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背伸びした味(光輝視点)
ファーストキスの味は(後編)✦微{キス有}
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20分と少しだけ電車に揺られているといつの間にか四ツ橋駅についていたのでそのままアメリカ村まで向かう。
現在時刻は12時23分、泊まる場所まではここから大体30分なので2時間弱ここで遊ぶことができる。
まず真っ先に双葉の目についたたこ焼き屋さんに向かった。
向かいながらも両側のお店の群れの中にたこ焼き屋が並んでいるのが見え 「さすが大阪だなぁ」 と思った。
「双葉、どんくらいたこ焼き食べたい?」
「全部のお店で食べたい!」
「全部のお店かぁ、周り見てみて、すごく多いの。」
「え?...うっわぁ」
小学生のドン引き顔を初めて見た。
「1番少ないやつにしていろんなところで食べようか?」
「そうしよう!」
1軒目のたこ焼きは出汁がきいていてふわふわ系のたこ焼きだった。
2軒目は1軒目と違い周りがカリッとしていて中はとろとろしている系のたこ焼きだった。
3件目からはソースとマヨネーズ以外で食べようという話になったので3件目はネギポン酢を選んだ。
案外さっぱりと食べることができるのでたこ焼きがご飯というより軽食のような感じになるな...
4件目は醤油、5件目は出汁、6件目は大根おろし、7件目はラー油、8件目は明太マヨ、9件目は...と思ったところで双葉から満足したという宣言が出されたので甘いものを買いに行くことにした。
少し歩くとりんご飴の店があったのでシナモンシュガーがかかったりんご飴を買った。
食べ歩き用に切ってカップに入れられていたのでとても食べやすかった。
周りの飴が薄めでりんごの食感が損なわれていなく、シナモンの味もしていたのでアップルパイを食べているような気分になった。
甘いものを食べたらまたしょっぱいものを食べたくなるよねということで次に食べ歩きで食べられる韓国チキンのお店に行くことにした。
やっぱり大阪の観光街?なことだけあって食べ物屋さんがたくさんある。
たこ焼き屋にりんご飴屋に韓国チキン屋に...どこを見ても食べ物屋さんか古着屋かよくわからない入りづらいお店ばかりしかない。
韓国チキンというだけあって人気で結構並びそうなので双葉に聞いてみた。
「結構並びそうだけどどうする?」
「韓国チキンがなにかわからないけど食べてみたいから並ぶ!」
食への飽くなき探求心。
韓国チキン屋に向かう最中にもいちご飴屋とお茶屋をも見つけたので韓国チキンのあとはここに寄ってホテルに行こうと思う。
テイクアウト限定なので回転率が高く案外待たなかった。
外に座って食べられるスペースがあったので双葉とそこで座って食べることにした。
双葉はハニーマスタード味に、俺はヤンニョム?とか言うのにしてみた。
注文を受けてから作っているのか衣が揚げたてのようでとても美味しかった。
時間を見ると14時12分、もう移動し始めたほうがいいか。
「そろそろ泊まる場所に移動するけどほか行きたいところとか無い?」
「もう結構いろんな物食べたからいいかな、ありがと!」
「そしたら駅行こうか」
2時間弱の食べ歩きを終えてまた四ツ橋駅に向かった。
数分電車に揺られたところでお腹が満たされて眠たくなったのか双葉はうとうとしだした。
「...こーしててもいい?」
電車内なので小さい声で話しかけながら俺の腕に体重を預けてきた。
「いいよ、ついたら起こしてあげる。おやすみ」
そう言うと普段の癖なのか俺の腕を抱いて寝てしまった。
かわいい。
電車に乗っている25分がこんなに早く感じたのは初めてだった。
「双葉、起きて」
双葉は寝起きがいいので声をかけるだけで起きる。
「ついた?」
「あとちょっとで降りる駅だから降りる準備だけしといてね」
「わかった」
時間は14時52分、ほぼ予定通りだ。
電車から降りて歩いて6分、泊まる場所が見えてきた。
フロントで受付をしている間、双葉には後ろ側にあるソファで待っていてもらった。
「すみません、予約した高橋です。」
「高橋様...はい、お待ちしておりました。本日大人の方1名様、小学生の方1名様の柚子の間の予約でお間違い無いですか?」
「はい、ありがとうございます」
「それでは軽くご説明させていただきますね」
しばらくの説明を聞いた後に部屋に案内してもらった。
露天風呂がついてるということでどこに部屋があるんだろうかと思っていたが...
「柚子の間は建物外にありますのでご案内いたしますね。」
まさか別の建物だとは...
「双葉、行くよ」
「え?外行くの?」
「なんか俺も知らなかったけど別の場所にあるみたい」
「へぇ~」
やいのやいの言いながら荷物をまとめ受付の女の人についていった。
1.2分歩いただろうか、旅館の目の前にある大通りから1本外れた道に入りそこから60mほど歩くと一軒家のような佇まいの建物についた。
まさかと思ったが受付の人の
「こちらが柚子の間となっております」
の1言で実感した。
俺はとんでもなくいい場所を予約した、と
鍵を渡され、扉を開けると目の前には靴を脱ぐ場所と靴箱、その先にはスリッパが並べて置かれていた。
大浴場の場所の説明、利用ができる時間、夕食の時間、夕食はここまで運んでもらえること、その他サービスや部屋の簡単な説明、アメニティの説明をしてくれて受付に戻っていった。
まぁ部屋にお風呂付いてるし大浴場は行かなくていいか。
「光輝さん、ここすごいね!」
「ね、想像以上に良さそうなところだった」
「お風呂入るために向こうまで戻るのちょっと大変だねぇ...」
そういえば双葉にどんな部屋にしたのか一切説明してなかったや。
「それがね双葉、こっちついておいで」
「?」
そう言って俺は双葉を露天風呂まで連れて行った。
正直大通りも近いから景色にはあまり期待していなかったが露天風呂の扉を開けた眼の前には簡易的な庭園が作られており、小さな滝まで流れていた。
すげぇな。
双葉の方を見ると怪訝な顔をしている双葉と目があった。
「双葉...どうした?」
「すごいね...」
「いやほんと、想像以上すぎる」
「じゃあお部屋でお風呂入れるんじゃん、最高!」
「晩ごはんもここまで持ってきてもらえるみたいだし2人でゆっくりできるよ」
「やったね!」
「どうする?ちょっとつかれただろうし寝る?」
「うーん、そうだねちょっと寝ようかな」
「お、押入れの中にちょうど換えの掛け布団2枚あるから1枚畳に敷いてもう1枚を掛け布団にすればいいか」
言いながら俺は2枚の布団を引っ張り出し、簡易的な一対の布団を作った。
「ん、できたよ双葉」
「ありがとー...光輝さんは寝ないの?」
「ん?俺はここの座椅子で寝るから大丈夫だよ」
「一緒に寝ないの?」
「一緒に寝たいの?」
「当たり前じゃん」
飄々と返している風で顔が真っ赤になってるのとんでもなく可愛い。
「いいよ、一緒に寝ようか」
そういった途端双葉は満面の笑みで布団の半分を開けてくれた。
「おやすみ双葉」
「おやすみ」
ふと唇に柔らかな触感を覚えたが双葉が俺の胸元に顔を埋めているのでなにもなかったと思いこむことにした。
...数時間経って居るだろうか、時間を確認しようにも双葉の腕が俺の体にしっかりと巻き付いていて身動きが取れない。
正直とても幸せだ。
そういえば、とポケットに手を入れるとスマートフォンが入っていたので時間を確認する。
18時42分、夕食の時間は確か19時のはずなので双葉を起こすことにした。
「双葉、そろそろご飯だから起きて」
「んん、ん~...」
珍しく寝起きが悪い
「ほら起きて、起きないとちゅーするよ?」
冗談半分で言ったことだが双葉は顔を真っ赤にしながら飛び起きた。
「何!?僕してないよ??ちゅーとかしてないからね!!?」
「ど、ちょ、落ち着いて?別に双葉が俺にちゅーしたとかそういうことを言ってるわけじゃないから!!」
...寝る前のあれは気の所為ではなかったようだ。
幸せなような、理性を保つのが大変なような...
