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第2章1節 魔法学園対抗戦/武術戦
第240話 ジルとウィルバート
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ちらほらと聞こえる拍手が、安堵感を与える。
エリスは肩の力が抜けてしまい、持っていた飲み物を思わず落としてしまった。
「わわっ、ひしゃげたんじゃないの今?」
「え、ごめん!」
慌てて拾う。どうやら無事なようだ。
「ああ~……よかった……本当に……!!」
「本当に、急に、慣れないことするよねぇ~」
「全くだよ! 帰ったら……帰ったら……」
「お疲れ様ってやって、めいいっぱい叱ってやらなきゃ……!!」
「……ほれ。どうやら大丈夫だったみたいだぞ」
望遠鏡を降ろしながら、ジョンソンはカイルに声をかける。
すると彼の口元は緩み、不安が解かれていくように見えた。
「……ありがとうございます」
「気にするなよ気にするなぁ。他ならぬお前の頼みだもの」
「団長……」
そこにカイルに呼ばれ待機していた、ダグラスがやってくる。
「どうだ? 出撃はするのか?」
「いえ、もう結構です。友人達と合流して、安定したみたいです」
「そっか。んじゃあ馬を戻してくるよ」
「……お手数をおかけします」
「……にしてもなあ」
荷物を降ろしながら呟く。
「お前、真っ青な顔してこっち来たけど――」
「……消滅って、何のこと「ダグラス、あとはよろしくお願いしますよ」
その語気は、まるで追い立てるようで。話すことは何もないという無言の圧だ。特に逆らう理由もないので従う。
「あ……ああ、わかったよ」
<試合経過二時間 残り時間一時間>
「くそっ、くそっ、畜生がああああああ……ああああああああ!!」
机を叩き、地団駄を踏み、歯軋りをする。
「ウィルバート様、どうか落ち着いて――」
「いられるか!! くそっ、くそっ……!! どうして、どうして、連中は僕に刃向かうんだ!! 黙って地に伏していればいいものを!!」
「……戦況報告です。連中、我が軍の領土を積極的に奪っている傾向にあります」
「……へぇ?」
首を反り返したままで、目だけがぎょろぎょろ輝く。人でありながら魔物のようだ。
「あはっ、はははっ、はははははははは……いい度胸だ。無謀とも言うな――」
「――殺せ。徹底的に」
「うおおおおおお……!!」
グレイスウィルの部隊が、駐屯しているパルズミールの生徒に向かって突撃していく。
「ぬん!! どうだっ!!」
「ぬがあああああ……!!」
獣の特性を持つ獣人は、力が強ったり足が早かったり、とかく身体能力に優れている者が非常に多い。
故に肉弾戦なら、真っ向勝負で勝てる道理はない――
「あっ……?」
「一丁上がりだな!!」
戦闘している背後から、そっと一撃を加えてやる。
するとあっけなく倒れ込むものだ。
「て、てめえら、卑怯、だぞ……!!」
「警戒しないそっちが悪いってなあ!!」
その間に、フラッグライトが赤く灯される。
「これで何個目だ?」
「えーと……十六? 十六!?」
「二しか増えてねえじゃん!? いや……相手も相当焦ってるってことか……」
「……」
パルズミールの生徒のうち、治療が終わった生徒や、その場で様子を見ていた生徒が、指示を受けたのか西に向かっていく。
「……戦ってみて思ったけど。あいつら、頭を使う戦い方をしねえんだよな。結局基本は同じで、武器持ってぶつかってくるだけだ」
「じゃあやっぱりケルヴィンに変な知恵吹き込まれたのかな……」
本部では生徒会役員の生徒達が、これまた慌ただしく歩き回っている。
「オッケー。第二十は制圧済みね……そのまま南西、左下の方に向かって行って。パルズミールの辺りを制圧しちゃおう」
「んー、狙撃部隊? ここにきてか……ケルヴィンの生徒かな。今までパルズミールの生徒の肉弾戦が多くて、すっかり抜け落ちてたよ」
「狙撃部隊がいるのって第十五付近か? その近くにフリーで動ける部隊が一つあるぞ」
「マジ? じゃあそれに闇討ちしてもらおうか」
「了解。んじゃあそういうことで、今から行き先指示するぞー」
「伝令、伝令!! 残り時間は一時間を切っている!! こまめにトーチライトを打ってチマチマ領土拡大しとけよ!!」
打って変わって快郎ではきはきした声が、折り重なって緊張感を生み出している。
「……」
その中でヴィクトールは、伝声器をじっと握って立ち尽くしていた。
「ヴィクトール。九番目を制圧したぞ。このまま北に進めばケルヴィンの領域に進入できる」
「……ヴィクトール?」
『私の声が彼方まで響いたら――』
『<さあ始めましょう>で、全てがお終い――!!』
「おいヴィクトール、大丈夫か。ぼーっとしてたぞ」
「っ……」
生徒会の仲間に肩を叩かれ、はっと我に返る。
「……何でもない」
「いや何かあるだろ……」
「……」
「もしもし? もしもーし!? ボクらオマエから指示貰うのに、それがなかったらどうにもならないんだけど!?」
「アタシは北に行きたくてうずうずしてるぜー!!」
「おれ、どうする?」
「……」
顔の見える相手と、顔の見えない相手。
双方から責められてもこの胸のざわめきは収まらない。
「……ははーん。わかったぞ」
「……何がだ」
「お前、リリアン先輩みたいにやりたいんだろ。因縁の相手と一発やっときたいんだろ」
目を見開く。己の欲望を今、はっきりと感じ取って。
その間にも戦況は動く――
「……っ!?」
「どうした?」
「うっひょー!! 来たぜ来たぜ来たぜー!!」
「とびっきりの――」
後ろに飛び退いて、
「ヤバそうなヤツがさあ!!!」
和音を奏でるように手を降ろす。
「こ、れぐらい……!!」
その生徒は、頭を抱えることなく迫ってくるが、
「そんな遅さじゃ見切られちゃうぜー!!」
「……!!」
脇を抜けて、踵を返して、
「オラァ!!!」
鳩尾に魔力を込めて一発。
「が、あああああ……」
相手の生徒はイザークの一撃を受け、膝から崩れ落ちた後、そのまま立ち上がることはなかった。
「よっしゃあああああああ!! アーサー今の見てたか!? ボクやったぞ!! ボクだってやったんだぞ!!」
「……見事だったな」
「ワン!」
カヴァスと共に生徒の治療を行った後、再び伝声器に手をかける。
「ヴィクトール、オレ達は北に行く。どうせ皆で攻め込むんだ、オレ達で先陣を切り開いておくよ」
「……」
「……いいよな?」
「……ああ。だが無理はするな。無理だと感じたらすぐに撤退しろ」
「――そこはケルヴィンの、彼奴の領域なのだから」
<試合経過二時間二十分 残り時間四十分>
「――攻めてきた? 奴等が?」
ウィルバート耳を真っ直ぐに張り、報告を聞く。心は冷静になるように努める。
「はい。四人で乗り込んで来た生徒がいます。茶髪茶目、紺髪緋目、灰色の狼、金髪赤目です」
「ああ。後ろ二人は知ってる。僕に殴りかかってきた狼と、僕に屈辱を味合わせた奴二号。前二人は雑魚だね」
「……迎え撃つなら今かと」
「よし――」
その時、本部の扉が乱暴に開けられる。
「ぜえぜえぜえ……ぶひぃ!! おい、ウィルバート!! おれ様が来てやったぞ!!!」
「……ジル様」
現れた彼は、橙色の鎧を身に着けていたが、汗だくで非常に窮屈そうだった。
――本拠地付近が制圧されて、泣く泣く逃げてきたところか。
「丁度良かったです。これから彼女が来ますよ。この間申し上げた友人達と共に」
