ドラゴンともふ魔獣に懐かれて〜転生幼女は最強ドラゴン騎士家族と幸せに暮らします〜

ありぽん

文字の大きさ
28 / 62

28話 子供ドラゴンの約束とタジタジな大人たち

しおりを挟む
「あー、であるからして……」

『しかしながら……』

『なぁ、なんか2人とも様子がおかしくないか?』

『ああ、だよな。話し方がぎこちないって言うか』

『こう、言葉が途切れるっていうか』

「なぁ、グレイオル様、おかしくないか?」

「おかしいってその言い方ちょっとな」

「じゃあ、変じゃないかって? どう言ったって、別の意味にも取られそうじゃないか。それよりも、話し方がおかしいって話しだよ」

「まぁな。いつもの力強さを感じないよな」

「来る時の挨拶はいつも通りだったのに」

「それに、何で困った顔をしながら話しをしているんだ?」

 今回、良縁の儀に参加しない騎士とドラゴンたちから、こんな会話が聞こえてくる。前に立つ参加者の騎士やドラゴンたち、それから辺境伯一家には、ヒソヒソ声だから届いていないと思うけど。

 でもまぁ、聞こえていようがいまいが、どちらにしても参加する騎士やドラゴンたちも、あれがおかしいとは思っているだろうね。

 ちなみに、斜め後ろで待機している子供ドラゴンたちや私たちには、しっかり聞こえているよ。

 そうして、その話しを聞いて、小さな声で話し始める子供ドラゴンたち。

『ちゃんとお約束守ってくれるかな?』

『ね、お約束はお約束だもんね』

『なぁなぁ、何でみんなこそこそお話ししてるんだ? それにお話ししてるガオポヨパパとおじさん、みんながこそこそ話してる通り、ちょっとおかしいよな』

『あのね、私たちガオポヨパパとおじさんと、大切な約束をしたのよ』

『大切な約束?』

『いつもさ、挨拶長いじゃん。あとは話しとか説明とか。その話しを遊んで帰ってくる時に……』

 少し前にあった出来事を、今日遊んでいたメンバーがみんなに話し始める。途中で辺境伯一家と会ったところらね。まぁ、最初の方は簡単にかな。

 そうして数分もしないで、いよいよ問題の部分、挨拶が長い問題の話しに。結局帰ってくるまで、ずっと挨拶について文句を言い続けた子供ドラゴンたち。

 広場に着いてからは、良縁の儀の開会の式が始まるまで、一旦自由行動だったんだけれど。みんな解散しないで、まさかのグレイオル様とお父さんドラゴンに、挨拶について提言し始めて。

『ねぇ、やっぱり長い挨拶、いらないと思うんだ』

『みんな良縁の儀、時間がかかるでしょう? だから早く始めた方が良いし』

『私たちも飽きちゃうし、お話し楽しくないし』

『よくない事は直していきましょうって、先生がいつも言ってる』

 この先生は、本当に先生ね。もちろん子供ドラゴンたちは両親に、たくさんのことを習うよ。でもそれだけじゃ足りないって、細かくいろいろと教えてくれる、先生ドラゴンがいるんだ。

 その先生がね、これまでは良いと思っていたことが、今になって本当はダメだったと気づいたり、逆にダメと思っていたものが良かったりと、変わることがあります。

 そういう時は、皆の楽しいがいっぱいになるように、どんどん直していきましょう。そしてもしまたダメだったとしても次も直して、良いものを増やしていくことが大切です。って子供ドラゴンたちに教えていて。

 その話しを、子供ドラゴンたちはお父さんドラゴンとグレイオル様に、言い始めたんだ。

『挨拶、みんな困ってる。困るはダメってこと、悪いってこと』

『だから直した方が良い』

『ボクたちが考えたやつ。こんにちは、これはからパートナー探しスタート!! で良いと思う』

『今日から直してみようよ。そうしたらみんな、良いって言ってくれるはず』

『絶対に良いって言ってくれるよ。それでみんなパートナー探しの時間が長くなるし、ボクたちは飽きてダラダラにならない』

『それに、すぐご飯が食べられるでしょう?』

『だから今日から、こんにちは、これはからパートナー探しスタート!! にしよう!!』

 その話しを聞いた時の大人組といったら。お父さんドラゴンとグレイオル様は、汗をかきながら、なんとも言えない困った表情をしているし。お母さんドラゴンたちとオリヴィア様は笑いを堪えているし。

