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チトセ(親友)&ナル(双子の兄)&ナミ(双子の弟)

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放課後の教室で、ナルはかばんの中に教科書を詰めていた。
「ナル~!か~えろ♪」
ナルがナミの後ろから抱きついてきた。
2人は違うクラスだが、毎日一緒に帰っている。なぜなら、
「おう!帰ろ!」
ナルはナミと手を繋ぐと、校門へと向かった。
すると、
「ナル!ナミ!」
と、後ろから呼ぶ声がした。ナルとナミが振り返ると、チトセがいた。
「どうしたの?チトセ。一緒に帰る?」
ナミが聞いた。
「一緒に帰るのもそうだけど、2人とも土日暇?」
「…?暇だけど…。」
ナルが言うと、チトセの目が輝いた。
「これ行こうよ!」



「うわぁぁ!!広いね!」
ナミが、部屋を見渡して言った。
俺…ナルとナミ、チトセの3人は1泊2日の温泉旅行に来ていた。
「さすが1等の景品…当たってよかった。」
チトセが言った。
この温泉旅行に来れたのは、チトセのおかげだ。なぜなら、チトセが商店街の景品…温泉旅行のチケットを当てたからだ。
「チトセ。誘ってくれてありがとな。」
俺が言うと、
「ナルナミは俺の大事な友達…いや…親友だもん!誘うのは当たり前だよ!」
と、チトセが言った。
「チトセ…その言葉に僕…感動したよぉ~!」
ナミが、チトセに抱きついた。俺は少しムッとした…でも、
「ちょ…ナミw抱きつくと俺がナルに睨まれるからやめてw」
チトセもナミも楽しそうに笑っていたから、怒る気になれなかった。
「2人とも!早く準備しないと遊ぶ時間減るぞ!」
『!?』
俺が言うと、2人は慌てて出かける準備をした…




「あ~楽しかった~♪」
「ナルとナミは2人でずっと手を繋いでたね~。羨まし~」
「なっ!別にいいだろ!」
「そんなことより早く温泉行こ~!」




「ふぅぅ…いい湯だなぁ…。」
温泉に浸かったチトセが言った。
「ちょwチトセおっさんw」
俺が言うと、
「うっさいw」
と、笑いながらチトセが言った。
「それにしても、色々な種類の温泉があるね!」
ナミが、見渡しながら言った。俺も辺りを見渡す。すると、ふと思ったことがある…

“人居なくね?”

「なぁ、人居なくね?」
「言われてみれば…確かに…。」
チトセが言った。
「貸し切りみたいでいいじゃん♪僕、色々回ってくるから、ナル達はここに居てね~!」
そう言ってナミは、俺とチトセを残してどこかへと行った…





「2人っきりだね…」
“ひぃっ!”
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