ひめてん~姫と天使と悪魔と猫~

こーちゃ

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序章 おっさん? いいえ、魔法少女です

第5話 夢見るユーキ(がーん、ばーる、ニャン!)

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 ユーキの魔装が解除される。


「凄いじゃないユーキ、まさかサイクロプスを倒すなんて!」
「いや……パティが助けてくれなかったら危なかったよ、ありがとう」
「ううん、お互い無事で良かったわ」


 腰に手を当てながら。
「さて……色々聞きたい事はあるけど、とりあえず街に戻りましょ! カートリッジの予備も無いし、今魔獣に襲われたら完全にアウトだわ」
「だね……」


 前を歩くパティ、少し後ろをついて歩くユーキ。

「ねえユーキ」
「うん?」
「あなたいったい何者なの?」
「な、何者と言われましても」
「魔法の使い方も知らないって言ってたのに、イキナリ魔装して上級魔法まで使うなんて」
「それは……そのー……」
「あなた本当に記憶喪失?」
「う……」
「実は名のある魔導師だったりして?」
「…………」
「まあ、言いたく無いなら無理には聞かないわ、人それぞれ事情はあるだろうし」
「……………………」

 あまりの反応の無さに後ろを振り向くパティ。
「ユーキ?」

 すると、遥か後方にうつ伏せで倒れているユーキ。
「ユーキー!?」
 驚いたと言うよりは、呆れた様な声で叫ぶパティ。





 暗闇の中、声が聞こえる。


「ユーキ……聞こえますか? ユーキ……」
「ん? 誰?」
「私ですよ……ほら、以前に古本屋で助けていただいた……本です」
「鶴の恩返しかよっ!!」
 思わずツッコンでしまった。

「あの時は私を買ってくださり、ありがとうございました」
「まあ、100円だったしね」

「そうなのよ!! 100円よ100円!! あんのジジイ!! どれだけ価値のある魔導書だと思ってるのよ!! しかもプラチナランクの魔装具まで付いてたのよ!? こっちで買ったらいったい幾らすると思ってるのよ!! 普通のサラリーマンが一生働いたって買えないぐらいなのよ!? それをたった100円だなんて!! キーーーー!!!!!!」

「口悪ーーー!!」
「いや、でも多分千円以上だったら買ってなかったと思うよ? 僕」
「ぐっ……」
「ま、まあそれは別にいいわ、元々ユーキに買ってもらうのが目的だったんだから」
「そうなの? てか口調変わったね?」

「も、もう飽きたからいいのよ! この方が楽だし」
「なら初めからそうすればいいのに……」
「そう言えば今回は普通に会話? してるような……以前は文面だったのに」
「ああ、あれ? あれはあなたの心の声を読んでリアルタイムでチャットしてたのよ」
「チャットて……まあでも納得した」


「ところでこれって夢の中?」
「そうよ、魔力切れを起こして眠ってたから、ちょっと夢の中にお邪魔したのよ」
「そっかー、倒れたのかー……ああ、それで何の用?」

「魔法を使ってみた感想はいかが?」
「うん、凄く興奮した……まあちょっと死にそうな目に遭ったから怖かったけど」
「あら、あなたはあの程度じゃ死なないわよ?」
「え? どういう事?」

「ああ、えっとお……それは、まあ、追々分かってくるわ」
「え? 教えてくれないの? ケチー!」
「ケ、ケチって……初めからネタバラシしたら面白くないじゃない!」
「あー、それもそうか、何も知らない方が面白いか」


「……フッ……」
「やはり本質は変わらないんですね……」
「ん? 何だって?」
「いえ何でもありません」

 声が急に明るいトーンになり。

「まあ、どの道ここで教えた所で目が覚めたら全部忘れるようになってるニャ!」
「そうなの? てかまたキャラ変わった」

「魔法の設定、どんなイメージにしたのか思い出せないから聞きたかったんだけどなー」
「魔装する前に何となく頭の中にやり方が浮かんできたんだけど、あれがそうだったのかな?」

「魔装はこの世界で魔装具を持ってる人は、だいたいみんな出来るニャ」
「ユーキ本来の魔法は……」 


「教えてあげないニャーーーー!!」
「ぐっ……何か腹立つ」


「おっとー、そろそろ目が覚める頃ニャ」


「それじゃー、せいぜい死なない様に……」


「がーん、ばーる、ニャン!」

 イラッ!!



「見えないけど、絶対ポーズ取ってただろ」



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