 ヴァルガン様とアデリーヌ様は笑いを堪えきれず、お母さんドラゴンとオリヴィア様に。離れた場所で笑いなさい、みんな真剣に話しているのよ、と自分たちのことは棚に上げ、その場から退場させ。

 アルディス様はスンって顔で、フェリシア様はニッコリ微笑んでいたよ。2人のこの感情はいまいち分からなかったけど……。

 ただ。その様子がパートナードラゴンたちも同じでね。パートナーって相性が良いって聞いていたでしょう? なんとも言えない話をしている最中だったけど、こういう時の様子もそっくりなんだなぁって、なんか感心しちゃったよね。

 と、こんな提言をした子供ドラゴンたち。みんなの素直な気持ちに、お父さんドラゴンたちはタジタジ。そこで助け舟を出したのが、お母さんドラゴンとオリヴィア様。

 今までは確かに長すぎたかもしれないわね。今日からは少し短くしてみましょう。それでダメなら、そう、また直せば良いのよ。そうね試しに今回は、これくらいの時間にしたらそうかしら、と。15分以内で終わらせるってことを決めてくれたの。

 子供たちに言われて、反論することができなかったお父さんドラゴンとグレイオル様は、それを了承するしかなく。
 でも急だったから、騎士やドラゴンたちが言っていたような、変な挨拶になっちゃってるんだよ。そしてその約束を守るかどうか、子供ドラゴンたちは確認中。

『凄いね!! そんな約束したんだ!!l』

『じゃあ、約束通りなら、あと少しで終わりってことだよね?』

『みんなでちゃんと確認しなくちゃ!』

『お約束は大切!!』

『みんな、集中だよ!!』

 きっと初めて、こんなに真剣に話しを聞かれているんだろうなぁ、なんてのんびりと考えていた私。ただ、私たちはこの時気づいていなかったんだけど、周りではくすくすと、笑いが起こっていたらしい。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です

氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。 英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました

朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。 魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。 でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。

獅子王の運命の番は、捨てられた猫獣人の私でした

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:女性HOT3位!】 狼獣人のエリート騎士団長ガロウと番になり、幸せの絶頂だった猫獣人のミミ。しかしある日、ガロウは「真の番が見つかった」と美しい貴族令嬢を連れ帰り、「地味なお前はもう用済みだ」とミミを一方的に追い出してしまう。 家族にも見放され、王都の片隅の食堂で働くミミの前に現れたのは、お忍びで街を訪れていた最強の獣人王・レオンハルトだった。 彼は一目でミミが、数百年ぶりの『運命の番』であることを見抜く。心の傷を負ったミミを、王は包み込むように、そして激しく溺愛していく――。 「もう誰にもお前を傷つけさせない」 一方、ミミを捨てた元夫は後悔の日々を送っていた。そんな彼の元に、次期王妃の披露パーティーの招待状が届く。そこで彼が目にしたのは、獅子王の隣で誰よりも美しく輝く、ミミの姿だった――。 これは、不遇な少女が本当の愛を見つけ、最高に幸せになるまでの逆転溺愛ストーリー。 ※気を抜くと読点だらけになることがあるので、読みづらさを感じたら教えてくれるとうれしいです。 祝:女性HOT69位!(2025年8月25日4時05分) →27位へ!(8/25 19:21)→11位へ!(8/26 22:38)→6位へ!(8月27日 20:01)→3位へ!(8月28日 2:35)

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~

うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」 探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。 探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼! 単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。 そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。 小さな彼女には秘密があった。 彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。 魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。 そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。 たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。 実は彼女は人間ではなく――その正体は。 チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。

希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。 手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。 「このまま死ぬのかな……」 そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。 ​そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。 試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。 ​「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」 ​スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。 たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。 ※本作は小説家になろうでも投稿しています。

処理中です...