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第一章 賢者と賢者の家族
第23話 3人、長老と会う。
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「今日は森の中で採取作業を行いたいと思います!」
「はい……?」
『さいしゅ~?』
ある日の朝食の時間、3人が食事を取る中でベルが突然ディックとクラリスの2人へと言った。
突然のことでパンを食べていたディックは固まり、スープをスプーンで掬っていたクラリスはきょとんと首を傾げる。
そんな2人を見ながら、ベルはそう言った理由を口にした。
「実はですね、ミナットーからポーションなどの魔法薬の製作依頼が来たんですよ。ですが、それを行うためには素材となる薬草などが足りなくて……森で集めようと考えたわけです」
「そ、それは分かったけど……何で、おれたちが……?」
理由を聞いて、戸惑いつつもディックが問いかける。
だからベルは理由を口にした。
「理由としては……、ディックもクラリスも我が家に来てから、この森に入ったことが無いっていうのを思い出したからです。それに、何処に何があるのかぐらいは見ておいても良いじゃないですか。所謂散歩ですよ散歩」
「でも……」
『おさんぽっ? おさんぽいくのベルママと!? でぃっくおにちゃんもいくよね!?』
行きたくない、ということを暗に告げようとするディックだったがそれはクラリスに阻まれてしまった。
しかもクラリスは瞳をキラッキラと輝かせ、森に行くのを楽しみと言った様子である。
こうなってしまってはもう行くという選択肢しか残っていない。
「あ、いや……その……」
「ディック、こうなってしまっては諦めるしかないですよ?」
『……でぃっくおにちゃん、いかないの……?』
楽しみですオーラを放つクラリスの視線がディックへと向けられ、どう返事をしようか悩む彼だったがベルは諦めろと口にし……クラリスは楽しみですオーラがしおしおと萎み始め、しょんぼりですオーラを放ち始める。
……これは、負けただろう。そうベルが直感した瞬間、
「わ、わかったよ! 行く、行くから!! それでいいんだろっ!?」
『ほんとっ!? わ~い、みんなとおさんぽだ~~!!』
もう好きにしろとでも言うかのようにディックは両手を上げながら大声で言い、それを聞いたクラリスは凄く嬉しそうに笑って両手を挙げた。
そんな2人の様子をベルは微笑みながら見ていた。
だがその心の中は決して穏やかな物ではなかった。
(……とりあえず、急すぎるかも知れないけれど……この採取と調薬は、私のとっての保険だし、ディックたちのためにも必要なことだから)
◆◇◆◇◆◇◆◇
「さて、それじゃあ行きましょうか」
『は~い! おさんぽおさんぽ~~!!』
少し時間が経過し、3人は準備を整えて庭へと出ていた。
彼らの手にはスコップ、ハサミ、鎌、籠といった採取道具が握られており、何というか持ち辛そうな感じとなっていた。
……当然、クラリスは危ないので片手持ちの子供用スコップを手にしているだけだ。
「それで、どうやってもりに行くんだよ? そのまま森にすすめば良いのか……?」
「ええ、普通ならそうよ。けど今回はこれを使うわ」
「これって……枝?」
背負い籠を担ぎ、スコップを手にしたディックがベルへと問いかける。
するとベルは返事を返しながら、一本の枝を何も無いところから取り出した。
それは小さな木の枝で、所謂指揮者が持つ指揮棒のようなサイズだった。それをベルは本当に指揮をするようにスッと振るった。
直後、彼女たちの目の前の空間がぐにゃんと空間が歪み始め、……歪み始めた先に別の空間が見えた。
『わぁ~!? すご~い、なにこれ~!?』
「どうなってるんだ?」
「この枝はこの森の中に生えている導樹の枝です。この枝を魔力を込めて振るうことで、この森の中なら何処からでも導樹の元へと導いてくれるんですよ。……さ、行きましょう」
目を点にして驚くディックと開かれた空間の周囲をグルグルと移動しながら観察するクラリスを見ながら、ベルはこうなっている理由を口にするのだが、2人は良く分からないようでディックは顔をしかませ、クラリスはこてんと首を傾げた。
そんな2人に手を伸ばしベルは空間の向こうに行くように言う。
興味津々だったクラリスはぴょんと飛び込み、ディックは躊躇していたのだが……ベルに手を掴まれて仲良く飛び込んでいった。
そして、飛び込んだ空間の先でディックとクラリスは驚いていた……。
『うわぁ~、おっきぃ~~!!』
「なんだ、これ……?」
「ふふっ、初めてこれを見たらそんな反応をするわよね」
驚く2人を見ながら、ベルも目の前の導樹を見る。
それは推定でも千年以上はこの地に根付いているであろうと思えるほどに巨木であるというのに、若々しさを保っていると言わんばかりに青々とした葉を大量につけ、それらをサワサワと風に靡かせていた。