「何!!! それは本当なのか!!!!」
「貴方に嘘はつきませんとも。ええ、今から迎え撃とうと思っているのですが、ご一緒に如何です」
「勿論行くぞ!!! おれ様の強さをクラリアたんに見せ付けて、あいつらボコボコにしてやる!!!」
進入した先は恐ろしく静かだった。
外の喧騒が木々に吸収されて、さながら隔離されてしまったかのような感覚を受ける。
「……森林かぁ」
「葉の形は尖っているものが多い……針葉樹林か」
「しんよう?」
「北国にある木は大体こんななのさ。雪が積もりにくくなるらしい」
アーサー達はその中を進む。当然トーチライトを叩き付けながら。
「北に攻め込んでるから、それを再現しているのかもしれないな」
「北ってことは寒いな! アタシはもふもふしてるから寒くないけど、皆平気か?」
「平原そのものが、季節の移ろいで暑くなってきてるからな。それと相殺しあって、そんなに寒くない……寧ろ丁度いいぐらいだ」
「暑く……そういえば、目まぐるし過ぎて忘れていたが、もう七月になってしまうんだよな」
「じゃあボクら六月いっぱいここにいたんだなあ……実感湧かねえや」
「最も、あとちょっとでそれも終わるがな……」
道中でフラッグライトを三つ制圧した。完全に放置されている状態だった為、その度に警戒心が向上していく。
そして――
「……む」
「クラリア、何か聞こえたか」
「……茂みの中に誰かいる。臭いもする……臭い。かなり臭い」
「ってことは……獣人か?」
「ぶひいいいいいいいい!!!」
飛び出してきた巨体を――
「――ガルルルァ!!!」
ルシュドが炎を纏った足で迎え撃つ。
「いっ……痛あああああああああああ!!! 何しやがる!! おれ様に何しやがるんだよ!!!」
「……?」
「ああっジル様、赤く腫れておられます!!」
「今すぐ治療をいたしますので、しばし止まってはいただけ「んだと!! おれ様に指図するな痛い!!!!」
ルシュドが蹴り飛ばしたのは、光沢のある橙色の鎧を着た、猪の獣人の生徒。
蹴られた箇所を抑えながら、その場をちょこちょこと飛び回っている――さながら剣を握り立ての初心者だ。この場においてはふざけているようにも見える。
しかし本人も、その後に駆けつけてきた獣人の生徒達も、至って真面目に取り計らっていた。
「……誰?」
「何だと!!! このおれ様を、ラズ家の次期当主たるおれ様を知らないのか!!!」
「ラズ家だぁ?」
「パルズミール四貴族の一つだったか。あとはターナ、アグネビット、ロズウェリ……」
三人の視線がクラリアに向けられる。そして獣人達のも。
特にジルが向けてきたのは、とりわけ形容し難いもので――
「おお……おおお~~~~~!!! クラリアたぁぁ~~~~ん!!!」
身の毛が逆立って、警戒心を露わにしてしまうような感覚が襲う。
「ぼくちゃんねえ、クラリアたんのこといっつも考えてたんだあ!!! クラリアたんは何食べてるかなぁとか、クラリアたんはどんな服着てるかなぁとか、考えすぎて今日も寝不足なんだ!!!」
手を丸く組んで、舌をべろべろ出して、唾を撒き散らしながら、ジルがこちらを見ている。
「え、キモいんだけど……」
「……わかんない。おれ、わかんない……」
「ルシュド、あれは理解しちゃ駄目なやつだ」
「顔見知り……なんだよな?」
「……」
この間ずっと、クラリアはジルの姿をじっと見つめていたが。
「……」
「わかんねえ……」
当の本人は、それだけ呟いて、首を捻った。
「……え?」
「ぶひいいいいいいいい!! 我慢できにゃああああああああああああい!!!」
大剣に振り回されるようにして――
一切の構えを取らずジルは突撃してくる。
「なっ!? こいつ!?」
