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俺がいなければ
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「話が逸れたな、ここからが本題」
「うん」
「俺な、昔、京と付き合ってたんだ」
「嘘!?」
え? 付き合ってたってなに? 付き合う?
男同士で? 付き合うって好きってこと?
え? ええ!?
え? 頼って……
「頼は男が好きなの?」
「うーん、男が好きっていうより、その時好きになったのが男だったってことかな」
「それが京さん?」
「そう」
「いつ?」
「随分前だぞ、まだお前のお母さんが生きてた頃だから」
「今は付き合ってないの?」
「さっき見てたんだろ? 付き合ってないよ」
「なんで?」
「なんで、かあ。うーん、他に大好きな人がいるから」かな
「浮気?」
「お前、そんな言葉知ってんの?w
浮気じゃねえよ」
「京さんより好きなの?」
「うん」
あ……この感じ、ざわざわする感じ……
頼がどこかに行っちゃうの?
俺一人になっちゃうの?
怖い……
また怖くなる。
「……誰?」
「才」
「え?」
「才が大切、大好き」
「……」
「なんで泣く?」
笑いながら頭をポンポンしてくれる。
頼は京さんと付き合ってた、お母さんが生きてた頃に。
京さんは俺のこと邪魔って言った。
頼はもう付き合ってないって言った。
繋がりそうで繋がらない、こんがらがる。
「お前がいるから俺は……」
京さん、そう言ってた。
俺がいるから?
俺が頼のそばにいるから?
「ねえ、頼」
「ん?」
「いつ京さんと別れたの?」
「いつだったかな」
鼻を触る。
頼が誤魔化してる時の癖。
「俺と一緒に住んでるから?」
ふっと笑う。
「昔のことだ」
俺のせい……
やっぱり俺が邪魔したんだ……
「ごめんなさい……」
「おい、なんで謝るんだ?」
「俺のせいで京さんと別れたんでしょ?」
「俺が選んだんだ、才のせいじゃない」
「でも俺がいなければ……」
バチン!
「痛え!」
デコピンを喰らった。
「なにすんだよ!」
「俺がいなければなんて二度と言うな!
俺が才と暮らしたいんだ、文句あるのか!」
「あるよ! 俺のせいで頼、幸せになれないんでしょ? そんなの嫌だ!」
バチン!
「痛えって!」
また喰らった。
「黙れ! 俺は今めちゃくちゃ幸せだ!」
「だって……」
「才と一緒に住んで、仕事もできて、じいちゃんとばあちゃんに助けてもらってこんないい家まで建てた。ローンだって頑張れる。お母さんの夢を叶えられた。これ以上の幸せあるかよ!」
「だって……」
ほら、また涙が止まらなくなる。
「才が大切なんだ、お前が大きくなるまで俺はお前と楽しく暮らす」
「大きくなったら一緒に住んだらダメなの?」
「いや、ずっと一緒なら俺が楽しい、俺が喜ぶ」
「頼、子どもみたい」
いつもはそれぞれの部屋で寝るけど、今夜は和室に布団を敷いて二人で寝た。
「ねえ、頼」
「ん?」
「俺、怖かったけど京さん嫌いじゃないよ」
「……」
「俺のこと邪魔って言ってたけど、頼のこと好きならそう思うよね?」
「……お前、一丁前の口きくね」
「京さんと付き合いたいなら付き合っていいよ」
「許可制かよw」
「いいよ」
「いや、もう終わったことだ」
「京さん、またお店来てくれるかな?」
「どうだろうな、もう来ないんじゃねえかな」
「売上げ落ちちゃうね」
「ふっ そうだな、それは困るな」
「困るね」
「宣伝頑張らないとな」
「ねえねえ、見上さんの観音様はまだ完成しない?」
「図案ではもうすぐ完成だけど、お前が足しただろ?」
「もっと足そうよ」
「お前、悪い奴だなw」
その日から京さんは店に来なくなった。
「うん」
「俺な、昔、京と付き合ってたんだ」
「嘘!?」
え? 付き合ってたってなに? 付き合う?
男同士で? 付き合うって好きってこと?
え? ええ!?
え? 頼って……
「頼は男が好きなの?」
「うーん、男が好きっていうより、その時好きになったのが男だったってことかな」
「それが京さん?」
「そう」
「いつ?」
「随分前だぞ、まだお前のお母さんが生きてた頃だから」
「今は付き合ってないの?」
「さっき見てたんだろ? 付き合ってないよ」
「なんで?」
「なんで、かあ。うーん、他に大好きな人がいるから」かな
「浮気?」
「お前、そんな言葉知ってんの?w
浮気じゃねえよ」
「京さんより好きなの?」
「うん」
あ……この感じ、ざわざわする感じ……
頼がどこかに行っちゃうの?
俺一人になっちゃうの?
怖い……
また怖くなる。
「……誰?」
「才」
「え?」
「才が大切、大好き」
「……」
「なんで泣く?」
笑いながら頭をポンポンしてくれる。
頼は京さんと付き合ってた、お母さんが生きてた頃に。
京さんは俺のこと邪魔って言った。
頼はもう付き合ってないって言った。
繋がりそうで繋がらない、こんがらがる。
「お前がいるから俺は……」
京さん、そう言ってた。
俺がいるから?
俺が頼のそばにいるから?
「ねえ、頼」
「ん?」
「いつ京さんと別れたの?」
「いつだったかな」
鼻を触る。
頼が誤魔化してる時の癖。
「俺と一緒に住んでるから?」
ふっと笑う。
「昔のことだ」
俺のせい……
やっぱり俺が邪魔したんだ……
「ごめんなさい……」
「おい、なんで謝るんだ?」
「俺のせいで京さんと別れたんでしょ?」
「俺が選んだんだ、才のせいじゃない」
「でも俺がいなければ……」
バチン!
「痛え!」
デコピンを喰らった。
「なにすんだよ!」
「俺がいなければなんて二度と言うな!
俺が才と暮らしたいんだ、文句あるのか!」
「あるよ! 俺のせいで頼、幸せになれないんでしょ? そんなの嫌だ!」
バチン!
「痛えって!」
また喰らった。
「黙れ! 俺は今めちゃくちゃ幸せだ!」
「だって……」
「才と一緒に住んで、仕事もできて、じいちゃんとばあちゃんに助けてもらってこんないい家まで建てた。ローンだって頑張れる。お母さんの夢を叶えられた。これ以上の幸せあるかよ!」
「だって……」
ほら、また涙が止まらなくなる。
「才が大切なんだ、お前が大きくなるまで俺はお前と楽しく暮らす」
「大きくなったら一緒に住んだらダメなの?」
「いや、ずっと一緒なら俺が楽しい、俺が喜ぶ」
「頼、子どもみたい」
いつもはそれぞれの部屋で寝るけど、今夜は和室に布団を敷いて二人で寝た。
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「俺、怖かったけど京さん嫌いじゃないよ」
「……」
「俺のこと邪魔って言ってたけど、頼のこと好きならそう思うよね?」
「……お前、一丁前の口きくね」
「京さんと付き合いたいなら付き合っていいよ」
「許可制かよw」
「いいよ」
「いや、もう終わったことだ」
「京さん、またお店来てくれるかな?」
「どうだろうな、もう来ないんじゃねえかな」
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「宣伝頑張らないとな」
「ねえねえ、見上さんの観音様はまだ完成しない?」
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「お前、悪い奴だなw」
その日から京さんは店に来なくなった。
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