ひめてん~姫と天使と悪魔と猫~

こーちゃ

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第五章 五国統一

第60話 ただし美少女に限る

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 魔装するパティとフィー。
 魔装したパティが、フィーに杖を向ける。

「ネムとロロにとっては、あんたの能力が1番の天敵だったみたいだけど、あたしには通用しないわよ!?」

 パティの挑発に反論するフィー。

「ロロちゃんが元人間ではなく、純粋な召喚獣だったなら、おそらく負けていたのは私の方でしょう。だけどお嬢様。私はあなたには負けませんよ」
「へえ、言ってくれるじゃないの? 何を根拠に言ってるのか知らないけど、なら試してあげるわ!! ライトニングアロー!!」

 巨大な光の矢が、フィー目がけて飛んで行く。

「ネクロマンサーの能力で防げるものなら防いでみなさい!!」
「では、防がせていただきます」

 フィーが体の前で鎌を一回転させると、パティの放った光の矢がフィーに当たる前に消滅する。


「パティ選手! 先制の一撃を放ちましたが、フィー選手が難なくそれを防ぎました~!」


(防いだ? と言うより、いきなり消えたような? あたしも今まで色々な相手と戦って来たけど、まだネクロマンサーと戦った事は無いのよね。どういう闘い方をするのか、見極めないと)

「たった一撃で終わりですか? なら、今度はこちらから行かせていただきます」

 クルリと鎌を一回転させてから頭上に振り上げ、その場で鎌を振り下ろすフィー。

「!?」

 何かイヤな予感がして、サッと体を横にズラすパティ。
 パティが体の側面に風圧を感じた次の瞬間、先程までパティが居た場所の地面に亀裂が走る。
 

「ああーっとお!! フィー選手が鎌を振り下ろした直後、パティ選手の側の地面に亀裂が走りました~!! これはフィー選手の攻撃なんでしょうか!? しかし2人の距離は5メートルは離れています!! フィー選手、一体何をしたんだ~!?」


 パティも色々と可能性を模索していた。

(何? 今のは……フィーがやったの? でもあんなに離れた位置から? 地面の亀裂を見る限り、魔法弾の類ではなさそうよね。何かを上から叩き付けたような? さっきフィーは鎌を振り下ろす動きをした。実はあの鎌って、実際にはもっと巨大なのかしら? 試してみる!)
「ウインドウォール!!」

 パティの周りに、風の壁が現れる。
 それを見たフィーが、残念そうな顔をする。

「ハア、いくら私の能力が分からないからって防御に回るとは……ガッカリです」
「誰が防御に徹するって!?」

 杖を縮めて背中にセットしてから、フィーに向かって走って行くパティ。

「お得意の打撃戦ですか? 魔道士じゃなくて格闘家に転職したらいかがですか? あっ! ゴリラの方が向いてるかも!」
「誰がゴリラよ!!」
「これは失礼しました。謝らないといけませんね。ごめんなさい、ゴリラさん」
「そっち!? ふざけた事言ってるんじゃないわよ!!」
「そうやってすぐに熱くなる所も、あなたの悪いクセです」

 またクルリと鎌を一回転させてからパティに鎌を向けると、いきなり動けなくなるパティ。


「ああっと!! フィー選手に向かって行ったパティ選手ですが、何故か急に動かなくなりました!! 何も見えませんでしたが、フィー選手の攻撃によるものでしょうか!?」


(何? 明らかに何かが体に絡みついている感触があるのに、何も見えない? 幻術? まさか、死霊使いだけに霊の類だって言うの? Zガ○ダムじゃあるまいし)

 動けないパティに近付いて来るフィー。

「動けませんか? なら今のうちに、何故パトリシアお嬢様が私に勝てないか、小1時間程かけて説明してあげましょう」
「長過ぎるわよ!!」
「そうですか……じゃあ頑張って50分ぐらいに縮めますから」
「長いって言ってるでしょ!!」

「では45分……」
「まだ長い!」

「40分……」
「まだまだ!」

「39分……」
「もうひと声!」

「38分30秒……」
「細かく刻むんじゃないわよ!! 簡単に説明しなさいよ簡単に!!」

「そうですか……残念です。では簡単に、その理由を3つあげさせてもらいます。まずは1つ目」

 人差し指を立てるフィー。

「お嬢様の使う魔法は全て把握している事。シャル様にお嬢様の魔法が通用しなかったように、いつも側でお嬢様の魔法を見ていた私には通用しません」
「何言ってるのよ! あたしは新技でその師匠を倒したでしょ!?」

「いいえ、その技も既に見せていただきました。確かにこの短期間で新技を編み出した事は驚嘆に値しますが、さすがにあのクラスの魔法を2つも編み出すのは不可能でしょう」
「そ、そんなの、分かんないでしょ!?」
(まあ実際、新技はあれひとつしか無いんだけども)
 

「次に2つ目」

 更に中指を立てるフィー。

「その怒りやすい性格。ちょっとした事ですぐキレて、冷静な判断が出来なくなる所」
「それこそ何言ってるのよ!? あたしは常に冷静沈着よ!」
「……貧乳悪魔……」
「誰が貧乳悪魔よっ!!」

 あっさりキレるパティ。


「そして最期、3つ目」

 3本目の指を立てるフィー。

「お嬢様より、私の方がかわいい事」
「いや、関係無いでしょ!?」
「とんでもない! 関係は大ありです! 常々私はシャル様を小馬鹿にしてストレスを発散してますが」
「小馬鹿にしてたんだ……」

「それだって私がかわいい美少女だから許されるのです。想像してください! これでもし私がブサイク女芸人のような顔だったなら、ただただ腹が立つだけでしょう?」
「あんた、何気に酷い事言うわね」


「そして4つ目」
「いや待ちなさいよ!! あんた3つって言ったわよね!?」
「何言ってるんですか? さっき聞いた事をもう忘れたんですか? 脳筋なんですか?」
「誰が脳筋よ!!」

「どうです? こんなにバカにされても、私がかわいいから許せてしまうでしょう?」
「普通に腹が立つだけよ!!」



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