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大団円
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児童相談所と協力して、警察は辺りの聞き込みを行い、さとうくんを保護対象とすることになった。
近所で話を聞くと、父親は気に入らない事が少しでもあると母に手を上げ、止めに入る佐藤君を今度は二人で虐待し、ろくに面倒も見ずに二人だけで出掛けてしまうことが多いという。
母親は父親べったりで、自分がやられなければいいと思っているらしく、矛先が息子に向くと助けることもなく、逆に夫に従って手を上げるのだと…。
猫の時も母親は笑って見ていたそうで、その場面に出くわした人は、こんな親に育てられるのは可哀想だと言っていたそうだ。
他にも散々同じような出来事を聞き、加戸はつくづく、だったら児相でもうちでも通報してくれよと思ったと周作に話したという。
児相に保護される時、父親も母親も出掛けていて留守だった。佐藤君は、本当に自分を助けてくれるのかと疑いの目で見ていたらしい。
父親と母親は、どうして息子を連れて行ったと怒鳴り込んできたが、暴れる二人に警察が出てくると大人しくなってしまったそうだ。
事情聴取にも素直に応じ、親権を手放すことになりそうだと…。
佐藤君は施設に入ることになり、学校を転校することになった。
ハルは、保護されてようやく人間らしい暮らしをして、身なりもさっぱりしたさとうくんが見違えるように明るくなったのを見て嬉しかった。相変わらず無口だけれど、前より近づきがたい雰囲気が薄れていて、ハルはまた声をかけた。
「さとうくん。これうちのハチ」
写真のハチはふわふわで目がまん丸の可愛いハチワレ猫だった。
さとうくんは黙って写真を手に取ると、
「こんなにフワフワなんだ…」とつぶやいた。
「良かったら、この写真あげるよ。猫好きなんでしょ?」
「えっ…」
困惑した顔をするさとうくんに、
「だってこの前、あいつ元気でいるんだって言ってたから…」
さとうくんは何でそんなこと覚えてるんだといいたそうな顔で、
「でも悪いから…」
遠慮するさとうくんの手に写真を握らせて、
「じゃあ、この写真もらってよ!もうすぐ転校しちゃうんでしょ?」
「うん…。ありがとう」
はにかむような笑顔を見せてくれた。
「僕、またハチの写真見てもらいたいから、住所教えてよ」
さとうくんは驚いた顔を一瞬見せると、
「うん、わかった!ありがと!」
とノートの切れ端に住所を書いてハルによこした。
「俺も…手紙書いたら読んでくれる?」
「いいよ!僕も書くよ!」
さとうくんは初めて打ち解けた笑顔をハルに向けた。
ハルは興奮しきった顔で、元気よく帰ってきた。
ハチはハルがご機嫌なのを察知したのか、自分のおきにいりの猫じゃらしをくわえて寄っていった。
ハルはハチを抱き上げて、
「ハチの写真、喜んでもらえたよ!」
ニャッと返事(?)をして、ハルに親愛の頭突きを食らわした。
周作が帰ってくると、三人で食卓を囲んだ。
「今日は…じゃーん!おでんです♡」
「やった!俺おでんに熱かんがいい!」
「僕にウインナー入れてくれた?」
昨日の夜から雪がキッチンでコソコソ作ってたのはこれだったのか!と周作はまた雪に惚れ直した。ちょろいな。
大根、里芋、コンニャク、白滝の丸まったやつ、ちくわにちくわぶ、タマゴ、餅巾着にさつま揚げ、紅ショウガ揚げ?トマト?ウインナー!
「お味噌汁どうしようか迷ったけど、ハルの好きなナメコが安かったから、ナメコ汁もあるけど…食べる人!」
「はい!」と二人…。
相変わらずの野菜てんこ盛り、栄養も愛情もてんこ盛りの夕ごはんに周作とハルの頬は緩みっぱなしだった。
~fin~
近所で話を聞くと、父親は気に入らない事が少しでもあると母に手を上げ、止めに入る佐藤君を今度は二人で虐待し、ろくに面倒も見ずに二人だけで出掛けてしまうことが多いという。
母親は父親べったりで、自分がやられなければいいと思っているらしく、矛先が息子に向くと助けることもなく、逆に夫に従って手を上げるのだと…。
猫の時も母親は笑って見ていたそうで、その場面に出くわした人は、こんな親に育てられるのは可哀想だと言っていたそうだ。
他にも散々同じような出来事を聞き、加戸はつくづく、だったら児相でもうちでも通報してくれよと思ったと周作に話したという。
児相に保護される時、父親も母親も出掛けていて留守だった。佐藤君は、本当に自分を助けてくれるのかと疑いの目で見ていたらしい。
父親と母親は、どうして息子を連れて行ったと怒鳴り込んできたが、暴れる二人に警察が出てくると大人しくなってしまったそうだ。
事情聴取にも素直に応じ、親権を手放すことになりそうだと…。
佐藤君は施設に入ることになり、学校を転校することになった。
ハルは、保護されてようやく人間らしい暮らしをして、身なりもさっぱりしたさとうくんが見違えるように明るくなったのを見て嬉しかった。相変わらず無口だけれど、前より近づきがたい雰囲気が薄れていて、ハルはまた声をかけた。
「さとうくん。これうちのハチ」
写真のハチはふわふわで目がまん丸の可愛いハチワレ猫だった。
さとうくんは黙って写真を手に取ると、
「こんなにフワフワなんだ…」とつぶやいた。
「良かったら、この写真あげるよ。猫好きなんでしょ?」
「えっ…」
困惑した顔をするさとうくんに、
「だってこの前、あいつ元気でいるんだって言ってたから…」
さとうくんは何でそんなこと覚えてるんだといいたそうな顔で、
「でも悪いから…」
遠慮するさとうくんの手に写真を握らせて、
「じゃあ、この写真もらってよ!もうすぐ転校しちゃうんでしょ?」
「うん…。ありがとう」
はにかむような笑顔を見せてくれた。
「僕、またハチの写真見てもらいたいから、住所教えてよ」
さとうくんは驚いた顔を一瞬見せると、
「うん、わかった!ありがと!」
とノートの切れ端に住所を書いてハルによこした。
「俺も…手紙書いたら読んでくれる?」
「いいよ!僕も書くよ!」
さとうくんは初めて打ち解けた笑顔をハルに向けた。
ハルは興奮しきった顔で、元気よく帰ってきた。
ハチはハルがご機嫌なのを察知したのか、自分のおきにいりの猫じゃらしをくわえて寄っていった。
ハルはハチを抱き上げて、
「ハチの写真、喜んでもらえたよ!」
ニャッと返事(?)をして、ハルに親愛の頭突きを食らわした。
周作が帰ってくると、三人で食卓を囲んだ。
「今日は…じゃーん!おでんです♡」
「やった!俺おでんに熱かんがいい!」
「僕にウインナー入れてくれた?」
昨日の夜から雪がキッチンでコソコソ作ってたのはこれだったのか!と周作はまた雪に惚れ直した。ちょろいな。
大根、里芋、コンニャク、白滝の丸まったやつ、ちくわにちくわぶ、タマゴ、餅巾着にさつま揚げ、紅ショウガ揚げ?トマト?ウインナー!
「お味噌汁どうしようか迷ったけど、ハルの好きなナメコが安かったから、ナメコ汁もあるけど…食べる人!」
「はい!」と二人…。
相変わらずの野菜てんこ盛り、栄養も愛情もてんこ盛りの夕ごはんに周作とハルの頬は緩みっぱなしだった。
~fin~
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