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セヴェリウスの成長(ディブラン視点)
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無気力な日々が続いていたある日、珍しくセヴェリウスがシェフを連れて私の元を訪ねてきた。
どうしたのかと尋ねると、私の体調が優れないと聞いてお見舞いに来てくれたらしい。
侍女に紅茶の用意をさせると、セヴェリウスがシェフに命じてトレーに乗っていた皿の蓋を開いて見せた。
見慣れないガラスの器に華やかなフルーツや菓子が飾られている。
「今日はどうしてもこれを陛下に食べていただきたくて、持って参りました」
「これは?」
「プリンアラモードというものです。おやつにお母様といただいたらとても美味しかったので、陛下にもと思って…」
「…そうか。ありがとう」
自分が食べて美味しかったから私にも食べてもらいたいなんて、いつの間にこの子は他人を気遣えるほど心が豊かになったのだろう。
それも父親らしいことなど何もしていない私のような人間に。
感謝の気持ちを込めて頭を撫でてやれば、恥ずかしそうにしながらも喜んでいるようだった。
「最近あまり食事もなさっていないと聞きました。でもこれなら召し上がっていただけるかもしれないと…」
「お前が折角持ってきてくれたんだ、いただくよ」
スプーンでたまご色のカスタードプディングとホイップクリームを少しずつ掬って口に入れた。
クリームが甘い分カスタードは甘さが抑えられていて、バランスがちょうどよい。
もう一口食べてみると、ほろ苦いカラメルソースが甘みと絶妙に絡んで美味しい。
素直に「美味い」と感想を言えば、セヴェリウスはとても嬉しそうに「ありがとうございます」と声を弾ませた。
「陛下のお口に合ってよかったです。じつはこのプリンはホワンの店主が作ったものなのです」
「?!」
危うく口に入れたものを吹き出しそうになってしまった。
なんだって?
ホワンの店主といったら、ティアのことじゃないか!
「み…店に行ったのか?」
「あっ……はい、先ほど帰って参りました。申し訳ありません、控えろと言われていたのに…」
「いや…いい。それで?」
「いつも店主の家ではみんなでデザートをいただくのですが今日は少し変わっていて、プリンの入ったグラスにそれぞれクリームを絞ったりフルーツを飾ったりして楽しみながら味わったのです」
「それは確かに変わっているな…」
「手ずからデザートを作ることは初めてでしたがなかなかに面白かったです。そうしたのは共通のお茶友達の男爵令嬢を元気づけるためでもあったようで…普段は明るい子なのですが今日はなにか落ち込むことがあったのかとても暗い顔をしていました。プリンアラモードをみんなで食べているうちにいつもの彼女に戻ったのですが、それを見て陛下もこれを食べたら元気になれるのではと、お土産に持ち帰ったものをシェフに頼んでデコレーションしてもらったのです」
悪意のない目をして見つめてくるセヴェリウスの瞳が眩しい。
ティアやエリス達が和気あいあいと楽しそうにしている光景が目に浮かぶようだ。
私はどうやってもその輪には入れないのだろうなと思うと、目の前の幼い息子にも嫉妬してしまう自分に苦笑が漏れた。
どうしたのかと尋ねると、私の体調が優れないと聞いてお見舞いに来てくれたらしい。
侍女に紅茶の用意をさせると、セヴェリウスがシェフに命じてトレーに乗っていた皿の蓋を開いて見せた。
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「今日はどうしてもこれを陛下に食べていただきたくて、持って参りました」
「これは?」
「プリンアラモードというものです。おやつにお母様といただいたらとても美味しかったので、陛下にもと思って…」
「…そうか。ありがとう」
自分が食べて美味しかったから私にも食べてもらいたいなんて、いつの間にこの子は他人を気遣えるほど心が豊かになったのだろう。
それも父親らしいことなど何もしていない私のような人間に。
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スプーンでたまご色のカスタードプディングとホイップクリームを少しずつ掬って口に入れた。
クリームが甘い分カスタードは甘さが抑えられていて、バランスがちょうどよい。
もう一口食べてみると、ほろ苦いカラメルソースが甘みと絶妙に絡んで美味しい。
素直に「美味い」と感想を言えば、セヴェリウスはとても嬉しそうに「ありがとうございます」と声を弾ませた。
「陛下のお口に合ってよかったです。じつはこのプリンはホワンの店主が作ったものなのです」
「?!」
危うく口に入れたものを吹き出しそうになってしまった。
なんだって?
ホワンの店主といったら、ティアのことじゃないか!
「み…店に行ったのか?」
「あっ……はい、先ほど帰って参りました。申し訳ありません、控えろと言われていたのに…」
「いや…いい。それで?」
「いつも店主の家ではみんなでデザートをいただくのですが今日は少し変わっていて、プリンの入ったグラスにそれぞれクリームを絞ったりフルーツを飾ったりして楽しみながら味わったのです」
「それは確かに変わっているな…」
「手ずからデザートを作ることは初めてでしたがなかなかに面白かったです。そうしたのは共通のお茶友達の男爵令嬢を元気づけるためでもあったようで…普段は明るい子なのですが今日はなにか落ち込むことがあったのかとても暗い顔をしていました。プリンアラモードをみんなで食べているうちにいつもの彼女に戻ったのですが、それを見て陛下もこれを食べたら元気になれるのではと、お土産に持ち帰ったものをシェフに頼んでデコレーションしてもらったのです」
悪意のない目をして見つめてくるセヴェリウスの瞳が眩しい。
ティアやエリス達が和気あいあいと楽しそうにしている光景が目に浮かぶようだ。
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