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適わない相手
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加東は早速、雪の職場に現れた。なかなか魅力的な女性だったので、加東も雪に入れ込んでる男というキャラクターを作りやすかった。
受付で口説いたり、待合室で待ちくたびれてクレームをつけたりと、ちょっと大げさに騒ぎ立てて雪に恐怖感を植え付けた。
ある日、本当の警察官がたまたま居合わせて、やばい人間が雪の周りを付け狙っていることを周知させることができ、そろそろ仕上げの時間が近づいたところで香月に連絡を取り事務所に来てもらった。
「ようこそ」
加東は香月を見て、少しホッとした。この前より元気そうだ。
「この前連絡を受けたときから心配だったんです」
心配?俺が?
「なぜです?」
「あなたの契約書を読んだんです」
「それで?」
「それでって…。危ない仕事をしないと契約を解除出来ないような事が…」
「ああ、まあ…だいたいそんな所です」
「そんな所って。何故そんな依頼請けたんですか!」
「何故?あなたの依頼を請けるためです」
何てことないという顔をするこの探偵。狙いは何?
「下手したら捕まってしまうのに。何が目的なの?」
目的…。俺はそもそも何故この人の依頼を請けようとするのか?
「うぬぼれかもしれないけれど、私が目的なの?」
「…。私は欲望の対象としての女性のためにこんな危ない橋は渡らない」
「どういうこと?」
どういうこと?俺にも自分のやっていることがよく分かっていないことに気付いた。
「ん、自分でも不思議なのですが、あなたが放っておけなかったというのはどうでしょう?」
「ふざけないで!本当の目的は何なの?可哀想な女を手に入れるため?」
「あなたは可哀想な女じゃない。私はそんな所につけ込んで堕とそうとするほど飢えちゃいない」
「私がいくら男を見る目がなくても、外見を欲しがる人くらい見分けが付くわ」
「じゃあ今は見る目がないね。俺は今まで金でしか動かない男だと思って生きてきた。だが、初めてあなたのためなら無理でも何でもやってやろうと。感情で動いたのは初めてだ。俺を変えたのはあなたなんですよ」
何を言っているのか。自分の口からこんな青臭い台詞が出るとは…。
「俺は、あなたが好きなんです。外見はもちろん美しいと思った。だが、あなたはそれを上回る美しさを内に秘めているんだ」
香月は思いも寄らない事を告げられ、何も言えず顔を赤くした。
「そ、そんなこと信用出来るわけない!」
香月はもうどうしていいのか分からず、事務所を飛び出した。
受付で口説いたり、待合室で待ちくたびれてクレームをつけたりと、ちょっと大げさに騒ぎ立てて雪に恐怖感を植え付けた。
ある日、本当の警察官がたまたま居合わせて、やばい人間が雪の周りを付け狙っていることを周知させることができ、そろそろ仕上げの時間が近づいたところで香月に連絡を取り事務所に来てもらった。
「ようこそ」
加東は香月を見て、少しホッとした。この前より元気そうだ。
「この前連絡を受けたときから心配だったんです」
心配?俺が?
「なぜです?」
「あなたの契約書を読んだんです」
「それで?」
「それでって…。危ない仕事をしないと契約を解除出来ないような事が…」
「ああ、まあ…だいたいそんな所です」
「そんな所って。何故そんな依頼請けたんですか!」
「何故?あなたの依頼を請けるためです」
何てことないという顔をするこの探偵。狙いは何?
「下手したら捕まってしまうのに。何が目的なの?」
目的…。俺はそもそも何故この人の依頼を請けようとするのか?
「うぬぼれかもしれないけれど、私が目的なの?」
「…。私は欲望の対象としての女性のためにこんな危ない橋は渡らない」
「どういうこと?」
どういうこと?俺にも自分のやっていることがよく分かっていないことに気付いた。
「ん、自分でも不思議なのですが、あなたが放っておけなかったというのはどうでしょう?」
「ふざけないで!本当の目的は何なの?可哀想な女を手に入れるため?」
「あなたは可哀想な女じゃない。私はそんな所につけ込んで堕とそうとするほど飢えちゃいない」
「私がいくら男を見る目がなくても、外見を欲しがる人くらい見分けが付くわ」
「じゃあ今は見る目がないね。俺は今まで金でしか動かない男だと思って生きてきた。だが、初めてあなたのためなら無理でも何でもやってやろうと。感情で動いたのは初めてだ。俺を変えたのはあなたなんですよ」
何を言っているのか。自分の口からこんな青臭い台詞が出るとは…。
「俺は、あなたが好きなんです。外見はもちろん美しいと思った。だが、あなたはそれを上回る美しさを内に秘めているんだ」
香月は思いも寄らない事を告げられ、何も言えず顔を赤くした。
「そ、そんなこと信用出来るわけない!」
香月はもうどうしていいのか分からず、事務所を飛び出した。
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