「下がれ!!」
アーサーはクラリアの前に割って入る。ジルの一撃を剣で受け止め、弾き返した。
重量差から手に痺れるような感覚が走る――
「ぶひい!! お前らは殺す!! ぼくちゃんのクラリアたんに気安く触った罰だ!!! やっちまえ!!!」
「了解しましたー!!!」
今度はジルの後ろにいた生徒達が、武器を掲げて襲ってくる。配下とか取り巻きとか、そんな単語がよく似合う。
「――何でこんなに殺意を抱いている奴しかいねえんだよ!? これ対抗戦だろ!? 生徒同士の交流を深める交流会みたいなもんだろぉー!?」
「そんなのオレだって知りたいさ!!」
「ガッ、ガルルルル、ガルルルルルルアアアアア!!!」
「ルシュド、何だって!?」
「こいつら正面から受けるよりも、回り込んで殴った方がいい、だとよ!!」
「サンキュージャバウォック!! うっし、それならボクにもできるわ!!」
「狂詩曲を響かせよ、--「円舞曲は今此処に、残虐たる氷の神よ」
突然視界の中の全てが凍り付いた。
「――ははは。あはははははは。言うことを聞かない畜生も役に立つじゃないか――」
アイボリーの鎧のパルズミールの生徒達と、対峙している後ろから。
黒い鎧のケルヴィンの生徒達が、土を踏み鳴らしてやってくる。
絶望への喇叭が吹かれたような、妙な反響を共にして。
中でも一際印象に残ったのは、黒髪に青い目をした、同学年の彼に似ている生徒――ウィルバートだ。
「皆様こんにちは。光明が見えてきた所で援軍がやってきて、さぞかしご機嫌は悪いでしょうね?」
「それは僕も同様なんですよ。蛆虫がうろちょろと飛び回りやがりまして」
「叩き潰してやる。所詮虫けらの末路なんて決まりきったこと。叩き潰してやる――!!!」
ウィルバートの赤く腫れ上がった掌から、氷の礫が飛んでくる。
「魔法……っ!?」
「補給部隊の扱いか……くそっ!!」
礫がアーサーの肘に一つ命中してしまう。
「ぐっ……」
「あれ? 他の皆はともかく、僕のやつを喰らっても微動だにしないなんて。高度な魔力耐性ですか?」
紫色に爛れて、更に赤い雫がぽたぽた落ちている。
熱を感じるので、恐らく火属性。そして色からして、闇属性も入っている。
「まあ数打てば関係ないですね。関係ないなあ!!!」
彼が左手を上げた瞬間、後ろの生徒達も続けて魔法を放つ。
八属性、ちっとも嬉しくもない選り取り見取り。
「こいつは……」
「ぶひいいいいいい!!!」
「うおおおおおおお!!!」
魔弾を避けようと、身を捻らせた。
その行く先を狙って、獣人達は突進してくる。
「しまっ――!!」
「イザーク!!」
ルシュドは走って割り込み、腕を十字にして受け止め――
そのまま腕を伸ばして、跳ね返す。
「あああああああアアアアアアア……」
「ルシュド!! オマエ……!!」
「あと少しで限界のようだなぁ!!!」
肩で息をしながら、何とか敵を睨み付ける。
「くっそー……数が多すぎる!! 物理もいる、魔法もいる、隙が見当たらねえぜ!?」
「わかってるんじゃないですか狼さん。それでしたら、貴女方に勝ち目がないことも十分にお分かりですよね?」
「クラリアたんには指一本触れさせんからな!!! ぶひいいいいいい!!!」
前にはジル、後ろにはウィルバート。
とめどなく囲まれて、頼れる味方は片手の指よりも少ない。
「嫌でしょう、不快でしょう。絶望の淵に立たされて、どうするべきか頭を巡らせるのは。だから終わりにしましょう、僕の勝ちにしましょう」
ウィルバートの右手に握られた杖が、妖しく輝く。
「夜想曲の幕を上げよ、混沌たる闇の神よ――崩滅をここに!!」
わた――俺の声が彼方まで響いたら、
さあ始めましょう――で全てがおしま――終わりだ
