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第五章 五国統一
第75話 遂に決着の時!
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BL隊の面々が残念そうな表情で、しかしどこか落ち着いた様子で、レフェリーのカウントを聞いていた。
「シーックス!!」
(ユーキ! 今はただ無事に帰って来て!)
(無念だ、ユーキ君。君こそ統一国の王に相応しかったというのに……)
(ユーキさん、もうすぐ終わりますからね。それまで死なないでください!)
「セブーン!!」
(ユウちゃん、終わったらすぐに治療しますからね)
(ユーキ姉様、ネム達の王様になってほしかった……)
(マスターユーキ! 他の誰が王になったとしても、ロロ達のマスターはユーキさんだけなのです!)
「エーイト!!」
(マナ! お前がどんな立場であろうとも、俺はお前を守り抜く!)
(マナ王女! 例え君が統一王で無くとも、俺様は君について行くぞ!)
「ナイーン!! テ……」
まさにテンカウントが数えられようとしたその時。
「だから、僕はマナだってばああっ!!」
叫びながら飛び上がるように起き上がり、そのままスタッと立つユーキ。
いきなりの事にレフェリーのカウントが止まり、闘技場が静まり返る。
そこへ、ユーキの元気な声が響き渡る。
「カウント今いくつ!? 間に合った!? ねえっ! どうなの!?」
急かす様に質問するユーキに、呆気に取られたレフェリーが答える。
「い、いや……ギリギリテンカウント前に立ち上がった……」
「そっかああっ! 間に合ったか~! 良かった~! セーフ!!」
ユーキが両腕を横に開き、セーフのゼスチャーをした瞬間、客席中から驚きの声が上がる。
「ええええええええええ~っ!!!!」
「な、な、な、何とおおおっ!! テンカウントが数えられようとした寸前、いきなりユーキ選手が立ち上がって来たああああっ!! し、しかも瀕死の状態と思われていたのに、まるで何事も無かった様にピンピンしているぞおおお!? 魔石が砕けた以上、治癒魔法も使えない筈だが、これは一体どうなっているんだああっ!?」
「ほ、本当にどうなってるんですかアイバーン様!? ユーキさん、無防備状態で極大魔法の直撃を受けましたよね!?」
余りの驚きに、アイバーンの胸ぐらを掴んで激しく揺するメルク。
「わ、わ、わ、私だって聞きたいよ!」
闘技場の端で待機していたパティとセラも驚いていた。
「ユ、ユーキ!? あの娘、本当に大丈夫なの!?」
「ん~、見た感じは平気そうですねぇ。特にやせ我慢しているようにも見えませんしぃ」
「理由はどうあれ、ユーキが無事ならそれでいいわ」
ホッと胸をなで下ろすパティ。
そんなユーキを、冷静に見ているフィー。
レフェリーがユーキに試合続行の意思があるかを確認する。
「ユーキ選手!」
「ん?」
「このまま試合を続行するかね? それともギブアップするかね?」
「せっかく間に合ったんだから、勿論続けるよ!」
「しかし、君は魔石を破壊されて魔装具が使えないんじゃないのかね? そんな状態での試合続行は許可出来ないが!?」
「大丈夫だよ! ちゃんと手はあるから、安心して!」
「そ、そうか……何か方法が有ると言うなら試合は続行するが、もし危険だと判断した場合は即試合を止めるから、いいね!?」
「うん、了解!」
そしてレフェリーにより、試合続行が宣言される。
「何とおおお!! まさかの試合続行だあああ!! ユーキ選手の意思確認をしたレフェリーが試合続行を決定しました~!! し、しかし! 先程の攻防でユーキ選手の魔石は破壊された筈です! 魔装具の具現化すら出来ない状態で、本当に闘えるのかああ!?」
だが、大見得をきった当のユーキは内心めちゃくちゃ焦っていた。
(ああは言ったもののどうすんだこれ? アイリスさんにとりあえず起きろって言われて目覚めたはいいけど、僕完全に丸腰だよ?)
「ユーキさん、あなたの魔石は確かに破壊されました! 魔装具が使えない状態でどうやって闘うつもりですか?」
「フフ、ちゃんと手はあるって言ったでしょ?」
「そうですか……ならば遠慮なく行っていいという事ですね!?」
(遠慮してええ!! ねえ、アイリスさん!? 言われた通り、とりあえず起きたけど、この後どうしたらいいの!?)
