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お揃い
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一緒に出かけたりするのは避けてきたから、買い物に付き合ってくれと言われたのがよほど嬉しかったらしい。
「もし、知り合いにあったら偶然を装いましょう」
と言ってくれた。
すまないと思う。
大っぴらにしたくないと俺が言ったせいでしなくていい我慢を強いていることに。
「嫌な思いをさせてすまない」
と謝ると、
「俺がそれでいいと望んだことです」
そう言ってくれる由尭くんの優しさに甘えてしまう。
炊飯器は持ち帰ることができるみたいなので車で行くことにした。
「俺も一人暮らしした時のためによく見ておこう」
と真剣に選んでくれる。
「あまり高機能じゃなくていいぞ。使いこなせないから簡単なのがいい」
「わかりました」
由尭くんは俺の希望を聞いて店員さんに相談する。
いくつか選んでくれたものの中から、由尭くんが口コミなども調べてくれて、
「これ良さそうですよ」
と選んでくれた。
「それにするよ」
本当に嬉しそうにするなあ。
鍋や包丁、まな板なども取り扱っているそうで、そっちも選んでもらった。
「一絃さん、鍋はゆで卵しか作らないんですか?」
それだけなら小さいのでいいみたいだが、他にも作るとなると大きさ違いであった方がいいらしい。
そんなに使えるかな。
「俺、全然料理できないんだ」
「知ってます、俺、少しならできますよ」
「そうなのか?」
「はい、ゆで卵教えますよ」
鍋を大きさ違いの大小とまな板と包丁、フライパンも買った。
「目玉焼き作れますよ」
ゆで卵に飽きたら目玉焼きにすればいいか。
家電量販店で大体揃った。
「助かったよ、ありがとう由尭くん」
「いえ、楽しかったです」
家電見るの楽しいもんだな。
「帰りにスーパーとか寄りましょうか」
「スーパー?」
「せっかく炊飯器や鍋を買ったのに米や卵、食材がないです。ついでに食器もないです」
「ああ、そうか」
ふふっ
「なんだ?」
「一絃さん、何もわからなくて子どもみたい」
「それ言うなよ、自分でも呆れてるよ」
「かわいい」
「かわいいも言うな」
「だってすごくかわいい」
助手席から頬にキスしてくる。
「やめろ! 運転中だぞ!」
「抵抗できない一絃さん、かわいい」
「やめろって!」
インテリアや家具や食器などを扱ってる大型店に行き、食器を買う。
家にあるのはマグカップ、グラス、皿が2枚くらいだ。
「まずは茶碗ですね、お椀はどうします?味噌汁とか飲みますか?」
味噌汁!
「味噌汁は俺でも作れるか?」
「出汁を取るのは難しいと思いますけど、出汁入りの味噌とかもあるから作れると思います」
「それなら作ってみたい」
「じゃあ買いましょう」
「うん」
「あとは皿を何種類かと少し深めのも欲しいですね」
「深いのは何に使うんだ?」
「カレーとかパスタに使えますよ」
「作れないよ」
「それじゃ今回はやめておいて、必要なら後で買い足しましょう」
「そうする」
最初からあれこれ買いすぎても使いこなせない。
「箸も割り箸じゃなくてちゃんとしたの買います」
「うん」
それぞれ選んでカゴに入れる。
「全部一つずつでいいですか?」
「そうだな」
由尭くんが少し寂しそうな顔をした。
あ……
由尭くんの分も買うべきか?