――ああ、やはり俺に恰好をつけるのは似合わないな
「とにかく、
安心しろ貴様等……!!!」
エリスは肩の力が抜けてしまい、持っていた飲み物を思わず落としてしまった。
「わわっ、ひしゃげたんじゃないの今?」
「え、ごめん!」
慌てて拾う。どうやら無事なようだ。
「ああ~……よかった……本当に……!!」
「本当に、急に、慣れないことするよねぇ~」
「全くだよ! 帰ったら……帰ったら……」
「お疲れ様ってやって、めいいっぱい叱ってやらなきゃ……!!」
「……ほれ。どうやら大丈夫だったみたいだぞ」
望遠鏡を降ろしながら、ジョンソンはカイルに声をかける。
すると彼の口元は緩み、不安が解かれていくように見えた。
「……ありがとうございます」
「気にするなよ気にするなぁ。他ならぬお前の頼みだもの」
「団長……」
そこにカイルに呼ばれ待機していた、ダグラスがやってくる。
「どうだ? 出撃はするのか?」
「いえ、もう結構です。友人達と合流して、安定したみたいです」
「そっか。んじゃあ馬を戻してくるよ」
「……お手数をおかけします」
「……にしてもなあ」
荷物を降ろしながら呟く。
「お前、真っ青な顔してこっち来たけど――」
「……消滅って、何のこと「ダグラス、あとはよろしくお願いしますよ」
その語気は、まるで追い立てるようで。話すことは何もないという無言の圧だ。特に逆らう理由もないので従う。
「あ……ああ、わかったよ」
<試合経過二時間 残り時間一時間>
「くそっ、くそっ、畜生がああああああ……ああああああああ!!」
机を叩き、地団駄を踏み、歯軋りをする。
「ウィルバート様、どうか落ち着いて――」
「いられるか!! くそっ、くそっ……!! どうして、どうして、連中は僕に刃向かうんだ!! 黙って地に伏していればいいものを!!」
「……戦況報告です。連中、我が軍の領土を積極的に奪っている傾向にあります」
「……へぇ?」
首を反り返したままで、目だけがぎょろぎょろ輝く。人でありながら魔物のようだ。
「あはっ、はははっ、はははははははは……いい度胸だ。無謀とも言うな――」
「――殺せ。徹底的に」
「うおおおおおお……!!」
グレイスウィルの部隊が、駐屯しているパルズミールの生徒に向かって突撃していく。
「ぬん!! どうだっ!!」
「ぬがあああああ……!!」
獣の特性を持つ獣人は、力が強ったり足が早かったり、とかく身体能力に優れている者が非常に多い。
故に肉弾戦なら、真っ向勝負で勝てる道理はない――
「あっ……?」
「一丁上がりだな!!」
戦闘している背後から、そっと一撃を加えてやる。
するとあっけなく倒れ込むものだ。
「て、てめえら、卑怯、だぞ……!!」
「警戒しないそっちが悪いってなあ!!」
その間に、フラッグライトが赤く灯される。
「これで何個目だ?」
「えーと……十六? 十六!?」
「二しか増えてねえじゃん!? いや……相手も相当焦ってるってことか……」
「……」
パルズミールの生徒のうち、治療が終わった生徒や、その場で様子を見ていた生徒が、指示を受けたのか西に向かっていく。
「……戦ってみて思ったけど。あいつら、頭を使う戦い方をしねえんだよな。結局基本は同じで、武器持ってぶつかってくるだけだ」
「じゃあやっぱりケルヴィンに変な知恵吹き込まれたのかな……」
本部では生徒会役員の生徒達が、これまた慌ただしく歩き回っている。
「オッケー。第二十は制圧済みね……そのまま南西、左下の方に向かって行って。パルズミールの辺りを制圧しちゃおう」
「んー、狙撃部隊? ここにきてか……ケルヴィンの生徒かな。今までパルズミールの生徒の肉弾戦が多くて、すっかり抜け落ちてたよ」
「狙撃部隊がいるのって第十五付近か? その近くにフリーで動ける部隊が一つあるぞ」
