残る世界の光

ふずきまる

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「いつ完成する?空母と戦艦は。」
ネイは軍港へと足を運ぶ。今建造中の軍艦と空母。この二つは恐らく世界最大級の軍艦と空母になるだろうとネイは予測する。
「あと…一年半は必要です。その間に和楽が攻めてこなければいいですが…。」
「それはありえない。海軍のレベルを嫌でも上げておけ。」
「仰せのままに。」
「そしてこれは秘密裏に行え。必ずだ。」
ネイは工場長に念を押す。最終兵器として出したいこの二つ。
戦艦ワルキューレ、空母サンクアリティス。
この二つが戦争を終わらせるきっかけになってほしい。ネイは建造中の二つを見てそう思う。その眼には、ワルキューレとサンクアリティスの活躍する姿は映っているだろうか?


「レイク帝国の首都を包囲しました!」
この伝達はすぐにフェルダリオの元へと渡る。
「よしよし。タンミリア方面はどうなっている?」
「タンミリア軍ほぼ全部隊撤退しました!」
「よしよしよし!!防衛、攻勢全てうまくいっている。あとはレイクを落とすだけ…。」
「そうですね。レイクを落とせば世界革命も夢じゃない…。」
ゼーベは呟いた。
「だが、その前にアレリストがさっさと陣営に参加しないといけない。今は二vs三だ。もうじき三vs二になるだろうがな。」
「アレリストに必要に気にかける理由は?」
ゼーベはそこが一番気になった。田舎帝国と言われるアレリストにそこまで執着する意味が見つからない。
「実はな、あそこ資源が豊富なんだ。あいつらはアホだろうから気付かないだろう。石油がうじゃうじゃとれる。バクーの次にな。」
「バクー油田ですか…。」
「あいにくそこは俺らの領域ではないからほぼ石油は輸入しかない。アレリストからも一応輸入しているが陣営に参加するとなると心強いからな。」

一週間が経った。
フェルダリオはいつ、伝令兵による降伏の知らせが届くのかわからないからか、少しイライラもしていた。
「遅い…こんなにかかるはずではないだろう!?」
つい声を荒げるフェルダリオ。
「落ち着いてください。もう少しですから…。」
諫めるゼーベ。しかしゼーベ本人もイライラしている部分もある。長期的な戦争で無駄な犠牲が増えている。早く終わらせてほしいと言う願いもある。
すると突然、バタンと大きな扉が勢いよく開く。伝令兵だ。
「どうした?」
フェルダリオは椅子に座ったまま伝令兵に問いかける。
「申し上げます!!」

「レイク帝国皇帝シンバシンが降伏を宣言!!!帝国軍最高指揮官ナールは自殺した模様!」

これを聞いた時、フェルダリオは机を思いっきり叩いた。そこには嬉しさもあるのだろう。
「よし!すぐにで交渉に移る。数日後に会議をすると言っておいてくれ。軍は撤退させろ。」
「了解いたしました!」
伝令兵は素早く部屋を出ていく。
「…どうするおつもりで?」
ゼーベは横目にちらりとフェルダリオを見る。
「とりあえず旧領はもらう。国自体は…傀儡国でもいいかな…。旧領以外は興味ない。」
「さようでございますか。」
ゼーベの表情は全く変えず返答する。
後に聞いた話によると、レイク帝国陸軍は最後の攻撃として突撃を敢行。しかし、誇り高き大ロータヴェル陸軍により粉砕。そして一斉攻勢をかけ希望を無くしたであろうナールは割腹自殺。皇帝のシンバシンが降伏を宣言した。
この戦いによるロータヴェル軍の死者九万人、レイク帝国は二十万人と多くの死者を出した。
しかし、この戦争は大ロータヴェル帝国の勝利と言えよう。
しかし、この大戦争はまだ始まったばかり。
いつ、流れが変わるかはわからない。
この戦争に終わりはあるのだろつか。
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