10 / 12
プレゼント その3 まだ終わらない
しおりを挟む
風呂入って、いつもはビールに行くところを今日はコーヒーとケーキにする。
秋のフルーツタルトは切り分けてもすごいボリュームだ。
甘いものは基本的に苦手な禄郎だがフルーツは大丈夫だ。
ろうそくを6本立てる。
「ほら、消せ」
ふーーっ!
「誕生日おめでとう」
「ありがと! 食っていい? いただきます」
「子どもかw」
「うっま!」
と夢中で食べている。
これなら二人で食べきれそうだ。
まったり寛いでいるとなんとなくそんな雰囲気になる。
「いい?」
俺の腰を抱き寄せ、禄郎が甘く囁く。
「誕生日だからいいと言ってやりたいけど、明日も仕事だからな」
「そっか……そうだよな……」
「ごめんな、週末まで待ってて」
きらりと禄郎の目が光る。
貪欲すぎるだろw
「じゃあキスだけ」
「うん」
ケーキの甘さの余韻が残っているかのようなキス。
つい、エスカレートしそうになる。
「俺片付けしておくから先寝ろよ」
「いいのか?」
「誕生日の主役は何もしなくていいんだよ」
「そんじゃお言葉に甘えて先寝るな」
「おう、おやすみ」
「ん」
禄郎が寝室に行った。
俺は急いで片付けを終える。
禄郎、誕生日はまだ終わってないぞ。
寝室に入ると禄郎はまだ起きていた。
「禄郎」
「京佐片付け終わったのか? 寝るか」
「こっち見てみ」
「え?」
禄郎が振り返る。
「え……なにそれ……」
禄郎が飛び起きる。
俺は高校の制服を着ていた。
「いつだったか制服姿見てみたかったって言ってただろ? まだ着られたよw」
「え……え? 制服? ええ?」
「どうよ? やっぱ痛いか」
「全然! なんかかっこよくね? その制服」
「そう、制服人気ランキング上位高」
「なにそれ! やばっ! めっちゃテンション上がる!」
「うはは!」
「つーか、制服のボタン全部付いてんじゃん。京佐モテなかったのか? かわいそうに」
ふふん。
「なによ、そのドヤ顔は」
「うちの制服人気だって言っただろ?」
「言ったな」
「卒業すると制服売ってくれって言われるんだよ」
「マジ?」
「マジ。卒業したら必要なくなるから売っちゃうやつも結構いるんだけど、ボタンとか欠けてると買取金額が下がる」
「なるほど」
「だからボタンは貰わないのがうちの高校の暗黙のルール」
「そんなルール聞いたことねえわ」
「だからフルで揃ってんの」
禄郎がベッドから降りて俺に抱きつく。
「京佐、めっちゃかっこいいじゃん、絶対モテただろ」
「どうかな」
「俺なら惚れる」
「ふっ」
「俺、やばいくらい興奮してるんだけどお預け?」
「なあ、禄郎」
「お預け?」
「ちょっと待ってて」
「なに?」
俺はクローゼットを開ける。
「これ見覚えない?」
「え!? 俺の制服じゃん! なんでここにあんの?」
「禄郎のお母さんに頼んで俺の実家に送ってもらった」
「え?」
「みんなでハロウィンに制服着てコスプレするって言ったら『バカなことするわねえ』って言いながら送ってくれたよ」
「何してんだよ、お前w」
「ちゃんとクリーニングしてある」
「本当に京佐がバカすぎるw」
「着てるところ見たい、着てよ」
「は?」
「禄郎のも見たい」
「マジか」
そう言いながらも誕生日の主役はノリがいいので制服を着てくれた。
「着られた……」
「いいな」
「そうか? いい歳して痛いな」
「めっちゃいい、やばい」
「京佐の方がやべえだろ、かっこよすぎ」
「制服の破壊力すげえ」
禄郎をハグする。
「この頃には戻れないけど、少し昔の禄郎が見られた気がして嬉しい」
「俺も。まさか京佐の制服姿見られるとは思わなかった」
見つめ合う。
自然と唇を寄せる。
「やば……なんか照れる」
「悪いことしてる気がする」
また見つめ合う。
もっともっと深くキスする。
禄郎が俺をベッドに押し倒す。
「このまましていい?」
「最初からそのつもり……」
「京佐……」
「誕生日おめでとう、禄郎」
秋のフルーツタルトは切り分けてもすごいボリュームだ。
甘いものは基本的に苦手な禄郎だがフルーツは大丈夫だ。
ろうそくを6本立てる。
「ほら、消せ」
ふーーっ!
