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「じゃあ、あとはよろしくね」
「はい、お疲れ様です」
「おつかれさまでーす」
日曜の18時ちょい前、俺は並木さんと、最近雇った若いアルバイトの子に声をかけた。
「ジャケット忘れてます!」
「ああ、ごめん」
いそいそと店を出ようとした俺は、並木さんに呼び止められ、急ブレーキをかけて、バックヤードに戻った。
「どうしたんですか?そんな慌てて?」
「ははは、ちょっと用事があってさ、じゃあ今度こそおつかれ」
訝しむ並木さんを尻目に、俺は念押しでカバンの中もチェックしながら、そそくさと店をでた。
駅につき、「駆け込み乗車はおやめください」というアナウンスを耳にしながら電車に飛び乗り、ジリジリとドア付近で待機しながら数駅分を移動し、ようやく立山駅についた。
ロータリーの大きな植木の縁に、杏子は座っている。休日だからか、私服姿だ。
起毛したオーバーサイズの黒ニットを、ワンピースのように着こなし、長く伸びた足は今日はベージュのストッキングに包まれていた。
久々の私服姿につい見惚れてしまったが、完全に遅刻していることを思い出し、慌てて駆け寄った。
「ごめん、遅くなった」
「仕事?」
「帰り際にお客さんからの電話に捕まっちゃってさ、参ったよ」
俺の言い訳に、杏子は軽く微笑むだけで答えた。
いつもなら「社畜ってんねー」くらい言いそうなところだ。
少しばかり元気がないような…気のせいだといいけど。
「で、どこ行く?」
「実はもう決めてあるんだ」
「へー、めずらし」
「予約もしてあるからついてきて」
こうして俺たちは、すっかり陽が落ちた街を並んで歩いた。
いろいろ悩んだが、他に良さげな店も見つからなかったため、結局あのパイのレストランにした。
そもそも、杏子が好きそうな店かどうかを吟味するために下見したわけだしな。
いつもならもちろんここまでやらないけど、今日は特別だ。
「いい感じの店だね」
店内に入り、席に案内された杏子は、周囲を見渡しながら言った。
「こんな店知ってたんだ?」
「いや俺もはじめてだよ、食べログ見てたらたまたま目に止まって、なんとなく気になってね」
「ふーん」
「あ、メニューはスマホから見れるし、そこから注文もできるみたいだから」
杏子はスマホを操作して、店のメニューに目を通した。
「へー、パイ食べ放題なんだ」
「そうなんだよ、甘いやつだけじゃなくてしょっぱいのもあるし、それとチーズピザがすごく…なんだい?」
杏子はスマホから目を離し、熱心に語る俺を見てにやけていた。
「詳しいじゃん、はじめて来たのにさ」
「よ、予約のときにね、ついでにメニューを見たからさ」
「ふーん」
照れ臭さでとっさに初めて来たと言ってしまったが、よけいな見栄だったかもしれないな…
少し元気がないように見えたから、食べ放題は失敗だったかもと懸念したが、どうやらその心配はなかったらしい。
「うう、食い過ぎたあ」
「メニューにあるパイ全部制覇したら、そりゃあな」
「元取らなきゃじゃん」
結局、杏子はいつものように、むしろいつも以上によく食べた。
テーブルの端に寄せてある大皿の山が、それを物語っている。もちろん、あのヘビー級のチーズピザも平らげた。
そして会計を終え、店の外で待っていた杏子は、あらたまった口調で言った。
「ご馳走様、いろいろありがとね、岩城さん」
下見まで行ったことを、やんわりと勘づかれてる気がするな。
「いえいえ」
「あと…」
「うん?」
「ううん、やっぱいいや」
やはり、少し様子が変だ。
モノレール下の遊歩道を歩いていると、木々たちにオレンジや黄色のライトが装飾されているのに気づいた。
さらにところどころに、輝くジャックオーランタンがいる。
そうか、もうすぐハロウィンか。杏子と出会ってから、二月近く経過しているらしい。
もう二月な気もするし、まだ二月な気もする。本当に、不思議な数ヶ月だ。
そうだ、まあまあ雰囲気もいいし、ここでいいか。
俺は立ち止まった。するとほぼ同時に、なぜか杏子も立ち止まる。
俺はカバンの中を漁り、ある物を取り出し、彼女の正面に移動し、手渡した。
「17歳の誕生日、おめでとう」
「え?」
「誕生日、昨日だったんだろ?」
「そ、そうだけど、なんで知ってんの?」
「ほら、ラウワンのカラオケで」
「あ」
あの日、ひととおりスポッチャを楽しんだあと、俺たちはカラオケに行った。
カウンターで前の客が手続きしているのを待っているあいだ、杏子はトイレに行くといい、学割のための学生証を俺に手渡したのだ。