そんな導樹を見ながら、ベルは両手を空へと伸ばし軽く背伸びをする。
「ん、ん~~~~っ! …………はぁ。森の中って空気が綺麗で気持ち良いですよね」
『んん~~っ! ん~? よくわかんないけど、おいし~~!』
「そういう、ものなのか?」
「そういうものなんですよ、っと。そろそろ採取を始めたいと思いますけど、その前に長老にきみたちを紹介しておきましょうか」
いざ採取、と思わせながらベルがそう言うと、2人は不思議そうに首を傾げた。
「長老……?」
『ちょ~ろ~?』
「ええ、長老よ。というよりも今もきみたちを見ているわね。……長老、久しぶりです。元気ですか!」
くすりと笑いながらベルが2人に言ってから、彼女はクルリと正面を向き直り……導樹の方向へと声を掛けた。
すると、導樹がサワサワと枝を揺らし始めると周囲から声が響き始めた。
『ふぉっふぉっふぉ、久しぶりじゃのう……賢者さんや。この子たちがお前さんの家族かね?』
「っ!?」
『ふぁあ~!?』
突如聞こえた声に、2人は分かり易いまでに驚いた表情を浮かべた。
直後、導樹の太い幹にゆっくりと顔の輪郭のような物が表れ……最終的に本当に顔へと変化した。
「ええそうよ。紹介するわ、こっちの男の子がディックで、女の子がクラリスよ」
『そうかそうか。よろしくねぇ、ディック坊やにクラリス嬢ちゃん』
『よろしく~~!』
「え、あ、よ……よろ、しく……?」
ベルが目の前の導樹に2人を紹介すると、導樹から優しい感情の篭った声が聞こえてきた。
だからだろうか、クラリスはすぐに警戒を解いたようでにっこり笑顔で両手を振るい、戸惑うディックは頭が追いついていないまま頭を下げていた。
そんな2人の様子が面白いのか、それとも新鮮なのか、ふぉっふぉっふぉ……と笑い声が周囲に響いていたのだが、思い出したように長老はベルへと問いかけて来た。
『ところで賢者さんや、今日はいったいどうしたのかね?』
「ええ、今日はこの子たちを連れて薬草の採取に来たの。長老、安全で品質の良い場所は無いかしら?」
『なるほどのぉ。だったら、ここから少し移動した先に良い群生地が出来ておるぞ』
「長老が良いって言うんだから品質も良いわよね。それじゃあ、ちょっと行って来るわ」
『うむうむ、良い結果を祈らせてもらうぞ』
ザワザワと木々を揺らしながらベルと会話をする長老。
そんな彼?(彼女?)のアドバイスに従うように、ベルは頷くと2人に声を掛ける。
「さ、2人とも、行きましょう」
『は~い!』
「う、うん……」
対照的な返事をする2人と共に、ベルは長老が教えてくれた薬草の群生地に向けて移動を開始した。
「はい……?」
『さいしゅ~?』
ある日の朝食の時間、3人が食事を取る中でベルが突然ディックとクラリスの2人へと言った。
突然のことでパンを食べていたディックは固まり、スープをスプーンで掬っていたクラリスはきょとんと首を傾げる。
そんな2人を見ながら、ベルはそう言った理由を口にした。
「実はですね、ミナットーからポーションなどの魔法薬の製作依頼が来たんですよ。ですが、それを行うためには素材となる薬草などが足りなくて……森で集めようと考えたわけです」
「そ、それは分かったけど……何で、おれたちが……?」
理由を聞いて、戸惑いつつもディックが問いかける。
だからベルは理由を口にした。
「理由としては……、ディックもクラリスも我が家に来てから、この森に入ったことが無いっていうのを思い出したからです。それに、何処に何があるのかぐらいは見ておいても良いじゃないですか。所謂散歩ですよ散歩」
「でも……」
『おさんぽっ? おさんぽいくのベルママと!? でぃっくおにちゃんもいくよね!?』
行きたくない、ということを暗に告げようとするディックだったがそれはクラリスに阻まれてしまった。
しかもクラリスは瞳をキラッキラと輝かせ、森に行くのを楽しみと言った様子である。
こうなってしまってはもう行くという選択肢しか残っていない。
「あ、いや……その……」
「ディック、こうなってしまっては諦めるしかないですよ?」
『……でぃっくおにちゃん、いかないの……?』
楽しみですオーラを放つクラリスの視線がディックへと向けられ、どう返事をしようか悩む彼だったがベルは諦めろと口にし……クラリスは楽しみですオーラがしおしおと萎み始め、しょんぼりですオーラを放ち始める。
……これは、負けただろう。そうベルが直感した瞬間、
「わ、わかったよ! 行く、行くから!! それでいいんだろっ!?」
『ほんとっ!? わ~い、みんなとおさんぽだ~~!!』
もう好きにしろとでも言うかのようにディックは両手を上げながら大声で言い、それを聞いたクラリスは凄く嬉しそうに笑って両手を挙げた。
そんな2人の様子をベルは微笑みながら見ていた。
だがその心の中は決して穏やかな物ではなかった。