「誕生日おめでとう」
「ありがと! 食っていい? いただきます」
「子どもかw」
「うっま!」
と夢中で食べている。
これなら二人で食べきれそうだ。
まったり寛いでいるとなんとなくそんな雰囲気になる。
「いい?」
俺の腰を抱き寄せ、禄郎が甘く囁く。
「誕生日だからいいと言ってやりたいけど、明日も仕事だからな」
「そっか……そうだよな……」
「ごめんな、週末まで待ってて」
きらりと禄郎の目が光る。
貪欲すぎるだろw
「じゃあキスだけ」
「うん」
ケーキの甘さの余韻が残っているかのようなキス。
つい、エスカレートしそうになる。
「俺片付けしておくから先寝ろよ」
「いいのか?」
「誕生日の主役は何もしなくていいんだよ」
「そんじゃお言葉に甘えて先寝るな」
「おう、おやすみ」
「ん」
禄郎が寝室に行った。
俺は急いで片付けを終える。
禄郎、誕生日はまだ終わってないぞ。
寝室に入ると禄郎はまだ起きていた。
「禄郎」
「京佐片付け終わったのか? 寝るか」
「こっち見てみ」
「え?」
禄郎が振り返る。
「え……なにそれ……」
禄郎が飛び起きる。
俺は高校の制服を着ていた。
「いつだったか制服姿見てみたかったって言ってただろ? まだ着られたよw」
「え……え? 制服? ええ?」
「どうよ? やっぱ痛いか」
「全然! なんかかっこよくね? その制服」
「そう、制服人気ランキング上位高」
「なにそれ! やばっ! めっちゃテンション上がる!」
「うはは!」
「つーか、制服のボタン全部付いてんじゃん。京佐モテなかったのか? かわいそうに」
ふふん。
「なによ、そのドヤ顔は」
「うちの制服人気だって言っただろ?」
「言ったな」
「卒業すると制服売ってくれって言われるんだよ」
「マジ?」
「マジ。卒業したら必要なくなるから売っちゃうやつも結構いるんだけど、ボタンとか欠けてると買取金額が下がる」
「なるほど」
「だからボタンは貰わないのがうちの高校の暗黙のルール」
「そんなルール聞いたことねえわ」
「だからフルで揃ってんの」
禄郎がベッドから降りて俺に抱きつく。
「京佐、めっちゃかっこいいじゃん、絶対モテただろ」
「どうかな」
「俺なら惚れる」
「ふっ」
「俺、やばいくらい興奮してるんだけどお預け?」
「なあ、禄郎」
「お預け?」
「ちょっと待ってて」
「なに?」
俺はクローゼットを開ける。
「これ見覚えない?」
「え!? 俺の制服じゃん! なんでここにあんの?」
「禄郎のお母さんに頼んで俺の実家に送ってもらった」
「え?」
「みんなでハロウィンに制服着てコスプレするって言ったら『バカなことするわねえ』って言いながら送ってくれたよ」
「何してんだよ、お前w」
「ちゃんとクリーニングしてある」
「本当に京佐がバカすぎるw」
「着てるところ見たい、着てよ」
「は?」
「禄郎のも見たい」
「マジか」
そう言いながらも誕生日の主役はノリがいいので制服を着てくれた。
「着られた……」
「いいな」
「そうか? いい歳して痛いな」
「めっちゃいい、やばい」
「京佐の方がやべえだろ、かっこよすぎ」
「制服の破壊力すげえ」
禄郎をハグする。
「この頃には戻れないけど、少し昔の禄郎が見られた気がして嬉しい」
「俺も。まさか京佐の制服姿見られるとは思わなかった」
見つめ合う。
自然と唇を寄せる。
「やば……なんか照れる」
「悪いことしてる気がする」
また見つめ合う。
もっともっと深くキスする。
禄郎が俺をベッドに押し倒す。
「このまましていい?」
「最初からそのつもり……」
「京佐……」
「誕生日おめでとう、禄郎」
20
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
雪色のラブレター
hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。
そばにいられればいい。
想いは口にすることなく消えるはずだった。
高校卒業まであと三か月。
幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。
そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。
そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。
翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
悋気応変!
七賀ごふん
BL
激務のイベント会社に勤める弦美(つるみ)は、他人の“焼きもち”を感じ取ると反射的に号泣してしまう。
厄介な体質に苦しんできたものの、感情を表に出さないクールな幼なじみ、友悠(ともひさ)の存在にいつも救われていたが…。
──────────
クール&独占欲強め×前向き&不幸体質。
◇BLove様 主催コンテスト 猫野まりこ先生賞受賞作。
◇プロローグ漫画も公開中です。
表紙:七賀ごふん
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる