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僕のスキル鑑定の儀
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ジャバネ達がオーガの群れに向かって飛び立つ。
ジャバネの大きさはオーガの倍にしてある、先頭の一頭が素早くオーガの胸に前足を突き刺す。
オーガは避ける事すら出来ずに頭から喰われていく。
偵察の虫から、映像と音が送られて来るので、〔グチャ、グチャ、ボリボリ〕とオーガが喰われる音が聞こえる、他のオーガ達もジャバネの鉤爪に頭を掴まれ腹から喰われていく。
欠点に気がついた、これでは魔物の素材が集まらない、魔物を確保用の虫も考えなくては。
オーガファイターが虫の襲来に気がつき、斧を構え迎撃体制をとるがジャバネは構わず突っ込んで行く。
オーガファイターの斧による攻撃は、虫に当たってもはじかれてしまい、かすりキズ1つ付かず殲滅まで5分もかから無かった、初戦は合格だね。
城に帰って、先ずは料理長に森で採ったコジュケイ鳥のお土産を渡し部屋に戻る。
オーガの上位種がいなければ良いけどな。
2日後、サキ達が帰って来た。全員、無事な様だ。
サキは3日間、休みがもらえたと言ってテンションが高かった。ニコニコ顔で色んな事を話てくれる。
「どうだった、ダンジョンは?」
「楽勝だよあんなの」
「何階まで行ったのさ」
「地下15階だよ」
今回サキが行ったダンジョンは、この国の西にあるFからCクラスの冒険者が行く中くらいのダンジョンだ。
「後、一回行けばクリア出来るね」
「多分ね」
ーーーー
月日が過ぎ、サキが成長して大迷宮と言われるダンジョンを余裕で進む事が出来る頃、俺も10才になっていた。
他国との戦争も無く、無事にここまで来れて良かった、いよいよ明日は俺のスキル鑑定の日だ。
2人の兄達は14才になり、ダンジョンでの成人の儀を済まして、文武両道のアルクァード王立魔法学院に2年間行く事になっているが、俺のスキル鑑定の儀を見るために入学を遅らせた。
神官が魔道具にはめ込まれた大きな水晶に向かって長い呪文を唱える。
水晶が一瞬だけ光った。
「……これは」
「どうだ、リックの属性は?」
「属性はございません」
「なに、1つも無いのか、ではスキルはどうだ?」
「インセクトとだけ」
「インセクト?何だそれは」
「例が無いので判りません」
神様からもらったスキルじゃないから鑑定されたのか、これは仕方ないね。
「リック、何か判らんのか?」
「虫を従魔に出来る様です」
「虫……」
露骨にガッカリしているな。
「……」
「どうした?ガウス神官」
「あ、いえ、何でも御座いません」
「分かった、鑑定の儀はこれで終わりとする」
「リック、そうガッカリするな」
「そうさ、虫のティマーだって立派なもんだぞ」
「ありがとう、兄様。僕は大丈夫です」
さて、これからが問題だな、探って見るか。
☆☆☆☆☆
……やはり陛下にお話しすべきか。
「おや、ザニン殿、このような時間に、いかがなされた?」
「鑑定の儀で何を見た、本当の事を言ってもらおう」
「な、何の事ですかな?」
「私の目はごまかせんぞ、死にたくなければ言うのだ」
☆☆☆☆☆
「ツインテル様」
「ザニンか、何か分かったか」
「やはり、第三王子は我々にとって邪魔な存在の様です」
「策を考えねば、宮廷魔術師のゴズイギンをこちらに引き込むか」
☆☆☆☆☆
(やはり、第三王子は我々にとって邪魔な存在の様です)
やっぱりザニンの奴、動き出したか。加護は判ってしまうんだね。
神官様、可哀想に。
ーー
「リックの事で聞きたい事がある、ガウス神官を呼んでまいれ」
「それが、朝からお姿が見えないのです」
「ええい、捜して連れて来るのだ」
「はっ」
「陛下、リック様の事でお話しがあります」
「なに、申してみよ」
「リック様に属性が無いのは少し心配で御座います。成人の儀に備えて、今からダンジョンを経験させてはいかがでしょう」
「うむ、しかし危険ではないか?」
「小さなダンジョンから大きくしていけば、宜しいかと。バンタム親衛隊長もいれば安心でしょう」
「なるほど、では話を進めよ」
「かしこまりました」
ふん、奴らも考えた物だ、ダンジョンでの事故を装い俺を葬るつもりだ。
でも、今日のダンジョンはサキが最初に来たダンジョンだ、俺でもクリア出来る。奴らが仕掛けて来るのはもっと大きなダンジョンでだ。
「リック様、どうします?」
前には30頭ほどのゴブリンがいる。
「僕1人でやるよ」