そのときにチラッと生年月日が見え、彼女の17歳の誕生日が目前に迫っていたのを知った。
俺から受け取った赤いリボンがついた茶色い巾着袋を見つめ、杏子は固まった。
「えっと、もしよければ開けて見てみて」
彼女はリボンをほどき、中からオレンジの箱を取り出した。
「これ…」
「知ってるだろうけど、香水だよ」
「どうして…これ選んだの?」
杏子は硬い声で言い、ジッとソレを見つめていた。うつむきがちな姿勢のため、微妙に表情が見えず、どういう感情なのか読めない。
もしかして外したかもしれないと思うと、背筋が凍る。
「杏子のスマホケースに似てたからだけど、あれ?違った?」
「ううん…そうだよ」
杏子のスマホケースは立体的な香水のボトルが描かれているもので、特徴的な楕円形をしていた。
たまたま在庫をチェックしてたら、そっくりな香水が目にとまり、社長に頼み込んで入手したのである。
「たしか廃盤…だよね?どうやって?」
「み、店の在庫でたまたま見つけて、でも未使用品だから!」
「ふふふ…そういう問題じゃなくね?」
「ゔ」
痛いところをつかれた。そこがネックで、ギリギリまで悩んだのだ。
でも時間もなかったし、そもそもいまどきのJKが喜びそうなものを俺がゼロから導けるはずもないため、無難と冒険の中間択として、これにしたのだ。
でもやっぱり、中古品はなかったか?やらかしたのか?
背中にじわじと冷や汗が滲んできた。
「まったくもー、しょーがないなあ岩城さんは」
いつもの軽い調子で、でも微かに震える声で、杏子はぼやいた。
「めんもくない」
「ふつーの女なら、下手すりゃガチギレ案件だよ」
「ごもっともです」
「だから他の女にはやっちゃダメだよ」
杏子は、目の端を指で拭いながら、うつむき加減だった顔をあげた。
「こんなの泣いて喜ぶの、アタシくらいなんだかんね」
泣き笑いの表情を浮かべる杏子。
拭いきれなかった雫が、彼女の頬をゆっくりとなぞる。
そしてハロウィンのライトに照らされたソレは、さながらトパーズのような光を帯びた。
絵に描いたような、というかもしも俺に絵の才能があれば、この場で筆をとって描写し、後世に残したくなるような、そんな光景だった。
勘弁してくれよ。
これ以上ないと思っていた恋心が、また大きく膨らみ、もはや破裂しそうで、痛いくらいだ。
「はい、お疲れ様です」
「おつかれさまでーす」
日曜の18時ちょい前、俺は並木さんと、最近雇った若いアルバイトの子に声をかけた。
「ジャケット忘れてます!」
「ああ、ごめん」
いそいそと店を出ようとした俺は、並木さんに呼び止められ、急ブレーキをかけて、バックヤードに戻った。
「どうしたんですか?そんな慌てて?」
「ははは、ちょっと用事があってさ、じゃあ今度こそおつかれ」
訝しむ並木さんを尻目に、俺は念押しでカバンの中もチェックしながら、そそくさと店をでた。
駅につき、「駆け込み乗車はおやめください」というアナウンスを耳にしながら電車に飛び乗り、ジリジリとドア付近で待機しながら数駅分を移動し、ようやく立山駅についた。
ロータリーの大きな植木の縁に、杏子は座っている。休日だからか、私服姿だ。
起毛したオーバーサイズの黒ニットを、ワンピースのように着こなし、長く伸びた足は今日はベージュのストッキングに包まれていた。
久々の私服姿につい見惚れてしまったが、完全に遅刻していることを思い出し、慌てて駆け寄った。
「ごめん、遅くなった」
「仕事?」
「帰り際にお客さんからの電話に捕まっちゃってさ、参ったよ」
俺の言い訳に、杏子は軽く微笑むだけで答えた。
いつもなら「社畜ってんねー」くらい言いそうなところだ。
少しばかり元気がないような…気のせいだといいけど。
「で、どこ行く?」
「実はもう決めてあるんだ」
「へー、めずらし」
「予約もしてあるからついてきて」
こうして俺たちは、すっかり陽が落ちた街を並んで歩いた。
いろいろ悩んだが、他に良さげな店も見つからなかったため、結局あのパイのレストランにした。
そもそも、杏子が好きそうな店かどうかを吟味するために下見したわけだしな。
いつもならもちろんここまでやらないけど、今日は特別だ。
「いい感じの店だね」
店内に入り、席に案内された杏子は、周囲を見渡しながら言った。
「こんな店知ってたんだ?」
「いや俺もはじめてだよ、食べログ見てたらたまたま目に止まって、なんとなく気になってね」
「ふーん」
「あ、メニューはスマホから見れるし、そこから注文もできるみたいだから」