起きたばっかりのあまり回らない頭を起こしつつもまったりと部屋で過ごしているとインターホンが鳴った。
ドアを開けると従業員が2人立っていた。
手には1つずつお重を持っている。
「お夕食をお持ちいたしました」
「あ、ありがとうございます」
「軽くだけご説明差し上げたいのでこちら広げさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ぜひお願いします」
「ありがとうございます、では大人の方のお夕食の説明から...」
一通り説明を受け、旅館の人を玄関まで見送るときに声を潜めてこう告げられた。
「小学生の方の分を少し軽めにしております。お食事がお済みになられましたらお部屋の備え付けの固定電話でフロントまでお知らせ下さい。お重の回収とサプライズのケーキをお持ちいたします」
「何から何までありがとうございます」
「それではごゆっくり...あ、ケーキとご一緒にお持ちする飲み物は何がよろしいでしょうか」
「あー、じゃあミルクティーでお願いします」
「お二人ともですか?」
「俺もいいんですか?」
「もちろんでございます」
「じゃあアイスのミルクティーとアイスコーヒーでお願いします」
「ミルクとガムシロップどうなさいますか?」
「ミルクティー用にガムシロップだけつけておいてください」
「かしこまりました、それでは失礼いたします」
「おまたせ双葉、食べようか」
「食べよ!お腹すいた」
「じゃ、いただきます」
「いただきまーす」
こう、改めて見るとなんとも豪華な内容だ。
蓋のない3段のお重があり、1番上にはサラダ、鱧の湯引き、フカの酢味噌和えが、2段目には牛肉、エビ、ししとう、かぼちゃ、タコ、紅生姜、大葉の串カツとソース、3段目には色々な種類のお刺し身とカルパッチョが入っていた。
双葉の方は鱧の湯引きがキスの天ぷら、フカの酢味噌和えがミニハンバーグになっていて、2段目、3段目は内容が同じだった。
俺も双葉もこれ美味しいだのなんの魚だろうだの和気あいあいと喋りながら気づけばいつの間にか完食していた。
双葉はまだ足りない~と言っていたがこれからケーキを食べるんだからきっと満足してくれるはずだ。
フロントに電話をかけ、食事を終えた旨を伝える。
しばらくテレビを見て待っているとインターホンが鳴った。
サプライズなので双葉も玄関まで連れて行く。
ドアを開けるとすぐに従業員さんが双葉を見て笑顔で
「ご卒業おめでとうございます!!」
といってそこそこなサイズのケーキが2つ乗ったお皿を双葉に差し出した。
双葉はあまり状況が飲み込めていないようで
「え?あ、ありがとうございます?」
という反応だったがサプライズを受けていることに気が付きとても喜んでいた。
従業員さんもその反応を見てとても喜んでくれていた。
双葉はケーキを見ながらとてもはしゃいでいた。
一方俺はというとその様子をずっと動画に撮っていた、素晴らしく可愛い双葉を一瞬たりとも逃すものかとさながらプロのカメラマンにでもなった気分だった。
「ね、光輝さんも食べよ!」
「そだな、一緒に食べるか」
「すごい綺麗なケーキだね、前にも2人でケーキ食べたよね」
「食べた食べた、あれはあれで綺麗だったよな」
「わ、すごく甘いけど甘すぎない」
「どっちなのそれ」
「光輝さんも食べたらわかるよ、はいあーん」
「え、いや自分で食べれるから」
「僕がしたいだけだから、ほらあーん」
「あ、あーん...美味しい。確かにすごく甘いけど甘すぎない、っていうか後に残らない甘さだね」
「言いながら珈琲飲んでるじゃん」
「ここの珈琲美味っ」
「えー僕も飲みたい!」
「ミルクティーがあるだろ?」
「む~、そうだけどさぁ」
「あとケーキ食べていいよ」
「え、いいの?」
「うん、俺にはやっぱり甘すぎた」
「じゃいただきます、もう食べてるけど」
嬉々としてケーキを頬張る双葉がなんとも可愛らしくて俺はずっと双葉を眺めていた。
しばらくすると双葉から 「いつまで見てるの」 と苦情が入ったが構わず見続けると 「先お風呂入っててもいいよ」 と言われたので冗談で
「一緒にお風呂入らなくていいの?」
と聞くと 入る!! と返ってきてしまった。
どうしよう、これはまずい。そう思っていると意外な言葉が双葉から飛び出した。
「でも僕まだケーキ食べてるから明日の朝一緒に入ろ!」
正直助かった。
寝間着代わりの浴衣を持って脱衣所に行き服を脱いで風呂に入る。
頭と身体を洗い、露天風呂に浸かる。
眼の前の庭園もさることながら晴れているので星がよく見える。
大阪でもこんなに綺麗に星が見えることもあるのかと少々感動した。
しばらく心を手放し空を眺めていたその時
ガチャッ
嫌な予感がした。
「来ちゃった!」
予感は的中、ケーキを食べ終えた双葉が露天風呂に来てしまったのだ。
「わ、すごい綺麗だね!」
「ね、早く頭と身体あらってこっちおいで」
極めて冷静に喋る。
「ね、光輝さん」
「ん?」
「洗ってほしいなぁ、なんて」
「えー、」
正直とても乗りたい、その提案に。しかし大人としてどうなんだろうか。
「お願い!」
「お願いとまで言われると仕方ないなぁ」
理性、あっさり崩壊。
幸いなことにまだ双葉の裸体を見ていないので俺の息子は熱を持っていない。
風呂から上がり、すでに椅子に座っている双葉の方を向く。
少しだけ見える尻に白くしなやかな腰に本当に軽くだけ筋肉の付いている背中、髪が少しかかっている首筋
見れば見るほどなんとも言えない気分になってくる。
「じゃ濡らすぞ」
「はーい」
双葉の頭にシャワーをあてがう。
みるみるうちに髪がお湯にまみれていく。
しばらくお湯をかけた後にシャンプーを手につけ双葉の頭を洗う。
「力加減大丈夫か?」
「うん、きもちー」
無心で洗うことに努める。
「そろそろ流すぞ~」
「はーい」
泡が双葉の体をなぞって落ちていく。
なんでもないはずのその光景がなんとも艶めかしく見えてしまう。
「体は自分で洗えるよな?」
「えー洗ってほしい!」
「えー、どうしよっかなぁ」
「お願い!!」
「お願いされたらなぁ...でも恥ずかしくないか?」
「ちょっと恥ずかしいけど光輝さんに洗ってもらいたい!」
