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しおりを挟む「それはタンミリア方面か!?それともやつらの方か!?」
切羽詰まった顔で電話の主に確認をとる。
「タンミリア方面の方です…!!」
その言葉を聞いた時、ふーっと一安心したような安堵の息を吐く。
「速攻でやり返してやる…。とりあえず今日は要塞建設を中止し、休暇を取るよう伝えてくれ。」
「了解いたしました。」
その言葉を聞いたと同時に電話を切る。
「なんだったんだ?」
「タンミリアとの国境沿いで軍事衝突が起こった。やつら…。」
「どちらから仕掛けたか聞いたのか。」
「それを忘れていた。また電話しなおさないと…。」
フェルダリオはクアに「この紙に書いてある通り進めてくれ」と書いた紙を渡して電話をまたかけ直す。
クアは分かったと言うように兵士に指示することになる。
「ふむ…。つまり我々の要塞建設に不満を思ったあちらの陸軍将校が勝手に我々の兵士を射殺したと言うことか。」
「その通りです。」
この言葉を聞いた時フェルダリオは腹の底から怒りが溢れ出した。
軍に従軍する皆、家族のような存在だと思っている彼は戦死するならともかく相手の一感情で殺害されたことに怒りを感じた。
「上等…即潰してやる…。あいつらは一応宣戦布告を白紙にしたようだがそんなのは知らない。徹底的に潰す。」
「しかし、アスバリチア帝国が宣戦布告する恐れもあります。」
「それは和楽に任せる。世界一の艦隊が、負けるわけがない。」
「了解いたしました。」
電話を終えた後に、クアの隣に行く。
「いいのか。電話を切って。」
部屋に篭って電話をしていたので彼女に電話の内容が知れ渡ることはない。しかし伝えようとはしていたのだろう。
「今夜空いてるか。うちに来い。少し話がある。」
「了解…。」
わかっている。と言うふうにそっけない返事をした。いつしか夕刻を迎えていた。
「割と綺麗な家だな。豪邸というほどでもなく。」
「悪いか。」
自宅にクアを招き入れたフェルダリオは更衣室で着替え私服の姿で冷蔵庫から酒を取り出し、彼女の分まで注ぎ入れる。
「なんだね、話とは。」
ソファに座ったクアは酒の入ったグラスを手に取る。
「タンミリアに宣戦布告する。」
「だろうな。それで?」
「おそらくアスバリチアも宣戦布告してくる。大陸間離れているが、海戦は充分可能だ。おそらく本土決戦になるかもしれない。」
「そうなる前にアスバリチアを叩けと言いたいのか。」
「いや、足止めをしてほしい。」
酒…ブドウのワインをぐびっと飲み干した彼は言葉を続ける。
「勿論そうしてほしいところではあるが、タンミリアを徹底的に叩いた後にアスバリチアも叩く。恐らくアスバリチア自体を叩くことができるのは数年後の話になる。ただし、あいつらの海軍はこちらに攻撃してくるのは絶対だ。それの足止めをしてほしいんだ。」
「了解。そちらの海軍とこちらの海軍との共同で行うということだな。」
「そういうことだ。」
「ま、夜は長い。君の考えをもっと聞きたいね。」
ポニーテルのゴムをとり、長い髪を下ろすと脚を組み頬杖をつきユラユラとグラスを揺らす。
「中々な態度だな…。」
ふぅと息をつくとまた話し出す。それは友人に自分の夢を語るように話した。
深夜になれば酔った勢いなのか、彼らは体を交わらせた。
「もう朝だ…。いいのか。」
息を切らした彼が彼女に問う。
「ふん…。とにかく、戦果はこちらがいただくからな。」
「俺の上でその豊満な胸を揺らして何を言うか。」
「黙れ…。」
快楽に溺れ、迎えた朝日は眩しかった。ベッドの窓から見える木々の枝には小鳥が囀っていた。
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