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封印魔石、奪還依頼
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ゆっくり[クレア]で朝食を食べてから、ダンジョンに向かう事にした。
親父さんは、俺達がどの階まで進んでいるか知らないので、いつも通りだ。
「兄さん、今日もダンジョンだろ、気を付けてな」
「ありがとう、行ってきます」
ダンジョンに着いたら軽くセシルと打ち合わせをして、地下80階のボス部屋の前に立った。
「入るぞ」
「はい」
俺達を迎えてくれたのは、レッドドラゴンだ。
ドラゴンは俺達に向かって麻痺効果の有る炎のブレスを吐いた。
「ストック!」
セシルが両手で描いた輪の中に、ブレスがあっという間に吸い込まれて行く。
それを見ていたドラゴンは、怒りの雄叫びをあげて巨大な尻尾を俺に向かって[ブウン]と音をたて飛ばして来た。
俺は自分のユニークスキル【2次元転移】を使って地面の表面に転移し、ドラゴンの腹の下に移動してラベジソードを突き刺し、力まかせに切り裂いた。
レッドドラゴンは痛さのあまり[ギャオゥ]と咆哮しながら後ろ脚で立ち上がった。
すかさずセシルがレッドドラゴンの喉に【ウォータージェット】をぶち当て横に移動する、ドラゴンの喉に穴が空きそこから切れて行くが首の骨の所で止まってしまった、直ぐに再生が始まる。
ドラゴンは体制を立て直し前脚を地面に勢いよく着く、地面が揺れてセシルがよろけてしまった。
『アキ、セシルに向かってブレスを吐く気よ』
セシルのストックは間に合いそうにない、俺は二次元のまま移動しセシルの足をつかみ地面に引きずり込む。セシル、二次元の世界へようこそ。
ブレスは壁にぶち当たり大きな穴があいた。
レッドドラゴンの素材は、ある程度は欲しいので消滅させるわけにはいかない、悩んでいるとドラゴンの動きが鈍くなって動かなくなった。
ラベジソードのお陰で麻痺したのだ、再生も止まった様なので頭と心臓に【ダークバレット】を撃ち込み止めを指す。
『今回は危なげ無かったわね』
「まあね」
『石化じゃなくって良かったな』
「そうだよな。忘れてたよ石化したら、素材がパーだ。状況によって使う剣は代えないとダメだね」
宝箱が現れ、壁に金色の扉が出て来た。正式なダンジョンのクリアは今回が初めてになる。
先ずは宝箱を開けてみる。宝珠と黒い鍵が入っていた。
宝珠は力の宝珠だった。
黒い鍵:¿£©§%$#
「宝珠は予定通りで良かったな。鍵は鑑定は不可だ」
『その様だな』
『扉も開けてみましょうよ』
「よっしゃ」
金銀、宝石、指輪、お宝が山の様に積まれていた。
「セシル、欲しい物があったら言いなね」
「いいんですか?」
「セシルだって頑張ったでしょ」
「嬉しいです」
そろそろ装備も新しくしてもいいもんね。
クリア用の魔法陣に乗って外に出る。
「おっ、地下80階を攻略だな、こりゃ大変だ」
番人の1人が飛ぶ様に走って行く。
「暫く、うるさいのは我慢だな」
『仕方ないさ』
「出来るだけ早く帰ろう」
送迎馬車に乗る為に待ち合い場所に行く、親父さんの息子を助けた時の御者がいた。
「兄さん、また急ぎかい?」
「やってくれるかい」
「このガットさんに任せなさい」
「頼むぜ」
グラーダの街にあっという間に着いた、ガットに赤と青の宝石をあげたら飛び上がっていた。
『これからどうするんだ?』
「先ずは王都のパラッシュに行く」
『ギルドで貴族を紹介してもらうのね』
「その通り、今回は近いからいいね。[クレア]の親父さんに挨拶してから行くよ」
ーー
「なんだ、行っちまうのかい。寂しくなるな」
「また来る事になるからさ」
「そうなのかい?」
「それじゃ」
パラッシュ行きの馬車は30分後に出る。着くのは夜中の10時頃になる。
トラブルも無く、予定通りに王都パラッシュに着いた。
直ぐ宿を探す、流石にこの前のレストラン付きの宿は無理だった、残念だ。
その代わり、近くにコジャレたクラブの様な酒場がある宿がとれた。
部屋を確認して食事を兼ねて飲みに行く。
セシルはジャイアントホーンの、ぶ厚いステーキにハマった様でアポーハニーを飲みながら豪快に食べている。
ロック鳥のむね肉の燻製をつまみに、お気にいりのボアロゼスを飲んでいると店に男が駆け込んできた。
「グラーダのダンジョンが制覇されたぞ」
「本当か、誰だ?」
「まだそこまで判らない」
「ついこの間アルダバランが制覇されたと思ったら、今度はグラーダか」
『情報がここまで来たわね』
「でもこれでギルドでの話しが楽になる」
セシルが4杯目のアポーハニーを頼もうとしていたので、頭をコツンとする。
「むう、ごめんなさい」
「頭が痛くなっちゃうよ」
「そうでした」
「では、宿に戻ろうか」
「はい、ご主人様」
移動の疲れとお酒のせいで夜は気持ち良く寝る事が出来た。
いつもより遅く起きて宿の食堂で朝飯を食べる、
王都のギルドなので大きいが、少し遅いこの時間だと流石に混んでいる。すいている窓口に並んで順番を待つ、回りを見ると色んな種族がいた。
この国は種族による差別は無い、聞いた話しでは義に厚い国民性でも有る。
「ギルドマスターにお会いしたいのだが」
「お約束してますか?」
「いや、必要なら出直すがどうしたらいい?」
「それでは冒険者カードをお願い致します」
カードを受け取り受付嬢は魔道具に当てる、受付嬢の手が止まり俺の顔をチラッと見た。
「申しわけありません、魔道具が故障した様なので少しお待ち下さい」と言って奥に行ってしまった。
あれ?このシュチェーションどこかで有った様な。
「お待たせ致しました。明日の朝9時に予定を入れました」と言ってカードを返してくれた。
カードの下には紙切れが有る、外に出て読むと「ギルドの裏でお待ちしてます」と書いて有った。
これデジャブじゃない。
『まさか、また鼻の下伸ばしてる?』
「卑弥呼さん、俺だって学習します」
『厄介事の予感だな』
「間違いない」
ギルドの裏に行くと、受付嬢が待っていた。
「良かった、来てくれた」
「美人のお誘いだもの来ますよ」
「うふふ、ありがとう。落ち着いたら、ご馳走するわね」
「それは嬉しいね」
「では、こちらへ」
ギルドの裏口から2階に上がってマスターの部屋に行く。
「お連れしました」
「入ってもらってくれ」
「失礼します」
中に入るとソファーに中年の紳士とセラヴィの魔道書屋のじいさんが座っていた。
『あのじいさん何者?』
『ここの前のギルドマスターの様ね』
『あっそう』
「わざわざすみませんね、どうしてもアキさんとお話しがしたくて、ギルドマスターのリクォーネです。こちらは前ギルドマスターのスレイガです」
「アキです、よろしく」
じいさんも俺がアキだと知って驚いた様だ。
「どの様なお話しですか?」
「それではお話し致します。少し前に商船が海賊に襲われた事はご存知ですか?」
「ああ、卵の化石が奪われたやつ」
「そうです。ただ、卵の化石なら良かったのですが、とんでもない事が判りまして」
「とんでもない?」
「あれは、大賢者フェデス様が360年前に悪魔を封じ込めた魔石だったのです」
「なんでそんな物が出てきたのです」
「化石などが好きな貴族の方がいるのですよ。人を雇って探させたりするんです」
リクォーネさんは、忌々しげに言った。
「海賊の居場所は判ったのですが、腕の立つ奴を雇っているので苦戦しているのです」
「犯罪お助け人ですか?」
「流石、鋭いですね。しかもどこで聞き付けて来たのか、デブルグ帝国が魔石を狙って争いに加わって来たので、困っているのです」
「なるほど、精霊の力が手に入らなかったので、今度は悪魔の力を借りようと言うわけか」
「いや、畏れ入りました。その通りです」
じいさんが俺の顔を見てニヤニヤしている。
「つまり、その魔石を取り戻す手伝いをしろ、と言う事ですね?」
「はい、是非お願いしたいのです」
「分かりました。引き受けます」
「ありがとう御座います。良かった。あ、私にお話しがあるとか?」
「この件が済んでからでいいんですが、グラーダのダンジョンの宝物を国王に献上したいと思いまして」
「えっ、グラーダもアキさんでしたか。参りましたな。もちろん協力致します」
「ありがとう御座います。運が良かったからです。それで海賊の居場所はどこですか?」
「明日の朝、みんな集まって打ち合わせをします。それでアキさんには、腕を見込んで助っ人の相手をして頂けないかと」
「分かりました。いいですよ」
「助かります。これなら大丈夫ですね」