心の中で、必死に呼びかけるユーキだったが、アイリスの反応は無かった。
(え? もしかして僕、リアルに夢見てただけ?)
そうこうしている内に、鎌を振り下ろしてくるフィー。
「うわあっ!!」
それを慌ててかわすユーキ。
(ねえちょっと!! アイリスさんってば!! 僕の中に居るんでしょ!?)
再び接近して来て2度3度と鎌を薙ぎ払うフィー。
「キャア!! やめて!! 危ない!!」
必死の形相で何とかかわしきるユーキ。
「これは危険だああ!! 試合が続行されたものの、ユーキ選手、防戦一方です! いやそれ以前に、やはりユーキ選手は魔装具を出すことが出来ないようです! 何か作戦があるならいいんですが、このままではいつか大怪我をしてしまうぞおお!!」
(や、やはり止めるべきか?)
レフェリーが今にも飛び出しそうな態勢で試合を見ていた。
「グラビティ!!」
「あぐっ!!」
逃げるユーキを、重力魔法で押さえつけるフィー。
「さあ、これでもうかわす事は出来ませんよ? 潔く負けを認めてください」
「い……や……だあああ」
うつ伏せの状態から、何とか仰向け状態になるユーキ。
「そうですか……では、少々痛い目に合っていただきます」
「痛い目よりあたりめがいいっ!!」
「終わったら好きなだけ食べてください!」
そう言って、大きく鎌を振り上げるフィー。
(アイリスさんんんんん!!!!)
心の中で叫びながら、グッと目を閉じるユーキ。
そして、振り下ろされた鎌の刃先がユーキの体に触れようとした寸前、ユーキの体から発せられた魔力によって吹っ飛ばされるフィー。
「なっ!?」
「ああっとお!! まさにユーキ選手にトドメを刺そうとしたフィー選手が、いきなり吹っ飛ばされましたああ!! 今のはユーキ選手がやったんでしょうか~!?」
『ごめんなさいね~マナちゃん。反応が遅れちゃいました~』
(も~!! さっきから呼んでたのに~! 何やってたのさ!? アイリスさん!!)
『いや~、昨日に続いてまた今日も無理矢理起こされたもんだから、ちょっと寝落ちしてました~』
(寝んなっ!!)
『マナちゃん酷~い! 神様だって眠い時は寝るんです~』
(この試合が終わったら好きなだけ寝ていいから、今は助けてよ!! 今僕、魔装具が使えないんだから~!)
『大丈夫ですよ』
(え?)
『魔装具というのは、魔力の増幅装置であり制御装置でもあるんです』
(制御装置?)
『そう。最近ではまるで、魔装具が無ければ魔法が使えないように勘違いしている人が多いようですが、本来魔法を使うのに魔装具なんて必要無いんです』
(へ!? そなの?)
『ただ、魔力の弱い人は少ない魔力を効率良く使う為に。魔力の強過ぎる人は暴走しないよう、制御する為に作り出した物なんです。だから鍛錬さえ積めば、例え魔装具が無くとも魔法は使えるんですよ?』
(そう、だったんだ……)
『だからマナちゃんなら、魔装具なんか無くても問題無いですよ』
(そっか……うん、僕やってみるよ!)
アイリスより魔装具の真実を聞かされた頃、吹っ飛ばされダウンしていたフィーがカウントエイトで立ち上がって来る。
「何とかカウントエイトで立ち上がりましたフィー選手! 一方的な試合になるかと思われましたが、どうやらユーキ選手、何か隠し球を持っていたようです!」
立ち上がったフィーがユーキの魔力を感じていた。
(今、間違いなく魔力によって弾かれた。ユーキさん、ついに魔装具無しで魔力を引き出せるようになったのですか?)