杏子はスマホを操作して、店のメニューに目を通した。
「へー、パイ食べ放題なんだ」
「そうなんだよ、甘いやつだけじゃなくてしょっぱいのもあるし、それとチーズピザがすごく…なんだい?」
杏子はスマホから目を離し、熱心に語る俺を見てにやけていた。
「詳しいじゃん、はじめて来たのにさ」
「よ、予約のときにね、ついでにメニューを見たからさ」
「ふーん」
照れ臭さでとっさに初めて来たと言ってしまったが、よけいな見栄だったかもしれないな…
少し元気がないように見えたから、食べ放題は失敗だったかもと懸念したが、どうやらその心配はなかったらしい。
「うう、食い過ぎたあ」
「メニューにあるパイ全部制覇したら、そりゃあな」
「元取らなきゃじゃん」
結局、杏子はいつものように、むしろいつも以上によく食べた。
テーブルの端に寄せてある大皿の山が、それを物語っている。もちろん、あのヘビー級のチーズピザも平らげた。
そして会計を終え、店の外で待っていた杏子は、あらたまった口調で言った。
「ご馳走様、いろいろありがとね、岩城さん」
下見まで行ったことを、やんわりと勘づかれてる気がするな。
「いえいえ」
「あと…」
「うん?」
「ううん、やっぱいいや」
やはり、少し様子が変だ。
モノレール下の遊歩道を歩いていると、木々たちにオレンジや黄色のライトが装飾されているのに気づいた。
さらにところどころに、輝くジャックオーランタンがいる。
そうか、もうすぐハロウィンか。杏子と出会ってから、二月近く経過しているらしい。
もう二月な気もするし、まだ二月な気もする。本当に、不思議な数ヶ月だ。
そうだ、まあまあ雰囲気もいいし、ここでいいか。
俺は立ち止まった。するとほぼ同時に、なぜか杏子も立ち止まる。
俺はカバンの中を漁り、ある物を取り出し、彼女の正面に移動し、手渡した。
「17歳の誕生日、おめでとう」
「え?」
「誕生日、昨日だったんだろ?」
「そ、そうだけど、なんで知ってんの?」
「ほら、ラウワンのカラオケで」
「あ」
あの日、ひととおりスポッチャを楽しんだあと、俺たちはカラオケに行った。
カウンターで前の客が手続きしているのを待っているあいだ、杏子はトイレに行くといい、学割のための学生証を俺に手渡したのだ。
そのときにチラッと生年月日が見え、彼女の17歳の誕生日が目前に迫っていたのを知った。
俺から受け取った赤いリボンがついた茶色い巾着袋を見つめ、杏子は固まった。
「えっと、もしよければ開けて見てみて」
彼女はリボンをほどき、中からオレンジの箱を取り出した。
「これ…」
「知ってるだろうけど、香水だよ」
「どうして…これ選んだの?」
杏子は硬い声で言い、ジッとソレを見つめていた。うつむきがちな姿勢のため、微妙に表情が見えず、どういう感情なのか読めない。
もしかして外したかもしれないと思うと、背筋が凍る。
「杏子のスマホケースに似てたからだけど、あれ?違った?」
「ううん…そうだよ」
杏子のスマホケースは立体的な香水のボトルが描かれているもので、特徴的な楕円形をしていた。
たまたま在庫をチェックしてたら、そっくりな香水が目にとまり、社長に頼み込んで入手したのである。
「たしか廃盤…だよね?どうやって?」
「み、店の在庫でたまたま見つけて、でも未使用品だから!」
「ふふふ…そういう問題じゃなくね?」
「ゔ」
痛いところをつかれた。そこがネックで、ギリギリまで悩んだのだ。
でも時間もなかったし、そもそもいまどきのJKが喜びそうなものを俺がゼロから導けるはずもないため、無難と冒険の中間択として、これにしたのだ。
でもやっぱり、中古品はなかったか?やらかしたのか?
背中にじわじと冷や汗が滲んできた。
「まったくもー、しょーがないなあ岩城さんは」
いつもの軽い調子で、でも微かに震える声で、杏子はぼやいた。
「めんもくない」
「ふつーの女なら、下手すりゃガチギレ案件だよ」
「ごもっともです」
「だから他の女にはやっちゃダメだよ」
杏子は、目の端を指で拭いながら、うつむき加減だった顔をあげた。
「こんなの泣いて喜ぶの、アタシくらいなんだかんね」
泣き笑いの表情を浮かべる杏子。
拭いきれなかった雫が、彼女の頬をゆっくりとなぞる。
そしてハロウィンのライトに照らされたソレは、さながらトパーズのような光を帯びた。
絵に描いたような、というかもしも俺に絵の才能があれば、この場で筆をとって描写し、後世に残したくなるような、そんな光景だった。
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