お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治

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「後は任せてくれ」

 そういってルイスとアンジェを後ろに立つ。

 目の前には追い詰められた父さんと母さんとどこか見覚えのあるような女の人。

 そしてその3人を追い詰めたが乱入してきた俺に怪訝な視線を向ける柄の悪い吸血鬼がいた。

「ああ?なんだおめえ?」

 三白眼で睨みつけてくるが無視して歩を進める。

「なんだってきいてんだ!!」

 頭に血が昇っているのかがなり立てる姿は隙だらけだ。

「くそが!ぶっ殺してやる!!!」

 そう言って走り寄ってくる奴を見る。

 速度は、まぁ速いがそれだけだ。

 狙いはバレバレで警戒心もない。

 歩法も特筆するようなものもない。

 ただの力任せの右拳。

 そんなもの!

「ぐえ!?」

 歩くままに振りぬいた盾で潰す。

「ぐあ!?が!?」

 体勢の崩れたその顔を剣の柄で殴り、一回転して裏拳の要領で左手の盾を打ち下ろす。

 打ち下ろした盾に僅かに反応したのか、それを両手で防ごうとするがお構いなしに魔力を込めて打ち下ろす。

 超重量の聖属性を込めた金属の塊となった盾は男のガードを粉砕し、その身体を大地に叩きつける。

 叩きつけられた身体はバウンドする事も許されず、地面にめり込み、その圧力は全身の血管を破裂させ真っ赤に染め上げる。

 腐ってもバンパイアロードだ、この程度じゃまだ足りないだろう。

 その予想は違わず、頭からドンドンと再生を開始していく。

 しかし既にその全身は無残なものである。

 全身朱にまみれ、背骨は折れて腹から飛び出し、両脚も膝が外れて脛から先が浮き上がっている。

 そして両腕は二の腕から先が弾け飛び大幅に短くなっている。

 しかしここまでやってもバンパイアは死なない。

 少しずつではあるが瘴気が集まって再生していくのだ。

 とはいえ、聖属性を帯びた盾に吹き飛ばされた両腕は属性魔力によって再生が阻害されているのだが。

「なんだ、てめえ、出鱈目じゃねえか」

 再生した口を開く男に目を向ける。

「こんなやつの相手なんて、とんだ貧乏くじひいちまった」

 そう苦しげに口を開くが同情などはしない。

「だが、まだだ、まだ終わらねえ」

 そういって瘴気を心臓に集めていく男

「これが俺のきりふ――「言いたいことはそれだけか」

 言い切る前に心臓に魔力を込めた剣を突き刺す。

 聖龍の爪を素材に組み込んだ聖属性を帯びたその剣は、突き刺した心臓だけではなく集まりかけている瘴気を破壊する。

「ごふっ、くそ、本当に出鱈目だ……」

 そういって目を閉じようとする男だが、そのまま逝かせてやるほど甘くはない。

「死ぬ前に貴様らの目的、全て吐いてもらう」

 そう宣告するが男は意に介さずに目を閉じる。

「はっ、死んじまえば、はなせごあ!?」

「吐いてもらうといったはずだが?」

 勝手に死のうとしてるので道具袋の中から取り出した薬瓶を口に突っ込む。

 それは各種の毒と、瘴気を練り合わせた特性の毒薬で、意思のあるアンデッドを拷問する時に作られるものと、瘴気だけを固めたものの2本である。

 心臓を刺されたまま強制的に回復するが、苦しみ、悶え、体の自由を奪われたまま尋問される。

 毒の効果によって全身を毒虫が這いずるような、痛く苦しくおぞましい不快感が襲う。

 薬の効果で体感時間は引き延ばされ、全身に蟲が巣食って食い物にされる幻影を見る。

 正に生き地獄といっていいだろう、既に死んでいるが。

 絶叫も口に乗せられた足で踏み潰され、情報を吐く以外は何もすることが出来ない。

 それは数分でデルクを追い詰める。

「わかった、はなす、はなすから、殺してくれ……」

 その懇願に頷くと必要な情報を聞き出しはじめる。

 分かった事はこうだ、相手の首魁はヴァルザードと親交のあるヴァンパイアキングのブラム、始祖に近いとされる大物である。、

 本拠地はこの国の境を越えた北東にある山奥のはずだが、今回は最初に異変が起きた街を支配してから城を築いたらしい。

 そしてこいつらの目的だが。

「聖女ルイスの誘拐だ」

 その言葉を聞いた時に一瞬動揺した。

 その先に何があるのか、それを聞き出す。

「誘拐の目的は、あぶあ!?」

 此方を狙って振りぬかれた鞭を盾で弾くが、別の者がデルクの頭を吹き飛ばす。

「おしゃべりはだめよ~?」

 その攻撃の元を見ると全身が砂埃に汚れた巨漢の漢女がいた。

 デルクの頭は再生を始めているが、こいつを相手にしながらでは手が不足する。

 心臓に突き刺しておいた剣を抜き、魔力を込めて十時に切り裂き瘴気を散らす。

 薬の効力を散らされたその身体に折れた意思では再生することもなく、その身体は煙を上げて灰になっていく。

 少し距離の離れた新たな敵に気を払いながら処理を終えると声をかけられる。

「やってくれたわね、おかげで作戦は失敗、私も怒られちゃうわね」

「それはこっちの台詞だ、貴重な情報源を潰されたのだからな、最も」

 そう言って構えを取る。

「貴様を捕らえて聞き出せばいいだけだ」

 その言葉と共に飛び出すが、それを見越していたかのように敵は無数の蝙蝠に姿をかえて散っていく。

「今回は私達の負けよ、でもね、貴方が倒したそれは最弱、次は貴方を必ず殺すわ、首を洗って待っていることね」

「来るならいつでもこい、返り討ちにして大人しく死ななかった事を後悔させてやる」

「ふふふ、たのしみにしてるわ、それじゃ、ま・た・ね」

 気色悪いその言葉を最後にその気配は消える。

 後に残ったのは無数のヴァンパイアの死んだ灰とそれを動かしていた魔石、そして。

「「ロイド……」」

 ボロボロになった両親達だった。
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