イケメン幼馴染の執着愛が重すぎる

さくらんこ

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【5-2】俺のも…触って?①

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×tatumi side×


《idea─イデア─》 化してから那由多と一緒にご飯を食べて部屋に戻ってきた。
既に大学の授業の復習も終わったし、そろそろ寝ようかと思いつつ自分の机に突っ伏す。
不意に体の熱を感じて、数度瞬くと自分のスケジュール帳を広げた。

「おかしいなぁ、この前“カノジョ”といつシたっけ?…このスパンでセックスしたら、《霊ヤラレ─れいやられ─》 にはならない筈なんだけどな……」

長い方の髪をくしゃくしゃと掻き乱す。
自分の心情が他からの関与で乱れるのはあまり好ましくない。
もちろん、那由多のせいなら大歓迎なんだけど。
いつも俺の中に浮かぶ単語“那由多”と思い付いてから納得がいった。
そういえば今日は那由多が実体化した《紅魂》を《食霊》した。
しかもかなり思念の強そうな霊だったのでそう考えると溜まったのも納得がいった。
那由多は凄い、凄いんだけど。
俺は“カノジョ”に連絡を取ろうと携帯を探した…が、あの後日当瀬に取られてしまったことを思い出した。
なんか、携帯の中の機能が壊れている?らしい。
ガミガミと文句を言っていたが半分くらいしか理解できなかったので覚えてはいない。
しかも、日当瀬は剣成を連れて先程の死体回収に行っているところだ。
はぁ…と、長く溜息を吐くと俺は外出の為服に着替え始める。
“カノジョ”の家を当たってもいいし、もし無理そうなら適当に捕まえよう。
そう思って下着以外全部脱いだところで部屋のチャイムが鳴り響き、ドンドンとドアを叩く音が聞こえる。

「巽ー!起きてるかー?開けてくれー!!」

少し焦った那由多の声を聞いて俺は下着のまま慌てて玄関に向かい扉を開いた。
そこには、少し目許を潤ませた、俺の“あいしてる”那由多が立っていた。
元からあるのかないのか分からない理性の糸が焼ける、那由多を玄関に引き摺り込むように抱きしめるとその首筋に鼻先を埋めた。
強く力を込めると昔よりは少し引き締まった、それでも俺よりは華奢な肉体を直接的に感じた。
鼻腔が那由多の香りで満たされて、全身が総毛立つ。

「…………巽?」

那由多のパジャマの裾から手を忍び込ませようとした瞬間、那由多が俺を呼ぶ声に我に帰った。
慌てて那由多から離れると視線を外し下を向く。

ダメだ、まだ早い。
これじゃ、前の二の舞いになる。
耐えろ、耐えろ、那由多を手に入れられない。
これ以上手順を狂わすな。
今回は、間違わないって決めたじゃないか。

「巽?」

「ごめん。なんでもないよ、ちょっと那由多の焦った声聞いて気が動転した。
どうしたの?那由多。」

「いや、も、もしかしたら、今日も《紅魂》が来るかも知れないと思ったらよ…怖くなって…
一緒にいちゃ駄目か?」

これを拷問と言わずにどれを拷問と呼ぼうか。
一晩中那由多が居るのに俺は今からお預けを食らわされると言うことである。
正直下着の中のペニスはガチガチに勃起していて早く抜いて自由にしてあげたい。
そんな理由かと思いつつ、自然と組んでいた腕に爪を立て、性欲を抑え込む。
いや、“そんな理由”と表現するのは駄目か、那由多が折角僕を頼って来てくれているんだから…。
少し冷めた笑顔を湛えつつ扉を閉め、那由多を中へと促す。

「…………どうぞ。」

落ち着け、落ち着けと何度も自分に言い聞かせながら奥の畳が敷いてある部屋へと向かった。
那由多がいつも座る場所に座椅子を引っ張ってきて置いてやる。
脱ぎ散らかしている服を拾い上げるが、ダメだどうも収まらない。
ハァーと、俺は長く息を吐きだして視線だけ那由多に向けた。

「ごめん、ちょっと、風呂に入ろうと思ってたんだ、入ってきていい?」

「俺も一緒に…入る………ッ!」

まさかの那由多の返答に間が抜けたように俺は数度瞬く羽目になった。

一緒に入りたくないかと問われればもちろん即答で入りたいと俺は言うと思う。
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