ひめてん~姫と天使と悪魔と猫~

こーちゃ

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第三章 愛と勇気の大冒険

第6話 ユーキ嬢争奪戦! 再び

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 10時になると、マイクらしき物を持ったメイドがステージに上がる。


「皆様! 本日は当イベントに、多数参加していただきありがとうございます! スタート時の混乱を避ける為、抽選によりスタート地点を8ヶ所に割り振らせていただきます! それでは、順番にクジをお引きください!」

「え、抽選? それじゃあアイ君と別々のスタート地点になっちゃうの?」
「ふむ……どうやらそうなる可能性が高いね」
「ヤバイってー」
「もし別れてしまったら、まずは合流する事を最優先しないといけないな」


 そうこうしてる内に、ユーキの番が回って来た。
 引いたのはFと書かれたボールだった。

「ガ○ダムF91のFだ」
「ハイ、ユーキさんはFエリアからのスタートとなります」


 その様子を見ていた周りの参加者がざわつく。


「ユーキちゃんはFエリアだってよ!」
「どうか俺もFを引きますように!」
「同じエリアになって、お近付きになりたい!」
 各々に祈る参加者達。


 アイバーンが引き終わり、戻ってくる。

「アイ君、どこだった?」
「私は変態のHだったよ……実に私らしい」
「いや、自分で言うなよ!」

 ステージ上のモニターに映し出された地図を見る。
 山を真上から見た状態になっており、北にAエリアがありそこから時計回りにHまで、8ヶ所に別れている。
 今ユーキ達が居る場所は南のEエリアなので、ユーキのスタート地点は南西のFエリア、アイバーンのスタート地点は北西のHエリアとなる。

「うーん、2つ隣かー……まあ近いっちゃあ近いか」
「ふむ……開始と同時にお互い南北に移動すれば、すぐに合流出来るだろう」
「じゃあゴッドガ○ダムのGエリアで合流って事で」
「了解した」


 全員クジを引き終わったようだ。


「くそー! エリアBかよ! ユーキちゃんの居る所と真逆じゃないかー!」
「よっしゃあ!! Fエリア引いたぞー!!」
「なにぃ!! うらやましい!! なあ、俺と代わってくれよー!」
「やだよ! せっかく引いたんだ、この機会にユーキちゃんとお友達になるんだ!」


 そんな周りのやり取りを、冷ややかな目で見ているユーキ。
「あいつら、まだやってる……うーん、僕ってそんなに言う程かわいい、のか?」
 そのかわいい娘が自分自身なのが、ちょっと残念な気もするユーキだった。


「それでは、みなさん! 各々のスタート地点へ移動を始めてください! 明日の正午に、またこのエリアでお会いしましょう! 頑張ってくださーい!!」


 移動を始める参加者達。

「それじゃアイ君、Gエリアで……」
「うむ……気を付けて」


 Fエリアに到着したユーキ。
 周りの男達がユーキに声をかけてくる。


「ねえユーキちゃん、俺と一緒に行かない?」
「あ、いや……連れが居るので」

「一緒に居たイケメン?」
「うん、そうだよ」

「あのイケメンって彼氏?」
「え? いや、違うよ?」

「じゃ、じゃあ俺達にもチャンスある?」
「えと、ゴメン……僕、誰とも付き合う気は無いから」


 スピーカーより、先程のメイドの声が響き渡る。


「参加者の皆様!! 開始10分前となりました!! 電光掲示板をご覧ください」

 デジタル式の数字がカウントダウンしている。

「この数字がゼロになったらイベントをスタートしていただき、その時点より24時間のカウントダウンが始まります。そして24時間経ったら、また始めのEエリアに集合してください……そこで獲得した魔石の合計額を計算して、優勝者を決めたいと思います。それでは、イベント開始まで今少しお待ちください」



 懲りずにまた男達が声をかけてくる。

「ねえユーキちゃん! 俺こう見えても結構強いから、ユーキちゃんを守ってあげられるよ? だから一緒に行こうよ!」
「大丈夫だよ! 僕だって強いんだから!」

「へえ、なら俺と勝負してみる? それでもし俺が勝ったら、俺と一緒に行くってのはどう?」
「ふーん、言うじゃない……いいよ、なら勝負してみる?」

 それを聞いていた周りの男達が騒ぎ出す。

「オイ!! ユーキちゃんと勝負して勝ったら、ユーキちゃんと一緒に行けるってさ!!」
「え、マジか? じゃあ俺も挑戦するぞ!!」
「よし! 僕もやるぞー!」

「え? この展開って……」

 段々おかしな話になって行く。

「なにぃ! ユーキちゃんに勝ったら彼女になってくれるだってー?」
「いや、誰も彼女になるとは……」

「え? ユーキちゃんを倒したら好きにしていい?」
「いい訳ないだろ!」

「ユーキちゃんと結婚出来る?」
「出来るかっ!!」

(マズイ……何だかまた変な方向に話が進んでるぞ? どうしよ?)

 ユーキの考えがまとまる前に、カウントが10秒前になる。

「さあみなさん! まもなくスタートです! 10秒前からカウントダウンを始めたいと思います! 10! 9! 8……」

(ああ、マズイマズイ! 始まっちゃうよー! どうしよどうしよ!)

「……3! 2! 1! ゼロ!! 魔石争奪サバイバルマッチ、スタートでーす!!」


「さあユーキちゃん! 勝負だ!」
 男達が身構えるが、すでにユーキの姿は無かった。

「あれ? ユーキちゃんどこ行った?」
 辺りを見渡す男達が、数メートル先を走っているユーキを発見する。
「居た!! あそこだー!!」


「冗談じゃない! あんな大勢相手にしてられるか!」
「ユーキちゃん待てー!!」
「卑怯だぞー!! 逃げるなー!!」

「いや、勝手な事言ってんじゃねー!!」


 かくして、再びユーキ嬢争奪戦が勃発する。
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