「じゃまず後ろから洗っていくぞ」
言いながらボディーソープを手につけ背中を洗う。
「ひゃあっ!」
「何!?」
「いやこちょばくって」
「やめとく?」
「やめない」
「じゃ洗うぞ」
「はーい」
...すべすべすぎるな、背中も腰もしなやかだ。
「背中と腰洗い終わったよ」
「ありがと~、、よいしょ」
俺の目の前に双葉の体の前側が惜しげもなくさらされている。
何も考えないように早く洗ってしまおう。
胸元、お腹、腕、脇、脇腹まで洗い終わり下半身を洗う時間が来てしまった。
「上半身洗い終わったよ、下半身はどうする?」
「洗ってほしいな~」
「はいはい」
そういうと双葉は立ち上がった。
もう何も言うことはあるまい。
本当に美しくしなやかなふくらはぎから太もも、まだまだ控えめな双葉の息子に鼠径部。
はっきり言って欲情しかしない。
浴場で欲情、なんてつまんないことを考えてなければ理性が吹っ飛びそうだ。
足を洗い、ふくらはぎ、太ももを洗った後に双葉の息子を優しく洗う。
双葉は身を捩っていたが嫌がってはいなかった。
後ろを向いてもらい洗おうとしたが双葉のお尻が目に飛び込んできてしまいしばらくは自分との戦いになってしまった。
何も考えるな、おれ。
努めて冷静にふくらはぎと太もも、内ももを洗いお尻を洗う。
柔らかっっっっ。
いつまでも触っていたくなるような気持ちよさがある。
こそばゆいのかたまに双葉が甘い声をあげる。
やめてくれ。
理性が持たんだろうが。
その後もお尻を洗っていると
「どれだけ僕のお尻触ってるの、好き?」
と聞かれたのでもう正直に答えた。
「うん、気持ちよくてずっと触っていたくなる」
「じゃあとでいっぱい触っていいよ」
「え嬉しい」
「恥ずかしいけど光輝さんなら全然おっけー」
「じゃ流すね」
「はーい」
体中の泡が全て流れ落ちたことを確認してから露天風呂に浸かる。
お風呂に浸かると日本人の本能としてどうも変に落ち着いてしまうが今はとてもありがたい。
双葉がもたれかかってくるので少年の柔肌が常に密着している状態なのは少々危なっかしいがなんとかなっている、と信じている。
そのまま30分ほど浸かっていただろうか、俺はその前から浸かっていたからそろそろのぼせそうだと思い双葉に声をかける。
「俺そろそろ上がるね」
「じゃあ僕も上がる!」
「もうちょっと浸かってたら?」
「光輝さんに拭いて欲しいから上がる~」
「じゃ、じゃあ俺が拭き終わったら呼ぶからそれまで浸かっといて、湯冷めしたら困るし」
「はーい」
双葉が物分り良くて本当に良かった。
まだまだ夜は長いと言うのに俺は理性を保てるか自信がなくなってきた。
さっと体を拭き浴衣を着てから双葉を呼ぶ。
「双葉、おいで~」
そう声をかけると躊躇いなく双葉が風呂から上がったので濡れて光を反射する双葉の肌が良く見えてしまった。
思わずまじまじと眺めてしまいさすがに双葉も
「光輝さんにそんなに見られたら恥ずかしいんだけど…」
と言っていた。とりあえず謝っておこう。
「ご、ごめん…」
「ゆっくり見るのはまた後でね」
「え?」
「さーむーい、早く拭いて~」
「あ、あぁごめん。こっちおいで」
なにか今聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするが気のせいにしておこう。
経験則としてこういう時の気のせいにしておこうで気のせいだったことはほとんど無いが、
タオルを広げていたところに双葉が来たので抱きしめるように包み込む。
「痛くない?」
「うん、痛くない!」
時々声をかけながらある程度体を拭き頭も拭いてやる。
頭の水気をある程度取ったらドライヤーで乾かすのが楽でいい。
髪の毛が完全に乾いたのを確認してから俺は部屋に戻った。
数分待つと浴衣に身を包んだ双葉も部屋に入ってきた。
しばらく2人でテレビを見たりトランプをしたりで遊んでいるといつの間にか夜も少し遅くなっていた。
俺も双葉も歯磨きは済ませていたので寝室に向かおうとした時に机の上に少し残った珈琲を置いていたのを思い出してそれだけ飲んで口をゆすいで眠ることにした。
「ごめん双葉、先にベッドのとこ行っといて」
「はーい、すぐ来てね?」
「うん、すぐ行くよ」
うん。やっぱり美味しい珈琲だ。
「おまたせ双葉」
「んーん、全然待ってないよ」
「窓側とそうじゃない方どっちのベッドがいい?」
「えー選んでいいの?」
「うんいいよ」
「じゃあ窓側で!」
「OK、壁に頭ぶつけないようにしなよ?」
言いながら別のベッドに行こうとした俺の浴衣の裾が掴まれる
「ん?」
「光輝さんがそっちのベッドで寝るなら僕もそっちのベッドで寝る」
「一緒にねたいの?」
「うん」
「じゃあ俺も窓側で寝ようかな」
「ほんと!?」
「うん、俺も一緒に寝たい」
「やったやった、はやくはやく!!」
元気だなぁ、これ寝れるのか?なんて思いながら半分空けてくれている双葉のベッドに潜り込む。
「明日はちょっと早起きするよ?」
「わかった!」
「おやすみ双葉」
「おやすみ光輝さん」
そう言うと双葉は俺を抱きしめてきた。
俺も夜ってことで自制が少し弱まっていたのか抱き締め返した。
すると双葉はいつもと違う俺の行動に多少驚きながらもより強い力で抱きしめてきた。
うわぁーすっごい幸せ。寝れん。
この幸せを噛み締めつつややうとうとしてきた頃にとっくに寝たと思っていた双葉が話しかけて来た。
「ねぇ光輝さん、寝た?」
「まだ起きてるよ、どした?」
「もう寝たのかなって」
「甘えたいの?」
「うん…って言うか1個お願いがある」
「なに?」
「…」
「ん?」
「ちょっと恥ずかしくて…」
「恥ずかしいの?」
「うん…」
「まぁ言えるようになったら言ったらいいよ」
「あの…」
「うん」
「僕、光輝さんとちゅーしたい」
「え?」
「だめ?」
「いい、けど俺は」
「じゃ、じゃあしよう?」
正直今まで生きてきた中で恋愛経験が0なわけではなかった。
童貞も捨てているしファーストキスなんてとっくに終えているがファーストキスより双葉とのキスの方が緊張していることに気がついた。
「ねぇ光輝さん、恥ずかしいから目瞑ってて?」
「ん、」
