17 / 17
17
しおりを挟む一週間後、早速フェルダリオはタンミリアに向けて戦争正当化を開始する。
一度は謝罪させて欲しいとまで言われたが彼は断固拒否した。この時点で交渉決裂が決定した。
勝手な真似をされ家族である兵士を殺されたのだ。この雪辱を晴らさないわけがない。この怒りの鎮め方は、やはりこの弔戦争に勝つというやり方のみだ。
また大和楽帝国も着々と準備が進められており、アスバリチアの進行を食い止めるための海軍の中の精鋭のみで構成された艦隊、
『神璐艦隊』を組む。璐とは、あちらの国での大ロータヴェル帝国の表し方だという。
また、エイヴィストも兵士の提供、武器支援を行うという。
準備は整った。あとは、獲物を喰らうのみー。
「言い方を悪くするならば、私たち、久遠同盟国が今、世界革命連合に牙を剥くときだ!!」
ネイは大声で彼らに言い放つ。同盟国である以上、タンミリアが戦争状態となれば武器支援などを行うのは勿論。
しかしすぐそこには大和楽がいる。大和楽へダメージを与えるチャンスでもある。
「ついに、あの二隻を使う時が来たのですね?」
「超急ピッチで造らせたかいがあった。こいつらであいつらを蹂躙するんだ…。やるしかないんだ。あいつらに取られた我が国の領土を、取り返すんだ!!」
「仰せのままに!!」
全員が勢いよく起立し、胸に握り拳を当てる。
「私たちはタンミリアに全ての支援はするつもりだ。しかし我々もやるしかないのだ。今がこのチャンス、リベンジする時なんだ。ワルキューレを大ロータヴェル帝国へ、サンクアリティスを大和楽帝国方面へと当てろ。」
「仰せのままに。」
「我々が、勝利に近づくかどうかが別れる一戦だ。心してかかれ!!」
「ご報告いたします。大ロータヴェル帝国がタンミリア帝国へ戦争目的正当化を進めているそうです。」
「ふむ…。それで?」
「また、大和楽帝国も参戦するのではないかという報告もございます。」
「ふむ…。イデルヴァッファ王国のグェーリンを呼べ。」
「はっ。」
そう言われ、すぐさま彼女へ電話を持っていく。彼女は指でダイヤルを合わせ、イデルヴァッファ王国のグェーリンに電話を繋げる。
「あぁ私だ。ふむ…。うん。やはりお主もそういう考えか…。なるほど…。」
この会話が長らく三十分ほど続いた。
納得したかのようにちんっと電話を切ると彼女は口を開いた。
「あいつらを潰せるチャンスだ。グリーンクロイツ連邦。大ロータヴェル帝国への宣戦布告をする。」
「…!!本当ですか…!?」
「ああ。まだいきなりではないが、あいつらの戦局が停滞しているときに挟み撃ちでやり合うつもりだ。」
「しかし….やつらよりも私は警戒している国がございます。」
「なんと、あれだけロータに恨みを持っているお前がそんなことを言うとはな。どこだ、言ってみろ。」
「エイヴィスト連邦です。私はやつらが、この戦争の鍵を握るのではないかと思います…。クリシェ様。」
「イデルヴァッファはエイヴィストを信頼しているようだ。だが忘れるな、私達はエイヴィストでも、大和楽でもない。大ロータヴェル帝国を撃破することが、我々の長年の宿命だ。それは忘れるでないぞ。」
「はっ。」
椅子から立ち上がればマントがバサッと揺れる。深々と礼を下げる彼に自分の帽子をぽんと置くとドアを閉め部屋を出て行った。
そして、大和楽も動き出そうとしていた。
「我ガ国ハアスバリチア帝国二宣戦布告スルコトヲココニ発表スル。」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
笑顔が苦手な元公爵令嬢ですが、路地裏のパン屋さんで人生やり直し中です。~「悪役」なんて、もう言わせない!~
虹湖🌈
ファンタジー
不器用だっていいじゃない。焼きたてのパンがあればきっと明日は笑えるから
「悪役令嬢」と蔑まれ、婚約者にも捨てられた公爵令嬢フィオナ。彼女の唯一の慰めは、前世でパン職人だった頃の淡い記憶。居場所を失くした彼女が選んだのは、華やかな貴族社会とは無縁の、小さなパン屋を開くことだった。
人付き合いは苦手、笑顔もぎこちない。おまけにパン作りは素人も同然。
「私に、できるのだろうか……」
それでも、彼女が心を込めて焼き上げるパンは、なぜか人の心を惹きつける。幼馴染のツッコミ、忠実な執事のサポート、そしてパンの師匠との出会い。少しずつ開いていくフィオナの心と、広がっていく温かい人の輪。
これは、どん底から立ち上がり、自分の「好き」を信じて一歩ずつ前に進む少女の物語。彼女の焼くパンのように、優しくて、ちょっぴり切なくて、心がじんわり温かくなるお話です。読後、きっとあなたも誰かのために何かを作りたくなるはず。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる