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24話 事件発生!? ドラゴンの巣に人間が? しかも子供ドラゴンと?(辺境伯3男アルディス視点)
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「いつも通り来たはずだが、到着は中途半端な時間になりそうだな」
「そうね。まぁでも、夕方前だから大丈夫でしょう。夜遅くに到着じゃ、向こうにも迷惑がかかってしまうけれど」
「1度夜中に着いたら、子供達が寝ているのに、こんな時間にドタバタと到着して、時間を考えなさいと怒られたからな」
「あれはあなたが悪いわよ。私も静かにと言ったのに、あなたはそれを聞かずに、ドタバタと騒々しく渓谷に降りて行ったんだから。しかも大声でドラゴンたちを呼んで。怒られるのは当たり前よ」
屋敷を出て3日目。これといって問題は起きなかったのものの、何故か予定よりも数時間遅く着いてしまい。それでも夕方前には着くことができそうです。ドラゴンたちに怒られることはないはずだ。父上が何もしなければ、だが。
今の父上と母上の会話じゃないけれど、あの時はもの凄い勢いで怒られて、まだ小さかった私は、あまりの怖さに泣いてしまったくらいだ。
まぁ、今回はフェリシアがもいる。怒られることがあっても、あれほど怒られることはないと思うが。あそこのドラゴンたちはフェリシアが大好きすぎて、怒る姿を見せたくないはずだからな。
「アクウェル、さっきからずっと黙っているけど、どうしたの?」
『……』
「アクウェル?」
父上たちの会話を聞いている時だった。私の隣を飛んでいるフェリシアが、フェリシアの契約ドラゴン、アクウェルに話しかけたのだが、アクウェルからの返答がない。私は気になり、フェリシアたちに近づく。
「フェリシアどうした?」
「先ほどから、アクウェルが何も話してくれなくて」
「アクウェル、どうかしたのか?」
『……』
私が話しかけても、何の返事をも返さないアクウェル。と、ここで父上の、
「もうすぐ渓谷が見えてくるぞ」
の声に前を見た、その時だった。
『おい、全員気づいているだろう』
そうアクウェルが、他のドラゴンへ声をかけたんだ。それにすぐに反応するドラゴンたち。
『ああ、少し前から微かに気配を感じていたが、これは間違いないようだな』
『そうね、間違いないわね』
『勘違いじゃなかったな』
『お前、本当に気づいていたのか?』
『気づいてた』
「……何だ? 父上、母上」
「ええ、あなたたち、何の気配が間違いないの? 何か危険があるのなら言ってもらわないと。でもドラゴンの巣で、そうそう危険はないわよね。一体何に気づいたの?」
「ティアも、その何かに気づいているのか?」
私も自分のパートナーのノクティアに聞いてみる。
『うん。だからちょっとビックリ』
「ビックリ?」
『おい』
私が聞き返したところで、アクウェルが代表して話し始める。
『渓谷近くで、俺たちの縄張りで、人の気配がするぞ。しかも他のドラゴンたちと、子ドラゴンたちと一緒に、渓谷へ移動している』
「何だと?」
その言葉に、つい先ほどまで普通に飛んでいた家族全員の表情が、一気に険しくなる。
「それは本当か?」
父上が自分のパートナーのインフェリオ に聞くと、インフェリオ も大きく頷いた。
「嫌だわ。どうして早く言わないのよ。ドラゴンたちの縄張りで、バカなことをする人間はいないはずだけれど、でも完全にいないとは限らないのよ。しかも子供たちと一緒にいるだなんて、子供たちの様子は? 早く子供たちの所へ行かないと」
『オリヴィア、大丈夫よ。襲われているわけではないみたい。暴れている様子もないし、魔力の乱れもない。それにゆっくり穏やかに、渓谷に向かって飛んでいるわ』
「あら、そうなの?」
『一応聞くが、我々以外の者が巣を訪れる予定は?』
「いや、ここは我々以外の立ち入りを許さない。入るには国の許可と、さらに俺の許可が必要だ。それもなく森に踏み込むなど。大体ここにいるドラゴンたちは、他所のドラゴンより格段に強い者が多い。そんな彼らの縄張りに入るのは、自殺行為も良いとこだ」
「それが子供たちが慌てずに、一緒に行動しているなんて、一体誰が……。ラナ、さすがにその人間が、どんな人間かまでは分からないわよね?」
母上が自分のパートナーのアルトラナに聞く。
『ええ、そこまでは』
「ならば父上、母上、早くその子供ドラゴンと、正体不明の人間の所へ向かえば良いではないですか!」
「そうだな。それでもしも何か問題が起きているのならば、さっさと我々が解決すればいい!」
兄上と姉上の言葉に頷く父上。
「よし、騎士隊長に他の者たちのことは任せ、我々はその子供ドラゴンたちと人間の元へ向かう。フェリシアも他の騎士たちと共にいるように」
「はい」
すぐに騎士団長を呼び、簡単に話しを済ませると、フェリシアは団長と共にドラゴン騎士たちのもとへ。そして父上、母上、兄上と姉上、そして私は現場へ向かうことになった。
「行くぞ!!」
しかし……、こちらが気づいたくらいだ。ここにいるドラゴンたちが気づかないわけがない。そのドラゴンたちが誰も、子供たちの所へ行かない? それは何故なのか。一体何が起きているのか。早く子供たちのことへ向かわなければ。
「そうね。まぁでも、夕方前だから大丈夫でしょう。夜遅くに到着じゃ、向こうにも迷惑がかかってしまうけれど」
「1度夜中に着いたら、子供達が寝ているのに、こんな時間にドタバタと到着して、時間を考えなさいと怒られたからな」
「あれはあなたが悪いわよ。私も静かにと言ったのに、あなたはそれを聞かずに、ドタバタと騒々しく渓谷に降りて行ったんだから。しかも大声でドラゴンたちを呼んで。怒られるのは当たり前よ」
屋敷を出て3日目。これといって問題は起きなかったのものの、何故か予定よりも数時間遅く着いてしまい。それでも夕方前には着くことができそうです。ドラゴンたちに怒られることはないはずだ。父上が何もしなければ、だが。
今の父上と母上の会話じゃないけれど、あの時はもの凄い勢いで怒られて、まだ小さかった私は、あまりの怖さに泣いてしまったくらいだ。
まぁ、今回はフェリシアがもいる。怒られることがあっても、あれほど怒られることはないと思うが。あそこのドラゴンたちはフェリシアが大好きすぎて、怒る姿を見せたくないはずだからな。
「アクウェル、さっきからずっと黙っているけど、どうしたの?」
『……』
「アクウェル?」
父上たちの会話を聞いている時だった。私の隣を飛んでいるフェリシアが、フェリシアの契約ドラゴン、アクウェルに話しかけたのだが、アクウェルからの返答がない。私は気になり、フェリシアたちに近づく。
「フェリシアどうした?」
「先ほどから、アクウェルが何も話してくれなくて」
「アクウェル、どうかしたのか?」
『……』
私が話しかけても、何の返事をも返さないアクウェル。と、ここで父上の、
「もうすぐ渓谷が見えてくるぞ」
の声に前を見た、その時だった。
『おい、全員気づいているだろう』
そうアクウェルが、他のドラゴンへ声をかけたんだ。それにすぐに反応するドラゴンたち。
『ああ、少し前から微かに気配を感じていたが、これは間違いないようだな』
『そうね、間違いないわね』
『勘違いじゃなかったな』
『お前、本当に気づいていたのか?』
『気づいてた』
「……何だ? 父上、母上」
「ええ、あなたたち、何の気配が間違いないの? 何か危険があるのなら言ってもらわないと。でもドラゴンの巣で、そうそう危険はないわよね。一体何に気づいたの?」
「ティアも、その何かに気づいているのか?」
私も自分のパートナーのノクティアに聞いてみる。
『うん。だからちょっとビックリ』
「ビックリ?」
『おい』
私が聞き返したところで、アクウェルが代表して話し始める。
『渓谷近くで、俺たちの縄張りで、人の気配がするぞ。しかも他のドラゴンたちと、子ドラゴンたちと一緒に、渓谷へ移動している』
「何だと?」
その言葉に、つい先ほどまで普通に飛んでいた家族全員の表情が、一気に険しくなる。
「それは本当か?」
父上が自分のパートナーのインフェリオ に聞くと、インフェリオ も大きく頷いた。
「嫌だわ。どうして早く言わないのよ。ドラゴンたちの縄張りで、バカなことをする人間はいないはずだけれど、でも完全にいないとは限らないのよ。しかも子供たちと一緒にいるだなんて、子供たちの様子は? 早く子供たちの所へ行かないと」
『オリヴィア、大丈夫よ。襲われているわけではないみたい。暴れている様子もないし、魔力の乱れもない。それにゆっくり穏やかに、渓谷に向かって飛んでいるわ』
「あら、そうなの?」
『一応聞くが、我々以外の者が巣を訪れる予定は?』
「いや、ここは我々以外の立ち入りを許さない。入るには国の許可と、さらに俺の許可が必要だ。それもなく森に踏み込むなど。大体ここにいるドラゴンたちは、他所のドラゴンより格段に強い者が多い。そんな彼らの縄張りに入るのは、自殺行為も良いとこだ」
「それが子供たちが慌てずに、一緒に行動しているなんて、一体誰が……。ラナ、さすがにその人間が、どんな人間かまでは分からないわよね?」
母上が自分のパートナーのアルトラナに聞く。
『ええ、そこまでは』
「ならば父上、母上、早くその子供ドラゴンと、正体不明の人間の所へ向かえば良いではないですか!」
「そうだな。それでもしも何か問題が起きているのならば、さっさと我々が解決すればいい!」
兄上と姉上の言葉に頷く父上。
「よし、騎士隊長に他の者たちのことは任せ、我々はその子供ドラゴンたちと人間の元へ向かう。フェリシアも他の騎士たちと共にいるように」
「はい」
すぐに騎士団長を呼び、簡単に話しを済ませると、フェリシアは団長と共にドラゴン騎士たちのもとへ。そして父上、母上、兄上と姉上、そして私は現場へ向かうことになった。
「行くぞ!!」
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