キスする時の顔が見えないのは少々残念だが大人しく従っておく。
顔の前に温もりを感じたと思った次の瞬間には唇に柔らかく温かいものが押し付けられていた。
心地よく、幸せな瞬間だった。
次の瞬間までは。
俺は唇に少し違和感を覚えた。
舌だ、双葉が舌で俺の唇をなぞっている。
少しざらついたような、でも滑らかなようなそんな少年の舌で
「ちょっとふた…んっ」
言いかけた口に舌がねじ込まれた。
どこでこんなのを覚えてきたんだ一体。
もうここまでされて理性が保つわけがなかった。
小さく未熟な果実に沿わせながら自分の舌を双葉の口の中に入れ込む。
双葉が驚いたように舌を引っ込めたその隙を利用し口の奥まで舌を突っ込む。
「ん…ふっ…」
もうどっちの声か分からないな。
少年の口は小さく俺の舌でほとんど埋まってしまった。
静かな部屋で粘り気のある水音が鳴る。
舌と舌が絡まり互いの舌がどちらかも分からなくなった頃俺を抱きしめていた双葉の腕に1層力が籠り、抜けた。
まさかと思い闇に慣れた目で双葉を見ると顔を真っ赤にしていた。
「双葉…?」
「あ…こーきさん…僕…」
この反応を見るに双葉は既に精通はしていたのだろう、少し安心したが別の問題がある。
「風呂、もっかい入るか?」
「うん…一緒に入ってくれる?」
「もちろん」
俺は双葉を抱え風呂場に向かった。
部屋に露天風呂がついているというのはなんとも便利なものだとつくづく思い知った。
「自分で脱げる?」
「脱げる、けど脱がして欲しい」
「いいの?」
「いいのって、光輝さん僕のこと脱がしたいの?」
「うん」
「光輝さんのえっち、はやくお風呂入りたい~」
「じゃ脱がすぞ」
脱がすと言っても浴衣とパンツだけなのですぐに済むが。
浴衣の紐をほどき前を開けてパンツを脱がす。
パンツには楕円に染みがついていた。
うーん、えっちだ
パンツを脱がすと少しだけ芯を持った双葉のものが出てきた。
パンツとの間に細く糸を紡いでいてそれを見た双葉はとても恥ずかしがっていたが俺から見ればもう可愛くて仕方がない。
裸になった双葉を抱えて露天風呂に浸かる。
「温かくてきもちいね光輝さん」
「そうだな」
「さっきも気持ちよかったし、珈琲の味して美味しかった」
「美味しかったって…ていうかあんなことどこで知ってくるの…」
「どこだろう、気づいたら知ってたし光輝さんとしたいと思ってたからなんとも」
「そっか、そんなもんなのか」
「うん…ていうかいつまで僕のこと抱えてるの」
「あぁごめん、下ろそうか?」
「僕この体勢より…こっちの方が好き」
そう言いながら双葉は俺と向かい合う形で俺の太ももの上に座ってきた。
「ね、もっかいちゅーしよ」
「何回でもしようか」
「うん!」
…何分経っただろう、唇がヒリヒリする。
唇が離れて不意に双葉が呟く
「体、見てもいいよ光輝さん」
「さっきは恥ずかしいって言ってたのに?」
「後でならいいって言ったじゃん」
「あれ聞き間違いじゃなかったんだ」
「でも光輝さんえっちだから見るより触る方がいい?」
「あんまり煽んないでくれ…耐えれんくなる」
「触りたいでしょ?でも」
「…触りたい」
「いいよ、ほら」
そう言いながら双葉は腕を広げた。
俺は双葉のお腹からおへそ、脇腹や脇を指でなぞったり舐めたりして遊んでいた。
双葉の体は素直に反応し、俺の体も反応してしまった。
「んぁ、ねぇ光輝さん…」
「ごめんなさい…」
「別にいいよ?僕見て興奮してるんでしょ」
「本当にどこでそんな煽り文句身につけてくるわけ?」
「思ったこと言ってるだけだもん」
「そういうのほんと、ずるいくらい可愛くて大好き」
何かを言おうとした双葉の口を塞ぐ。
舌で口内を探り双葉の好きな場所を攻める。
双葉はまだキスに慣れていないので唾液が口の端から漏れ出ていた。
それを指で拭うとその指を咥えられた。
すごくドキッとした。
その光景は今まで見てきたどんな場面よりも鮮明に俺の脳に焼きつけられた。
双葉は俺の指から口を離すと話しかけてきた。
「光輝さん、僕光輝さんとえっちしたい」
そこから先の記憶は少し曖昧だが双葉の胸元と首筋にキスマークをつけてしまったのは覚えている。
なんでそこだけ…
でもちゃんと浴衣に着替えてベッドで寝ていたのは安心した。
起きても双葉とキスしていたが。
と、とりあえず今日はユニバに行く日だから一旦双葉を起こさないと。
「双葉、起きて?」
「ん…」
昨日夜ふかしだったもんなぁ…
「起きないとちゅーするよ?」
「ん~…起きれないからちゅーしよ…」
「何言ってんの、早く起きて」
「えー起きないとちゅーするって言ったのにしてくれないの?」
「なんでしてほしそうなの」
「して欲しいもん」
「じゃあ起きたらしてあげる」
「起きた!!!!」
「ほらおいで」
寝起きで乱れた浴衣を直すこともせずに向かってきた双葉に深く口付けをし、覗いていた胸元の赤い花びらを指でなぞって囁く。
「おはよう双葉」
「お、おはよ…」
あらら、照れすぎちゃった
「じゃ寝癖なおしに行こうか」
「はーーーい」
鏡の前に立った俺はびっくりした
だって俺の首元にも赤い花びらが2枚散っていたから。
幸せの象徴の赤い花弁をなぞりながら俺は朝の準備を進めることにした。
現在時刻は12時23分、泊まる場所まではここから大体30分なので2時間弱ここで遊ぶことができる。
まず真っ先に双葉の目についたたこ焼き屋さんに向かった。
向かいながらも両側のお店の群れの中にたこ焼き屋が並んでいるのが見え 「さすが大阪だなぁ」 と思った。
「双葉、どんくらいたこ焼き食べたい?」
「全部のお店で食べたい!」
「全部のお店かぁ、周り見てみて、すごく多いの。」
「え?...うっわぁ」
小学生のドン引き顔を初めて見た。
「1番少ないやつにしていろんなところで食べようか?」
「そうしよう!」
1軒目のたこ焼きは出汁がきいていてふわふわ系のたこ焼きだった。
2軒目は1軒目と違い周りがカリッとしていて中はとろとろしている系のたこ焼きだった。
3件目からはソースとマヨネーズ以外で食べようという話になったので3件目はネギポン酢を選んだ。
案外さっぱりと食べることができるのでたこ焼きがご飯というより軽食のような感じになるな...
