ひめてん~姫と天使と悪魔と猫~

こーちゃ

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終章 いつも楽しく面白く

第48話 嵐が来る前は妙にワクワクするよね?

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 ユーキの説得もあり、みんなで集まってクイーンの話を聞く事となる。

「さて、何から話しましょうか……では私の好きな食べ物から……」
「いえ、そういうのはいいですから」

 クイーンのボケを冷たくあしらうアイバーン。

「もう、つれないですねえ」
「お魚なら近くの川で釣れるのよ」
「幼女のタグを付ければロリコンが釣れるの~」
「そのつりちゃうわ~!」

 クイーン達のノリに引くBL隊。

「あ、あの……お話の方は……」
「ああ、ごめんなさいね。私の趣味についてでしたっけ?」
「そんな話してません!」

(またボケキャラが増えた……)

「ただ今ご紹介に預かりました」
「してないです」
「そう、私がクイーンです。サーティーンナンバーズ、ナンバークイーンのリコッタです」
「やはりクイーン⁉︎ そのクイーンはパル君達とどういう関係なのですか?」

「関係も何も、パルとチルは私の娘です」
「ええええーっ⁉︎」
「旧暦の正月なの~」
「衝撃の事実なのよ!」

「で、でもパル達のお母さんは今、病気でパラスで寝たきりだって……」
「そうなのよ! だからパル達は母様を助ける為に嫌々戦っていたのよ! 大体パル達の母様の名前はベールなのよ! リコッタさんが母親だって言うなら、パル達が看病してた人は誰だって話なのよ!」

「あなた……召喚獣、ね?」

 ピンと来たパティが正解を出す。

「その通りです。リコッタ……そしてラケルは私が……ああ、今の私って言うのはリコッタの事じゃなくて、パラスから遠隔操作してる本体である私っていう意味で……」
「それは分かってますからっ!」

 一応ツッコミを入れるアイバーン。

「でもリコッタさんが召喚獣ってよく分かりましたね? パティさん」
「うん? まあ、ラケルが召喚獣だって聞いた時から薄々ね。パル達の母親でシェーレ出身って事は召喚士である可能性が高かったから、パル達の世話をしてくれてた人ってのも恐らく、母親が出した召喚獣なんだろうなって……」
「なるほど……」

「でもその母親が、何でナンバーズのクイーンなんてやってるのかは分からないけどね」
「私がナンバーズになったのは、娘達がカオスに気に入られてナンバーズになったと知ったからです。娘達と同じく私の召喚能力を見せたら、すぐにナンバーズにしてくれましたよ」

「でもパルちゃん達はお母さんがクイーンだって事は知らなかったんですよね? 何故パルちゃん達に黙ってたんですか?」

 メルクの疑問にアイバーンが答える。

「クイーンがパル君達の関係者だとバレれば、逆にパル君達が人質に取られる可能性があったからだろう」

「そうです。いくらナンバーズの一員になったとはいえ、所詮私達はよそ者。常に裏切りを警戒されてましたからね」
「だからクイーンは、滅多にわたくし達の前には現れなかったんですわね⁉︎」

「しかし私達の関係も一部の者にバレてしまい、いよいよ娘達だけでもパラスから脱出させようかと考えていた矢先に、BL隊打倒の為にトゥマールへ出撃すると聞き、急遽ラケルを作って後を追いかけたんです。ああユーキさん、その節はぬいぐるみをゲットしていただきありがとうございました」

「え、いや……あれぐらい別に」
「そういえば、ラケル姉様からぬいぐるみ貰ったのよ」
「センスはイマイチだったけど嬉しかったの~」

「そっか……パル達にプレゼントしたくてあんなに必死になってたんだ……」
「私はああいうのに疎いもので、お恥ずかしい所をお見せしました。そして運良くユーキさん達と出会ったので、一緒に居ればいずれ娘達が襲撃に来ると思い、半ば強引にご一緒させて頂きました」

「またユウちゃんに誘惑された人が増えたのかと思ってましたがぁ、そういう事だったんですねぇ」
「いや僕、誰かを誘惑した事なんか無いからねっ⁉︎」

「そしてその後、私の思惑通り娘達と出会う事になりましたがユーキさんは初め、娘達と戦おうとはせずに仲良くなろうとしてくれました」
「戦わないで済むならそれが1番だったからね」