かつて恋人がいた時に、付き合い始めの情熱的に盛り上がった勢いで、揃いのマグカップやアクセサリーなどを買ったりしていた。
別れた時にその処分に困ることが多々あった。
二つ揃って一組になってるものは、両方満たされることを望んでる。
関係は消えてしまったのに、愛した証拠だけが残ることに苦しんだ。
そこからの学びで揃いのものは買わないと決めた。
相手のことが好きだからこそ、最後を想像するのが嫌でそうしていたのだが、そんなことを最初から考えて付き合っていることも嫌だなと感じていた。
年齢を重ねるごとに、愛すること、それすらも怖いと思うようになっていて、気持ちの足枷にもなった。
詳しくは話していないが、揃いのものを買いたいと言った由尭くんに、それとなく伝えたことはあった。
自分でブレーキを踏むことで、気持ちを制御する。
そうすることでしか自分を守る術がわからなかった。
彼を解放する道筋を残すことが大人の責務だと思ったんだ。
俺が困っていることを察したのか、
「他に買い忘れはないですか? 無ければ次はスーパーに行きますよ」
と由尭くんはカゴを持って歩いていく。
ごめん、君を傷つけて。
弱くて、ごめん。
スーパーでは米と卵、味噌や調味料などいろいろ買った。
味噌汁は出汁入り味噌と味噌汁の具という乾燥したものを入れるだけでできるらしいので、それで作ってみることにする。
おにぎりの具はどうしたらいいんだろう。
そもそもおにぎりの握り方を知らない。
手で丸めればいいのか?
丸めるは握るとは言わないか。
そんなことをブツブツ言っていたら、由尭くんがいいものを持ってきた。
「一絃さん、これならできますよ!」
三角形のプラスチックケース。
「これにご飯を入れて上から蓋をするとギュッと押されておにぎりになります」
おおっ!
「これならできるな」
「そうですね、買いましょうか」
「買う」
おにぎりの具は鮭の身をほぐした瓶詰めと梅干しと昆布の佃煮を買った。
「チョイスが渋い……」
「いいだろ」
「渋い……」
「うるさい。おかかってどうやって作るんだ?」
「鰹節に醤油をほんのちょっとだけ混ぜればできますよ」
「それも欲しい」
「じゃあ鰹節を買いましょうか」
それと海苔も買った。
会計する。
え!? なんでこんなに高いんだ?
あ、これか。
米が高いとかなんとかみんなが騒いでた。
本当に高いんだな、これは困るな。
「結構しますよね」
「自炊も大変だな」
「もし、知り合いにあったら偶然を装いましょう」
と言ってくれた。
すまないと思う。
大っぴらにしたくないと俺が言ったせいでしなくていい我慢を強いていることに。
「嫌な思いをさせてすまない」
と謝ると、
「俺がそれでいいと望んだことです」
そう言ってくれる由尭くんの優しさに甘えてしまう。
炊飯器は持ち帰ることができるみたいなので車で行くことにした。
「俺も一人暮らしした時のためによく見ておこう」
と真剣に選んでくれる。
「あまり高機能じゃなくていいぞ。使いこなせないから簡単なのがいい」
「わかりました」
由尭くんは俺の希望を聞いて店員さんに相談する。
いくつか選んでくれたものの中から、由尭くんが口コミなども調べてくれて、
「これ良さそうですよ」
と選んでくれた。
「それにするよ」
本当に嬉しそうにするなあ。
鍋や包丁、まな板なども取り扱っているそうで、そっちも選んでもらった。
「一絃さん、鍋はゆで卵しか作らないんですか?」
それだけなら小さいのでいいみたいだが、他にも作るとなると大きさ違いであった方がいいらしい。
そんなに使えるかな。
「俺、全然料理できないんだ」
「知ってます、俺、少しならできますよ」
「そうなのか?」
「はい、ゆで卵教えますよ」
鍋を大きさ違いの大小とまな板と包丁、フライパンも買った。
「目玉焼き作れますよ」
ゆで卵に飽きたら目玉焼きにすればいいか。
家電量販店で大体揃った。
「助かったよ、ありがとう由尭くん」
「いえ、楽しかったです」
家電見るの楽しいもんだな。
「帰りにスーパーとか寄りましょうか」
「スーパー?」
「せっかく炊飯器や鍋を買ったのに米や卵、食材がないです。ついでに食器もないです」
「ああ、そうか」
ふふっ
「なんだ?」
「一絃さん、何もわからなくて子どもみたい」
「それ言うなよ、自分でも呆れてるよ」
「かわいい」
「かわいいも言うな」
「だってすごくかわいい」
助手席から頬にキスしてくる。
「やめろ! 運転中だぞ!」
「抵抗できない一絃さん、かわいい」
「やめろって!」
インテリアや家具や食器などを扱ってる大型店に行き、食器を買う。
家にあるのはマグカップ、グラス、皿が2枚くらいだ。
「まずは茶碗ですね、お椀はどうします?味噌汁とか飲みますか?」
味噌汁!