フィーの重力魔法が消えた事でスッと立ち上がったユーキが、右腕を前に出し、手の平をフィーに向け、左手で右手首を掴んで支えるような構えを取る。
そして深く深呼吸してから目をつぶり、右手に意識を集中させるユーキ。
『そう、やり方は同じ。ただ魔装具が有るか無いかだけ……』
徐々にユーキの右手に魔力が集中し始める。
「先程からユーキ選手が右腕を前に出して構えたまま動きません! あいや、何故かフィー選手もその場から動こうとしません! 何かの技を警戒しているんでしょうか!?」
そして遂に、ユーキの右手の前に光の球が現れる。
『そのまま球体を維持しながら、少しずつ魔力を込めて行きます』
見る見る間に光の球が巨大になって行く。
『もういいでしょう。マナちゃん、目を開けて』
ゆっくりと目を開けたユーキの眼前に、直径5メートルはあるであろう、巨大な光の球があった。
「うわあっ!! あっ!」
『あっ!』
いきなりの光景に驚いたユーキが、思わず魔法を放ってしまう。
そしてその球は、全く動こうとしないフィーの横を一瞬ですり抜け、客席の前に張り巡らされている魔法障壁も軽くすり抜け、客席に設置された巨大モニターをあっさり貫通して上空に消えて行った。
「なななな、何とおおお!! ユーキ選手が放った光の球が、何の抵抗も無く客席の魔法障壁とモニターをすり抜けて行きましたあああ!! 幸い客席が設置されていないエリアでしたので人的被害はありませんが、何と恐ろしい破壊力だあああ!!」
その球をじっと見ていたフィーがレフェリーを呼び寄せる。
「レフェリーさん! 私、戦意を喪失しましたので降参します!」
「え!? わ、分かった! フィー選手降参により、ユーキ選手の勝利!!」
「ななな何とおおお!! どうやらフィー選手、降参したもようです!! 今のユーキ選手の魔法を見て勝ち目が無いと悟ったのか、それとももう既に限界だったのでしょうか!? な、何にせよ、これで五国統一大武闘大会の優勝者は、ユーキ選手に決定いたしましたあああ!!」
割れんばかりの大歓声の中、ユーキだけが青ざめていた。
「あれヤバいって~! 何か色々弁償させられるんじゃないの!? てか、そもそも何だよあの威力!? 僕はただ普通の初級魔法を撃とうとしただけなのに!?」
『ああ、言い忘れてました~。今のマナちゃんは私と融合してますので、神である私の魔力も反映されますから、力の加減には充分注意してくださいね~』
「いや、そう言う事は先に言って!!」
「シーックス!!」
(ユーキ! 今はただ無事に帰って来て!)
(無念だ、ユーキ君。君こそ統一国の王に相応しかったというのに……)
(ユーキさん、もうすぐ終わりますからね。それまで死なないでください!)
「セブーン!!」
(ユウちゃん、終わったらすぐに治療しますからね)
(ユーキ姉様、ネム達の王様になってほしかった……)
(マスターユーキ! 他の誰が王になったとしても、ロロ達のマスターはユーキさんだけなのです!)
「エーイト!!」
(マナ! お前がどんな立場であろうとも、俺はお前を守り抜く!)
(マナ王女! 例え君が統一王で無くとも、俺様は君について行くぞ!)
「ナイーン!! テ……」
まさにテンカウントが数えられようとしたその時。
「だから、僕はマナだってばああっ!!」
叫びながら飛び上がるように起き上がり、そのままスタッと立つユーキ。
いきなりの事にレフェリーのカウントが止まり、闘技場が静まり返る。
そこへ、ユーキの元気な声が響き渡る。
「カウント今いくつ!? 間に合った!? ねえっ! どうなの!?」
急かす様に質問するユーキに、呆気に取られたレフェリーが答える。
「い、いや……ギリギリテンカウント前に立ち上がった……」
「そっかああっ! 間に合ったか~! 良かった~! セーフ!!」
ユーキが両腕を横に開き、セーフのゼスチャーをした瞬間、客席中から驚きの声が上がる。
「ええええええええええ~っ!!!!」
「な、な、な、何とおおおっ!! テンカウントが数えられようとした寸前、いきなりユーキ選手が立ち上がって来たああああっ!! し、しかも瀕死の状態と思われていたのに、まるで何事も無かった様にピンピンしているぞおおお!? 魔石が砕けた以上、治癒魔法も使えない筈だが、これは一体どうなっているんだああっ!?」
「ほ、本当にどうなってるんですかアイバーン様!? ユーキさん、無防備状態で極大魔法の直撃を受けましたよね!?」
余りの驚きに、アイバーンの胸ぐらを掴んで激しく揺するメルク。
「わ、わ、わ、私だって聞きたいよ!」
闘技場の端で待機していたパティとセラも驚いていた。
「ユ、ユーキ!? あの娘、本当に大丈夫なの!?」
「ん~、見た感じは平気そうですねぇ。特にやせ我慢しているようにも見えませんしぃ」
「理由はどうあれ、ユーキが無事ならそれでいいわ」
ホッと胸をなで下ろすパティ。
そんなユーキを、冷静に見ているフィー。
レフェリーがユーキに試合続行の意思があるかを確認する。
「ユーキ選手!」
「ん?」
「このまま試合を続行するかね? それともギブアップするかね?」
「せっかく間に合ったんだから、勿論続けるよ!」
「しかし、君は魔石を破壊されて魔装具が使えないんじゃないのかね? そんな状態での試合続行は許可出来ないが!?」
「大丈夫だよ! ちゃんと手はあるから、安心して!」
「そ、そうか……何か方法が有ると言うなら試合は続行するが、もし危険だと判断した場合は即試合を止めるから、いいね!?」
「うん、了解!」
そしてレフェリーにより、試合続行が宣言される。
「何とおおお!! まさかの試合続行だあああ!! ユーキ選手の意思確認をしたレフェリーが試合続行を決定しました~!! し、しかし! 先程の攻防でユーキ選手の魔石は破壊された筈です! 魔装具の具現化すら出来ない状態で、本当に闘えるのかああ!?」
だが、大見得をきった当のユーキは内心めちゃくちゃ焦っていた。
(ああは言ったもののどうすんだこれ? アイリスさんにとりあえず起きろって言われて目覚めたはいいけど、僕完全に丸腰だよ?)
「ユーキさん、あなたの魔石は確かに破壊されました! 魔装具が使えない状態でどうやって闘うつもりですか?」
「フフ、ちゃんと手はあるって言ったでしょ?」
「そうですか……ならば遠慮なく行っていいという事ですね!?」
(遠慮してええ!! ねえ、アイリスさん!? 言われた通り、とりあえず起きたけど、この後どうしたらいいの!?)
心の中で、必死に呼びかけるユーキだったが、アイリスの反応は無かった。
(え? もしかして僕、リアルに夢見てただけ?)
そうこうしている内に、鎌を振り下ろしてくるフィー。
「うわあっ!!」
それを慌ててかわすユーキ。
(ねえちょっと!! アイリスさんってば!! 僕の中に居るんでしょ!?)
再び接近して来て2度3度と鎌を薙ぎ払うフィー。
「キャア!! やめて!! 危ない!!」
必死の形相で何とかかわしきるユーキ。
「これは危険だああ!! 試合が続行されたものの、ユーキ選手、防戦一方です! いやそれ以前に、やはりユーキ選手は魔装具を出すことが出来ないようです! 何か作戦があるならいいんですが、このままではいつか大怪我をしてしまうぞおお!!」
(や、やはり止めるべきか?)
レフェリーが今にも飛び出しそうな態勢で試合を見ていた。
「グラビティ!!」
「あぐっ!!」
逃げるユーキを、重力魔法で押さえつけるフィー。
「さあ、これでもうかわす事は出来ませんよ? 潔く負けを認めてください」
「い……や……だあああ」
うつ伏せの状態から、何とか仰向け状態になるユーキ。
「そうですか……では、少々痛い目に合っていただきます」
「痛い目よりあたりめがいいっ!!」
「終わったら好きなだけ食べてください!」
そう言って、大きく鎌を振り上げるフィー。
(アイリスさんんんんん!!!!)
心の中で叫びながら、グッと目を閉じるユーキ。
そして、振り下ろされた鎌の刃先がユーキの体に触れようとした寸前、ユーキの体から発せられた魔力によって吹っ飛ばされるフィー。
「なっ!?」
「ああっとお!! まさにユーキ選手にトドメを刺そうとしたフィー選手が、いきなり吹っ飛ばされましたああ!! 今のはユーキ選手がやったんでしょうか~!?」
『ごめんなさいね~マナちゃん。反応が遅れちゃいました~』
(も~!! さっきから呼んでたのに~! 何やってたのさ!? アイリスさん!!)
『いや~、昨日に続いてまた今日も無理矢理起こされたもんだから、ちょっと寝落ちしてました~』
(寝んなっ!!)
『マナちゃん酷~い! 神様だって眠い時は寝るんです~』
(この試合が終わったら好きなだけ寝ていいから、今は助けてよ!! 今僕、魔装具が使えないんだから~!)
『大丈夫ですよ』
(え?)
『魔装具というのは、魔力の増幅装置であり制御装置でもあるんです』
(制御装置?)
『そう。最近ではまるで、魔装具が無ければ魔法が使えないように勘違いしている人が多いようですが、本来魔法を使うのに魔装具なんて必要無いんです』
(へ!? そなの?)
『ただ、魔力の弱い人は少ない魔力を効率良く使う為に。魔力の強過ぎる人は暴走しないよう、制御する為に作り出した物なんです。だから鍛錬さえ積めば、例え魔装具が無くとも魔法は使えるんですよ?』
(そう、だったんだ……)
『だからマナちゃんなら、魔装具なんか無くても問題無いですよ』
(そっか……うん、僕やってみるよ!)
アイリスより魔装具の真実を聞かされた頃、吹っ飛ばされダウンしていたフィーがカウントエイトで立ち上がって来る。
「何とかカウントエイトで立ち上がりましたフィー選手! 一方的な試合になるかと思われましたが、どうやらユーキ選手、何か隠し球を持っていたようです!」
立ち上がったフィーがユーキの魔力を感じていた。
(今、間違いなく魔力によって弾かれた。ユーキさん、ついに魔装具無しで魔力を引き出せるようになったのですか?)
フィーの重力魔法が消えた事でスッと立ち上がったユーキが、右腕を前に出し、手の平をフィーに向け、左手で右手首を掴んで支えるような構えを取る。
そして深く深呼吸してから目をつぶり、右手に意識を集中させるユーキ。
『そう、やり方は同じ。ただ魔装具が有るか無いかだけ……』
徐々にユーキの右手に魔力が集中し始める。
「先程からユーキ選手が右腕を前に出して構えたまま動きません! あいや、何故かフィー選手もその場から動こうとしません! 何かの技を警戒しているんでしょうか!?」
そして遂に、ユーキの右手の前に光の球が現れる。
『そのまま球体を維持しながら、少しずつ魔力を込めて行きます』
見る見る間に光の球が巨大になって行く。
『もういいでしょう。マナちゃん、目を開けて』
ゆっくりと目を開けたユーキの眼前に、直径5メートルはあるであろう、巨大な光の球があった。
「うわあっ!! あっ!」
『あっ!』
いきなりの光景に驚いたユーキが、思わず魔法を放ってしまう。
そしてその球は、全く動こうとしないフィーの横を一瞬ですり抜け、客席の前に張り巡らされている魔法障壁も軽くすり抜け、客席に設置された巨大モニターをあっさり貫通して上空に消えて行った。
「なななな、何とおおお!! ユーキ選手が放った光の球が、何の抵抗も無く客席の魔法障壁とモニターをすり抜けて行きましたあああ!! 幸い客席が設置されていないエリアでしたので人的被害はありませんが、何と恐ろしい破壊力だあああ!!」
その球をじっと見ていたフィーがレフェリーを呼び寄せる。
「レフェリーさん! 私、戦意を喪失しましたので降参します!」
「え!? わ、分かった! フィー選手降参により、ユーキ選手の勝利!!」
「ななな何とおおお!! どうやらフィー選手、降参したもようです!! 今のユーキ選手の魔法を見て勝ち目が無いと悟ったのか、それとももう既に限界だったのでしょうか!? な、何にせよ、これで五国統一大武闘大会の優勝者は、ユーキ選手に決定いたしましたあああ!!」
割れんばかりの大歓声の中、ユーキだけが青ざめていた。
「あれヤバいって~! 何か色々弁償させられるんじゃないの!? てか、そもそも何だよあの威力!? 僕はただ普通の初級魔法を撃とうとしただけなのに!?」
『ああ、言い忘れてました~。今のマナちゃんは私と融合してますので、神である私の魔力も反映されますから、力の加減には充分注意してくださいね~』
「いや、そう言う事は先に言って!!」
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