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第五章 五国統一
第73話 不意に~やって来たあ~
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ロッドの先をフィーに向けて挑発するユーキ。
「でもこれで君の変身能力は封じたよ!? まだやる? それとも大人しく降参する?」
「フフ、私の能力を封じたくらいで勝ったつもりですか? 甘いですよ。ショートケーキの練乳がけぐらい甘いですよ」
「うわっ! 甘そう……じゃなくて!!」
「あなたの希望通り、真正面から闘ってあげましょう!」
そう言ってユーキに接近して、鎌を振り下ろすフィー。
その鎌をロッドで受け止めてから横に逸らし、クルリとロッドを回してから横になぎ払うユーキ。
「純粋な力勝負って事だね!? 受けて立つ!」
その後、お互い魔法を使う事なく魔装具で打ち合う2人。
「先程までの魔法による攻防から一転、今度は魔装具のみによる攻防が繰り広げられています!!」
「フィーさん、あの巨大魔方陣の中では魔法は無意味だと悟ったんでしょうか?」
「ふむ……確かにそれもあるだろうが。しかし妙だ」
「アイバーン様、何が妙なんですか?」
「偶然かもしれないがフィー君の攻撃、どうもさっきからユーキ君の魔装具にある魔石ばかりを狙っているように見える」
「え!? それってどういう……」
チラッとユーキの魔装具を見たフィーが、距離を取って動きを止める。
「ふう……疲れました」
「じゃあ降参する?」
「ちょっと肩揉んでもらえませんか? ユーキさん」
「試合中だよっ!!」
「では、お金貸してもらえませんか?」
「生活に困ってんのっ!?」
「いえ、ちょっと旅行に行こうかと」
「人に借りたお金で豪遊すんな!!」
「カジノで儲けて倍にして返しますから」
「人生破滅する人の発想だよ!!」
「ダメですか……」
「ダメだね……」
スッと真剣な表情に変わるフィー。
「では、優勝して賞金をゲットしたいのでユーキさん、そろそろ負けてもらえませんか?」
同じく真剣な表情になるユーキ。
「わざと負けるつもりなんてないよ。優勝したいなら実力で僕に勝つ事だね」
「そうですか……ではそうします」
デスサイズを体の正面で横にして持ち、今までより遥かに魔力を高め始めるフィー。
「む? どうやらフィー君は最後の攻撃に出るようだね」
「フィーさん、今までで1番凄い魔力ですね」
(ユーキ! 負けないで!)
祈るように手を組んでいるパティ。
充分に魔力を高めたフィーが、静かに詠唱を始める。
【神のしもべたる人よ、神より与えられし無垢な魂】
(あの詠唱って確か、カオスが使ってた? なら!)
『罪深き者よ、神より与えられし無垢な魂』
聞き覚えのある詠唱に、素早く呼応するユーキ。
【欲、欺瞞、妬み、憎しみ、この世のあらゆる誘惑に身を委ね】
『地獄より現れし鬼の如く、本能のまま戦う修羅の如く』
「ああっとお!! ユーキ選手、フィー選手共に詠唱を始めました!! どうやらこれが最後の攻防となりそうだあああ!!」
【枷より解き放たれし、自由なる魂よ】
『人の心を失いし、罪深き魂よ』
「あれってまさか!? 前にリーゼルでユーキさんとカオスが使った!?」
「極大魔法……」
【その魂を黒く染め上げ、地獄へ堕ちろ】
『天の裁きによって、輪廻の輪に還れ』
「これで決まる!!」
【ヘルヘイム!!】
『リインカーネーション!!』
フィーの放った極大闇魔法と、ユーキの放った極大光魔法が、2人の間でぶつかって拮抗する。
「極大魔法炸裂うう!! しかし、威力は全くの互角のようだああ!! 2人の間で魔力がぶつかっているうう!!」
「ユーキ姉様、負けるなああ!!」
「私達と、ついでにパティさんの仇を取ってほしいのです!!」
「ついでって何よ!?」
一生懸命応援しているネムとロロ。
「今のユーキ君と互角か……やはりフィー君はかなりの実力者だったようだね」
「でも、ユーキさんはここから更に魔力を上げて行くんですよね!?」
「あ、ああ……そう、だな」
「アイバーン様、何か気になる事でも?」
「あいや、思い過ごしならいいのだが」