「では明日」
帰ろうとするとじいさんが、話しをしたいと目で言うのでついて行く事にした。
親父さんは、俺達がどの階まで進んでいるか知らないので、いつも通りだ。
「兄さん、今日もダンジョンだろ、気を付けてな」
「ありがとう、行ってきます」
ダンジョンに着いたら軽くセシルと打ち合わせをして、地下80階のボス部屋の前に立った。
「入るぞ」
「はい」
俺達を迎えてくれたのは、レッドドラゴンだ。
ドラゴンは俺達に向かって麻痺効果の有る炎のブレスを吐いた。
「ストック!」
セシルが両手で描いた輪の中に、ブレスがあっという間に吸い込まれて行く。
それを見ていたドラゴンは、怒りの雄叫びをあげて巨大な尻尾を俺に向かって[ブウン]と音をたて飛ばして来た。
俺は自分のユニークスキル【2次元転移】を使って地面の表面に転移し、ドラゴンの腹の下に移動してラベジソードを突き刺し、力まかせに切り裂いた。
レッドドラゴンは痛さのあまり[ギャオゥ]と咆哮しながら後ろ脚で立ち上がった。
すかさずセシルがレッドドラゴンの喉に【ウォータージェット】をぶち当て横に移動する、ドラゴンの喉に穴が空きそこから切れて行くが首の骨の所で止まってしまった、直ぐに再生が始まる。
ドラゴンは体制を立て直し前脚を地面に勢いよく着く、地面が揺れてセシルがよろけてしまった。
『アキ、セシルに向かってブレスを吐く気よ』
セシルのストックは間に合いそうにない、俺は二次元のまま移動しセシルの足をつかみ地面に引きずり込む。セシル、二次元の世界へようこそ。
ブレスは壁にぶち当たり大きな穴があいた。
レッドドラゴンの素材は、ある程度は欲しいので消滅させるわけにはいかない、悩んでいるとドラゴンの動きが鈍くなって動かなくなった。
ラベジソードのお陰で麻痺したのだ、再生も止まった様なので頭と心臓に【ダークバレット】を撃ち込み止めを指す。
『今回は危なげ無かったわね』
「まあね」
『石化じゃなくって良かったな』
「そうだよな。忘れてたよ石化したら、素材がパーだ。状況によって使う剣は代えないとダメだね」
宝箱が現れ、壁に金色の扉が出て来た。正式なダンジョンのクリアは今回が初めてになる。
先ずは宝箱を開けてみる。宝珠と黒い鍵が入っていた。
宝珠は力の宝珠だった。
黒い鍵:¿£©§%$#
「宝珠は予定通りで良かったな。鍵は鑑定は不可だ」
『その様だな』
『扉も開けてみましょうよ』
「よっしゃ」
金銀、宝石、指輪、お宝が山の様に積まれていた。
「セシル、欲しい物があったら言いなね」
「いいんですか?」
「セシルだって頑張ったでしょ」
「嬉しいです」
そろそろ装備も新しくしてもいいもんね。
クリア用の魔法陣に乗って外に出る。
「おっ、地下80階を攻略だな、こりゃ大変だ」
番人の1人が飛ぶ様に走って行く。
「暫く、うるさいのは我慢だな」
『仕方ないさ』
「出来るだけ早く帰ろう」
送迎馬車に乗る為に待ち合い場所に行く、親父さんの息子を助けた時の御者がいた。
「兄さん、また急ぎかい?」
「やってくれるかい」
「このガットさんに任せなさい」
「頼むぜ」
グラーダの街にあっという間に着いた、ガットに赤と青の宝石をあげたら飛び上がっていた。
『これからどうするんだ?』
「先ずは王都のパラッシュに行く」
『ギルドで貴族を紹介してもらうのね』
「その通り、今回は近いからいいね。[クレア]の親父さんに挨拶してから行くよ」
ーー
「なんだ、行っちまうのかい。寂しくなるな」
「また来る事になるからさ」
「そうなのかい?」
「それじゃ」
パラッシュ行きの馬車は30分後に出る。着くのは夜中の10時頃になる。
トラブルも無く、予定通りに王都パラッシュに着いた。
直ぐ宿を探す、流石にこの前のレストラン付きの宿は無理だった、残念だ。
その代わり、近くにコジャレたクラブの様な酒場がある宿がとれた。
部屋を確認して食事を兼ねて飲みに行く。
セシルはジャイアントホーンの、ぶ厚いステーキにハマった様でアポーハニーを飲みながら豪快に食べている。
ロック鳥のむね肉の燻製をつまみに、お気にいりのボアロゼスを飲んでいると店に男が駆け込んできた。
「グラーダのダンジョンが制覇されたぞ」
「本当か、誰だ?」
「まだそこまで判らない」
「ついこの間アルダバランが制覇されたと思ったら、今度はグラーダか」
