くと細い腰がビクビクと動き、履いていたチノパンの前を中から押し上げていた。ベルトを外してあげて苦しそうに膨らんだ伊織のを開放し、下着ごと脱がせながら言った。

「伊織……一緒の着物、ありがとう…。」

耳元で囁くと首筋が赤く染まった。さっきまで瞑っていた伊織の目が俺を真っ直ぐ見つめていた。

「お揃い……良かったですか?」
「もちろん(笑)」
「じゃあ……何で片付けたんですか?」
「ん?」

言わなきゃ…分かんないの?
それには答えず、俺は伊織の薄い唇を再び食んだ。じゅうっと吸い上げて唇を開放し、細い首筋に唇を這わせた。服で隠れる鎖骨に吸い付いて、俺のだと印をつけた。いつもダメって怒るのに、何も言わず伊織はしがみついてきた。

「嬉しくて……ね?」
「だから……こうなったの?」
「そう(笑)」

そうなんです。可愛い君をぐちゃぐちゃに甘やかすんです(笑)。
伊織をベッドに横たえると、ベッドサイドチェストから小さな玩具を取り出した。伊織から見えないように、最初は使わずに指と舌で可愛い突起をもてあそぶ。

「両方…いっしょは…ダメ……。」
「可愛い♡ここ……好きだよね?」
「んん……だって……。」
「だって?何?」

俺は伊織に言わせたくて意地悪く問いかける。すると可愛い答えが返ってきた。

「だって……まいにち…拓馬がいじるから……。」

だって可愛すぎて♡それはしょうがないのですよ(笑)。

「じゃあ……もっと気持ちよくさせてあげるね?」

小さな虫の羽音のような音がして、拓馬が僕の乳首に何か当てた。

「あっ!ヤダ!なに…?」
「ん?おもちゃだよ?」
「拓馬……ぼ、ぼく…買っちゃダメって………♡」

可愛い啼き声に続きを言えなくなってしまった。伊織は与えられる快感に欲しくなってしまったのか、脚を閉じてモジモジと腰を動かしていた。

「伊織…?脚、開いて。」

優しく、でも強引に脚を開くと、伊織の堪えきれない硬さがプルンと宙を指した。蜜が溢れて垂れ落ち、可愛い下のお口がしっとりと濡れていた。

「濡れてるね。ここも欲しいってヒクヒクしてるよ?」
「や……拓馬…。言わないで…!」
「ここもプルプルさせちゃおうか♡」

イヤイヤとはかない抵抗をする伊織の蕾にプルプルと震えるローターをあてると、ツルンと呑み込んでしまった。俺の指とは違う刺激で、か細く高く啼く伊織を見ているうちに、何だか玩具に妬けてきた。

「伊織?俺のと玩具……どっちが欲しい?」
「おもちゃ…イヤだ……。たくまがいい…よ。」

甘えるように手を伸ばす伊織に呑み込まれた玩具を引っ張り出し、俺は伊織の中に挿入はいった。伊織のと俺の先走りでいやらしく音が鳴り、伊織は恥ずかしそうに身を捩って逃げようとした。

「ダメだよ。逃さない。」

細い腰を掴むと、俺のを吸い付けて離さない伊織の中を擦り上げる。「出ちゃう!いっちゃう!」と涙を流しながら、枕に逆手にしがみついて目を瞑ってしまう。

「伊織……目、開けて?誰に抱かれてるの?」
「たくま…あっ!たくま……。」
「そうだよ、伊織。こっち見て?俺を見てイってよ。」

俺の名前を呼びながら、抱きしめてと腕を伸ばす。仕方ないなと組み敷いていた伊織を抱きしめて上に乗せた。繋がったそこは、伊織自身の重さでより深いところまで拡がっていた。「奥……奥が!」と強請る声に、腰を掴んでグリグリと押し込めた。

「奥……気持ちいい?ちゃんと言わないと…抜いちゃうよ?」
「やだ……もっと…グリグリして?」

もう…この人は!
気持ちよくなりすぎると、強請る悪い癖が出る(笑)。
可愛くて好きだけどね。

*********

どうしよう……。さっきから気持ち良すぎて怖い。頭おかしくなりそう……。

「どうした?眉間にシワ寄せすぎ(笑)」

僕の顔を心配そうに覗き込んでいる拓馬に、僕は素直にそのままを言ってみた。

「怖い……。どうにかなっちゃいそうです…。」

怖いって言っているのに…拓馬は物凄いいい笑顔!
琥珀色の瞳が意地悪そうに輝き、目尻のシワが優しく垂れている。

「そんなに…よかった?」

そうじゃなくて!怖いの!!

「もっと……気持ちよくさせてあげたい♡」
「た、たくま……!ち、違うのに……♡」

腰を持ち上げられ、同時に僕の陰茎を擦り上げる。
も、ダメ………。

*******

「あっ!伊織……今、ドライでイッた?ん?あれ?伊織…?」

ちょっと意地悪しすぎた(笑)。
意識が飛んでしまった伊織を優しく抱きしめた。柔らかなくせ毛の髪を梳いてキスをすると、俺の胸に顔を擦りつけてきた。

「んん…たくま………こわい…。」

ごめん!でも大丈夫。怖くても俺が必ず助けてあげるからね♡

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