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デート
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翌朝起きて、リビングに行くとダイニングテーブルに朝食が用意してあった。
あんなことがあったのに作ってくれた……
頼を探す。
部屋にはいなかった。
店?
中から音がする。
「頼? おはよう」
「……」
「……朝食ありがとう、いただきます」
そう声をかけて朝食を取る。
今日は学校行かないと。
本当はこんな気持ちで行きたくないけど、やるべきことをやらないといけない気がする。
食器を片付けて、再び店のドアの前に行き声をかける。
「頼、ごちそうさまでした。
学校行くね、行ってきます」
返事はなかった。
大人げなさすぎる。
「挨拶はどんなことがあっても、誰に対してもちゃんとしろ」
そう教えてきた。
才は真っ直ぐそれを守って育った。
学校の通知表にはいつも、
「才くんはいつでも誰にでもきちんと挨拶ができますね」
と書かれていた。嬉しかった、自慢だった。
昨日の今日で気まずいのは才も同じだ。
それでもきちんと挨拶をした。
それなのに俺は……
大人げない……
仕事しよう。
今日も予約が入ってる。
今日は……見上さんか。
「よう! 頼ちゃん」
「こんにちは」
「ん? 具合でも悪いのか?」
なんでわかるんだ……
「……あの、見上さん、せっかく来てもらったのに申し訳ないが、今日の施術、こちらの都合でキャンセルさせてもらえないでしょうか」
常連の見上さんに対して甘えが出てしまった。
「どうした? 風邪でも引いたか?」
「いえ……すみません……」
「体調悪いわけではないんだな?」
「……はい、本当にすみません……」
「この後客いるか?」
「いえ、今日は見上さんだけです」
「頼ちゃん、俺とデートしねえか?」
「え?」
見上さんがかわいらしい笑顔を見せた。
店を閉め、見上さんの車に乗せられる。
どこに行くんだ?
車は15分ほど走り深町さんがコインパーキングに車を停める。
ここどこ?
「頼ちゃん、こっちだ」
古い喫茶店だった。
カランコロンとベルが鳴る。目の前には懐かしい感じの店内が広がっている。
「こっちな」
とそっちには行かず、横の細い通路を進む。
すると店内の端の席にワープした。
そこだけ囲いがしてある。
「あきちゃん、いらっしゃい」
70代くらいの老夫婦が見上さんに話しかける。
あきちゃん?
「いつもの三つもらえる?」
「三つね」
深町さんは少し離れたところに座っていた。
「ここ来たことあるか?」
「ないです、初めてです」
「もう40年近くやってる店なんだよ」
「へえ」
「親父によく連れてこられたんだ」
親父ってどっちの親父だ?
カタギか? そっちか?
「お待たせ」
運ばれてきたのは昔ながらのプリンとコーヒーだった。
「美味いぞ」
「あきちゃんは本当にこれが好きね」
とご夫婦が笑ってる。
「ここのが一番美味い」
「頼ちゃん、食え」
「はい、いただきます……」
「深町も食え」
「ありがとうございます、いただきます」
しっかりとしたプリンだ、カラメルがたっぷりとかかってて、上に生クリームとさくらんぼが乗っかってる。
さくらんぼをひょいっとつまんで食べると、見上さんが笑う。
「頼ちゃんはさくらんぼを先に食べるんだな」
「見上さんは違うんですか?」
「俺は最後だ」
ふっ
プリンを食べる。
卵の味がちゃんとするカスタードプリン、美味いなあ。
「美味しいですね」
「だろ? 少し固めなのがいいんだよ」
「わかります」
コーヒーも飲んでみる。
あ、好きなコーヒーだ。
「俺、このコーヒー好みです」
「この店のオリジナルブレンド、酸味が少ないんだよ」
あ……才好きそうだな。
才……
手が止まる。
あんなことがあったのに作ってくれた……
頼を探す。
部屋にはいなかった。
店?
中から音がする。
「頼? おはよう」
「……」
「……朝食ありがとう、いただきます」
そう声をかけて朝食を取る。
今日は学校行かないと。
本当はこんな気持ちで行きたくないけど、やるべきことをやらないといけない気がする。
食器を片付けて、再び店のドアの前に行き声をかける。
「頼、ごちそうさまでした。
学校行くね、行ってきます」
返事はなかった。
大人げなさすぎる。
「挨拶はどんなことがあっても、誰に対してもちゃんとしろ」
そう教えてきた。
才は真っ直ぐそれを守って育った。
学校の通知表にはいつも、
「才くんはいつでも誰にでもきちんと挨拶ができますね」
と書かれていた。嬉しかった、自慢だった。
昨日の今日で気まずいのは才も同じだ。
それでもきちんと挨拶をした。
それなのに俺は……
大人げない……
仕事しよう。
今日も予約が入ってる。
今日は……見上さんか。
「よう! 頼ちゃん」
「こんにちは」
「ん? 具合でも悪いのか?」
なんでわかるんだ……
「……あの、見上さん、せっかく来てもらったのに申し訳ないが、今日の施術、こちらの都合でキャンセルさせてもらえないでしょうか」
常連の見上さんに対して甘えが出てしまった。
「どうした? 風邪でも引いたか?」
「いえ……すみません……」
「体調悪いわけではないんだな?」
「……はい、本当にすみません……」
「この後客いるか?」
「いえ、今日は見上さんだけです」
「頼ちゃん、俺とデートしねえか?」
「え?」
見上さんがかわいらしい笑顔を見せた。
店を閉め、見上さんの車に乗せられる。
どこに行くんだ?
車は15分ほど走り深町さんがコインパーキングに車を停める。
ここどこ?
「頼ちゃん、こっちだ」
古い喫茶店だった。
カランコロンとベルが鳴る。目の前には懐かしい感じの店内が広がっている。
「こっちな」
とそっちには行かず、横の細い通路を進む。
すると店内の端の席にワープした。
そこだけ囲いがしてある。
「あきちゃん、いらっしゃい」
70代くらいの老夫婦が見上さんに話しかける。
あきちゃん?
「いつもの三つもらえる?」
「三つね」
深町さんは少し離れたところに座っていた。
「ここ来たことあるか?」
「ないです、初めてです」
「もう40年近くやってる店なんだよ」
「へえ」
「親父によく連れてこられたんだ」
親父ってどっちの親父だ?
カタギか? そっちか?
「お待たせ」
運ばれてきたのは昔ながらのプリンとコーヒーだった。
「美味いぞ」
「あきちゃんは本当にこれが好きね」
とご夫婦が笑ってる。
「ここのが一番美味い」
「頼ちゃん、食え」
「はい、いただきます……」
「深町も食え」
「ありがとうございます、いただきます」
しっかりとしたプリンだ、カラメルがたっぷりとかかってて、上に生クリームとさくらんぼが乗っかってる。
さくらんぼをひょいっとつまんで食べると、見上さんが笑う。
「頼ちゃんはさくらんぼを先に食べるんだな」
「見上さんは違うんですか?」
「俺は最後だ」
ふっ
プリンを食べる。
卵の味がちゃんとするカスタードプリン、美味いなあ。
「美味しいですね」
「だろ? 少し固めなのがいいんだよ」
「わかります」
コーヒーも飲んでみる。
あ、好きなコーヒーだ。
「俺、このコーヒー好みです」
「この店のオリジナルブレンド、酸味が少ないんだよ」
あ……才好きそうだな。
才……
手が止まる。
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