はしゃいでいるメルク達3人以外は、何故か不安げな表情をしていた。
「お願い!! 最後まで保って!!」
祈る両手に、更に力が入るパティ。
ユーキをあおるように語りかけるフィー。
「からめてが得意な私がこうして真っ向勝負を挑んでいるんです。よもや、魔力無効化の結界なんて使いませんよね? ユーキさん」
「当然! そんな野暮な事はしないよ! だけど、エターナルマジックは使わせてもらうけどね!」
そう言ってロッドを回し始めるユーキ。
それにより、徐々に均衡が崩れていく魔力。
しかし、何故か慌てる様子も無く、冷静に状況を見ているフィー。
「こ、これは!? ユーキ選手がロッドを回し始めてから、拮抗していた魔力がフィー選手の方に傾きつつあります!!」
「ほら! ユーキさんが押し始めましたよ! このまま行けばユーキさんの勝ちですよ!」
「このまま行ければな……」
「もう! みなさん、一体どうしたんですか!? そんな不安そうな顔をして~!? 心配しなくても、もうすぐユーキさんの勝ち……」
メルクがユーキを見た瞬間、ユーキのロッドに付いていた白魔石が粉々に砕け散った。
「ふえっ!?」
呆気にとられるユーキ。
「逃げて!! ユーキー!!!!」
「逃げるんだ!! ユーキ君!!」
一斉に叫ぶパティ達。
魔装具の魔石が砕けた事により、ユーキの魔装が解けてしまう。
そして、2人の間で拮抗していた魔力が、一気にユーキに襲いかかる。
「ヤバっ!!」
慌ててその場を離れようとしたユーキだったが間に合わず、もろに魔力の塊を受けてしまう。
「うあああああ!!!!」
「ユーキ選手の魔石が砕けたああ!! それにより2人分の莫大な魔力を、しかも魔装の解けた無防備の状態で食らってしまいましたああ!! こ、これは非常に危険な状態です!! 下手をすれば即死という事も充分考えられます!! 最早試合どころではありません! 早くユーキちゃんの安否を確認してくれええ!!」
冷静さを失った実況者の悲痛な声が、闘技場に響き渡る。
「でもこれで君の変身能力は封じたよ!? まだやる? それとも大人しく降参する?」
「フフ、私の能力を封じたくらいで勝ったつもりですか? 甘いですよ。ショートケーキの練乳がけぐらい甘いですよ」
「うわっ! 甘そう……じゃなくて!!」
「あなたの希望通り、真正面から闘ってあげましょう!」
そう言ってユーキに接近して、鎌を振り下ろすフィー。
その鎌をロッドで受け止めてから横に逸らし、クルリとロッドを回してから横になぎ払うユーキ。
「純粋な力勝負って事だね!? 受けて立つ!」
その後、お互い魔法を使う事なく魔装具で打ち合う2人。
「先程までの魔法による攻防から一転、今度は魔装具のみによる攻防が繰り広げられています!!」
「フィーさん、あの巨大魔方陣の中では魔法は無意味だと悟ったんでしょうか?」
「ふむ……確かにそれもあるだろうが。しかし妙だ」
「アイバーン様、何が妙なんですか?」
「偶然かもしれないがフィー君の攻撃、どうもさっきからユーキ君の魔装具にある魔石ばかりを狙っているように見える」
「え!? それってどういう……」
チラッとユーキの魔装具を見たフィーが、距離を取って動きを止める。
「ふう……疲れました」
「じゃあ降参する?」
「ちょっと肩揉んでもらえませんか? ユーキさん」
「試合中だよっ!!」
「では、お金貸してもらえませんか?」
「生活に困ってんのっ!?」
「いえ、ちょっと旅行に行こうかと」
「人に借りたお金で豪遊すんな!!」
「カジノで儲けて倍にして返しますから」
「人生破滅する人の発想だよ!!」
「ダメですか……」
「ダメだね……」
スッと真剣な表情に変わるフィー。
「では、優勝して賞金をゲットしたいのでユーキさん、そろそろ負けてもらえませんか?」
同じく真剣な表情になるユーキ。
「わざと負けるつもりなんてないよ。優勝したいなら実力で僕に勝つ事だね」
「そうですか……ではそうします」
デスサイズを体の正面で横にして持ち、今までより遥かに魔力を高め始めるフィー。
「む? どうやらフィー君は最後の攻撃に出るようだね」
「フィーさん、今までで1番凄い魔力ですね」
(ユーキ! 負けないで!)
