荒ぶる世界の最果てダンジョン~村娘、姫騎士、女神官。みんなエロトラップに引っかかってアヘ顔Wピース!からの踊り食い~

櫛名月

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2 とりあえず探索

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 三日が経った。
 男は巨樹に囲まれた深い森をさまよっていた。
 携帯食も残りわずかである。
 だがしかし、なにも考えなしにあてもなく、ふらふらと歩いていたわけではない。
 右手に握っているのは携帯万能ツール『天才ジーニアス』。
 ラジオと懐中電灯も付いている。とサバイバルキットに入っていた説明書には書かれていた。

 見た目はずばりスマホである。
 というか、これはスマホじゃないだろうか。
 そのジーニアスをなにか調べたいもの、たとえば目の前の巨樹に向けると、

「〈鑑定結果、推定樹齢五千年。常緑広葉樹で主に温帯地域でよく生育します。樹皮は茶褐色から暗褐色――〉」

 なんか長くなりそうだったので、別のものに向けてみる。

「〈鑑定結果、花の妖精フラウ。体長一五センチから二〇センチ。美しい人間の少女の姿をしたフラウは、花の蜜を好み紫色の美しい蝶のような羽を持ちます。稀に虹色の羽を持つ個体もおり、マニアや闇商人の間では高額で取り引きされています〉」

 といった具合に、情報を教えてくれる。

「ていうか、妖精の名前フラウとか、なんでそんなことまで知ってんの? ここって未知の星なんだよな? ポッドのAIもおかしかった感じがしたし、もしかしたら、こいつも壊れてるのかもな」
「〈壊れてません〉」

 ジーニアスが即答する。

「うわ! びっくりした~。んだよ、対話できるのか。初めて知ったぞ。おいジーニアス! 今日のおすすめアニソンTOP100をかけて」

 し~ん……。
 森の奥から鳥の鳴き声が聞こえてくる。

「ああ、こういうのはダメなのね。ぷっ……なのに名前がジーニアスとか。ウケるぅ」

 手にした筐体が熱くなったが、そんなことは気にせず今度は適当に、視界内のモノに触れないよう向ける。

「たしか方向はこっちだったよな。あと、どれくらいだ――」

 すると、

「〈……鑑定結果、このまま、まっすぐ進めばおよそ二五キロ先に魔族の村があります……と、さっきも教えたと思いますが……〉」
「はあ? なに? もしかしてイキってんの?」

 目の前にジーニアスを持ってきて、機械相手に睨めつける。

「〈鑑定結果、バカ〉」

 男は地面に思いっきり投げつけた。これで何回目だろうか。

「クソツールが! ちっくしょう。でも仕方ねー。いまはコイツが頼りだ」

 傷だらけの筐体を拾い上げる。

「壊れてないよな?」

 さきほど鑑定した妖精フラウに、ジーニアスを差し向けてみた。

「〈鑑定結果、魔獣血界妖精ビブロダッカス。肉食。スリーサイズは上から八三、六〇、八六。昨晩、メガフクロウに食べられそうになった――〉」
「ヤバいな。完全に壊れる前に、村に着かないと……」
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