「味噌汁は俺でも作れるか?」
「出汁を取るのは難しいと思いますけど、出汁入りの味噌とかもあるから作れると思います」
「それなら作ってみたい」
「じゃあ買いましょう」
「うん」
「あとは皿を何種類かと少し深めのも欲しいですね」
「深いのは何に使うんだ?」
「カレーとかパスタに使えますよ」
「作れないよ」
「それじゃ今回はやめておいて、必要なら後で買い足しましょう」
「そうする」
最初からあれこれ買いすぎても使いこなせない。
「箸も割り箸じゃなくてちゃんとしたの買います」
「うん」
それぞれ選んでカゴに入れる。
「全部一つずつでいいですか?」
「そうだな」
由尭くんが少し寂しそうな顔をした。
あ……
由尭くんの分も買うべきか?
かつて恋人がいた時に、付き合い始めの情熱的に盛り上がった勢いで、揃いのマグカップやアクセサリーなどを買ったりしていた。
別れた時にその処分に困ることが多々あった。
二つ揃って一組になってるものは、両方満たされることを望んでる。
関係は消えてしまったのに、愛した証拠だけが残ることに苦しんだ。
そこからの学びで揃いのものは買わないと決めた。
相手のことが好きだからこそ、最後を想像するのが嫌でそうしていたのだが、そんなことを最初から考えて付き合っていることも嫌だなと感じていた。
年齢を重ねるごとに、愛すること、それすらも怖いと思うようになっていて、気持ちの足枷にもなった。
詳しくは話していないが、揃いのものを買いたいと言った由尭くんに、それとなく伝えたことはあった。
自分でブレーキを踏むことで、気持ちを制御する。
そうすることでしか自分を守る術がわからなかった。
彼を解放する道筋を残すことが大人の責務だと思ったんだ。
俺が困っていることを察したのか、
「他に買い忘れはないですか? 無ければ次はスーパーに行きますよ」
と由尭くんはカゴを持って歩いていく。
ごめん、君を傷つけて。
弱くて、ごめん。
スーパーでは米と卵、味噌や調味料などいろいろ買った。
味噌汁は出汁入り味噌と味噌汁の具という乾燥したものを入れるだけでできるらしいので、それで作ってみることにする。
おにぎりの具はどうしたらいいんだろう。
そもそもおにぎりの握り方を知らない。
手で丸めればいいのか?
丸めるは握るとは言わないか。
そんなことをブツブツ言っていたら、由尭くんがいいものを持ってきた。
「一絃さん、これならできますよ!」
三角形のプラスチックケース。
「これにご飯を入れて上から蓋をするとギュッと押されておにぎりになります」
おおっ!
「これならできるな」
「そうですね、買いましょうか」
「買う」
おにぎりの具は鮭の身をほぐした瓶詰めと梅干しと昆布の佃煮を買った。
「チョイスが渋い……」
「いいだろ」
「渋い……」
「うるさい。おかかってどうやって作るんだ?」
「鰹節に醤油をほんのちょっとだけ混ぜればできますよ」
「それも欲しい」
「じゃあ鰹節を買いましょうか」
それと海苔も買った。
会計する。
え!? なんでこんなに高いんだ?
あ、これか。
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