祈るように手を組んでいるパティ。
充分に魔力を高めたフィーが、静かに詠唱を始める。
【神のしもべたる人よ、神より与えられし無垢な魂】
(あの詠唱って確か、カオスが使ってた? なら!)
『罪深き者よ、神より与えられし無垢な魂』
聞き覚えのある詠唱に、素早く呼応するユーキ。
【欲、欺瞞、妬み、憎しみ、この世のあらゆる誘惑に身を委ね】
『地獄より現れし鬼の如く、本能のまま戦う修羅の如く』
「ああっとお!! ユーキ選手、フィー選手共に詠唱を始めました!! どうやらこれが最後の攻防となりそうだあああ!!」
【枷より解き放たれし、自由なる魂よ】
『人の心を失いし、罪深き魂よ』
「あれってまさか!? 前にリーゼルでユーキさんとカオスが使った!?」
「極大魔法……」
【その魂を黒く染め上げ、地獄へ堕ちろ】
『天の裁きによって、輪廻の輪に還れ』
「これで決まる!!」
【ヘルヘイム!!】
『リインカーネーション!!』
フィーの放った極大闇魔法と、ユーキの放った極大光魔法が、2人の間でぶつかって拮抗する。
「極大魔法炸裂うう!! しかし、威力は全くの互角のようだああ!! 2人の間で魔力がぶつかっているうう!!」
「ユーキ姉様、負けるなああ!!」
「私達と、ついでにパティさんの仇を取ってほしいのです!!」
「ついでって何よ!?」
一生懸命応援しているネムとロロ。
「今のユーキ君と互角か……やはりフィー君はかなりの実力者だったようだね」
「でも、ユーキさんはここから更に魔力を上げて行くんですよね!?」
「あ、ああ……そう、だな」
「アイバーン様、何か気になる事でも?」
「あいや、思い過ごしならいいのだが」
はしゃいでいるメルク達3人以外は、何故か不安げな表情をしていた。
「お願い!! 最後まで保って!!」
祈る両手に、更に力が入るパティ。
ユーキをあおるように語りかけるフィー。
「からめてが得意な私がこうして真っ向勝負を挑んでいるんです。よもや、魔力無効化の結界なんて使いませんよね? ユーキさん」
「当然! そんな野暮な事はしないよ! だけど、エターナルマジックは使わせてもらうけどね!」
そう言ってロッドを回し始めるユーキ。
それにより、徐々に均衡が崩れていく魔力。
しかし、何故か慌てる様子も無く、冷静に状況を見ているフィー。
「こ、これは!? ユーキ選手がロッドを回し始めてから、拮抗していた魔力がフィー選手の方に傾きつつあります!!」
「ほら! ユーキさんが押し始めましたよ! このまま行けばユーキさんの勝ちですよ!」
「このまま行ければな……」
「もう! みなさん、一体どうしたんですか!? そんな不安そうな顔をして~!? 心配しなくても、もうすぐユーキさんの勝ち……」
メルクがユーキを見た瞬間、ユーキのロッドに付いていた白魔石が粉々に砕け散った。
「ふえっ!?」
呆気にとられるユーキ。
「逃げて!! ユーキー!!!!」
「逃げるんだ!! ユーキ君!!」
一斉に叫ぶパティ達。
魔装具の魔石が砕けた事により、ユーキの魔装が解けてしまう。
そして、2人の間で拮抗していた魔力が、一気にユーキに襲いかかる。
「ヤバっ!!」
慌ててその場を離れようとしたユーキだったが間に合わず、もろに魔力の塊を受けてしまう。
「うあああああ!!!!」
「ユーキ選手の魔石が砕けたああ!! それにより2人分の莫大な魔力を、しかも魔装の解けた無防備の状態で食らってしまいましたああ!! こ、これは非常に危険な状態です!! 下手をすれば即死という事も充分考えられます!! 最早試合どころではありません! 早くユーキちゃんの安否を確認してくれええ!!」
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