自分には、素早さUP、防御力・攻撃力、回避率・クリティカル率UPの補助魔法をゴブリン達には行動低下、防御力低下をかける。
「さあ、お前達、沈め」
面白い様にゴブリン達の首が飛ぶ、20秒もかから無かった。
「お見事です、リック様」
「へぇ~やりますね」
俺の体はゴブリンの緑色の血でベットリだ、サキがクリーンの魔法をかけてくれる。
「ありがとう」
予定の3日間が終わり城に戻って来た、いつも通り料理長へ、お土産のクレイジーブルの肉を渡して父上に報告しに行く。
「父上、ただいま戻りました」
「おお、戻ったか、どうであった?」
「はい何とかこなせました」
「うむ、頑張るのだぞ」
早々に最初のダンジョンをクリアしてしまったので、次は成人の儀と同等の難易度のダンジョンに行く事になった。
ブブセル王国にある〔虚ろなダンジョン〕だ、俺を狙っている奴らの国のダンジョンなので、ここで仕掛けて来るのは間違いない。
☆☆☆☆☆
「よいか、明日は失敗は許されんぞ」
「任せておけ、そんな事よりバンタムの方は大丈夫なんだろうな?」
「策は練ってある」
☆☆☆☆☆
(よいか、明日は失敗は許されんぞ)
とうとう来たか。諜報用の虫を回収してサキに会いに行く。
「サキ、ちょっといいかい?」
「どうしたの、こんな遅くに」
「明日、ブブセル王国の奴らダンジョンで僕を殺す気なんだ」
「何だって、あいつらふざけやがって、私がシメて来るよ」
「待って、僕はこれを利用して、この国を出るつもりだ。サキも行くかい?」
「ホントに、やっとか、長かった。もちろん行くよ、どうしたら良い?」
「サキは明日、城に残る予定にして欲しい」
「うん、やって見る、後でまた来る」
ーー
「バンタム親衛隊長よろしいですか?」
「どうした、サキ」
「実は急に月よりの使者が来まして体調が……」
月よりの使者?体調?…………あ、この表現は召喚者じゃないと解らんな。
「お、おお、それはいかんな。明日は休んで身体をいたわれ」
「ありがとう御座います」
「リック様、サキです」
「上手く行ったかい?」
「体調不良で休む事になった」
「そうか、サキは僕を信じてくれるかい?」
「当たり前だ。リック様がいなかったら私はどうなっていたか分からない、今ならバンタムがどれだけ凄い奴かが解る」
「そう、じゃ、目をつぶって」
俺はアイテムBOXにサキを入れた。
ダンジョンで勝負だ。
ジャバネの大きさはオーガの倍にしてある、先頭の一頭が素早くオーガの胸に前足を突き刺す。
オーガは避ける事すら出来ずに頭から喰われていく。
偵察の虫から、映像と音が送られて来るので、〔グチャ、グチャ、ボリボリ〕とオーガが喰われる音が聞こえる、他のオーガ達もジャバネの鉤爪に頭を掴まれ腹から喰われていく。
欠点に気がついた、これでは魔物の素材が集まらない、魔物を確保用の虫も考えなくては。
オーガファイターが虫の襲来に気がつき、斧を構え迎撃体制をとるがジャバネは構わず突っ込んで行く。
オーガファイターの斧による攻撃は、虫に当たってもはじかれてしまい、かすりキズ1つ付かず殲滅まで5分もかから無かった、初戦は合格だね。
城に帰って、先ずは料理長に森で採ったコジュケイ鳥のお土産を渡し部屋に戻る。
オーガの上位種がいなければ良いけどな。
2日後、サキ達が帰って来た。全員、無事な様だ。
サキは3日間、休みがもらえたと言ってテンションが高かった。ニコニコ顔で色んな事を話てくれる。
「どうだった、ダンジョンは?」
「楽勝だよあんなの」
「何階まで行ったのさ」
「地下15階だよ」
今回サキが行ったダンジョンは、この国の西にあるFからCクラスの冒険者が行く中くらいのダンジョンだ。
「後、一回行けばクリア出来るね」
「多分ね」
ーーーー
月日が過ぎ、サキが成長して大迷宮と言われるダンジョンを余裕で進む事が出来る頃、俺も10才になっていた。
他国との戦争も無く、無事にここまで来れて良かった、いよいよ明日は俺のスキル鑑定の日だ。
2人の兄達は14才になり、ダンジョンでの成人の儀を済まして、文武両道のアルクァード王立魔法学院に2年間行く事になっているが、俺のスキル鑑定の儀を見るために入学を遅らせた。
神官が魔道具にはめ込まれた大きな水晶に向かって長い呪文を唱える。
水晶が一瞬だけ光った。
「……これは」
「どうだ、リックの属性は?」
「属性はございません」
「なに、1つも無いのか、ではスキルはどうだ?」
「インセクトとだけ」
「インセクト?何だそれは」
「例が無いので判りません」
神様からもらったスキルじゃないから鑑定されたのか、これは仕方ないね。