「それに応えるように娘達も段々皆さんと打ち解けて行くのを見て、私も嬉しく思っていました。だから娘達がネムちゃん達と戦うとなった時も、ただ見守る事にしました。なのにあのジョーカーのバカがっ‼︎」

 急に口調が激しくなるクイーン。

「あの陰湿で野蛮で強欲で自己中なボッチがっ‼︎」
「何だか急に性格変わりましたね……」

「横槍を入れて来たせいでチルを……むざむざ目の前でチルを死なせてしまって、どれ程悲しい悔しい想いをしたか……」
「チルはみんなの心の中で生きてるの~」
「実際に生きてるのよ!」

「だけど、皆さんがチルを助けてくださいました! このご恩は一生忘れません!」
「じゃあお礼にユーキそっくりの召喚獣を出しモゴモゴ!」
「ハイ、パティさんは黙ってましょうね~」

 またしてもユーキに口を塞がれるパティ。

「私は確信しました! あなた方になら娘達を任せられます! なので、私に代わってどうぞ、娘達をよろしくお願いします!」
「え⁉︎ 代わってってどういう……」

「昨日、カオスが残ったナンバーズとパラスの全軍を引き連れて、シェーレに総攻撃をかけるべく出陣しました」
「ええ⁉︎」
「カオス自ら⁉︎」

「全軍を引き連れてって、確かカオスはBL隊とナンバーズの一騎打ちを望んでた筈じゃ?」
「あのバカの事ニャ。おそらくあたし達がこのシェーレ城を拠点にした事で、攻城戦を仕掛けて楽しもうとしてるニャ」
「完全にゲーム感覚だな」

「その中には私が作り出した魔獣の大軍も含まれています。なので、あなた方はすぐにここから退避してください」
「え⁉︎ ちょっと待って。僕達はそのナンバーズやカオスと戦う為にここまで来たんだよ⁉︎ それが何で逃げなきゃいけないのさ⁉︎」

「いいえ。残りのナンバーズとカオスは、あなた方が考えている程甘い相手では無いんです。なので私が魔獣達で出来る限り足止めしますので、その間に逃げてください! 私はそれを伝える為に一足早くあなた方の元に来たんです。ラケルの姿では娘達に信じてもらえないと思ったもので」

 だが、それを聞いたユーキがとても不服そうな顔をする。

「むう~。何かムカつく~!」

 そう言ってクイーンの額を指先で突くユーキ。

「痛っ! な、何を⁉︎」
「ムカつくムカつくムカつく!」
「痛たたた! ち、ちょっと! 何をするんですか⁉︎ や、やめてください!」
 
「リコッタさんの口振りだと、まるで僕達が弱いみたいじゃないか~」
「あ、いえ。決してそのような事は……しかし戦えばあなた方もただでは済まないと。現にチルはボッチの手にかかって……」

「ケガしたら治す! 死んだら生き返らせる! やられたらやり返す!」
「ちゃぶ台返しなの~」
「倍返しなのよ!」

「あなた達まで⁉︎ でも、セラさんやフィーさんが先に狙われる可能性だってあるんですよ⁉︎」
「その時は僕がみんなを生き返らせる!」
「ですが……」

「僕が絶対に誰ひとり死なせない‼︎ それはベールさん、あなただって含まれてるんだからね!」
「ユーキさん……」

「じゃあセラ! みんなで生き残れる作戦考えて!」
「お任せぇ!」
「他のみんなはたっぷりご飯食べて決戦に備えて!」
「ハイ‼︎」
「了解した‼︎」
「遠慮なく食べるの~」
「チルは少しは遠慮するのよ!」

 妙にノリノリなユーキ達を見て、呆気に取られるクイーン。

「あの娘達まで一緒になって? こ、こんな危機的状況だというのに、何でこの人達はこんなに楽しそうなんですか?」
「台風が来る前にワクワクするようなものニャ」
「シャル様……」

「シャル様、作戦が決まりました。まずはシャル様が単独で敵陣に突っ込んでください」
「フニャ⁉︎ 中々大胆な作戦ニャ。それでその後はどうするニャ?」
「いえ、ただシャル様が袋叩きにされるのを見たかっただけです」
「ただのいやがらせニャ⁉︎」





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