126 / 298
第五章 五国統一
第2話 1番! 2番! 茶番!
しおりを挟む
とりあえずは大人しくなったが、まだ不服そうな顔をしているユーキ。
「ユウちゃん、いつまでもそんな顔してないでぇ、ほらぁ、私のお弁当分けてあげますからぁ」
「お腹空いて不機嫌なんじゃないやい!」
「じゃあ何ですかぁ? 生理ですかぁ?」
「違わいっ!! もうっ! お姉ちゃん、分かってるんでしょ!? 言い出しっぺなんだから!」
「バツゲームの事ですかぁ?」
「結婚をバツゲーム言うなっ!!」
「大丈夫ですよぉ、別に負けたからって強制的に結婚させられる訳じゃないんですからぁ」
「え!? だって……」
「あくまでユウちゃんの両親が公認ってだけでぇ、勿論最終的にどうするかの決定権はユウちゃんにありますからぁ」
「え!? そ、そうなの!? ハッ! そう言って僕を安心させる為の嘘なんじゃ!?」
「嘘じゃないですよぉ、私がユウちゃんに嘘ついた事ありますかぁ?」
「いや、結構あると思うんだけど……」
「今回のは本当ですよぉ」
「今回のはって言った!」
「本当ですってばぁ! この目を見てください!」
「細すぎて見えないです!」
「ち、ちょっとセラ」
「何ですかぁ? パティちゃん」
パティに服の袖を引っ張られたセラが、ユーキに聞こえないように馬車の隅で小声で話す。
「さっきの話、本当なの?」
「さっきのと言うとぉ、ご飯に一番合うオカズは何かって言う話ですかぁ?」
「いや、そんな話してないでしょ!? 結婚の事よ! 強制的じゃないって……」
「ああ、その事ですかぁ……ああ言っておけばぁ、ユウちゃんも納得するでしょぉ?」
「まったく……どっちに言った事が本当なんだか!?」
「少なくともぉ、ユウちゃんの両親が公認って言うのは本当ですぅ」
「ほら、もう怪しくなって来た」
「んふふ~、でもぉ、これだけは間違い無く言えますぅ。ユウちゃんを泣かせるような事だけは絶対にしません!」
(……結構泣かせてるような気もするけど……)
「分かったわ! 信じるわよ!?」
「みなさん!! トゥマールの街が見えてきましたよ!!」
「ホント!? どれどれ?」
ユーキ達が一斉に馬車の前から身を乗り出すと、その前方には街を囲う巨大な壁がそびえ立っていた。
左右に伸びた壁は、端が見えない程遥か先まで続いている。
「ふわぁ~、大っきい~!」
「とても長い壁なのです!」
「凄い物だな!?」
「さすがにヴェルンとは国の規模が違いますねぇ」
「まあ、あたしは何度か来た事はあるからね」
「ここが、王都トゥマール……」
ユーキ達を乗せた馬車がトゥマールに到着した頃、リーゼル城ではある不思議な事件が起こっていた。
「マナちゃん達はもうトゥマールに着いた頃かしら?」
「そうだな……今頃は壁の大きさに驚いている頃だろう」
まるで見ていたかのように、マルス国王達が話していると、城の兵士が慌てて入って来る。
「国王!! マルス国王!!」
「何だ!? 騒がしい!」
「も、申し訳ありません!! そ、それが……牢に捕らえていたカオスが……」
「カオスがどうした!? まさか脱走でもしたのか?」
「カオスが……死亡しました……」
「何だと!?」
慌てて城の兵士と共に、カオスが入れられていた牢に向かうマルス国王とレナ王妃。
「カオス……一体どうなっている!? 死因は何だ!?」
「それが……妙なんです……」
「妙? 何がだ?」
「あ、ハイ! 先程城の医師に調べさせた所、この死体は少なくとも死後3日は経っていると言うんです」
「3日? どういう事だ!? 昨日までは生きていたのだろう?」
「ハイ! 確かに昨日までは間違いなく生きていました! 大勢の兵が確認していますし、私も見ました。その時は特に変わった様子も無かったのですが、今日見に来た時には既に……」
「一体どういう事だ? 昨日は確かに生きていたのに今日いきなり死亡している……しかも死体は死後3日は経っているだと?」
「いかが致しましょうか?」
