霧晴れる時、君は

秋臣

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ワード できる

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湊くんが言ってることが本気でわからなくて家に帰ってから、
【男同士 できる】で検索してみた。
ワードがこれで合ってるのかわからないけど。
すると同性婚のことが出てきた。
これのこと?
ええ……結婚? 無理だよ、高校生だもん。
湊くん、そんなこと考えてるの?
飛躍しすぎてない?
これちゃんと確かめた方がいいよね?


数日後。
「湊くん、今日昼休み空いてる?」
「空いてるよ、どうした?」
「話あるんだけど」
「いつものところじゃダメなのか?」
「うん、ちょっと」
「そうだな……西校舎の階段のところは?」
「うん、わかった」

西校舎は昼休みに来る人がほとんどいないから話せる。
階段に座って待っていると、
「ごめん、待たせた?」
と湊くんが走ってきた。
「ゆっくりでいいのに」
と笑うと、
「早く会いたいじゃん」
と湊くんも笑う。

「で、どうした?」
「あのさ、湊くん、俺無理だと思うよ」
「え? なに?」
「だから、この先は無理だと思う」
「え、わかんない、悠馬なに?」
「湊くんが言ってたこの先って同性婚のことでしょ? 俺は結婚なんて考えられないよ」
「ちょっと待って。結婚? え?」
「結婚、同性婚。湊くんが言ったんだよ」
「言ってないよ?」
「言ったよ、止まらなくなるって。
この先なんてないよって俺言ったけど、湊くんできるって言ったよ?」
「あ……」
そう言うと腹抱えて湊くんは笑い出した。

「なんで笑ってんの?」
ちょっとムッとする。
「いや……ごめん……ちょっと笑いすぎてお腹痛い……」
ヒーヒー言ってる。
「もういいよ、そんなに笑うならもう話さない」
立ち上がって教室に帰ろうとすると、腕を掴んで引き止める。
「ごめんて、怒んないでよ」
やっと笑いが収まると、湊くんはちょっと真顔になって、
「悠馬、この先って結婚じゃなくてセックスのこと」

「え?」
「引くかもしれないけど聞いて。
俺、悠馬とセックスしたいって思ってる」
自分の勘違いに顔が赤くなるのがわかった。めちゃくちゃ恥ずかしい。
男同士でセックスなんて思いもしなかった。
っていうかできないでしょ?

「ほら、そういう顔するから俺止まらなくなるって言ったの。俺はずっと悠馬を抱きたくて仕方がない」
「え、だって男同士だから無理……」
「できるんだよ」
「できないよ?」
「ケツ使うんだよ」
「!!!!」
いやいやいやいや無理に決まってるじゃん!
そこに入れるってこと? 無理だよ、入るわけないじゃん、出口だよ?
男同士で交わってる画像とかは見たことあるけど擦り合ってるんだと思ってた。
「ね? そういう反応になるでしょ? だから悠馬が無理なら俺はしないよ」
精神的な無理より身体的な無理だろ、それ。

「こういう話したことなかったけど、悠馬は女の子としたことある?」
「ある」
「あるのかあ、ムカつくな」
「なんでよ」
「悠馬は俺のじゃん。過去でも嫌だ」
「自分だってあるでしょ?」
「あるけど俺はいいの」
なんでだよ。

「悠馬が俺を抱きたいなら俺はそれで構わないよ。どっちだっていいんだ、俺は。相手が悠馬ならどっちでもいい」
俺が? 湊くんを抱く?
背は10cm近く違うし、湊くんはガッチリしてて体格差もある。
想像しようとしたけど、そもそも男同士のセックスが想像できなくて詰んだ。

「抱きたいでも抱かれたいでも、悠馬が思う方でいい。いつか悠馬とそうなれたらって思ってるだけだよ」
「今も思ってるの?」
「いつも思ってる」
「……」
「嫌ならしないから」
「うん、わかってる」
「俺、悠馬となら結婚もしたい」
「は?」
「なんで? ダメ?」
「そんなの……」
「それくらい好きってこと」
「……うん」
「ねえ、悠馬、キスしていい?」
「ここ学校だよ?」
「でも誰もいないし、いい?」
「ちょっとだよ」
「うん」
ちゅっと軽く触れる。
「あーダメだ、もっと大切にしたいし優しくしたい!」
「してるよ?」
「好き、大好き」
「うん」
「悠馬は?」
「……好き」
「言ってくれた! 嬉しい!」
あんまり嬉しそうにしてるから思わず湊くんに抱きつくと、
「ウソ……マジで?」
「ダメだった?」
「止まらなくなったらどうするんだよ……」

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