(……とりあえず、急すぎるかも知れないけれど……この採取と調薬は、私のとっての保険だし、ディックたちのためにも必要なことだから)
◆◇◆◇◆◇◆◇
「さて、それじゃあ行きましょうか」
『は~い! おさんぽおさんぽ~~!!』
少し時間が経過し、3人は準備を整えて庭へと出ていた。
彼らの手にはスコップ、ハサミ、鎌、籠といった採取道具が握られており、何というか持ち辛そうな感じとなっていた。
……当然、クラリスは危ないので片手持ちの子供用スコップを手にしているだけだ。
「それで、どうやってもりに行くんだよ? そのまま森にすすめば良いのか……?」
「ええ、普通ならそうよ。けど今回はこれを使うわ」
「これって……枝?」
背負い籠を担ぎ、スコップを手にしたディックがベルへと問いかける。
するとベルは返事を返しながら、一本の枝を何も無いところから取り出した。
それは小さな木の枝で、所謂指揮者が持つ指揮棒のようなサイズだった。それをベルは本当に指揮をするようにスッと振るった。
直後、彼女たちの目の前の空間がぐにゃんと空間が歪み始め、……歪み始めた先に別の空間が見えた。
『わぁ~!? すご~い、なにこれ~!?』
「どうなってるんだ?」
「この枝はこの森の中に生えている導樹の枝です。この枝を魔力を込めて振るうことで、この森の中なら何処からでも導樹の元へと導いてくれるんですよ。……さ、行きましょう」
目を点にして驚くディックと開かれた空間の周囲をグルグルと移動しながら観察するクラリスを見ながら、ベルはこうなっている理由を口にするのだが、2人は良く分からないようでディックは顔をしかませ、クラリスはこてんと首を傾げた。
そんな2人に手を伸ばしベルは空間の向こうに行くように言う。
興味津々だったクラリスはぴょんと飛び込み、ディックは躊躇していたのだが……ベルに手を掴まれて仲良く飛び込んでいった。
そして、飛び込んだ空間の先でディックとクラリスは驚いていた……。
『うわぁ~、おっきぃ~~!!』
「なんだ、これ……?」
「ふふっ、初めてこれを見たらそんな反応をするわよね」
驚く2人を見ながら、ベルも目の前の導樹を見る。
それは推定でも千年以上はこの地に根付いているであろうと思えるほどに巨木であるというのに、若々しさを保っていると言わんばかりに青々とした葉を大量につけ、それらをサワサワと風に靡かせていた。
そんな導樹を見ながら、ベルは両手を空へと伸ばし軽く背伸びをする。
「ん、ん~~~~っ! …………はぁ。森の中って空気が綺麗で気持ち良いですよね」
『んん~~っ! ん~? よくわかんないけど、おいし~~!』
「そういう、ものなのか?」
「そういうものなんですよ、っと。そろそろ採取を始めたいと思いますけど、その前に長老にきみたちを紹介しておきましょうか」
いざ採取、と思わせながらベルがそう言うと、2人は不思議そうに首を傾げた。
「長老……?」
『ちょ~ろ~?』
「ええ、長老よ。というよりも今もきみたちを見ているわね。……長老、久しぶりです。元気ですか!」
くすりと笑いながらベルが2人に言ってから、彼女はクルリと正面を向き直り……導樹の方向へと声を掛けた。
すると、導樹がサワサワと枝を揺らし始めると周囲から声が響き始めた。
『ふぉっふぉっふぉ、久しぶりじゃのう……賢者さんや。この子たちがお前さんの家族かね?』
「っ!?」
『ふぁあ~!?』
突如聞こえた声に、2人は分かり易いまでに驚いた表情を浮かべた。
直後、導樹の太い幹にゆっくりと顔の輪郭のような物が表れ……最終的に本当に顔へと変化した。
「ええそうよ。紹介するわ、こっちの男の子がディックで、女の子がクラリスよ」
『そうかそうか。よろしくねぇ、ディック坊やにクラリス嬢ちゃん』
『よろしく~~!』
「え、あ、よ……よろ、しく……?」
ベルが目の前の導樹に2人を紹介すると、導樹から優しい感情の篭った声が聞こえてきた。
だからだろうか、クラリスはすぐに警戒を解いたようでにっこり笑顔で両手を振るい、戸惑うディックは頭が追いついていないまま頭を下げていた。
そんな2人の様子が面白いのか、それとも新鮮なのか、ふぉっふぉっふぉ……と笑い声が周囲に響いていたのだが、思い出したように長老はベルへと問いかけて来た。
『ところで賢者さんや、今日はいったいどうしたのかね?』
「ええ、今日はこの子たちを連れて薬草の採取に来たの。長老、安全で品質の良い場所は無いかしら?」
『なるほどのぉ。だったら、ここから少し移動した先に良い群生地が出来ておるぞ』
「長老が良いって言うんだから品質も良いわよね。それじゃあ、ちょっと行って来るわ」
『うむうむ、良い結果を祈らせてもらうぞ』
ザワザワと木々を揺らしながらベルと会話をする長老。
そんな彼?(彼女?)のアドバイスに従うように、ベルは頷くと2人に声を掛ける。
「さ、2人とも、行きましょう」
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