4件目は醤油、5件目は出汁、6件目は大根おろし、7件目はラー油、8件目は明太マヨ、9件目は...と思ったところで双葉から満足したという宣言が出されたので甘いものを買いに行くことにした。
少し歩くとりんご飴の店があったのでシナモンシュガーがかかったりんご飴を買った。
食べ歩き用に切ってカップに入れられていたのでとても食べやすかった。
周りの飴が薄めでりんごの食感が損なわれていなく、シナモンの味もしていたのでアップルパイを食べているような気分になった。
甘いものを食べたらまたしょっぱいものを食べたくなるよねということで次に食べ歩きで食べられる韓国チキンのお店に行くことにした。
やっぱり大阪の観光街?なことだけあって食べ物屋さんがたくさんある。
たこ焼き屋にりんご飴屋に韓国チキン屋に...どこを見ても食べ物屋さんか古着屋かよくわからない入りづらいお店ばかりしかない。
韓国チキンというだけあって人気で結構並びそうなので双葉に聞いてみた。
「結構並びそうだけどどうする?」
「韓国チキンがなにかわからないけど食べてみたいから並ぶ!」
食への飽くなき探求心。
韓国チキン屋に向かう最中にもいちご飴屋とお茶屋をも見つけたので韓国チキンのあとはここに寄ってホテルに行こうと思う。
テイクアウト限定なので回転率が高く案外待たなかった。
外に座って食べられるスペースがあったので双葉とそこで座って食べることにした。
双葉はハニーマスタード味に、俺はヤンニョム?とか言うのにしてみた。
注文を受けてから作っているのか衣が揚げたてのようでとても美味しかった。
時間を見ると14時12分、もう移動し始めたほうがいいか。
「そろそろ泊まる場所に移動するけどほか行きたいところとか無い?」
「もう結構いろんな物食べたからいいかな、ありがと!」
「そしたら駅行こうか」
2時間弱の食べ歩きを終えてまた四ツ橋駅に向かった。
数分電車に揺られたところでお腹が満たされて眠たくなったのか双葉はうとうとしだした。
「...こーしててもいい?」
電車内なので小さい声で話しかけながら俺の腕に体重を預けてきた。
「いいよ、ついたら起こしてあげる。おやすみ」
そう言うと普段の癖なのか俺の腕を抱いて寝てしまった。
かわいい。
電車に乗っている25分がこんなに早く感じたのは初めてだった。
「双葉、起きて」
双葉は寝起きがいいので声をかけるだけで起きる。
「ついた?」
「あとちょっとで降りる駅だから降りる準備だけしといてね」
「わかった」
時間は14時52分、ほぼ予定通りだ。
電車から降りて歩いて6分、泊まる場所が見えてきた。
フロントで受付をしている間、双葉には後ろ側にあるソファで待っていてもらった。
「すみません、予約した高橋です。」
「高橋様...はい、お待ちしておりました。本日大人の方1名様、小学生の方1名様の柚子の間の予約でお間違い無いですか?」
「はい、ありがとうございます」
「それでは軽くご説明させていただきますね」
しばらくの説明を聞いた後に部屋に案内してもらった。
露天風呂がついてるということでどこに部屋があるんだろうかと思っていたが...
「柚子の間は建物外にありますのでご案内いたしますね。」
まさか別の建物だとは...
「双葉、行くよ」
「え?外行くの?」
「なんか俺も知らなかったけど別の場所にあるみたい」
「へぇ~」
やいのやいの言いながら荷物をまとめ受付の女の人についていった。
1.2分歩いただろうか、旅館の目の前にある大通りから1本外れた道に入りそこから60mほど歩くと一軒家のような佇まいの建物についた。
まさかと思ったが受付の人の
「こちらが柚子の間となっております」
の1言で実感した。
俺はとんでもなくいい場所を予約した、と
鍵を渡され、扉を開けると目の前には靴を脱ぐ場所と靴箱、その先にはスリッパが並べて置かれていた。
大浴場の場所の説明、利用ができる時間、夕食の時間、夕食はここまで運んでもらえること、その他サービスや部屋の簡単な説明、アメニティの説明をしてくれて受付に戻っていった。
まぁ部屋にお風呂付いてるし大浴場は行かなくていいか。
「光輝さん、ここすごいね!」
「ね、想像以上に良さそうなところだった」
「お風呂入るために向こうまで戻るのちょっと大変だねぇ...」
そういえば双葉にどんな部屋にしたのか一切説明してなかったや。
「それがね双葉、こっちついておいで」
「?」
そう言って俺は双葉を露天風呂まで連れて行った。
正直大通りも近いから景色にはあまり期待していなかったが露天風呂の扉を開けた眼の前には簡易的な庭園が作られており、小さな滝まで流れていた。
すげぇな。
双葉の方を見ると怪訝な顔をしている双葉と目があった。
「双葉...どうした?」
「すごいね...」
「いやほんと、想像以上すぎる」
「じゃあお部屋でお風呂入れるんじゃん、最高!」
「晩ごはんもここまで持ってきてもらえるみたいだし2人でゆっくりできるよ」
「やったね!」
「どうする?ちょっとつかれただろうし寝る?」
「うーん、そうだねちょっと寝ようかな」
「お、押入れの中にちょうど換えの掛け布団2枚あるから1枚畳に敷いてもう1枚を掛け布団にすればいいか」
言いながら俺は2枚の布団を引っ張り出し、簡易的な一対の布団を作った。
「ん、できたよ双葉」
「ありがとー...光輝さんは寝ないの?」
「ん?俺はここの座椅子で寝るから大丈夫だよ」
「一緒に寝ないの?」
「一緒に寝たいの?」
「当たり前じゃん」
飄々と返している風で顔が真っ赤になってるのとんでもなく可愛い。
「いいよ、一緒に寝ようか」
そういった途端双葉は満面の笑みで布団の半分を開けてくれた。
「おやすみ双葉」
「おやすみ」
ふと唇に柔らかな触感を覚えたが双葉が俺の胸元に顔を埋めているのでなにもなかったと思いこむことにした。
...数時間経って居るだろうか、時間を確認しようにも双葉の腕が俺の体にしっかりと巻き付いていて身動きが取れない。
正直とても幸せだ。
そういえば、とポケットに手を入れるとスマートフォンが入っていたので時間を確認する。
18時42分、夕食の時間は確か19時のはずなので双葉を起こすことにした。
「双葉、そろそろご飯だから起きて」
「んん、ん~...」
珍しく寝起きが悪い
「ほら起きて、起きないとちゅーするよ?」
冗談半分で言ったことだが双葉は顔を真っ赤にしながら飛び起きた。
「何!?僕してないよ??ちゅーとかしてないからね!!?」
「ど、ちょ、落ち着いて?別に双葉が俺にちゅーしたとかそういうことを言ってるわけじゃないから!!」
...寝る前のあれは気の所為ではなかったようだ。
幸せなような、理性を保つのが大変なような...