「マジ? じゃあそれに闇討ちしてもらおうか」
「了解。んじゃあそういうことで、今から行き先指示するぞー」
「伝令、伝令!! 残り時間は一時間を切っている!! こまめにトーチライトを打ってチマチマ領土拡大しとけよ!!」
打って変わって快郎ではきはきした声が、折り重なって緊張感を生み出している。
「……」
その中でヴィクトールは、伝声器をじっと握って立ち尽くしていた。
「ヴィクトール。九番目を制圧したぞ。このまま北に進めばケルヴィンの領域に進入できる」
「……ヴィクトール?」
『私の声が彼方まで響いたら――』
『<さあ始めましょう>で、全てがお終い――!!』
「おいヴィクトール、大丈夫か。ぼーっとしてたぞ」
「っ……」
生徒会の仲間に肩を叩かれ、はっと我に返る。
「……何でもない」
「いや何かあるだろ……」
「……」
「もしもし? もしもーし!? ボクらオマエから指示貰うのに、それがなかったらどうにもならないんだけど!?」
「アタシは北に行きたくてうずうずしてるぜー!!」
「おれ、どうする?」
「……」
顔の見える相手と、顔の見えない相手。
双方から責められてもこの胸のざわめきは収まらない。
「……ははーん。わかったぞ」
「……何がだ」
「お前、リリアン先輩みたいにやりたいんだろ。因縁の相手と一発やっときたいんだろ」
目を見開く。己の欲望を今、はっきりと感じ取って。
その間にも戦況は動く――
「……っ!?」
「どうした?」
「うっひょー!! 来たぜ来たぜ来たぜー!!」
「とびっきりの――」
後ろに飛び退いて、
「ヤバそうなヤツがさあ!!!」
和音を奏でるように手を降ろす。
「こ、れぐらい……!!」
その生徒は、頭を抱えることなく迫ってくるが、
「そんな遅さじゃ見切られちゃうぜー!!」
「……!!」
脇を抜けて、踵を返して、
「オラァ!!!」
鳩尾に魔力を込めて一発。
「が、あああああ……」
相手の生徒はイザークの一撃を受け、膝から崩れ落ちた後、そのまま立ち上がることはなかった。
「よっしゃあああああああ!! アーサー今の見てたか!? ボクやったぞ!! ボクだってやったんだぞ!!」
「……見事だったな」
「ワン!」
カヴァスと共に生徒の治療を行った後、再び伝声器に手をかける。
「ヴィクトール、オレ達は北に行く。どうせ皆で攻め込むんだ、オレ達で先陣を切り開いておくよ」
「……」
「……いいよな?」
「……ああ。だが無理はするな。無理だと感じたらすぐに撤退しろ」
「――そこはケルヴィンの、彼奴の領域なのだから」
<試合経過二時間二十分 残り時間四十分>
「――攻めてきた? 奴等が?」
ウィルバート耳を真っ直ぐに張り、報告を聞く。心は冷静になるように努める。
「はい。四人で乗り込んで来た生徒がいます。茶髪茶目、紺髪緋目、灰色の狼、金髪赤目です」
「ああ。後ろ二人は知ってる。僕に殴りかかってきた狼と、僕に屈辱を味合わせた奴二号。前二人は雑魚だね」
「……迎え撃つなら今かと」
「よし――」
その時、本部の扉が乱暴に開けられる。
「ぜえぜえぜえ……ぶひぃ!! おい、ウィルバート!! おれ様が来てやったぞ!!!」
「……ジル様」
現れた彼は、橙色の鎧を身に着けていたが、汗だくで非常に窮屈そうだった。
――本拠地付近が制圧されて、泣く泣く逃げてきたところか。
「丁度良かったです。これから彼女が来ますよ。この間申し上げた友人達と共に」
「何!!! それは本当なのか!!!!」
「貴方に嘘はつきませんとも。ええ、今から迎え撃とうと思っているのですが、ご一緒に如何です」
「勿論行くぞ!!! おれ様の強さをクラリアたんに見せ付けて、あいつらボコボコにしてやる!!!」