「うむ……とにかく、可能な限り死因を調べてくれ! そしてその後は手厚く葬ってやってくれ!」
「ハッ!!」
「それと、カオスが死亡した事はくれぐれも内密に! 特にパラスには絶対に知られてはいけない! 少なくとも、5国統一が為すまでは……皆にも厳重に注意させよ!!」
「ハッ!! 了解しました!!」
「あなた……」
「心配するな、レナよ……マナは私達の娘だ! 必ずや勝ち残ってくれる!」
「そうですね! マナちゃんはメチャ強いんですものね」
「ああ……さあ! 私達も出発の準備をしよう! トゥマールに向かうぞ!」
「ハイあなた!」
宿屋に荷物を降ろしたユーキ達が、それぞれ今後の行動を決める。
「武闘大会のエントリーの締め切りは10日後で、大会が始まるのが更にその5日後になっている」
「随分間が空くのね」
「皆の登録は私がまとめてやっておくが構わないかね?」
「はぁい、お願いしますぅ」
「了解した……さて、それでは私は戻って来た事をロイ国王に報告に行って来るが、皆はどうするね?」
「僕は馬車を返しに行って来ますね」
「大会まで間があるのなら、俺は魔装具を修理に出したい。カオスとの戦いで、かなりダメージを受けたからな」
「私はぁ、美味しいお店を探しに行きますぅ」
「ネムはゲーム屋さんに行って来る……」
「ネムのある所、ロロありなのです」
「あたしは当然ユーキの護衛よ」
「じゃあ僕は猫師匠に会ってくるよ」
「猫さんって、グレールまで行くんですかぁ? 遠いですよぉ?」
「大丈夫! 頑張って行ってくる!」
「そうなんですかぁ? 気を付けてくださいねぇ!」
「うん! それじゃ!」
「ロロちゃぁ~ん」
「ハ~イなのですぅ」
まさに飛び立とうとしていたユーキを、ロロが押さえ込む。
「ムギュッ!! クソォー!! もう少しだったのにー!!」
「いやぁ、危ないとこでしたぁ! 余りに自然過ぎて、危うく見逃す所でしたぁ」
「んな訳ないでしょ!」
ユーキとセラの茶番劇に、冷静にツッコミを入れるパティであった。
「ユウちゃん、いつまでもそんな顔してないでぇ、ほらぁ、私のお弁当分けてあげますからぁ」
「お腹空いて不機嫌なんじゃないやい!」
「じゃあ何ですかぁ? 生理ですかぁ?」
「違わいっ!! もうっ! お姉ちゃん、分かってるんでしょ!? 言い出しっぺなんだから!」
「バツゲームの事ですかぁ?」
「結婚をバツゲーム言うなっ!!」
「大丈夫ですよぉ、別に負けたからって強制的に結婚させられる訳じゃないんですからぁ」
「え!? だって……」
「あくまでユウちゃんの両親が公認ってだけでぇ、勿論最終的にどうするかの決定権はユウちゃんにありますからぁ」
「え!? そ、そうなの!? ハッ! そう言って僕を安心させる為の嘘なんじゃ!?」
「嘘じゃないですよぉ、私がユウちゃんに嘘ついた事ありますかぁ?」
「いや、結構あると思うんだけど……」
「今回のは本当ですよぉ」
「今回のはって言った!」
「本当ですってばぁ! この目を見てください!」
「細すぎて見えないです!」
「ち、ちょっとセラ」
「何ですかぁ? パティちゃん」
パティに服の袖を引っ張られたセラが、ユーキに聞こえないように馬車の隅で小声で話す。
「さっきの話、本当なの?」
「さっきのと言うとぉ、ご飯に一番合うオカズは何かって言う話ですかぁ?」
「いや、そんな話してないでしょ!? 結婚の事よ! 強制的じゃないって……」
「ああ、その事ですかぁ……ああ言っておけばぁ、ユウちゃんも納得するでしょぉ?」
「まったく……どっちに言った事が本当なんだか!?」
「少なくともぉ、ユウちゃんの両親が公認って言うのは本当ですぅ」
「ほら、もう怪しくなって来た」
「んふふ~、でもぉ、これだけは間違い無く言えますぅ。ユウちゃんを泣かせるような事だけは絶対にしません!」
(……結構泣かせてるような気もするけど……)
「分かったわ! 信じるわよ!?」
「みなさん!! トゥマールの街が見えてきましたよ!!」
「ホント!? どれどれ?」