起きたばっかりのあまり回らない頭を起こしつつもまったりと部屋で過ごしているとインターホンが鳴った。
ドアを開けると従業員が2人立っていた。
手には1つずつお重を持っている。
「お夕食をお持ちいたしました」
「あ、ありがとうございます」
「軽くだけご説明差し上げたいのでこちら広げさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ぜひお願いします」
「ありがとうございます、では大人の方のお夕食の説明から...」
一通り説明を受け、旅館の人を玄関まで見送るときに声を潜めてこう告げられた。
「小学生の方の分を少し軽めにしております。お食事がお済みになられましたらお部屋の備え付けの固定電話でフロントまでお知らせ下さい。お重の回収とサプライズのケーキをお持ちいたします」
「何から何までありがとうございます」
「それではごゆっくり...あ、ケーキとご一緒にお持ちする飲み物は何がよろしいでしょうか」
「あー、じゃあミルクティーでお願いします」
「お二人ともですか?」
「俺もいいんですか?」
「もちろんでございます」
「じゃあアイスのミルクティーとアイスコーヒーでお願いします」
「ミルクとガムシロップどうなさいますか?」
「ミルクティー用にガムシロップだけつけておいてください」
「かしこまりました、それでは失礼いたします」
「おまたせ双葉、食べようか」
「食べよ!お腹すいた」
「じゃ、いただきます」
「いただきまーす」
こう、改めて見るとなんとも豪華な内容だ。
蓋のない3段のお重があり、1番上にはサラダ、鱧の湯引き、フカの酢味噌和えが、2段目には牛肉、エビ、ししとう、かぼちゃ、タコ、紅生姜、大葉の串カツとソース、3段目には色々な種類のお刺し身とカルパッチョが入っていた。
双葉の方は鱧の湯引きがキスの天ぷら、フカの酢味噌和えがミニハンバーグになっていて、2段目、3段目は内容が同じだった。
俺も双葉もこれ美味しいだのなんの魚だろうだの和気あいあいと喋りながら気づけばいつの間にか完食していた。
双葉はまだ足りない~と言っていたがこれからケーキを食べるんだからきっと満足してくれるはずだ。
フロントに電話をかけ、食事を終えた旨を伝える。
しばらくテレビを見て待っているとインターホンが鳴った。
サプライズなので双葉も玄関まで連れて行く。
ドアを開けるとすぐに従業員さんが双葉を見て笑顔で
「ご卒業おめでとうございます!!」
といってそこそこなサイズのケーキが2つ乗ったお皿を双葉に差し出した。
双葉はあまり状況が飲み込めていないようで
「え?あ、ありがとうございます?」
という反応だったがサプライズを受けていることに気が付きとても喜んでいた。
従業員さんもその反応を見てとても喜んでくれていた。
双葉はケーキを見ながらとてもはしゃいでいた。
一方俺はというとその様子をずっと動画に撮っていた、素晴らしく可愛い双葉を一瞬たりとも逃すものかとさながらプロのカメラマンにでもなった気分だった。
「ね、光輝さんも食べよ!」
「そだな、一緒に食べるか」
「すごい綺麗なケーキだね、前にも2人でケーキ食べたよね」
「食べた食べた、あれはあれで綺麗だったよな」
「わ、すごく甘いけど甘すぎない」
「どっちなのそれ」
「光輝さんも食べたらわかるよ、はいあーん」
「え、いや自分で食べれるから」
「僕がしたいだけだから、ほらあーん」
「あ、あーん...美味しい。確かにすごく甘いけど甘すぎない、っていうか後に残らない甘さだね」
「言いながら珈琲飲んでるじゃん」
「ここの珈琲美味っ」
「えー僕も飲みたい!」
「ミルクティーがあるだろ?」
「む~、そうだけどさぁ」
「あとケーキ食べていいよ」
「え、いいの?」
「うん、俺にはやっぱり甘すぎた」
「じゃいただきます、もう食べてるけど」
嬉々としてケーキを頬張る双葉がなんとも可愛らしくて俺はずっと双葉を眺めていた。
しばらくすると双葉から 「いつまで見てるの」 と苦情が入ったが構わず見続けると 「先お風呂入っててもいいよ」 と言われたので冗談で
「一緒にお風呂入らなくていいの?」
と聞くと 入る!! と返ってきてしまった。
どうしよう、これはまずい。そう思っていると意外な言葉が双葉から飛び出した。
「でも僕まだケーキ食べてるから明日の朝一緒に入ろ!」
正直助かった。
寝間着代わりの浴衣を持って脱衣所に行き服を脱いで風呂に入る。
頭と身体を洗い、露天風呂に浸かる。
眼の前の庭園もさることながら晴れているので星がよく見える。
大阪でもこんなに綺麗に星が見えることもあるのかと少々感動した。
しばらく心を手放し空を眺めていたその時
ガチャッ
嫌な予感がした。
「来ちゃった!」
予感は的中、ケーキを食べ終えた双葉が露天風呂に来てしまったのだ。
「わ、すごい綺麗だね!」
「ね、早く頭と身体あらってこっちおいで」
極めて冷静に喋る。
「ね、光輝さん」
「ん?」
「洗ってほしいなぁ、なんて」
「えー、」
正直とても乗りたい、その提案に。しかし大人としてどうなんだろうか。
「お願い!」
「お願いとまで言われると仕方ないなぁ」
理性、あっさり崩壊。
幸いなことにまだ双葉の裸体を見ていないので俺の息子は熱を持っていない。
風呂から上がり、すでに椅子に座っている双葉の方を向く。
少しだけ見える尻に白くしなやかな腰に本当に軽くだけ筋肉の付いている背中、髪が少しかかっている首筋
見れば見るほどなんとも言えない気分になってくる。
「じゃ濡らすぞ」
「はーい」
双葉の頭にシャワーをあてがう。
みるみるうちに髪がお湯にまみれていく。
しばらくお湯をかけた後にシャンプーを手につけ双葉の頭を洗う。
「力加減大丈夫か?」
「うん、きもちー」
無心で洗うことに努める。
「そろそろ流すぞ~」
「はーい」
泡が双葉の体をなぞって落ちていく。
なんでもないはずのその光景がなんとも艶めかしく見えてしまう。
「体は自分で洗えるよな?」
「えー洗ってほしい!」
「えー、どうしよっかなぁ」
「お願い!!」
「お願いされたらなぁ...でも恥ずかしくないか?」
「ちょっと恥ずかしいけど光輝さんに洗ってもらいたい!」
「じゃまず後ろから洗っていくぞ」
言いながらボディーソープを手につけ背中を洗う。
「ひゃあっ!」
「何!?」
「いやこちょばくって」
「やめとく?」
「やめない」
「じゃ洗うぞ」
「はーい」
...すべすべすぎるな、背中も腰もしなやかだ。
「背中と腰洗い終わったよ」
「ありがと~、、よいしょ」
俺の目の前に双葉の体の前側が惜しげもなくさらされている。
何も考えないように早く洗ってしまおう。
胸元、お腹、腕、脇、脇腹まで洗い終わり下半身を洗う時間が来てしまった。
「上半身洗い終わったよ、下半身はどうする?」
「洗ってほしいな~」
「はいはい」
そういうと双葉は立ち上がった。
もう何も言うことはあるまい。
本当に美しくしなやかなふくらはぎから太もも、まだまだ控えめな双葉の息子に鼠径部。
はっきり言って欲情しかしない。
浴場で欲情、なんてつまんないことを考えてなければ理性が吹っ飛びそうだ。
足を洗い、ふくらはぎ、太ももを洗った後に双葉の息子を優しく洗う。
双葉は身を捩っていたが嫌がってはいなかった。
後ろを向いてもらい洗おうとしたが双葉のお尻が目に飛び込んできてしまいしばらくは自分との戦いになってしまった。
何も考えるな、おれ。
努めて冷静にふくらはぎと太もも、内ももを洗いお尻を洗う。
柔らかっっっっ。
いつまでも触っていたくなるような気持ちよさがある。
こそばゆいのかたまに双葉が甘い声をあげる。
やめてくれ。
理性が持たんだろうが。
その後もお尻を洗っていると
「どれだけ僕のお尻触ってるの、好き?」
と聞かれたのでもう正直に答えた。
「うん、気持ちよくてずっと触っていたくなる」
「じゃあとでいっぱい触っていいよ」
「え嬉しい」
「恥ずかしいけど光輝さんなら全然おっけー」
「じゃ流すね」
「はーい」
体中の泡が全て流れ落ちたことを確認してから露天風呂に浸かる。
お風呂に浸かると日本人の本能としてどうも変に落ち着いてしまうが今はとてもありがたい。
双葉がもたれかかってくるので少年の柔肌が常に密着している状態なのは少々危なっかしいがなんとかなっている、と信じている。
そのまま30分ほど浸かっていただろうか、俺はその前から浸かっていたからそろそろのぼせそうだと思い双葉に声をかける。
「俺そろそろ上がるね」
「じゃあ僕も上がる!」
「もうちょっと浸かってたら?」
「光輝さんに拭いて欲しいから上がる~」
「じゃ、じゃあ俺が拭き終わったら呼ぶからそれまで浸かっといて、湯冷めしたら困るし」
「はーい」
双葉が物分り良くて本当に良かった。
まだまだ夜は長いと言うのに俺は理性を保てるか自信がなくなってきた。
さっと体を拭き浴衣を着てから双葉を呼ぶ。
「双葉、おいで~」
そう声をかけると躊躇いなく双葉が風呂から上がったので濡れて光を反射する双葉の肌が良く見えてしまった。
思わずまじまじと眺めてしまいさすがに双葉も
「光輝さんにそんなに見られたら恥ずかしいんだけど…」
と言っていた。とりあえず謝っておこう。
「ご、ごめん…」
「ゆっくり見るのはまた後でね」
「え?」
「さーむーい、早く拭いて~」
「あ、あぁごめん。こっちおいで」
なにか今聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするが気のせいにしておこう。
経験則としてこういう時の気のせいにしておこうで気のせいだったことはほとんど無いが、
タオルを広げていたところに双葉が来たので抱きしめるように包み込む。
「痛くない?」
「うん、痛くない!」
時々声をかけながらある程度体を拭き頭も拭いてやる。
頭の水気をある程度取ったらドライヤーで乾かすのが楽でいい。
髪の毛が完全に乾いたのを確認してから俺は部屋に戻った。
数分待つと浴衣に身を包んだ双葉も部屋に入ってきた。
しばらく2人でテレビを見たりトランプをしたりで遊んでいるといつの間にか夜も少し遅くなっていた。
俺も双葉も歯磨きは済ませていたので寝室に向かおうとした時に机の上に少し残った珈琲を置いていたのを思い出してそれだけ飲んで口をゆすいで眠ることにした。
「ごめん双葉、先にベッドのとこ行っといて」
「はーい、すぐ来てね?」
「うん、すぐ行くよ」
うん。やっぱり美味しい珈琲だ。
「おまたせ双葉」
「んーん、全然待ってないよ」
「窓側とそうじゃない方どっちのベッドがいい?」
「えー選んでいいの?」
「うんいいよ」
「じゃあ窓側で!」
「OK、壁に頭ぶつけないようにしなよ?」
言いながら別のベッドに行こうとした俺の浴衣の裾が掴まれる
「ん?」
「光輝さんがそっちのベッドで寝るなら僕もそっちのベッドで寝る」
「一緒にねたいの?」
「うん」
「じゃあ俺も窓側で寝ようかな」
「ほんと!?」
「うん、俺も一緒に寝たい」
「やったやった、はやくはやく!!」
元気だなぁ、これ寝れるのか?なんて思いながら半分空けてくれている双葉のベッドに潜り込む。
「明日はちょっと早起きするよ?」
「わかった!」
「おやすみ双葉」
「おやすみ光輝さん」
そう言うと双葉は俺を抱きしめてきた。
俺も夜ってことで自制が少し弱まっていたのか抱き締め返した。
すると双葉はいつもと違う俺の行動に多少驚きながらもより強い力で抱きしめてきた。
うわぁーすっごい幸せ。寝れん。
この幸せを噛み締めつつややうとうとしてきた頃にとっくに寝たと思っていた双葉が話しかけて来た。
「ねぇ光輝さん、寝た?」
「まだ起きてるよ、どした?」
「もう寝たのかなって」
「甘えたいの?」
「うん…って言うか1個お願いがある」
