人形撃

雪水

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記録(後編)

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6日目
ついにと言うべきかやはりと言うべきか、件の3人組の生きていた2人も息絶えてしまった。
死因は両者餓死だそうだ。
全く栄養素を取っていなかったので2人の体はやせ細り胸のあたりには胸骨や肋骨が浮き出ていたらしい。
見るものによってはおぞましい悪霊の顔が浮き出たように見えたとか。

7日目
ほとんどの村人が発熱や栄養失調を起こしているさなか、3人組の葬儀が執り行われ、遺品整理が行われた。
そしてついに3人組が盗んだ人形が見つかる。
リーダーの母親を初めとした村人は初めこそ人形がなにかわかっていなかったが、木箱や布を見つけたときに初めて私が厳重に保管していた荷物だということに気づく。
そしてその人形は3人組の手によって壊されていたのだが、リーダーが死んだときの姿にまるでそっくりな形だったそうだ。
その時になってようやくこの人形が元凶かもかもしれないという推測にたどり着いた。
しかし私が居ない以上、唐笠村はもう終焉の時を待つしか道は残されていなかった。

8日目
唐笠村に霊媒師が居ないわけではなかったようだ。
以前と同じように人形の形をもとに戻し、箱の中に入れ布で巻いて厳重に保管をした後にお祓いをしようとしたらしいが、代々呪術師の家系の私ですら封印するのに手こずった相手をそう簡単に祓えるはずもなく結果、呪霊の怒りを買い更に村の壊滅のスピードが早まっただけだった。

9日目
ついに死人が出始めた。
餓死、栄養失調、腫瘍などの病死、痙攣による窒息死、変死、自殺
見るに堪えないまさに地獄絵図であった。
生き残りの村人も栄養失調や病魔に侵されている影響でまともに葬儀が執り行える状況ではなくあちらこちらに死体が転がっている村になってしまった。

10日目
運命の日が訪れた。
葬儀が行われていなかった死体の腕や足、頸が異常に折れ曲がり、あの人形のような姿に変貌していった。
そして何者かに操られるようにして人形が保管されている神社へとみな歩みを向けて歩き出した。
その様子はさながら意のままに操られ、笑いものにされる人形劇そのものであった。
数少ない生き残りの村人はこの日の晩、突如として姿を消した。

11日目
神社が焼け落ち、昨日操られるようにして神社の中にはいっていった住人たち、忽然と姿を消した他の村人もが焼死体として見つかった。
不思議なことに件の人形だけは焼けずに済んだ。
あの人形の中に住み着いている呪霊の新たな器は唐笠村になってしまったようだ。
私ももうこれ以上ここに居ては命の危機に合う気がするので他の村へと急ごうと思う。
いつかこの記録を誰かが見ることがあれば決して唐笠村には近づかないように願うばかり。
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