進入した先は恐ろしく静かだった。
外の喧騒が木々に吸収されて、さながら隔離されてしまったかのような感覚を受ける。
「……森林かぁ」
「葉の形は尖っているものが多い……針葉樹林か」
「しんよう?」
「北国にある木は大体こんななのさ。雪が積もりにくくなるらしい」
アーサー達はその中を進む。当然トーチライトを叩き付けながら。
「北に攻め込んでるから、それを再現しているのかもしれないな」
「北ってことは寒いな! アタシはもふもふしてるから寒くないけど、皆平気か?」
「平原そのものが、季節の移ろいで暑くなってきてるからな。それと相殺しあって、そんなに寒くない……寧ろ丁度いいぐらいだ」
「暑く……そういえば、目まぐるし過ぎて忘れていたが、もう七月になってしまうんだよな」
「じゃあボクら六月いっぱいここにいたんだなあ……実感湧かねえや」
「最も、あとちょっとでそれも終わるがな……」
道中でフラッグライトを三つ制圧した。完全に放置されている状態だった為、その度に警戒心が向上していく。
そして――
「……む」
「クラリア、何か聞こえたか」
「……茂みの中に誰かいる。臭いもする……臭い。かなり臭い」
「ってことは……獣人か?」
「ぶひいいいいいいいい!!!」
飛び出してきた巨体を――
「――ガルルルァ!!!」
ルシュドが炎を纏った足で迎え撃つ。
「いっ……痛あああああああああああ!!! 何しやがる!! おれ様に何しやがるんだよ!!!」
「……?」
「ああっジル様、赤く腫れておられます!!」
「今すぐ治療をいたしますので、しばし止まってはいただけ「んだと!! おれ様に指図するな痛い!!!!」
ルシュドが蹴り飛ばしたのは、光沢のある橙色の鎧を着た、猪の獣人の生徒。
蹴られた箇所を抑えながら、その場をちょこちょこと飛び回っている――さながら剣を握り立ての初心者だ。この場においてはふざけているようにも見える。
しかし本人も、その後に駆けつけてきた獣人の生徒達も、至って真面目に取り計らっていた。
「……誰?」
「何だと!!! このおれ様を、ラズ家の次期当主たるおれ様を知らないのか!!!」
「ラズ家だぁ?」
「パルズミール四貴族の一つだったか。あとはターナ、アグネビット、ロズウェリ……」
三人の視線がクラリアに向けられる。そして獣人達のも。
特にジルが向けてきたのは、とりわけ形容し難いもので――
「おお……おおお~~~~~!!! クラリアたぁぁ~~~~ん!!!」
身の毛が逆立って、警戒心を露わにしてしまうような感覚が襲う。
「ぼくちゃんねえ、クラリアたんのこといっつも考えてたんだあ!!! クラリアたんは何食べてるかなぁとか、クラリアたんはどんな服着てるかなぁとか、考えすぎて今日も寝不足なんだ!!!」
手を丸く組んで、舌をべろべろ出して、唾を撒き散らしながら、ジルがこちらを見ている。
「え、キモいんだけど……」
「……わかんない。おれ、わかんない……」
「ルシュド、あれは理解しちゃ駄目なやつだ」
「顔見知り……なんだよな?」
「……」
この間ずっと、クラリアはジルの姿をじっと見つめていたが。
「……」
「わかんねえ……」
当の本人は、それだけ呟いて、首を捻った。
「……え?」
「ぶひいいいいいいいい!! 我慢できにゃああああああああああああい!!!」
大剣に振り回されるようにして――
一切の構えを取らずジルは突撃してくる。
「なっ!? こいつ!?」
「下がれ!!」
アーサーはクラリアの前に割って入る。ジルの一撃を剣で受け止め、弾き返した。
重量差から手に痺れるような感覚が走る――
「ぶひい!! お前らは殺す!! ぼくちゃんのクラリアたんに気安く触った罰だ!!! やっちまえ!!!」
