3 / 3
第二話 「努力」
しおりを挟む
記憶の凹凸が滑らかになるまで1週間ほどの時間がかかった。
だが、今ではすっかりなじんでいる。
大人の状態から子供になったせいで少し精神状態に乖離が起きているような気はするけど……。
「じゃあ私は本読んでくるね」
「アイナごはんの時に読んだらちゃんと来なさいね?」
「うん、わかった」
本を一冊わきに抱え外に飛び出す。
外といっても、庭だけど。
最初は家の中で本を読んでいた私だが、外で読んだほうが集中できることに気が付いてからもっぱら外で読書派だ。
何より試すのに躊躇しなくていい。
「さ、今日も勉強勉強」
本のタイトルは「魔術について」。
この世界にはどうやら魔術というものが実際に存在するらしく、魔術を専門に扱う人たちも存在するらしい。
だが悲しいことに魔術といっても、詠唱とかではなく「魔法陣」を書くことで発動するものらしい。
つまりゲームのような「ファイヤー!」とかはできないというわけだ。
「えーっと? 魔術を使うには……」
しるしをかけるものと刻印できるもの、そして……。
「あとは根気強さ……ふ、私はもうあきらめることをやめたんだぞ? 根気強さならばっちこいよ!」
本に書いてある初級編から真似して書いてみる。
最後に血を垂らすことで、それが魔法陣発動の合図となるらしいがーーーー。
ドンッという衝撃とともに、体が後方へ吹っ飛ぶ。
幸いにも後ろに物がなく、ただ土の上を転げまわるだけだった。
「いっーーーーーたぁああ! ナニコレ!?」
何もないところから突如現れた押される感覚。
確かに痛い。
擦ったところがズクズクと痛む。
だがそれ以上にーーーーー
「た、楽しい!」
もちろん今回のは失敗。
前の人生なら、ここで才能がないとあきらめていた。
だが今の私は違う。
もうあきらめない。
あきらめてなんかやらないと決めた。
「よっし、絶対今週中にはできるようになってやるぞぉおお!」
自分を鼓舞し、再び魔術の実験に励む。
ーーーーその日、夕飯の時にぼろぼろの姿で現れた私は、めちゃくちゃ怒られました。
だが、今ではすっかりなじんでいる。
大人の状態から子供になったせいで少し精神状態に乖離が起きているような気はするけど……。
「じゃあ私は本読んでくるね」
「アイナごはんの時に読んだらちゃんと来なさいね?」
「うん、わかった」
本を一冊わきに抱え外に飛び出す。
外といっても、庭だけど。
最初は家の中で本を読んでいた私だが、外で読んだほうが集中できることに気が付いてからもっぱら外で読書派だ。
何より試すのに躊躇しなくていい。
「さ、今日も勉強勉強」
本のタイトルは「魔術について」。
この世界にはどうやら魔術というものが実際に存在するらしく、魔術を専門に扱う人たちも存在するらしい。
だが悲しいことに魔術といっても、詠唱とかではなく「魔法陣」を書くことで発動するものらしい。
つまりゲームのような「ファイヤー!」とかはできないというわけだ。
「えーっと? 魔術を使うには……」
しるしをかけるものと刻印できるもの、そして……。
「あとは根気強さ……ふ、私はもうあきらめることをやめたんだぞ? 根気強さならばっちこいよ!」
本に書いてある初級編から真似して書いてみる。
最後に血を垂らすことで、それが魔法陣発動の合図となるらしいがーーーー。
ドンッという衝撃とともに、体が後方へ吹っ飛ぶ。
幸いにも後ろに物がなく、ただ土の上を転げまわるだけだった。
「いっーーーーーたぁああ! ナニコレ!?」
何もないところから突如現れた押される感覚。
確かに痛い。
擦ったところがズクズクと痛む。
だがそれ以上にーーーーー
「た、楽しい!」
もちろん今回のは失敗。
前の人生なら、ここで才能がないとあきらめていた。
だが今の私は違う。
もうあきらめない。
あきらめてなんかやらないと決めた。
「よっし、絶対今週中にはできるようになってやるぞぉおお!」
自分を鼓舞し、再び魔術の実験に励む。
ーーーーその日、夕飯の時にぼろぼろの姿で現れた私は、めちゃくちゃ怒られました。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる