ゆらり、揺れる

秋臣

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かわす

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ジムへは週に3回ほど通っているが、最初は筋肉痛が酷くて次の日が辛かった。
週末は運動不足のツケで体がガチガチになっていて、この週末で回復してくれよと家でもストレッチをしている。


土曜日、由尭くんが部屋に来た。
先週来られなかったからか、いつも以上にスキンシップが多い。
まだジム通いを始めたばかりで効果は出ていない。
セックス断ちしたい、そう言い出したいのだが、勘繰られるよなあ。


昼間から求められる。
「一絃さん、いい?」
「うーん、ダメ」
「なんで?」
どうして断るのか全くわからないという顔をしている。
「真昼間だぞ」
「昼間だからダメなの? 夜ならいいの?」
「夜もダメ」
「なんでよ!」
納得いかないという顔をしてる。
だよな。

「大人はそんなにしなくてもいいんだよ」
「それなら子どもでいい」
と不貞腐れる。
「いつも『子ども扱いしないでください!』って怒るくせに」
「それはそれです」
「都合がいいな。とにかく今日は無し」
「なんで? やだ」
そう言って顔中にキスをしてくる。
「落ち着け」
「やだ!」
全く困った子だな。
「ダメだ」
「本当は一絃さんだってしたいでしょ?」
うっ……

こんな調子でセックス断ちなんてできるのだろうか。
俺が強く拒否するしかないのかな。
丹羽も沢渡さんも頑張れと言ってくれる。仲間がいるのは心強いし、二人の手前、早々に根を上げるのも悔しい、成果を見せたいという気持ちが強くなってる。
継続させたいから頑張る。
だからセックス断ちも頑張る。


話題を変えよう。
「そうだ、由尭くん、買い物に付き合ってくれないか?」
「買い物ですか?何買うんですか?」
少し気が逸れてくれたようだ。
「炊飯器と鍋を買いたいんだ」

丹羽に、
「全然自炊しないんですか? 炊飯器もない? え? 包丁もまな板もない?
うわあ……」
と呆れられた。
やっぱりまずいよな。
「一絃さんの部屋、調理できる家電、電子レンジと電気ポットしかないですもんね」
そうなのだ、電子レンジと電気ポットと冷蔵庫しかキッチンに置いてないのだ。
「うん、だから買おうかなと思って。
ネットでもいいんだけど、いっぱいあって良くわからなくて」
「どうしたんですか? 急に」
それ以上突っ込まれるとまずい。

「朝食べてないと言ったら丹羽に食べた方がいいと言われて」
すまん、丹羽、名前借りたぞ。
「朝食食べた方がいいですよ、俺も気になってました」
「そうみたいだな。でも料理できないから米が炊ければなんとかなるかなって。
あとゆで卵もいいって聞いたからそれを作るために鍋が欲しい」
「あと、まな板と包丁もあった方がいいですよ」
そうか、それすらなかったんだ。
「それは家電量販店で全部揃うか?」
「あーどうだろう、行ってみますか?」
「選んでもらえると助かる」
「はい!」
頼られると由尭くんはすごく喜ぶ。
「じゃあ、炊飯器を置く場所の寸法測りましょう」
あ、そっか、そういうことも必要なのか。
俺、全然ダメだな。
そんな俺を見て由尭くんは嬉しそう。
「俺いないとダメですね」
そうだな。
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