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プロローグ〜聖剣デュランダル〜
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俺の名前は"ヨハン・プリテンダー"。金髪碧眼、眉目秀麗、泣く子も黙る誉れ高き勇者様だ。
俺は四人の仲間と共に魔王討伐の旅に出ている。
旅は過酷なものであった。ある時には雪の精霊の気まぐれにより、山奥で突然吹雪に襲われたり、更にある時には炎天下の砂漠地帯で食糧と水が底をつきかけたり、更に更にある時には魔獣から夜襲を受けたり等々、今までに幾度となく命の危機に見舞われてきた。
伝説のサファイヤドラゴンとも対峙したことがある。
そんなこんなで俺達は長きに渡る苦難の旅を乗り越え、魔王城にて魔王との闘いに挑んでいた。闘いは今まさに最終局面を迎えている。
"不死身"の特性を有している魔王を倒すには、選ばれた勇者にしか扱えない聖剣『デュランダル』でトドメの一撃を与える事が唯一無二の条件だ。
俺は女神からの見事試練をクリアし、聖剣デュランダルを手にしていた。
俺達パーティーは魔王をフルボッコにして虫の息までに弱らせていた。
後は聖剣デュランダルでトドメの一撃を食らわせるだけなのだが……
「今です!ヨハンさん!聖剣デュランダルで魔王にトドメの一撃を!!」
「あ、あぁ……」
俺の仲間で、年齢がまだ11歳の天才少年発明家、"ラック・ラブ"が俺にトドメの一撃を促してくる。
しかし、俺は魔王にトドメの一撃を与える事を躊躇っていた。
「どうしたの?早くやっちゃいなさいよ?」
「そうだよ!こんな悪党に情けは無用だよ!」
妖艶、ボイン、セクシーな衣装に身を包んだ29歳黒魔術師の"ミネルバ・アニマロッサ"と、スレンダー系だけど出る所は出ている武術家の"ラン・ヨウラン"が続けて促してくる。
いや、情けをかけている訳では無いのだけど……
「……そうだ、勇者よ……。勇者であるお主がワシに情けをかける事など……そんな愚かな事がこの世にあっていいはずがなかろうよ……。さぁ、お主の腰についている『アイテムボックス』から聖剣デュランダルを取り出し、一思いにトドメを刺すがよい……」
尻餅をつきながら俺達に囲まれている無様な格好の魔王までもが、俺にトドメの一撃を促してきた。
いや、だから情けをかけている訳じゃないんだって……。ちょっと黙ってくんないかなぁ?
「あぁ、勇者様……なんてお優しいの……。悪名高き魔王とは言え、命は全てに等しく尊き命なのです。命を尊く思っていらっしゃる勇者様の御心……本当に素晴らしいと思います。……でも……今は……」
純情可憐、聖女の称号を与えられた女性僧侶の"メリッサ・ライアー"が、俺の事を都合の良いように解釈してくれている。
そして、手を重ねて祈りのポーズを取りながら目を潤わせ、純粋無垢な眼差しで俺を真っ直ぐ見つめてくる……。
そんな瞳で俺を見つめてくるのはやめてくれ!そんなんじゃないから!
ってか、今まで散々魔王の配下達を殺してきたじゃん!
今更魔王なんかに情けをかけたりしないって!
魔王は家族の仇だ。殺したい程に憎く思っているのに!
皆が与えてくるプレッシャーのせいで、俺の足は生まれたての小鹿のようにプヨプルと震えていた。
出来る事ならこの場から逃げ出したい……。
あぁ、言えないよ……聖剣デュランダルをどっかで失くしただなんて……言えないよ……
俺は四人の仲間と共に魔王討伐の旅に出ている。
旅は過酷なものであった。ある時には雪の精霊の気まぐれにより、山奥で突然吹雪に襲われたり、更にある時には炎天下の砂漠地帯で食糧と水が底をつきかけたり、更に更にある時には魔獣から夜襲を受けたり等々、今までに幾度となく命の危機に見舞われてきた。
伝説のサファイヤドラゴンとも対峙したことがある。
そんなこんなで俺達は長きに渡る苦難の旅を乗り越え、魔王城にて魔王との闘いに挑んでいた。闘いは今まさに最終局面を迎えている。
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後は聖剣デュランダルでトドメの一撃を食らわせるだけなのだが……
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「あ、あぁ……」
俺の仲間で、年齢がまだ11歳の天才少年発明家、"ラック・ラブ"が俺にトドメの一撃を促してくる。
しかし、俺は魔王にトドメの一撃を与える事を躊躇っていた。
「どうしたの?早くやっちゃいなさいよ?」
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妖艶、ボイン、セクシーな衣装に身を包んだ29歳黒魔術師の"ミネルバ・アニマロッサ"と、スレンダー系だけど出る所は出ている武術家の"ラン・ヨウラン"が続けて促してくる。
いや、情けをかけている訳では無いのだけど……
「……そうだ、勇者よ……。勇者であるお主がワシに情けをかける事など……そんな愚かな事がこの世にあっていいはずがなかろうよ……。さぁ、お主の腰についている『アイテムボックス』から聖剣デュランダルを取り出し、一思いにトドメを刺すがよい……」
尻餅をつきながら俺達に囲まれている無様な格好の魔王までもが、俺にトドメの一撃を促してきた。
いや、だから情けをかけている訳じゃないんだって……。ちょっと黙ってくんないかなぁ?
「あぁ、勇者様……なんてお優しいの……。悪名高き魔王とは言え、命は全てに等しく尊き命なのです。命を尊く思っていらっしゃる勇者様の御心……本当に素晴らしいと思います。……でも……今は……」
純情可憐、聖女の称号を与えられた女性僧侶の"メリッサ・ライアー"が、俺の事を都合の良いように解釈してくれている。
そして、手を重ねて祈りのポーズを取りながら目を潤わせ、純粋無垢な眼差しで俺を真っ直ぐ見つめてくる……。
そんな瞳で俺を見つめてくるのはやめてくれ!そんなんじゃないから!
ってか、今まで散々魔王の配下達を殺してきたじゃん!
今更魔王なんかに情けをかけたりしないって!
魔王は家族の仇だ。殺したい程に憎く思っているのに!
皆が与えてくるプレッシャーのせいで、俺の足は生まれたての小鹿のようにプヨプルと震えていた。
出来る事ならこの場から逃げ出したい……。
あぁ、言えないよ……聖剣デュランダルをどっかで失くしただなんて……言えないよ……
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