「なに?」
「…」
「ん?」
「ちょっと恥ずかしくて…」
「恥ずかしいの?」
「うん…」
「まぁ言えるようになったら言ったらいいよ」
「あの…」
「うん」
「僕、光輝さんとちゅーしたい」
「え?」
「だめ?」
「いい、けど俺は」
「じゃ、じゃあしよう?」
正直今まで生きてきた中で恋愛経験が0なわけではなかった。
童貞も捨てているしファーストキスなんてとっくに終えているがファーストキスより双葉とのキスの方が緊張していることに気がついた。
「ねぇ光輝さん、恥ずかしいから目瞑ってて?」
「ん、」
キスする時の顔が見えないのは少々残念だが大人しく従っておく。
顔の前に温もりを感じたと思った次の瞬間には唇に柔らかく温かいものが押し付けられていた。
心地よく、幸せな瞬間だった。
次の瞬間までは。
俺は唇に少し違和感を覚えた。
舌だ、双葉が舌で俺の唇をなぞっている。
少しざらついたような、でも滑らかなようなそんな少年の舌で
「ちょっとふた…んっ」
言いかけた口に舌がねじ込まれた。
どこでこんなのを覚えてきたんだ一体。
もうここまでされて理性が保つわけがなかった。
小さく未熟な果実に沿わせながら自分の舌を双葉の口の中に入れ込む。
双葉が驚いたように舌を引っ込めたその隙を利用し口の奥まで舌を突っ込む。
「ん…ふっ…」
もうどっちの声か分からないな。
少年の口は小さく俺の舌でほとんど埋まってしまった。
静かな部屋で粘り気のある水音が鳴る。
舌と舌が絡まり互いの舌がどちらかも分からなくなった頃俺を抱きしめていた双葉の腕に1層力が籠り、抜けた。
まさかと思い闇に慣れた目で双葉を見ると顔を真っ赤にしていた。
「双葉…?」
「あ…こーきさん…僕…」
この反応を見るに双葉は既に精通はしていたのだろう、少し安心したが別の問題がある。
「風呂、もっかい入るか?」
「うん…一緒に入ってくれる?」
「もちろん」
俺は双葉を抱え風呂場に向かった。
部屋に露天風呂がついているというのはなんとも便利なものだとつくづく思い知った。
「自分で脱げる?」
「脱げる、けど脱がして欲しい」
「いいの?」
「いいのって、光輝さん僕のこと脱がしたいの?」
「うん」
「光輝さんのえっち、はやくお風呂入りたい~」
「じゃ脱がすぞ」
脱がすと言っても浴衣とパンツだけなのですぐに済むが。
浴衣の紐をほどき前を開けてパンツを脱がす。
パンツには楕円に染みがついていた。
うーん、えっちだ
パンツを脱がすと少しだけ芯を持った双葉のものが出てきた。
パンツとの間に細く糸を紡いでいてそれを見た双葉はとても恥ずかしがっていたが俺から見ればもう可愛くて仕方がない。
裸になった双葉を抱えて露天風呂に浸かる。
「温かくてきもちいね光輝さん」
「そうだな」
「さっきも気持ちよかったし、珈琲の味して美味しかった」
「美味しかったって…ていうかあんなことどこで知ってくるの…」
「どこだろう、気づいたら知ってたし光輝さんとしたいと思ってたからなんとも」
「そっか、そんなもんなのか」
「うん…ていうかいつまで僕のこと抱えてるの」
「あぁごめん、下ろそうか?」
「僕この体勢より…こっちの方が好き」
そう言いながら双葉は俺と向かい合う形で俺の太ももの上に座ってきた。
「ね、もっかいちゅーしよ」
「何回でもしようか」
「うん!」
…何分経っただろう、唇がヒリヒリする。
唇が離れて不意に双葉が呟く
「体、見てもいいよ光輝さん」
「さっきは恥ずかしいって言ってたのに?」
「後でならいいって言ったじゃん」
「あれ聞き間違いじゃなかったんだ」
「でも光輝さんえっちだから見るより触る方がいい?」
「あんまり煽んないでくれ…耐えれんくなる」
「触りたいでしょ?でも」
「…触りたい」
「いいよ、ほら」
そう言いながら双葉は腕を広げた。
俺は双葉のお腹からおへそ、脇腹や脇を指でなぞったり舐めたりして遊んでいた。
双葉の体は素直に反応し、俺の体も反応してしまった。
「んぁ、ねぇ光輝さん…」
「ごめんなさい…」
「別にいいよ?僕見て興奮してるんでしょ」
「本当にどこでそんな煽り文句身につけてくるわけ?」
「思ったこと言ってるだけだもん」
「そういうのほんと、ずるいくらい可愛くて大好き」
何かを言おうとした双葉の口を塞ぐ。
舌で口内を探り双葉の好きな場所を攻める。
双葉はまだキスに慣れていないので唾液が口の端から漏れ出ていた。
それを指で拭うとその指を咥えられた。
すごくドキッとした。
その光景は今まで見てきたどんな場面よりも鮮明に俺の脳に焼きつけられた。
双葉は俺の指から口を離すと話しかけてきた。
「光輝さん、僕光輝さんとえっちしたい」
そこから先の記憶は少し曖昧だが双葉の胸元と首筋にキスマークをつけてしまったのは覚えている。
なんでそこだけ…
でもちゃんと浴衣に着替えてベッドで寝ていたのは安心した。
起きても双葉とキスしていたが。
と、とりあえず今日はユニバに行く日だから一旦双葉を起こさないと。
「双葉、起きて?」
「ん…」
昨日夜ふかしだったもんなぁ…
「起きないとちゅーするよ?」
「ん~…起きれないからちゅーしよ…」
「何言ってんの、早く起きて」
「えー起きないとちゅーするって言ったのにしてくれないの?」
「なんでしてほしそうなの」
「して欲しいもん」
「じゃあ起きたらしてあげる」
「起きた!!!!」
「ほらおいで」
寝起きで乱れた浴衣を直すこともせずに向かってきた双葉に深く口付けをし、覗いていた胸元の赤い花びらを指でなぞって囁く。
「おはよう双葉」
「お、おはよ…」
あらら、照れすぎちゃった
「じゃ寝癖なおしに行こうか」
「はーーーい」
鏡の前に立った俺はびっくりした
だって俺の首元にも赤い花びらが2枚散っていたから。
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