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ボルチスカ王国の王女

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 翌日、ギルドに行って、じいさんを訪ねるとギルドマスターの部屋に案内された。

部屋にはじいさんがいた。

「わしが暫くギルドマスターを代行する事になった。リクォーネの奴はショックで寝込んでおる」

そりゃそうだ、悪魔を封印したヤバイ魔石を持って、トンズラした奴を討伐責任者にしたのだから。

「そうですか」

「献上の件はわしが代わりに手配してやるぞ」
「ホントですか?良かった」

「ふん、急に元気になりおったな」

「それは仕方無いでしょ」

「うむ、二度手間で悪いが夕方もう一度来てくれ。パラスト伯爵を紹介する」

「分かりました、感謝します」


暇になったので取り合えず、昼飯を食べる事にしてギルドを出た。




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「皇帝陛下、ついに手に入れた様で御座います」

「真か、これで我が一族の悲願、この世界の覇者になる為に必要な物の1つが手に入ったのだな」

「左様で御座います。ザコバンが戻って来ると、先ぶれが有りました」

「これからが楽しみだな、ガバクスよ」

「はい、先ずはボルチスカ王国とシーザル王国の者共にひと泡ふかせてやりましょう」



            ☆☆☆☆☆



昼飯を食べ店を出たが暇だ。どうやって時間をつぶすか?

店の前で考えていると、騎士の一団が馬に乗って通り過ぎて行った。

おっ、これだ。

「セシルは馬に乗れたっけ?」
「はい、乗れますよ」

「俺に乗馬を教えてくれ」
「馬はどうするのです?」

「馬車の運行商会に借りるさ。よし行こう」


運行商会とは直ぐ話しはついた。何かあったら、丸々弁償だ。

取り合えず、馬を引いて街の外へ出る。人通りの無い所で乗ってみた。

この世界の馬は少し小型だ、しかし全然、動かない。

『完全に舐められているわね』
『アキ、自信の無さが馬に伝わっているぞ』

「そうは言うけどさ、元の世界みたいにちゃんとした鞍も無ければ、あぶみも無いんだぜ」

『じゃ、作っちゃえば』

「いいね、錬金術のスキルで魔道具的なやつ。でも今は少しでも乗れる様に練習だ」

軽くかかとで馬の脇腹をけって見ると、馬が前脚を立ち上げ俺は振り落とされた。


後で大きな笑い声がした。セシルめ、そんなに笑わなくてもいいだろうに、振り返ると馬に乗ったセシルより少し年上の女性がいた。

「男の癖に情け無いわね」

「生まれて初めて乗ったんだ。仕方無いだろ」
「おや、珍しい。どこのお坊ちゃまですか」

くう、この女、腹立つ。

『アキ、囲まれたわ。20人はいるわね』
『どっかの国の兵士見たいだな』

「OK、セシル、なるべく生かしておいてね」

「ラジャー」

『ハッカー!』
『またまた、すまん』

使い方は合っているから良いか。

「お嬢さん、危ないからそこにいて下さい」
「えっ、なに?」


『来たわよ』

兵士達が女性の方へ集中する、彼女狙いか?

『卑弥呼さん、彼女はお任せします』
『ラジャー!』

もう、卑弥呼さんまで。

セシルの移動は速い、あっと言うまに兵士達を斬って、いや、刀背打ちで倒していく。

彼女に取りつこうとした兵士達は既に倒れている、残りを俺が倒した。


セシルが10人、卑弥呼さん5人、俺が5人だ。

『こいつら帝国の兵士よ』

「う、馬には乗れない癖に随分強いのね」

「誉めてもらってどうも、それより狙われる覚えは?」

「な、無いわよ、そんなの」
「そうですか、でも街までは送ります」

「ありがとう」

街の門の中まで入った所で別れる。

「では気を付けて」

「お礼をしたいのですが、今は持ち合わせが無いの」

「いいですよ、そんなの」

「そうは参りません……いえ、そうはいかないわ、あ、ではこれを」

彼女はしていたネックレスを俺に渡した。引き下がりそうは無いので受け取っておく。


襲われた場所に戻り兵士を縛り、門の衛兵に事情を話して引き取ってもらった。


「帝国の奴ら魔石を手に入れたので、何か仕掛けて来るきかな?」

『あり得るな、さっきのじゃじゃ馬は、王女様だからな』

「ふ~ん、えっ、まじ」
『マジです』

「面倒くさい。考えるのよそう」
『アキったら、大丈夫なの?』

「じいさんに話しするよ。そう言えば、お、丁度いい時間だ」


ギルドに行くと建物の前に凄い豪華な馬車があり、多くの騎士が整列していた。



「伯爵が来てる見たいだな」
『どんな人かしらね?』

中に入ると、じいさんに言われてたらしく、俺の顔を見た受付嬢が直ぐ案内してくれた。


「来たか、入ってくれ」
「パラスト、この男がアキだ」

「アキです。お忙しい所、来て頂きありがとう御座います」

「畏まらなくてもいいぞ。スレイガのじじいの頼みだ、任せておけ」

「よろしくお願いします」

「大体な、ラインバルト城でのロザン国王とお前のやり取りは、ほとんどの者が知っている。何事も無く話しは決まるだろう」


「アキ、こやつに任せておけばよい」
「分かりました。後、お耳に入れたい事が」

「なんじゃ、言うてみい」

「先ほど、こちらの王女様が帝国の兵士に襲われました」

「なんだと!」
「アキ、詳しく話せ」

俺はさっきの出来事を話した。

「なるほど、帝国の奴めふざけおって」

「アキ、王女様を助けてくれたのだな、礼を言うぞ」

「いえ、偶然ですから」

「それにしても王女様にも困った物だな。また護衛も付けずに外に出られて」

「お転婆ぶりは変わっておらんのう」

「良し、今から城へ行って、アキの件と注意を国王に伝えるとしよう。じじい、また後でな」


パラスト伯爵は厳しい表情で出てい行った。

「じいさん。お礼と言って、王女様にこれをもらったのだが、いいのかな?」

「おう、これは、王族しか持つことの許されない、神鳥リトゥーラ様を型どった物ではないか」

「それじゃ不味く無いか?」

「う~む、そうじゃのう、機会を見てパラストに聞いておこう」

ギルドを出て宿に向かう、また面倒くさい事になりそうだ。

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