魔術書記官の苦悩~転生した彼女はあきらめることを知らない~

YUKI

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第二話 「努力」

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 記憶の凹凸が滑らかになるまで1週間ほどの時間がかかった。
 だが、今ではすっかりなじんでいる。

 大人の状態から子供になったせいで少し精神状態に乖離が起きているような気はするけど……。

 
「じゃあ私は本読んでくるね」

「アイナごはんの時に読んだらちゃんと来なさいね?」

「うん、わかった」


 本を一冊わきに抱え外に飛び出す。
 外といっても、庭だけど。

 最初は家の中で本を読んでいた私だが、外で読んだほうが集中できることに気が付いてからもっぱら外で読書派だ。

 何より試すのに躊躇しなくていい。


「さ、今日も勉強勉強」


 本のタイトルは「魔術について」。
 この世界にはどうやら魔術というものが実際に存在するらしく、魔術を専門に扱う人たちも存在するらしい。

 だが悲しいことに魔術といっても、詠唱とかではなく「魔法陣」を書くことで発動するものらしい。
 つまりゲームのような「ファイヤー!」とかはできないというわけだ。

 
「えーっと? 魔術を使うには……」


 しるしをかけるものと刻印できるもの、そして……。


「あとは根気強さ……ふ、私はもうあきらめることをやめたんだぞ? 根気強さならばっちこいよ!」


 本に書いてある初級編から真似して書いてみる。
 最後に血を垂らすことで、それが魔法陣発動の合図となるらしいがーーーー。

 ドンッという衝撃とともに、体が後方へ吹っ飛ぶ。

 幸いにも後ろに物がなく、ただ土の上を転げまわるだけだった。


「いっーーーーーたぁああ! ナニコレ!?」


 何もないところから突如現れた押される感覚。
 確かに痛い。
 擦ったところがズクズクと痛む。

 だがそれ以上にーーーーー


「た、楽しい!」


 もちろん今回のは失敗。
 前の人生なら、ここで才能がないとあきらめていた。
 だが今の私は違う。

 もうあきらめない。
 あきらめてなんかやらないと決めた。


「よっし、絶対今週中にはできるようになってやるぞぉおお!」


 自分を鼓舞し、再び魔術の実験に励む。

 ーーーーその日、夕飯の時にぼろぼろの姿で現れた私は、めちゃくちゃ怒られました。
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