「リック、何か判らんのか?」
「虫を従魔に出来る様です」
「虫……」
露骨にガッカリしているな。
「……」
「どうした?ガウス神官」
「あ、いえ、何でも御座いません」
「分かった、鑑定の儀はこれで終わりとする」
「リック、そうガッカリするな」
「そうさ、虫のティマーだって立派なもんだぞ」
「ありがとう、兄様。僕は大丈夫です」
さて、これからが問題だな、探って見るか。
☆☆☆☆☆
……やはり陛下にお話しすべきか。
「おや、ザニン殿、このような時間に、いかがなされた?」
「鑑定の儀で何を見た、本当の事を言ってもらおう」
「な、何の事ですかな?」
「私の目はごまかせんぞ、死にたくなければ言うのだ」
☆☆☆☆☆
「ツインテル様」
「ザニンか、何か分かったか」
「やはり、第三王子は我々にとって邪魔な存在の様です」
「策を考えねば、宮廷魔術師のゴズイギンをこちらに引き込むか」
☆☆☆☆☆
(やはり、第三王子は我々にとって邪魔な存在の様です)
やっぱりザニンの奴、動き出したか。加護は判ってしまうんだね。
神官様、可哀想に。
ーー
「リックの事で聞きたい事がある、ガウス神官を呼んでまいれ」
「それが、朝からお姿が見えないのです」
「ええい、捜して連れて来るのだ」
「はっ」
「陛下、リック様の事でお話しがあります」
「なに、申してみよ」
「リック様に属性が無いのは少し心配で御座います。成人の儀に備えて、今からダンジョンを経験させてはいかがでしょう」
「うむ、しかし危険ではないか?」
「小さなダンジョンから大きくしていけば、宜しいかと。バンタム親衛隊長もいれば安心でしょう」
「なるほど、では話を進めよ」
「かしこまりました」
ふん、奴らも考えた物だ、ダンジョンでの事故を装い俺を葬るつもりだ。
でも、今日のダンジョンはサキが最初に来たダンジョンだ、俺でもクリア出来る。奴らが仕掛けて来るのはもっと大きなダンジョンでだ。
「リック様、どうします?」
前には30頭ほどのゴブリンがいる。
「僕1人でやるよ」
自分には、素早さUP、防御力・攻撃力、回避率・クリティカル率UPの補助魔法をゴブリン達には行動低下、防御力低下をかける。
「さあ、お前達、沈め」
面白い様にゴブリン達の首が飛ぶ、20秒もかから無かった。
「お見事です、リック様」
「へぇ~やりますね」
俺の体はゴブリンの緑色の血でベットリだ、サキがクリーンの魔法をかけてくれる。
「ありがとう」
予定の3日間が終わり城に戻って来た、いつも通り料理長へ、お土産のクレイジーブルの肉を渡して父上に報告しに行く。
「父上、ただいま戻りました」
「おお、戻ったか、どうであった?」
「はい何とかこなせました」
「うむ、頑張るのだぞ」
早々に最初のダンジョンをクリアしてしまったので、次は成人の儀と同等の難易度のダンジョンに行く事になった。
ブブセル王国にある〔虚ろなダンジョン〕だ、俺を狙っている奴らの国のダンジョンなので、ここで仕掛けて来るのは間違いない。
☆☆☆☆☆
「よいか、明日は失敗は許されんぞ」
「任せておけ、そんな事よりバンタムの方は大丈夫なんだろうな?」
「策は練ってある」
☆☆☆☆☆
(よいか、明日は失敗は許されんぞ)
とうとう来たか。諜報用の虫を回収してサキに会いに行く。
「サキ、ちょっといいかい?」
「どうしたの、こんな遅くに」
「明日、ブブセル王国の奴らダンジョンで僕を殺す気なんだ」
「何だって、あいつらふざけやがって、私がシメて来るよ」
「待って、僕はこれを利用して、この国を出るつもりだ。サキも行くかい?」
「ホントに、やっとか、長かった。もちろん行くよ、どうしたら良い?」
「サキは明日、城に残る予定にして欲しい」
「うん、やって見る、後でまた来る」
ーー
「バンタム親衛隊長よろしいですか?」
「どうした、サキ」
「実は急に月よりの使者が来まして体調が……」
月よりの使者?体調?…………あ、この表現は召喚者じゃないと解らんな。
「お、おお、それはいかんな。明日は休んで身体をいたわれ」
「ありがとう御座います」
「リック様、サキです」
「上手く行ったかい?」
「体調不良で休む事になった」
「そうか、サキは僕を信じてくれるかい?」
「当たり前だ。リック様がいなかったら私はどうなっていたか分からない、今ならバンタムがどれだけ凄い奴かが解る」
「そう、じゃ、目をつぶって」
俺はアイテムBOXにサキを入れた。
ダンジョンで勝負だ。
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