元プロゲーマー、ハズレスキルで異世界最強を目指す。

サワタリ

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第1章 少年期編

第2話 元プロゲーマー、転生する

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ーーーかなり長く眠っていたようだ。
どこで眠ってしまったかも覚えていない。
というか、大会が終わったあたりから記憶がだいぶ怪しい。
……何をしてたんだっけ?

ーーいや、思い出した。
チームをクビになって、酒でも買いに、と家を出たんだった。
どうも飲みすぎて記憶を飛ばした挙句、どこかで寝てしまったらしい。
まあヤケ酒をするにはもってこいの状況だったけど。
飲みすぎたせいか目もぼやけてよく見えない。

「……ce!………ay?」
よく聞き取れないが、誰かが話している。
……もしかして俺、倒れた挙句に介抱までしてもらったのか!?
物凄く申し訳ない気持ちになってきたぞ。
お礼とかってやっぱしないとまずいよな……
現金とかがこういう時っていいのかな?それとも菓子折り?

などと考えながら体を起こそうとして、自分の身に起きている異常に気がついた。

ーーいや、待ってくれ。
かなりまずい異変に気づいてしまった。
………なぜか、
パニックになりそうだが、一旦冷静になれと自分に言い聞かせる。

ーーーしばらく考えを巡らせた結果、
もしかすると俺が今いるここは病院なんじゃないか、という結論に至った。

酔っ払って事故にでも遭って運び込まれた、
そう考えれば色々と都合はあう。
体が上手く動かないってことは、結構酷い怪我をしてる可能性が高い……
もはや痛みも感じてないレベルだ。

……最悪だな。
自分の行いが悪いと言われればそれまでだが。
ともかく、一体ここはどこで、自分はどういう状況なのかを把握しなければ。

ーーーしばらくすると、ようやく目が慣れてきた。
最初に目に入ったのは、知らない茶髪と金髪の男女だった。
どうやら最近の医者は金髪もOKらしい。
こちらを笑顔で見つめている。
命があってよかったといったところだろうか。


次に目に入ったのは建物の天井と内装だった。
……木造の普通の家だ。
とてもじゃないが病院には見えなかった。

更に考えを巡らせるが、いよいよ状況がわからない。

整合性が全く取れない状況のせいで、自分でもよくわからない現実味のない思考に陥った。

その直後だった。
不意に視界に入ってきた信じられないものによって、俺はようやく答えに至った。
現実は、より現実味のないものだった。

見えたのは、自分の手だ。
それは見慣れたいつもの手じゃなく、だった。

ーーなるほど、鈍い俺でもようやくわかった。
これって所謂"転生"ってやつだ……!
生まれたての赤ちゃんであったのなら身に起きていた現象に全て説明がつく。

小説とかアニメで流行ってたから、俺でも知ってる。まさか自分が当事者になるとは思ってもなかったけどね。
仏教の輪廻転生は正しかった!我が身をもってして証明してしまった。

というか俺、死んだのか。
死因は全く身に覚えがないけど、人生って本当にあっけないもんなんだと実感するな。

短い人生だったから、心残りが二つほどある。
28歳にもなるのに童貞のまま逝ってしまったこと、そしてチームのその後だな。
童貞なのは色々あって女性恐怖症だったからだし別にいいんだけど。

チーム、大丈夫かなぁ……
世界大会、行けてると良いけどな。頑張れ、レイドくん、ゴッデス鈴木くん。

まぁ死んでしまったものは仕方ないし、せっかく2回目のチャンスが巡ってきた事だから今世を頑張って生きるとしよう。

さて、すると目の前のこの二人は俺の両親ってとこか。
茶髪のCV.平田弘明っぽそうな顎鬚のあるイケメンが父親。
金髪碧眼のCV.小清水亜美っぽい気の強そうな美人が母親と。
どちらも20代後半といった見た目だ。

見た目的に二人とも日本人ではなさそうだし、ここは日本ではないんだろう。
言葉も全然日本語っぽくないし。

そんなことを考えていると腹の虫が鳴り始めた。
ある程度の状況が把握できて、安心したのか急激にお腹が空いてきた。
人間どんな状況でも腹は減るんだな。

……いや思ったより赤子の空腹って辛いな!?
“このままだと死ぬ!"と感じるレベルの空腹だ。
これは赤ちゃんが泣くのも理解できる。

とりあえず空腹を訴えねば。死んでしまう。

「……ぁう、あぁう!」
言葉が言葉にならなかった。まあ体は赤ちゃんだしね。
「……!Aze yoh honqry?」
言葉はわからないが、どうやらお腹が空いていることは伝わったらしい。

すると、母親であろう女性に優しく抱えあげられ……

……oh、こうも至近距離に女性の胸が……!

記憶にある中で直接見たのは初めてかもしれない。
母親だからだろうか、興奮とかは全くなかったね。ちょっと感動はあったけど。

それよりも、女性に対する恐怖感が出なかったことに驚いた。
今までの俺なら女性と目が合うだけで吐き気がしていたんだけど、この新しい身体のおかげだろうか?
なんにせよありがたい話だな。

とにかく今は大して動けないし、することも無いから言葉を覚えることが最優先事項だな。

リスニングのお勉強気分で両親の会話を聞いていると、空腹が満たされたこともあり、また眠ってしまった。
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