ユーキ達が一斉に馬車の前から身を乗り出すと、その前方には街を囲う巨大な壁がそびえ立っていた。
左右に伸びた壁は、端が見えない程遥か先まで続いている。
「ふわぁ~、大っきい~!」
「とても長い壁なのです!」
「凄い物だな!?」
「さすがにヴェルンとは国の規模が違いますねぇ」
「まあ、あたしは何度か来た事はあるからね」
「ここが、王都トゥマール……」
ユーキ達を乗せた馬車がトゥマールに到着した頃、リーゼル城ではある不思議な事件が起こっていた。
「マナちゃん達はもうトゥマールに着いた頃かしら?」
「そうだな……今頃は壁の大きさに驚いている頃だろう」
まるで見ていたかのように、マルス国王達が話していると、城の兵士が慌てて入って来る。
「国王!! マルス国王!!」
「何だ!? 騒がしい!」
「も、申し訳ありません!! そ、それが……牢に捕らえていたカオスが……」
「カオスがどうした!? まさか脱走でもしたのか?」
「カオスが……死亡しました……」
「何だと!?」
慌てて城の兵士と共に、カオスが入れられていた牢に向かうマルス国王とレナ王妃。
「カオス……一体どうなっている!? 死因は何だ!?」
「それが……妙なんです……」
「妙? 何がだ?」
「あ、ハイ! 先程城の医師に調べさせた所、この死体は少なくとも死後3日は経っていると言うんです」
「3日? どういう事だ!? 昨日までは生きていたのだろう?」
「ハイ! 確かに昨日までは間違いなく生きていました! 大勢の兵が確認していますし、私も見ました。その時は特に変わった様子も無かったのですが、今日見に来た時には既に……」
「一体どういう事だ? 昨日は確かに生きていたのに今日いきなり死亡している……しかも死体は死後3日は経っているだと?」
「いかが致しましょうか?」
「うむ……とにかく、可能な限り死因を調べてくれ! そしてその後は手厚く葬ってやってくれ!」
「ハッ!!」
「それと、カオスが死亡した事はくれぐれも内密に! 特にパラスには絶対に知られてはいけない! 少なくとも、5国統一が為すまでは……皆にも厳重に注意させよ!!」
「ハッ!! 了解しました!!」
「あなた……」
「心配するな、レナよ……マナは私達の娘だ! 必ずや勝ち残ってくれる!」
「そうですね! マナちゃんはメチャ強いんですものね」
「ああ……さあ! 私達も出発の準備をしよう! トゥマールに向かうぞ!」
「ハイあなた!」
宿屋に荷物を降ろしたユーキ達が、それぞれ今後の行動を決める。
「武闘大会のエントリーの締め切りは10日後で、大会が始まるのが更にその5日後になっている」
「随分間が空くのね」
「皆の登録は私がまとめてやっておくが構わないかね?」
「はぁい、お願いしますぅ」
「了解した……さて、それでは私は戻って来た事をロイ国王に報告に行って来るが、皆はどうするね?」
「僕は馬車を返しに行って来ますね」
「大会まで間があるのなら、俺は魔装具を修理に出したい。カオスとの戦いで、かなりダメージを受けたからな」
「私はぁ、美味しいお店を探しに行きますぅ」
「ネムはゲーム屋さんに行って来る……」
「ネムのある所、ロロありなのです」
「あたしは当然ユーキの護衛よ」
「じゃあ僕は猫師匠に会ってくるよ」
「猫さんって、グレールまで行くんですかぁ? 遠いですよぉ?」
「大丈夫! 頑張って行ってくる!」
「そうなんですかぁ? 気を付けてくださいねぇ!」
「うん! それじゃ!」
「ロロちゃぁ~ん」
「ハ~イなのですぅ」
まさに飛び立とうとしていたユーキを、ロロが押さえ込む。
「ムギュッ!! クソォー!! もう少しだったのにー!!」
「いやぁ、危ないとこでしたぁ! 余りに自然過ぎて、危うく見逃す所でしたぁ」
「んな訳ないでしょ!」
ユーキとセラの茶番劇に、冷静にツッコミを入れるパティであった。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる