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34 皇都出発
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翌日、出陣の日を迎える。
俺達は皇宮の数ある練兵所の4つめに来ていることになっていた。
4つある練兵所、それは一つの塔を囲むように造られており、その中心には今回主役となるとされる人物が立っている。
出撃する舞台を鼓舞する皇帝陛下に宰相閣下、この隊の総大将とされる北部将軍のドイル侯爵、そして他の4つの練兵所に分けられた左右、中央の師団長、そして補給及び現地の民の安堵を役目とするサポート部隊の長としてアンジェと浄化の要とされるルイス、それに敵の首領に当てる最大戦力として疾風の英雄の者たちである。
もちろん皇族の護衛の近衛騎士もいる。
俺はその中でアンジェの近くを警護する騎士に紛れ込んでその中に立ってその様子をみていた。
普段ならこういうことはしないのだが、SSSパーティーに信用が置けない為とのこと。
近衛隊も十分に強力な部隊であるが、流石に相手がSSSパーティーでは時間稼ぎが精一杯になるだろうとのこと。
その為何もないであろうが、何かあったときの為にとアンジェの進言で近衛騎士のの格好をして皇帝陛下の近くにいるアンジェの傍を護衛することになっていた。
結果的にそれは杞憂となるのだが、その評価には流石に呆れざるを得ないというか。
どうしたらこんな心象を与えられるのかと逆に関心したものであるが、皇都内のあいつらの過ごし方を聞いた時は納得したというか呆れたというか。
まぁそんな感じなので暴力装置としての威力以外は期待されていないようではあるが、扱いに苦労しているようである。
ここにいる将官の方々は先の会議でいたので今回の作戦についての人の扱いについてはよく分かっている。
なのでアンジェに向ける目に紛れてこちらに期待もしているというのがなんとなく察せられた。
露骨にそうならないのは流石は古狸相手に振舞う事もある将官というところなのだろう。
そういう思惑を孕みながら出陣前のセレモニーで鼓舞された討伐隊は士気高く北部に現れた脅威の討伐に出撃するのだった。
尚うちのちびドラゴンとちびぎつね達はその間ルイスの寝泊りしている教会でお留守番をしていた。
子供達と戯れる方が彼らには楽しいし、このようなところに連れてきても面倒事の元であるという側面もあったからだ。
シスターに可愛がられ、子供達と仲良く遊んでいる姿は楽しそうだったということでなによりである。
今回、兵站舞台ではなくサポート部隊という名称がつけられているのにはこれが対人の出陣ではなく、魔物相手、しかもアンデッド相手であることが理由となっている。
アンデッドは土地を汚染する。
死者が起き上がりアンデッドになることもしばしばで、それで部隊を挟撃するということも起こりえるのである。
その為にこういうときには浄化して動く事が必須となっている。
勿論そういう恐怖に晒されている民の安堵も必要なのであるが、実務的は側面として教会勢力の力は必須なのである。
また今回はアンデッド化が浅い者は戻せる可能性があるが、その為には研究職の錬金術師が必要なのである。
その為後方部隊は大きくならざるを得なかった。
それを構成する兵については輸送専門の兵と全体を護衛する兵士や強敵に強襲されたときに対応する精鋭がいる。
そういう建前をもって編成された部隊であり、そこで安堵の象徴になるのがアンジェとルイスである。
そういうことでこの部隊はアンジェが代表となっているのだが、その裏には密命も下されていることは言うまでもない。
何かあれば精鋭と共に俺は切り込む事になり、その時には先頭に立つ。
敵の戦力に対する懸念と疾風の英雄の素行にたいする懸念。
その二つに対する抑えという側面をもった隊であるというのが現実である。
最もそのような事は基本的に表には出さないのその為俺達の進行速度は本隊とは若干違う。
そうして民達を慰撫しながら北部に向かう。
北部の故郷のある領地を目指して。
そこに待っている衝撃の事実と辛い出来事、それによってこの先の自分達の運命がどう変わるかなどその時の俺達には想像もできなかった。
それは少しだけ先の事になる。
ただ何があろうと俺は出来る事をするしかない、それだけしかないはずだったのだが、出来ないはずの事が出来る事になって困惑する事になる。
それと共に歓喜するものもでるのだが、それは少しだけ先の話。
この長い隊列が行き着く少しだけ先の話。
*新作始めました!
悪役令嬢に転生しましたが、破滅フラグが立ちおわっているので足掻きまくったら魔王になって乙女ゲーを間近で見る事になりました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/261717231/138407356
こちらの方も一度読んでいただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします。
俺達は皇宮の数ある練兵所の4つめに来ていることになっていた。
4つある練兵所、それは一つの塔を囲むように造られており、その中心には今回主役となるとされる人物が立っている。
出撃する舞台を鼓舞する皇帝陛下に宰相閣下、この隊の総大将とされる北部将軍のドイル侯爵、そして他の4つの練兵所に分けられた左右、中央の師団長、そして補給及び現地の民の安堵を役目とするサポート部隊の長としてアンジェと浄化の要とされるルイス、それに敵の首領に当てる最大戦力として疾風の英雄の者たちである。
もちろん皇族の護衛の近衛騎士もいる。
俺はその中でアンジェの近くを警護する騎士に紛れ込んでその中に立ってその様子をみていた。
普段ならこういうことはしないのだが、SSSパーティーに信用が置けない為とのこと。
近衛隊も十分に強力な部隊であるが、流石に相手がSSSパーティーでは時間稼ぎが精一杯になるだろうとのこと。
その為何もないであろうが、何かあったときの為にとアンジェの進言で近衛騎士のの格好をして皇帝陛下の近くにいるアンジェの傍を護衛することになっていた。
結果的にそれは杞憂となるのだが、その評価には流石に呆れざるを得ないというか。
どうしたらこんな心象を与えられるのかと逆に関心したものであるが、皇都内のあいつらの過ごし方を聞いた時は納得したというか呆れたというか。
まぁそんな感じなので暴力装置としての威力以外は期待されていないようではあるが、扱いに苦労しているようである。
ここにいる将官の方々は先の会議でいたので今回の作戦についての人の扱いについてはよく分かっている。
なのでアンジェに向ける目に紛れてこちらに期待もしているというのがなんとなく察せられた。
露骨にそうならないのは流石は古狸相手に振舞う事もある将官というところなのだろう。
そういう思惑を孕みながら出陣前のセレモニーで鼓舞された討伐隊は士気高く北部に現れた脅威の討伐に出撃するのだった。
尚うちのちびドラゴンとちびぎつね達はその間ルイスの寝泊りしている教会でお留守番をしていた。
子供達と戯れる方が彼らには楽しいし、このようなところに連れてきても面倒事の元であるという側面もあったからだ。
シスターに可愛がられ、子供達と仲良く遊んでいる姿は楽しそうだったということでなによりである。
今回、兵站舞台ではなくサポート部隊という名称がつけられているのにはこれが対人の出陣ではなく、魔物相手、しかもアンデッド相手であることが理由となっている。
アンデッドは土地を汚染する。
死者が起き上がりアンデッドになることもしばしばで、それで部隊を挟撃するということも起こりえるのである。
その為にこういうときには浄化して動く事が必須となっている。
勿論そういう恐怖に晒されている民の安堵も必要なのであるが、実務的は側面として教会勢力の力は必須なのである。
また今回はアンデッド化が浅い者は戻せる可能性があるが、その為には研究職の錬金術師が必要なのである。
その為後方部隊は大きくならざるを得なかった。
それを構成する兵については輸送専門の兵と全体を護衛する兵士や強敵に強襲されたときに対応する精鋭がいる。
そういう建前をもって編成された部隊であり、そこで安堵の象徴になるのがアンジェとルイスである。
そういうことでこの部隊はアンジェが代表となっているのだが、その裏には密命も下されていることは言うまでもない。
何かあれば精鋭と共に俺は切り込む事になり、その時には先頭に立つ。
敵の戦力に対する懸念と疾風の英雄の素行にたいする懸念。
その二つに対する抑えという側面をもった隊であるというのが現実である。
最もそのような事は基本的に表には出さないのその為俺達の進行速度は本隊とは若干違う。
そうして民達を慰撫しながら北部に向かう。
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ただ何があろうと俺は出来る事をするしかない、それだけしかないはずだったのだが、出来ないはずの事が出来る事になって困惑する事になる。
それと共に歓喜するものもでるのだが、それは少しだけ先の話。
この長い隊列が行き着く少しだけ先の話。
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悪役令嬢に転生しましたが、破滅フラグが立ちおわっているので足掻きまくったら魔王になって乙女ゲーを間近で見る事になりました。
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