『情報がここまで来たわね』
「でもこれでギルドでの話しが楽になる」
セシルが4杯目のアポーハニーを頼もうとしていたので、頭をコツンとする。
「むう、ごめんなさい」
「頭が痛くなっちゃうよ」
「そうでした」
「では、宿に戻ろうか」
「はい、ご主人様」
移動の疲れとお酒のせいで夜は気持ち良く寝る事が出来た。
いつもより遅く起きて宿の食堂で朝飯を食べる、
王都のギルドなので大きいが、少し遅いこの時間だと流石に混んでいる。すいている窓口に並んで順番を待つ、回りを見ると色んな種族がいた。
この国は種族による差別は無い、聞いた話しでは義に厚い国民性でも有る。
「ギルドマスターにお会いしたいのだが」
「お約束してますか?」
「いや、必要なら出直すがどうしたらいい?」
「それでは冒険者カードをお願い致します」
カードを受け取り受付嬢は魔道具に当てる、受付嬢の手が止まり俺の顔をチラッと見た。
「申しわけありません、魔道具が故障した様なので少しお待ち下さい」と言って奥に行ってしまった。
あれ?このシュチェーションどこかで有った様な。
「お待たせ致しました。明日の朝9時に予定を入れました」と言ってカードを返してくれた。
カードの下には紙切れが有る、外に出て読むと「ギルドの裏でお待ちしてます」と書いて有った。
これデジャブじゃない。
『まさか、また鼻の下伸ばしてる?』
「卑弥呼さん、俺だって学習します」
『厄介事の予感だな』
「間違いない」
ギルドの裏に行くと、受付嬢が待っていた。
「良かった、来てくれた」
「美人のお誘いだもの来ますよ」
「うふふ、ありがとう。落ち着いたら、ご馳走するわね」
「それは嬉しいね」
「では、こちらへ」
ギルドの裏口から2階に上がってマスターの部屋に行く。
「お連れしました」
「入ってもらってくれ」
「失礼します」
中に入るとソファーに中年の紳士とセラヴィの魔道書屋のじいさんが座っていた。
『あのじいさん何者?』
『ここの前のギルドマスターの様ね』
『あっそう』
「わざわざすみませんね、どうしてもアキさんとお話しがしたくて、ギルドマスターのリクォーネです。こちらは前ギルドマスターのスレイガです」
「アキです、よろしく」
じいさんも俺がアキだと知って驚いた様だ。
「どの様なお話しですか?」
「それではお話し致します。少し前に商船が海賊に襲われた事はご存知ですか?」
「ああ、卵の化石が奪われたやつ」
「そうです。ただ、卵の化石なら良かったのですが、とんでもない事が判りまして」
「とんでもない?」
「あれは、大賢者フェデス様が360年前に悪魔を封じ込めた魔石だったのです」
「なんでそんな物が出てきたのです」
「化石などが好きな貴族の方がいるのですよ。人を雇って探させたりするんです」
リクォーネさんは、忌々しげに言った。
「海賊の居場所は判ったのですが、腕の立つ奴を雇っているので苦戦しているのです」
「犯罪お助け人ですか?」
「流石、鋭いですね。しかもどこで聞き付けて来たのか、デブルグ帝国が魔石を狙って争いに加わって来たので、困っているのです」
「なるほど、精霊の力が手に入らなかったので、今度は悪魔の力を借りようと言うわけか」
「いや、畏れ入りました。その通りです」
じいさんが俺の顔を見てニヤニヤしている。
「つまり、その魔石を取り戻す手伝いをしろ、と言う事ですね?」
「はい、是非お願いしたいのです」
「分かりました。引き受けます」
「ありがとう御座います。良かった。あ、私にお話しがあるとか?」
「この件が済んでからでいいんですが、グラーダのダンジョンの宝物を国王に献上したいと思いまして」
「えっ、グラーダもアキさんでしたか。参りましたな。もちろん協力致します」
「ありがとう御座います。運が良かったからです。それで海賊の居場所はどこですか?」
「明日の朝、みんな集まって打ち合わせをします。それでアキさんには、腕を見込んで助っ人の相手をして頂けないかと」
「分かりました。いいですよ」
「助かります。これなら大丈夫ですね」
「では明日」
帰ろうとするとじいさんが、話しをしたいと目で言うのでついて行く事にした。
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