「了解しましたー!!!」
今度はジルの後ろにいた生徒達が、武器を掲げて襲ってくる。配下とか取り巻きとか、そんな単語がよく似合う。
「――何でこんなに殺意を抱いている奴しかいねえんだよ!? これ対抗戦だろ!? 生徒同士の交流を深める交流会みたいなもんだろぉー!?」
「そんなのオレだって知りたいさ!!」
「ガッ、ガルルルル、ガルルルルルルアアアアア!!!」
「ルシュド、何だって!?」
「こいつら正面から受けるよりも、回り込んで殴った方がいい、だとよ!!」
「サンキュージャバウォック!! うっし、それならボクにもできるわ!!」
「狂詩曲を響かせよ、--「円舞曲は今此処に、残虐たる氷の神よ」
突然視界の中の全てが凍り付いた。
「――ははは。あはははははは。言うことを聞かない畜生も役に立つじゃないか――」
アイボリーの鎧のパルズミールの生徒達と、対峙している後ろから。
黒い鎧のケルヴィンの生徒達が、土を踏み鳴らしてやってくる。
絶望への喇叭が吹かれたような、妙な反響を共にして。
中でも一際印象に残ったのは、黒髪に青い目をした、同学年の彼に似ている生徒――ウィルバートだ。
「皆様こんにちは。光明が見えてきた所で援軍がやってきて、さぞかしご機嫌は悪いでしょうね?」
「それは僕も同様なんですよ。蛆虫がうろちょろと飛び回りやがりまして」
「叩き潰してやる。所詮虫けらの末路なんて決まりきったこと。叩き潰してやる――!!!」
ウィルバートの赤く腫れ上がった掌から、氷の礫が飛んでくる。
「魔法……っ!?」
「補給部隊の扱いか……くそっ!!」
礫がアーサーの肘に一つ命中してしまう。
「ぐっ……」
「あれ? 他の皆はともかく、僕のやつを喰らっても微動だにしないなんて。高度な魔力耐性ですか?」
紫色に爛れて、更に赤い雫がぽたぽた落ちている。
熱を感じるので、恐らく火属性。そして色からして、闇属性も入っている。
「まあ数打てば関係ないですね。関係ないなあ!!!」
彼が左手を上げた瞬間、後ろの生徒達も続けて魔法を放つ。
八属性、ちっとも嬉しくもない選り取り見取り。
「こいつは……」
「ぶひいいいいいい!!!」
「うおおおおおおお!!!」
魔弾を避けようと、身を捻らせた。
その行く先を狙って、獣人達は突進してくる。
「しまっ――!!」
「イザーク!!」
ルシュドは走って割り込み、腕を十字にして受け止め――
そのまま腕を伸ばして、跳ね返す。
「あああああああアアアアアアア……」
「ルシュド!! オマエ……!!」
「あと少しで限界のようだなぁ!!!」
肩で息をしながら、何とか敵を睨み付ける。
「くっそー……数が多すぎる!! 物理もいる、魔法もいる、隙が見当たらねえぜ!?」
「わかってるんじゃないですか狼さん。それでしたら、貴女方に勝ち目がないことも十分にお分かりですよね?」
「クラリアたんには指一本触れさせんからな!!! ぶひいいいいいい!!!」
前にはジル、後ろにはウィルバート。
とめどなく囲まれて、頼れる味方は片手の指よりも少ない。
「嫌でしょう、不快でしょう。絶望の淵に立たされて、どうするべきか頭を巡らせるのは。だから終わりにしましょう、僕の勝ちにしましょう」
ウィルバートの右手に握られた杖が、妖しく輝く。
「夜想曲の幕を上げよ、混沌たる闇の神よ――崩滅をここに!!」
わた――俺の声が彼方まで響いたら、
さあ始めましょう――で全てがおしま――終わりだ
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「とにかく、
安心しろ貴様等……!!!」
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