十の加護を持つ元王妃は製菓に勤しむ

水瀬 立乃

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騎士学校(ルフナ視点)

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編入試験で無事に合格点を貰えた俺は、これから約ニ年間を一緒に過ごすクラスメイト達の前で挨拶をした。

「ギニギル村出身のルーフェナハトです。ルフナと呼んでください」

平民は名字を持たないから、名乗ればすぐにわかる。
儀礼的な拍手が起こる中で、一部の生徒達が蔑みの籠もった視線を向けてきた。
どうやら俺は、彼らには歓迎されていないようだ。
できれば初日から面倒事は避けたい。
無害そうな雰囲気の生徒が座る場所を見つけて、空いている席に腰を下ろした。
すると前の席に座っていた生徒がくるりと後ろを振り向いた。

「よろしくな、ルフナ!俺はセイリオン・オータナル。セインって呼んでくれ」

ニッと気さくに笑って、「休み時間にまた話そう!」と言ってすぐに前を向いた。
彼は貴族のようだけど、コストルさんと同じように気にしないタイプの人間なのかも知れない。
次の教室移動で、セインとは結構打ち解けて話ができた。

「…お前を平民だからって見下してる奴がいるけど、気にすんなよ。騎士に身分なんか関係ないんだから」

さっき廊下ですれ違い様に肩にぶつかって、悪態を吐いて去っていった奴等のことを言っているのだろう。
気にする程のことではなかったけど、傍で見ていたセインには思うところがあったみたいだ。

「実力があればいくらでも上を目指せる。階級を重んじる世情からすれば別世界さ。それを認めたくないんだよ、あいつらは。自信がないんだ。自信がないならつくまで努力しろ!って俺は思うけどね」

その通りだと俺も思う。
彼とは仲良くなれそうだ。
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